社労士

社労士の正式名称は?読み方と略称、名乗れる条件を条文で確認

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

社労士の正式名称は「社会保険労務士」で、読み方は「しゃかいほけんろうむし」です。略称「社労士」が条文に書かれていること、名称独占(第26条)と業務独占(第27条)の違い、登録前に名乗れない理由を社労士法で整理します。

目次
  1. 社労士の正式名称は「社会保険労務士」
  2. 読み方は「しゃかいほけんろうむし」
  3. 「社労士」は略称として条文に書かれている
  4. 名称独占と業務独占:第26条と第27条は別の規定
  5. 名乗れるのは登録を受けてから:履歴書・名刺で迷うとき
  6. 紛らわしい名称:社労士法人・社労士会・特定社会保険労務士
  7. この論点の問題と次の一歩
  8. まとめ
結論:社労士の正式名称は「社会保険労務士」で、読み方は「しゃかいほけんろうむし」です。「社労士」は、その略称として社労士法第26条に書かれています。この名称を使えるのは、社労士名簿に登録を受けた人だけです(第14条の2第1項・第26条第1項)。試験に合格しただけでは名乗れません。

この記事は、社会保険労務士法(e-Gov 法令検索)の条文と、厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会(連合会)の公表資料だけで、名称・読み方・名乗れる条件を整理します。条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-04 時点の現行条文):社会保険労務士法。

呼び方何を指すか条文・出典
社会保険労務士法律上の職名(正式名称)社労士法第1条・第2条・第14条の2
社労士社会保険労務士の略称。名称として条文に明記されている社労士法第26条第1項
社会保険労務士法法律名。e-Gov の略称は「社労士法」e-Gov 法令検索
社会保険労務士法人/社労士法人社労士が設立する法人の名称社労士法第26条第2項
社会保険労務士会/連合会都道府県の社労士会と全国の連合会社労士法第26条第3項
特定社会保険労務士紛争解決手続代理業務の付記を受けた社労士社労士法第2条第2項

社労士の正式名称は「社会保険労務士」

社労士法は、第1条で「社会保険労務士は、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて…使命とする」と書き始め、第2条で「社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする」と業務を定めています。条文の主語はいずれも「社会保険労務士」で、これが法律上の職名(正式名称)です。

試験の名前も同じで、厚生労働省の合格者発表は「社会保険労務士試験は、社会保険労務士法第10条の規定に基づいて、実施するものです」と書いています(第58回社会保険労務士試験の合格者発表・令和8年10月1日)。

読み方は「しゃかいほけんろうむし」

e-Gov 法令検索が公表している法令データには、法令名の読み仮名として「しゃかいほけんろうむしほう」が登録されています。法令名から「ほう」を除いた「しゃかいほけんろうむし」が、正式名称の読み方です。

略称の「社労士」は、通例「しゃろうし」と読まれます。ただし、この読み仮名を示した公式の資料は、連合会・社会保険労務士試験センターの公式ページには載っていません(2026-10-04 時点)。e-Gov の法令データでも、略称として登録されているのは「社労士法」という漢字表記だけです。

「社労士」は略称として条文に書かれている

第26条第1項は、次のように定めています。

社会保険労務士でない者は、社会保険労務士又は社労士その他の社会保険労務士に類似する名称を用いてはならない。

この条文では、「社会保険労務士」と並べて「社労士」が書かれています。つまり「社労士」は、法律が名称として明記している略称です。同じ第26条は、第2項で「社会保険労務士法人」「社労士法人」、第3項で「社会保険労務士会」「全国社会保険労務士会連合会」「社労士会」「全国社労士会連合会」についても、それぞれ該当しない者が用いることを禁じています。

連合会も、自らの公式サイトで「社労士」を略称として使っています(出典:全国社会保険労務士会連合会)。

最初の1問として使える問題(論点別問題):

名称独占と業務独占:第26条と第27条は別の規定

社労士に関する独占には、2つあります。

名称独占業務独占
条文第26条第27条
禁じていること社会保険労務士でない者が、「社会保険労務士」「社労士」などの名称を用いること社会保険労務士・社会保険労務士法人でない者が、報酬を得て、第2条第1項の1号から2号までの事務を業として行うこと
対象の事務事務の種類に関係なく、名称そのものが対象1号(労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成など)・2号(帳簿書類の作成)。3号(相談・指導)は条文の対象に入っていない
違反したとき百万円以下の罰金(第33条第3号)一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(第32条の2第1項第6号)

第27条には、ただし書があります。「他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない」とあり、この2つの場合は制限の対象外です。

