特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金保険法附則8条が「当分の間」設ける65歳未満の老齢厚生年金。3つの要件、生年月日別の支給開始年齢(61〜64歳)、年金額、65歳での消滅、在職・雇用保険との調整を、e-Gov の条文で整理します。
目次
結論:特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険法附則8条が「当分の間」設けている、65歳未満の者への老齢厚生年金です。日本年金機構の案内では、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた人が対象です(共済組合等から支給される老齢厚生年金の受給開始年齢は男性と同じ)。条文の要件は次のとおりです。①60歳以上(附則8条の2により、生年月日と被保険者の種別に応じて61〜64歳に読み替え)、②1年以上の被保険者期間、③保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上(42条2号)の3つのいずれにも該当するに至ったときに支給されます。附則7条の3第1項各号に掲げる者(昭和36年4月2日以後生まれの男子など、繰上げ請求の対象になる者)は、この制度の対象から除かれます。年金額は、44条(加給年金額)と43条2項が適用されない形で43条1項により計算するのが基本で(附則9条)、障害者・長期加入者・坑内員及び船員の特例に当たるときに、定額部分に当たる額が加わります(附則9条の2〜9条の4)。受給権は65歳に達したときに消滅します(附則10条)。
「特別支給の老齢厚生年金」は、年金の初心者も、社労士試験の厚生年金保険法を学ぶ人も調べる言葉です。この記事は、e-Gov 法令検索の厚生年金保険法・国民年金法と、日本年金機構の公開ページだけをもとに、要件・支給開始年齢・年金額・失権・調整を整理します。個別の年金の見込みや請求の判断はしていません(相談先は記事末尾に載せています)。
特別支給の老齢厚生年金とは:附則8条が「当分の間」設ける65歳未満の老齢厚生年金
厚生年金保険法の本則では、老齢厚生年金は42条により「65歳以上であること」「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上であること」の両方に該当したときに支給されます。
これに対して、附則8条は、当分の間、65歳未満の者に老齢厚生年金を支給すると定めています。日本年金機構は、昭和60年の法律改正により厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことについて、受給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」の制度だと案内しています。
| 区分 | 根拠 | 年齢 |
|---|---|---|
| 本則の老齢厚生年金 | 42条 | 65歳以上 |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 附則8条・8条の2 | 61〜64歳(生年月日と種別による)。65歳に達したときに受給権は消滅(附則10条) |
附則8条の見出しは「老齢厚生年金の特例」です。「特別支給の老齢厚生年金」は、日本年金機構が案内ページで使っている呼び方です。
受給できる3つの要件と、繰上げ対象者との線引き
附則8条の要件を、条文の順に分けます。
| 要件 | 条文 |
|---|---|
| 65歳未満の者であること(附則7条の3第1項各号に掲げる者を除く) | 附則8条柱書 |
| 60歳以上であること(附則8条の2で61〜64歳に読み替え) | 附則8条1号 |
| 1年以上の被保険者期間を有すること | 附則8条2号 |
| 42条2号に該当すること(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上) | 附則8条3号 |
柱書は「次の各号のいずれにも該当するに至つたとき」と定めています。3つは、すべて満たす必要があります。
「附則7条の3第1項各号に掲げる者」は、同条の老齢厚生年金の支給繰上げ(当分の間、被保険者期間を有し、かつ60歳以上65歳未満である者のうち、国民年金法附則5条1項の規定による国民年金の被保険者でないものが、65歳に達する前に請求できる制度。請求があった日の前日に42条2号に該当しない者は請求できない)の対象となる、次の者です。
- 1号:男子、または女子(第2号〜第4号厚生年金被保険者であるか、その期間を有する者に限る)で、昭和36年4月2日以後に生まれた者(3号・4号に掲げる者を除く)
- 2号:女子(第1号厚生年金被保険者であるか、その期間を有する者に限る)で、昭和41年4月2日以後に生まれた者(3号・4号に掲げる者を除く)
