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社労士の仕事内容とは?社会保険労務士法2条の1号〜3号業務を条文で解説

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この記事でわかること

社労士の仕事内容を社会保険労務士法2条の1号〜3号業務に分けて解説。手続代行・帳簿書類の作成・相談指導の違い、独占業務の線(27条・施行令2条)、勤務と開業の登録区分、令和7年の法改正(使命規定・労務監査の明記)まで一次資料で整理します。

目次
  1. 社労士の仕事内容は3つ:社会保険労務士法2条1項の1号〜3号
  2. 手続代行・事務代理:1号〜1号の3の違い
  3. 帳簿書類の作成:2号業務は申請書等と別の仕事
  4. 相談・指導:3号業務と「監査」が条文に明記された
  5. 独占業務と非独占業務:27条・施行令2条・2条4項
  6. 紛争解決手続代理業務と補佐人:特定社労士・裁判所での関わり
  7. 勤務社労士と開業の違い:登録区分から見る業務の範囲
  8. 社労士の就職先・勤務先の種類:登録区分と条文から整理する
  9. 社労士AIは独占業務を代替する?法27条が線を引くもの
  10. 給与計算は社労士の独占業務か
  11. 人事・労務の仕事と社労士の違い
  12. 社労士の新卒・就職できないと言われる点:条文で確認できること
  13. 社労士法の構成と令和7年の改正で変わった点
  14. まとめ
  15. 関連記事
結論:社会保険労務士(社労士)の仕事は、社会保険労務士法第2条第1項が定める3種類です。①労働・社会保険の申請書等の作成、提出手続の代行、事務代理(1号〜1号の3)、②労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成(2号)、③労務管理や社会保険に関する相談・指導(3号)。このうち①と②は、社労士でない人が報酬を得て業として行うことが第27条で禁じられています。③は独占ではありません。令和7年の改正で、③の相談・指導に法令や就業規則などの遵守状況の監査が含まれることが条文に明記されました。

条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-03 時点の現行条文。2026年10月1日施行の版:社会保険労務士法)。業務の具体例は、全国社会保険労務士会連合会の公式ページを参考にしています。年収・所得については公的な一次資料がないため、この記事では扱いません。

区分条文仕事の中身社労士以外が報酬を得て業として行えるか
申請書等の作成2条1項1号労働社会保険諸法令に基づく申請書・届出書・報告書などを作るできない(27条)
提出手続の代行1号の2作成した申請書等の提出の手続を代わってするできない(27条)
事務代理1号の3申請等や行政機関の調査・処分に関する主張・陳述を代理するできない(27条)
紛争解決手続の代理1号の4〜1号の6あっせん・調停・指定ADRで当事者を代理するできない(27条)。特定社労士だけ(2条2項)
帳簿書類の作成2号労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作るできない(27条)
相談・指導3号労務管理・社会保険の相談に応じ、指導する(遵守状況の監査を含む)27条の対象外
補佐人2条の2裁判所で弁護士である代理人とともに出頭し陳述する社労士の業務として規定

合格ナビの社労士の論点別問題358問のうち、社労士法の業務区分・業務範囲を直接扱う問題は2問です(2026-10-03 集計。すべて当サイトのオリジナル問題で、本試験の出題数ではありません)。

社労士の仕事内容は3つ:社会保険労務士法2条1項の1号〜3号

社労士法第2条第1項は、社労士が「次の各号に掲げる事務を行うことを業とする」と定めています。仕事を理解する鍵は「労働社会保険諸法令」という言葉です。これは、同法の別表第一に掲げられた労働・社会保険の法令の総称で、労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、労働安全衛生法、最低賃金法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法などが入っています。社労士の仕事の対象は、この別表第一の法令に関する事務です。

全国社会保険労務士会連合会は、社労士の業務を「労働社会保険手続業務」「労務管理の相談指導業務」「年金相談業務」「紛争解決手続代理業務」「補佐人の業務」に分けて紹介しています(全国社会保険労務士会連合会「社労士とは」)。条文の号との対応を整理すると、次のとおりです(対応は当サイトの整理です)。

連合会の分類主に対応する条文
労働社会保険手続業務2条1項1号・1号の2・1号の3・2号
労務管理の相談指導業務2条1項3号
年金相談業務相談は3号、請求書などの作成・提出は1号・1号の2
紛争解決手続代理業務2条1項1号の4〜1号の6(特定社労士)
補佐人の業務2条の2