第27条の対象に3号が入っていないことは、「3号の相談・指導なら、社労士でなくても『社労士』と名乗ってよい」という意味ではありません。名称は第26条が別に制限しているためです。業務の線引きの詳細は、社労士の仕事内容で解説しています。

名乗れるのは登録を受けてから:履歴書・名刺で迷うとき

第26条第1項が禁じているのは、「社会保険労務士でない者」が名称を用いることです。そして、社会保険労務士になるには、社会保険労務士名簿に登録を受けなければなりません(第14条の2第1項)。厚生労働省の合格者発表も、合格者は「社会保険労務士名簿に登録することによって、社会保険労務士となることができます」と書いています。

条文を組み合わせると、次のように整理できます。

状況第26条第1項の関係
社労士名簿に登録を受けた「社会保険労務士」「社労士」の名称を用いてよい(名乗ることを禁じられる「でない者」に当たらない)
試験に合格したが、登録していない「社会保険労務士」「社労士」などの名称を用いてはならない
社労士の事務所・法人の名称を考えている「社会保険労務士法人」「社労士法人」は、社会保険労務士法人でない者は用いてはならない(第26条第2項)

社労士法には、履歴書や名刺で合格の事実をどう書くかを定めた条文はありません。登録前に「合格したこと」を書く場合の言い回しで迷うときは、入会予定の都道府県社会保険労務士会に確認するのが確実です。登録の流れと、合格証書・社労士証票との違いは、社労士合格証とはで整理しています。

社労士の登録者数:令和8年8月31日現在、社会保険労務士登録者数は47,407人。最終確認日:2026-10-04。出典:厚生労働省 第58回社会保険労務士試験の合格者発表。

紛らわしい名称:社労士法人・社労士会・特定社会保険労務士

名称が似ていて混同されやすいものを、条文で整理します。

  • 社会保険労務士法人:社労士が設立する法人の名称です。第26条第2項は、法人でない者が「社会保険労務士法人」「社労士法人」などの名称を用いることを禁じています。
  • 社会保険労務士会・全国社会保険労務士会連合会:登録した社労士が所属する団体です。連合会の案内では、社労士は登録を受けたとき、都道府県の社会保険労務士会の会員になります。第26条第3項は、これらの団体でない団体が類似の名称を用いることを禁じています。
  • 特定社会保険労務士:第2条第2項は、紛争解決手続代理業務を、紛争解決手続代理業務試験に合格し、第14条の11の3第1項の付記を受けた社会保険労務士(特定社会保険労務士)に限って行えるとしています。登録のあとに受ける別の資格です。詳しくは特定社会保険労務士とはで解説しています。

この論点の問題と次の一歩

社労士法の論点は、社会保険に関する一般常識(社一)に収録しています。

まとめ

  • 正式名称は「社会保険労務士」、読み方は「しゃかいほけんろうむし」(e-Gov の法令名の読み仮名による)
  • 「社労士」は略称として社労士法第26条第1項に明記されている。略称の読み仮名は、連合会・社会保険労務士試験センターの公式ページに載っていない(2026-10-04 時点)
  • 名称独占は第26条、業務独占は第27条(1号・2号)。別の規定で、対象も罰則も違う
  • 名乗れるのは、名簿に登録を受けた人。試験合格だけでは「社会保険労務士」「社労士」と名乗れない
  • 履歴書・名刺の書き方を定めた条文はない。迷うときは入会予定の都道府県社労士会へ確認する

よくある質問

Q「社労士」は正式名称ではないのですか?

法律上の職名は「社会保険労務士」です。ただし社労士法第26条は、「社会保険労務士でない者は、社会保険労務士又は社労士その他の社会保険労務士に類似する名称を用いてはならない」と定めていて、略称の「社労士」も保護される名称として条文に書かれています。「社労士」は通称ではなく、条文が名称として扱っている略称です。

Q社会保険労務士法人は、社労士個人と同じ名称ですか?

別の名称です。第26条第2項は、「社会保険労務士法人でない者は、社会保険労務士法人又は社労士法人その他の社会保険労務士法人に類似する名称を用いてはならない」と定めています。個人の「社会保険労務士」とは別に、法人の名称が保護されています。

Q社労士の資格を持っていることを、名刺や履歴書にどう書けばよいですか?

社労士法には、名刺や履歴書の書き方を定めた条文は見つかりませんでした。条文が決めているのは、社会保険労務士でない者(登録を受けていない者)が「社会保険労務士」「社労士」などの名称を用いてはならないことです(第26条第1項)。登録前に合格の事実をどう書くかで迷うときは、入会予定の都道府県社会保険労務士会に確認してください。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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