- 3号:坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間を合算して15年以上の者で、昭和41年4月2日以後に生まれた者(4号に掲げる者を除く)
- 4号:特定警察職員等で、昭和42年4月2日以後に生まれた者
つまり、附則8条の対象は、これらの生年月日より前に生まれた者です。生年月日が後の者は、特別支給の老齢厚生年金ではなく、繰上げ請求の仕組みで、60歳以上で42条2号に該当するなどの要件を満たして請求すれば老齢厚生年金を65歳前に受け取れます(7条の3第3項・4項:請求があった日の属する月から支給し、額は43条1項で計算した額から政令で定める額を減じた額)。
なお、42条2号は「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年以上」と定めています。国民年金法26条ただし書も、老齢基礎年金について、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年に満たないときは支給しないと定めています。合算対象期間(いわゆるカラ期間)の扱いは経過措置に別の定めがあり、この記事では扱いません。
支給開始年齢の表:生年月日と種別で61歳〜64歳
附則8条の2は、附則8条1号の「60歳」を、生年月日と被保険者の種別に応じて61歳〜64歳に読み替えると定めています。第1号〜第4号厚生年金被保険者の区分は、厚生年金保険法2条の5第1項で、第1号が民間の被保険者、第2号が国家公務員共済組合の組合員、第3号が地方公務員共済組合の組合員、第4号が私立学校教職員共済制度の加入者とされています(第1号は「第2号から第4号までに規定する被保険者以外の被保険者」)。
当サイトの表(昭和と西暦の対応は、昭和N年=1925+N年で計算):
| 読み替え後の年齢 | 男子、および女子(第2号〜第4号)(8条の2第1項) | 女子(第1号)(同第2項) |
|---|---|---|
| 61歳 | 昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日(1953年〜1955年) | 昭和33年4月2日〜昭和35年4月1日(1958年〜1960年) |
| 62歳 | 昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日(1955年〜1957年) | 昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日(1960年〜1962年) |
| 63歳 | 昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日(1957年〜1959年) | 昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日(1962年〜1964年) |
| 64歳 | 昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日(1959年〜1961年) | 昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日(1964年〜1966年) |
第1項の表の対象は「男子又は女子(第2号〜第4号厚生年金被保険者であるか、その期間を有する者に限る)」で、かっこ書きは女子にかかります。男子は種別を問いません。第2項の表の対象は、第1号厚生年金被保険者であるか、その期間を有する女子です。
次の2つの者には、別の表が適用されます。第1項・第2項の表の対象から、第3項・第4項に規定する者は除かれます。
| 読み替え後の年齢 | 坑内員・船員の合算期間が15年以上の者(同第3項) | 特定警察職員等(同第4項) |
|---|---|---|
| 61歳 | 昭和33年4月2日〜昭和35年4月1日 | 昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日 |
| 62歳 | 昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日 | 昭和36年4月2日〜昭和38年4月1日 |
| 63歳 | 昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日 | 昭和38年4月2日〜昭和40年4月1日 |
| 64歳 | 昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日 | 昭和40年4月2日〜昭和42年4月1日 |
第3項に当たる者は、8条2号の「1年以上の被保険者期間を有する」が「坑内員たる被保険者であつた期間と船員たる被保険者であつた期間とを合算した期間が十五年以上である」に読み替えられます。