論点別問題で、業務区分を確認する:

手続代行・事務代理:1号〜1号の3の違い

1号から1号の3は、似た言葉が並んでいるため違いがわかりにくい部分です。条文の言い方を並べると、「作る」「出す」「代わりに主張する」の3段階に分けられます。

号条文の言い方手続のイメージ
1号労働社会保険諸法令に基づいて申請書等を作成すること届出書や申請書を作る
1号の2申請書等について、その提出に関する手続を代わってすること作った書類の提出手続を代わりに行う
1号の3申請等について、又は調査・処分に関し行政機関等に対してする主張・陳述について、代理すること(事務代理)行政機関に対する申請や、調査・処分に関する主張・陳述を代理する

1号の3の「申請等」と「主張・陳述」は、いずれも厚生労働省令で定める範囲に限られ、主張・陳述は厚生労働省令で定めるものを除きます。省令の中身はこの記事では扱いません。

連合会は、手続業務の具体例として「労働保険の年度更新事務及び申告手続代行」「社会保険の算定事務及び申請代行」「入社・退職・結婚・出産・介護・病気・けがの際に必要な社会保険(健康保険、厚生年金)、労働保険(雇用保険、労災保険)に関する手続・申請代行」を挙げています(全国社会保険労務士会連合会「労働社会保険手続業務」)。また、助成金の申請書の作成・提出も社労士の業務として案内しています(連合会「社労士にしかできない業務」)。

手続の対象になる法令を、科目別の問題で確認する:

帳簿書類の作成:2号業務は申請書等と別の仕事

2号は、「労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(…申請書等を除く。)を作成すること」です。行政機関に提出する申請書等(1号)と区別され、事業所に備え置く帳簿が対象になります。

具体例として、労働基準法第107条は使用者に労働者名簿の調製を、第108条は賃金台帳の調製を義務づけています。労働基準法は別表第一に掲げられた法令なので、これらの帳簿書類は2号の対象になると読めます(当サイトの条文の読みです)。連合会も、法定帳簿である労働者名簿と賃金台帳を社労士が適正に調製すると案内しています。

2号は1号と同様に第27条の対象で、社労士でない人が他人の求めに応じ報酬を得て業として行うことはできません。

相談・指導:3号業務と「監査」が条文に明記された

3号の原文は次のとおりです。

「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(これらの事項に係る法令並びに労働協約、就業規則及び労働契約の遵守の状況を監査することを含む。)。」(社会保険労務士法第2条第1項第3号)

連合会は、相談指導業務の例として「就業規則・賃金規程・退職金規程ほか各種規程・規則の作成、改訂・運用」「労使協定締結」「人事・賃金制度ほか各種社内制度設計及び運用」を挙げています(連合会「労務管理の相談指導業務」)。年金については、「年金制度に関する相談」「年金請求書、各種再交付申請書等の作成・提出」を年金相談業務として案内しています(連合会「年金相談業務」)。

3号は、第27条が禁じる範囲(第1号から第2号まで)に入っていません。つまり、労務管理の相談やコンサルティングそのものは、社労士でない人も行える分野と重なります。ただし「社労士」という名称は、社労士でない人が使えません(第26条第1項)。名称の使用制限に違反すると100万円以下の罰金です(第33条第3号)。

独占業務と非独占業務:27条・施行令2条・2条4項

独占業務の根拠は第27条です。

「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。」(社会保険労務士法第27条)

違反した場合は「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」です(第32条の2第1項第6号)。独占業務の線引きの全体像と「意味ない」と言われる理由は、社会保険労務士はやめとけ?独占業務の範囲と開業・勤務の会員数で整理しています。ここでは、あまり知られていない2つの条文を確認します。

条文内容
社労士法施行令第2条第27条ただし書の「政令で定める業務」は、公認会計士・外国公認会計士が行う公認会計士法第2条第2項の業務、税理士・税理士法人が行う税理士法第2条第1項の業務
社労士法第2条第4項第1項各号の事務には、その事務を行うことが他の法律で制限されている事務などは含まれない

つまり、「社労士にしかできない」のは、第27条の例外(他の法律に別段の定めがある場合、政令で定める業務に付随して行う場合)に当たらない場合です。税理士など他の資格との関係は社労士と税理士の違いで扱っています。