特別支給の対象となる生年月日の範囲:日本年金機構は、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれたこと(共済組合等から支給される老齢厚生年金の受給開始年齢は男性と同じ)を要件の1つとして案内している。更新日:2026年8月12日。最終確認日:2026-10-21。出典:日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金。
当サイトの計算(2026年10月21日時点):表の最後の生年月日(男子は昭和36年4月1日生まれ)の人は、2026年4月1日に65歳の誕生日を迎え、その前日の2026年3月31日に65歳に達しています。附則10条により65歳に達したときに受給権が消滅するため、第1項の表(男子、および女子の第2号〜第4号)の対象者に、2026年10月21日時点で65歳未満の者はいません。第2項の表(女子の第1号)の最後の生年月日は昭和41年4月1日(1966年4月1日)で、64歳の誕生日は2030年(令和12年)4月1日です。
年金額:基本は報酬比例、定額部分に当たる額は特例のときに加わる
附則8条の老齢厚生年金の額は、附則9条により、43条2項(毎年9月1日の基準日における改定)と44条(加給年金額)の規定を適用しない形で、基本は43条1項で計算します。43条1項は、被保険者であった全期間の平均標準報酬額の1000分の5.481に相当する額に、被保険者期間の月数を乗じた額と定めています。
次の計算例は、43条1項の式の形を示すものです。実際の年金額は、被保険者期間の時期によって乗率が異なる経過措置などがあるため、この式だけでは決まりません。
当サイトの計算例(平均標準報酬額=再評価後で300,000円、被保険者期間の月数=300月と仮定。端数処理などの細部は扱いません):
300,000円 × 5.481/1000 × 300月
= 1,644.3円 × 300月
= 493,290円(年額)
検算:5.481 × 300 = 1,644.3、1,644.3 × 300 = 493,290。
この額は、厚生年金保険の報酬に比例する部分です。附則9条の2第2項は、次の2つの額を合わせた額を定めており、1号が「定額部分」に当たる額、2号が43条1項と同じ式の「報酬比例部分」に当たる額です。
- 1号:1,628円に国民年金法27条に規定する改定率を乗じた額に、被保険者期間の月数(480を超えるときは480)を乗じた額
- 2号:被保険者であった全期間の平均標準報酬額の1000分の5.481に相当する額に被保険者期間の月数を乗じた額
この「合算額」で計算されるのは、次の特例に当たる場合です。
| 特例 | 条文 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 障害者特例 | 附則9条の2 | 受給権者が、被保険者でなく、かつ、傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるとき(その傷病が治らない場合は、初診日から1年6月を経過した日以後)に、請求する |
| 長期加入者特例 | 附則9条の3 | 受給権を取得した当時、被保険者でなく、被保険者期間が44年以上であるとき(坑内員・船員の特例が適用される場合を除く)。被保険者である受給権者(被保険者期間が44年以上の者)が資格を喪失した場合の改定も定めがある |
| 坑内員・船員の特例 | 附則9条の4 | 受給権を取得した当時、坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間を合算した期間が15年以上であるとき |
3つの特例では、44条(加給年金額。要件・金額・終了は加給年金の記事で整理しています)が準用されます(附則9条の2第3項、9条の3第2項・4項、9条の4第3項・5項。読み替えを伴う)。日本年金機構は、長期加入者(被保険者期間が44年以上で、被保険者資格を喪失しているとき)の特例について、報酬比例部分に加えて定額部分も受け取れ、被保険者でなくなった月の翌月分から受け取れると案内しています。
65歳で消滅し、本来の老齢厚生年金へ
附則10条は、附則8条の老齢厚生年金の受給権は、45条の規定により消滅するほか、受給権者が65歳に達したときに消滅すると定めています。65歳以上の老齢厚生年金は、42条に基づく別の受給権です。
日本年金機構は、特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度がないと案内しています。
在職中・雇用保険との調整
特別支給の老齢厚生年金には、65歳以上の在職老齢年金(46条1項)とは別の調整規定があります。
| 調整 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 在職中の支給停止 | 附則10条の2・附則11条 | 46条1項は適用されない。附則9条の規定で額が計算されている老齢厚生年金について、被保険者等である日が属する月に、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が支給停止調整額(46条3項)を超えるとき、合計額から支給停止調整額を控除した額の2分の1に12を乗じた額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上のときは全部を停止する |