紛争解決手続代理業務と補佐人:特定社労士・裁判所での関わり

1号の4〜1号の6の紛争解決手続代理業務は、紛争解決手続代理業務試験に合格し、付記を受けた特定社会保険労務士に限り行えます(第2条第2項)。対象になる手続は、紛争調整委員会のあっせん、均等法などに基づく調停、都道府県労働委員会のあっせん、厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続(ADR)です。ADRは、紛争の目的の価額が120万円を超える場合、弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限られます。詳しい取得の流れは特定社会保険労務士とはにまとめています。

訴訟については、第2条の2が、社労士は裁判所で補佐人として、弁護士である代理人とともに出頭し、陳述できると定めています。令和7年の改正で、この条文の「訴訟代理人」が「代理人」に改められ、令和7年10月1日に施行されました(次の章)。

勤務社労士と開業の違い:登録区分から見る業務の範囲

社労士になるには、名簿に登録を受けます。登録の区分に応じて、業務の範囲が整理されています(第14条の2)。

区分条文内容
開業(他人の求めに応じ報酬を得て第2条の事務を業として行う)14条の2第2項事務所を定め、あらかじめ名簿に事務所の名称・所在地などの登録を受ける
勤務社会保険労務士14条の2第3項事業所に勤務して第2条の事務に従事する。名簿に勤務先の事業所の名称・所在地などの登録を受ける

どちらの区分でも、第15条(不正行為の指示等の禁止)、第16条(信用失墜行為の禁止)が適用されます。第15条は、不正に保険給付を受けることや保険料の賦課・徴収を免れることなど、労働社会保険諸法令に違反する行為について、指示や相談をすることを禁じています。

開業社労士・社労士法人の社員には、さらに第21条の守秘義務があります。業務に関して知り得た秘密を正当な理由なく漏らし、盗用してはならず、開業社労士や社労士法人の社員でなくなった後も同様です(違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金、告訴が必要・第32条の2第1項第2号・第2項)。

「仕事内容がきつい」「年収は」といった検索に、数字で答えることはできません。労働時間や所得を示す公的な統計が、この記事の出典にないためです。言えるのは、上のとおり、条文が社労士に求めている義務と範囲です。

社労士の就職先・勤務先の種類:登録区分と条文から整理する

「社労士の就職先」について、法律の側から言えるのは、どの形で名簿に登録するかまでです。就職先ごとの求人の数や採用の状況を示す公的な統計は、この記事の出典にないため、書きません。

働き方根拠条文・連合会の案内
事務所を定めて業務を行う(開業)第14条の2第2項他人の求めに応じ報酬を得て第2条の事務を業として行おうとする社労士は、事務所を定め、あらかじめ名簿に事務所の名称・所在地などの登録を受ける
社労士法人の社員第14条の2第2項同項は「社会保険労務士法人の社員となろうとする者を含む」と定めている
事業所に勤務する(勤務社労士)第14条の2第3項「事業所(社会保険労務士又は社会保険労務士法人の事務所を含む。…)に勤務し、第二条に規定する事務に従事する社会保険労務士」。名簿に勤務先の事業所の名称・所在地などを登録する
その他連合会の登録案内連合会の会員種別は、開業・勤務・社会保険労務士法人の社員のほかに「その他」を挙げ、入会先を自宅住所地の都道府県社労士会としている(全国社会保険労務士会連合会「社労士の登録申請について」)

勤務先は、条文では「事業所」です。かっこ書きで社労士・社労士法人の事務所も事業所に含まれるため、社労士事務所で働く場合も、企業などの事業所で第2条の事務に従事する場合も、同じ「勤務」の区分になります。勤務社労士にも、不正行為の指示等の禁止(第15条)と信用失墜行為の禁止(第16条)が適用され、第16条の2は事業所で従事する第2条の事務の適正かつ円滑な処理に努める責務を定めています。

区分ごとの会員数は社会保険労務士はやめとけ?独占業務の範囲と開業・勤務の会員数に、登録費用や開業・勤務の登録の違いは社労士の勤務・開業の登録に、登録すると交付される証票と会員徽章(バッジ)の位置づけは社労士バッジ・証票の違いにまとめています。

社労士AIは独占業務を代替する?法27条が線を引くもの

「社労士 AI」「AI社労士」「社労士 AI なくなる」で検索される疑問について、社労士が将来なくなるかどうかは、条文にも公的な資料にも書かれていないため、この記事では予測しません。確認できるのは、現行の社労士法が何を基準に線を引いているかです。

  • 第27条が禁じているのは、「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者」が、「他人の求めに応じ報酬を得て」、第2条第1項第1号から第2号までの事務を「業として」行うことです。条件は、行う人が誰か、他人の求めか、報酬があるか、業としてか、の4点で、手作業かソフトウェアかといった手段は条文に出てきません(ほかの法律に別段の定めがある場合と、政令で定める業務に付随して行う場合は、ただし書で除かれます)
  • 第2条第1項第1号の「申請書等」には、書類の作成に代えて作る電磁的記録(電子的な記録)も含まれます。紙で作るか電子で作るかで、1号の事務かどうかは変わりません
  • 社会保険労務士法の本則・附則に「人工知能」「ソフトウェア」「プログラム」の語はありません(2026-10-04 に e-Gov 法令検索の現行条文を検索。「電子計算機」は上の電磁的記録の定義に1か所出るだけです)
  • 第3号の相談・指導は、第27条の対象外です。令和7年の改正で、3号に法令・就業規則などの遵守状況の監査を含むことが明記されました(前の章のとおり)

つまり、現行の条文を読む限り、独占の線は「どの道具を使うか」ではなく「誰が、他人の求めに応じ、報酬を得て、業として行うか」で引かれています(条文の読みは当サイトの整理です)。

名称については、第26条第1項が「社会保険労務士でない者は、社会保険労務士又は社労士その他の社会保険労務士に類似する名称を用いてはならない」と定め、違反は100万円以下の罰金です(第33条第3号)。個々のサービス名がこの規定に当たるかどうかは、この記事では判断しません。

給与計算は社労士の独占業務か

結論から言うと、給与計算そのものが独占業務かどうかは、条文から断定できません。根拠は次のとおりです。

  • 社労士法第2条と別表第一に、「給与計算」という語は出てきません(2026-10-04 時点の現行条文)
  • 全国社会保険労務士会連合会は、労働社会保険手続業務の例に「月次・賞与の給与計算・賃金制度の構築」を挙げています(連合会「労働社会保険手続業務」)。社労士の業務として紹介しているということです
  • 賃金台帳は、労働基準法第108条が使用者に調製を義務づける法定帳簿です。労働基準法は別表第一の法令なので、賃金台帳の作成は第2号の「帳簿書類の作成」にあたると読めます(当サイトの条文の読み)。連合会も「社労士にしかできない業務」として賃金台帳の作成請負を挙げています(連合会「社労士にしかできない業務」)

給与の支給額・控除額を計算する作業が、どこまで第2号の事務になるかは、条文のかっこ書きや厚生労働省令などを個別に当てはめないと言えません。この記事では線を引きません。

一方で、第27条の条件は「他人の求めに応じ」「報酬を得て」「業として」の3つです。会社が自社の給与計算を自社の従業員に行わせる場合は、他人の求めに応じて行う場合とは言いにくい、というのが条文の文言からの読みです(当サイトの読みで、個別の事案の判断ではありません)。給与計算を外部に有償で依頼・請け負うときに第27条の問題が出るかどうかは、社会保険労務士会などの専門家に確認してください。

給与計算の前提になる法令の問題は、科目別に確認できます。

人事・労務の仕事と社労士の違い

企業の人事・労務部門の仕事と社労士は、同じものではありません。法律の上で、両者は次の点で区別できます。

項目人事・労務の職員社会保険労務士
位置づけ会社などの職員としての職務名簿に登録を受けた者(第14条の2第1項)
名称職名は会社が決める「社会保険労務士」「社労士」などの名称は、登録を受けた者だけが使える(第26条第1項)
事務の範囲会社の業務としての人事・労務第2条第1項の事務。他人の求めに応じ報酬を得て行う1号〜2号は社労士だけ(第27条)

企業に勤めながら社労士として登録する道もあります。事業所に勤務して第2条の事務に従事する人は、勤務社労士として登録します(第14条の2第3項)。

人事・労務の実務は、受験資格にもつながります。第8条は、受験資格を、学歴のほかに実務経験などで定めています。たとえば、社労士・社労士法人や弁護士・弁護士法人の業務の補助の事務に通算3年以上従事した者(7号)、会社などの役員として労務を担当した期間が通算3年以上の者(8号)、労働組合の職員や会社などの従業者として労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に通算3年以上従事した者(9号)が挙がっています。受験資格の最新の扱いは、毎年の受験案内で確認してください(第58回 受験案内)。

社労士の新卒・就職できないと言われる点:条文で確認できること

「社会保険労務士 就職できない」「社労士 新卒」と検索する人が確認したい点を、公的な資料で言える範囲に絞って整理します。求人の件数や採用の実態は、公的な統計がないため扱いません。

確認したい点一次資料で言えること
受験に年齢の条件はあるか第8条の各号に、年齢を条件とする定めはありません(e-Gov 現行条文で確認)
受験に学歴は必要か受験資格は、学歴・実務経験・試験合格などのいずれか1つに該当すれば受験できます。第58回の受験案内には、最終学歴が高等学校卒業の場合は「学歴」の区分に該当しないが、「実務経験」または「試験合格」の区分に該当するものがあれば受験できる、と書かれています
合格すればすぐ社労士になれるかなれません。合格に加えて、労働社会保険諸法令に関する事務への従事が通算2年以上(または厚生労働大臣が同等以上と認めた経験)が要り(第3条)、そのうえで名簿に登録を受けます(第14条の2第1項)
実務経験が2年に満たない場合連合会は、2年に満たない場合は連合会が実施する事務指定講習の修了が同等以上の経験と認められると案内しています(連合会「社労士の登録申請について」)
新卒で登録できるか上のとおり、登録の要件は「合格」と「2年以上の実務経験(または事務指定講習の修了)」です。第3条・第14条の2の資格と登録の定めに、新卒かどうかで扱いを分ける規定は見当たりません

つまり、「就職できない」かどうかとは別に、登録の要件は条文で決まっています。登録後にどの形で働くか(開業・勤務など)は、前の節の区分から選びます。受験から登録までの流れは社労士になるにはで、登録の費用や手続は社労士の勤務・開業の登録で確認できます。

社労士法の構成と令和7年の改正で変わった点

「社労士 法」と検索される社会保険労務士法は、次の章立てです(条文番号はe-Gov法令検索の現行条文)。

章条文主な内容
第1章 総則1条〜7条(4条・6条・7条は削除)使命、業務(2条)、資格(3条)
第2章 社会保険労務士試験等8条〜14条受験資格、試験科目(9条)、試験の免除
第2章の2 登録14条の2〜14条の13名簿への登録
第3章 社会保険労務士の権利及び義務15条〜23条の2不正行為の指示等の禁止、秘密を守る義務など
第4章 監督24条〜25条の5懲戒など
第4章の2 社会保険労務士法人25条の6〜25条の25社労士法人
第4章の3 社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会25条の26〜25条の50社労士会・連合会
第5章 雑則26条〜31条名称の使用制限(26条)、業務の制限(27条)
第6章 罰則32条〜38条罰則

表の第4章(監督)にある懲戒の種類と処分の流れは、社労士の懲戒処分とは?戒告・業務停止・失格の違いと処分の流れを条文と厚労省資料で確認で確認できます。

最近の改正は、社会保険労務士法の一部を改正する法律(令和7年法律第77号。令和7年6月25日公布:厚生労働省の通知「社会保険労務士法の一部を改正する法律の公布等について」)です。厚生労働省の改正概要は、次の4点を挙げています(厚生労働省「社会保険労務士法の一部を改正する法律の概要」、2026-10-03 に確認)。

改正の内容条文施行
社会保険労務士の使命に関する規定の新設第1条公布の日(令和7年6月25日)
労務監査に関する業務の明記(3号の相談・指導に、法令・労働協約・就業規則・労働契約の遵守状況の監査が含まれることを明記)第2条第1項第3号公布の日(令和7年6月25日)
裁判所への出頭・陳述に関する規定の整備(「訴訟代理人」を「代理人」に改める)第2条の2令和7年10月1日
名称の使用制限の類似名称の例示(「社労士」「社労士法人」「社労士会」「全国社労士会連合会」)第26条公布の日から起算して10日を経過した日(令和7年7月5日)

現行の第1条は、社労士の使命を「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もつて豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資すること」と定めています。

改正概要は、「明記した」「改めた」と書いており、業務を新たに追加したとは書いていません。なお、e-Gov 法令検索の現行条文の版は、他の法律の改正に伴い2026年10月1日に施行された内容も反映しています。

まとめ

  • 社労士の仕事は、社会保険労務士法2条1項の①申請書等の作成・提出手続の代行・事務代理(1号〜1号の3)、②帳簿書類の作成(2号)、③相談・指導(3号)
  • ①と②は、社労士でない人が他人の求めに応じ報酬を得て業として行えない(27条。ただし他の法律の定めと、施行令2条の政令で定める業務に付随して行う場合は除く)。③は独占ではない
  • 紛争解決手続の代理は特定社労士だけ(2条2項)。裁判所では、弁護士である代理人とともに補佐人として出頭し陳述できる(2条の2)
  • 登録は、開業(14条の2第2項)と勤務社会保険労務士(同第3項)で区分される。どちらも不正行為の指示等の禁止(15条)が適用される
  • 令和7年法律第77号で、使命規定の新設、3号の「監査」の明記、「訴訟代理人」から「代理人」への変更、類似名称の例示が行われた
  • 勤務先は、条文上は「事業所」(社労士・社労士法人の事務所を含む)。開業・勤務・法人の社員などの区分で登録する(14条の2)
  • 独占の線は、使う道具ではなく「誰が、他人の求めに応じ、報酬を得て、業として行うか」で引かれている(27条)。社労士の将来は条文にも公的資料にも書かれていない
  • 給与計算そのものが独占業務かは条文から断定できない。賃金台帳の作成は2号と読める
  • 登録には、合格に加えて、通算2年以上の実務経験(または同等以上の経験)が要る(3条)。受験資格に年齢の条件は定められていない(8条)
  • 年収・働きやすさは、公的な一次資料が確認できないため、この記事では判断していない

※ 本記事は、e-Gov 法令検索の条文、厚生労働省の改正概要、全国社会保険労務士会連合会の公式ページ(最終確認日 2026-10-03)をもとに、合格ナビが独自に作成しています。法令は改正されることがあります。個別の労務相談・手続は、社会保険労務士などの専門家に確認してください。

関連記事

よくある質問

Q社労士は裁判所で代理人になれますか?

社労士は訴訟の代理人にはなれません。社会保険労務士法第2条の2が認めているのは、労務管理や労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所で補佐人として、弁護士である代理人とともに出頭して陳述することです。その陳述は、当事者または代理人が自らしたものとみなされます(取り消しや更正があった場合を除く)。

Q社労士の仕事に年金の相談は含まれますか?

含まれます。全国社会保険労務士会連合会は「年金相談業務」を社労士の業務の1つとして案内し、年金制度に関する相談や、年金請求書などの作成・提出の手伝いを挙げています。連合会は日本年金機構からの委託を受けて「街角の年金相談センター」も運営しています。条文の上では、相談は第2条第1項第3号、請求書の作成・提出は第1号・第1号の2にあたります。

Q社労士法の令和7年の改正は、業務を増やしたのですか?

厚生労働省の改正概要は、業務を新しく追加したとは書いていません。使命規定を新設したこと、第2条第1項第3号の相談・指導に法令・労働協約・就業規則・労働契約の遵守状況の監査が含まれると「明記」したこと、第2条の2の「訴訟代理人」を「代理人」に改めたこと、「社労士」などの類似名称の例示を第26条に明記したことが、令和7年法律第77号の内容です。

Q社労士が法令違反を指示することはありますか?

社労士法はそれを禁じています。第15条は、不正に保険給付を受けることや保険料の賦課・徴収を免れることなど、労働社会保険諸法令に違反する行為について、社労士が指示をしたり相談に応じたりすることを禁止しています。依頼者から求められても、これらの相談には応じられません。

Q給与計算は社労士にしかできない仕事ですか?

給与計算そのものが独占業務かどうかは、条文から断定できません。社労士法第2条にも別表第一にも「給与計算」の語はありません。連合会は給与計算を社労士の業務例として紹介しています。賃金台帳(労働基準法第108条)の作成は、第2号の帳簿書類の作成にあたると読めます。第27条が禁じるのは、社労士でない者が他人の求めに応じ報酬を得て第1号〜第2号の事務を業として行うことです。

Q社労士法の条文は、AIを使うことを禁じていますか?

社会保険労務士法の本則・附則に「人工知能」「ソフトウェア」の語はなく、AIの使用を禁じる規定はありません(2026-10-04 時点の現行条文)。第27条が線を引いているのは、社労士でない者が他人の求めに応じ報酬を得て第1号〜第2号の事務を業として行うことで、使う道具ではありません。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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