| 障害者・長期加入者、坑内員・船員 | 附則11条の2〜11条の4 | 特例に当たる場合の別の定め(老齢基礎年金の支給を受けることができる月の扱いなどを含む) |
| 基本手当との調整 | 附則11条の5(附則7条の4を準用) | 雇用保険法14条2項1号の受給資格を有する65歳未満の受給権者が、同法15条2項の求職の申込みをしたときは、その翌月から、受給期間が経過したとき、または所定給付日数分の基本手当を受け終わったとき(延長給付を受ける者は延長給付が終わったとき)のいずれかに該当するに至った月までの各月、支給を停止する(月ごとの除外など細部は条文による) |
| 高年齢雇用継続基本給付金との調整 | 附則11条の6 | 被保険者である日が属する月に高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けることができるときの支給停止の定め。標準報酬月額がみなし賃金日額に30を乗じた額の75%以上であるとき、または支給限度額以上であるときは適用しない(同条6項) |
在職老齢年金の基準額(令和8年4月からの見直しを含む)と計算の手順は、在職老齢年金の計算の記事で扱っています。この記事では、特別支給の老齢厚生年金で「46条1項が適用されず、附則11条以下が働く」ことに絞ります。
社労士試験での問われ方と、取り違えやすいポイント
厚生年金保険法の附則は、要件の数字・生年月日・適用除外を条文の言い回しで整理しておくと答えやすい分野です。次の取り違えに注意してください。
- 附則8条は「当分の間」の特例で、柱書に括弧書き(附則7条の3第1項各号に掲げる者を除く)がある。繰上げの対象者は特別支給の対象ではない
- 3つの要件はすべて必要(柱書「いずれにも該当するに至つたとき」)。「1年以上の被保険者期間」は坑内員・船員の15年と読み替わる場合がある
- 「60歳」は、第1号の女子は昭和33年4月2日生まれから61歳になる。男子(と第2号〜第4号の女子)は昭和28年4月2日生まれから。2つの表の始まりが5年違う
- 基本の額は43条1項の式(報酬比例)で、44条(加給年金額)と43条2項は適用されない(附則9条)。加給年金額が付くのは、特例に当たり44条が準用される場合
- 受給権は65歳に達したときに消滅(附則10条)。日本年金機構は、特別支給の老齢厚生年金に繰下げ制度はないと案内している
- 在職中の調整は46条1項ではなく附則11条以下。附則10条の2が46条1項の不適用を定める
試験の法令基準日は年ごとに決まるため、受験する年の基準日の条文が答えの基準になります。
この論点の問題を解く
当サイトの社労士の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。
請求と相談先、法令基準日
日本年金機構は、受給開始年齢に到達する3か月前に、年金請求書(事前送付用)を送付すると案内しています。受給権発生日は受給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)で、請求書は受給開始年齢になってから提出するよう案内されています。受給開始年齢になる前に提出された場合は受付できないとされています。
個別の年金の見込みや請求は、日本年金機構(年金事務所・街角の年金相談センター)に相談してください。
令和8年度社労士試験の法令基準日:試験問題の解答に当たり適用すべき法令等は、令和8年4月10日現在施行のもの。令和9年度試験の基準日は、受験年ごとの受験案内で公表される。最終確認日:2026-10-21。出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト 第58回受験案内。
条文の版:厚生年金保険法2条の5・42条〜46条・附則7条の3〜11条の6と、国民年金法26条・27条は、e-Gov 法令検索の2026年4月10日時点の版と2026年10月21日時点の現行の版で本文が同じ。最終確認日:2026-10-21。出典:e-Gov 法令検索 厚生年金保険法、同 国民年金法。
まとめ
- 特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険法附則8条が当分の間設ける65歳未満の老齢厚生年金。要件は、60歳以上(61〜64歳に読み替え)、1年以上の被保険者期間、42条2号(10年以上)の3つすべて
- 附則7条の3第1項各号に掲げる者(昭和36年4月2日以後生まれの男子など)は対象外で、繰上げ請求の仕組みになる
- 支給開始年齢は附則8条の2の表。男子(と第2号〜第4号の女子)は昭和28年4月2日生まれから61歳、女子の第1号は昭和33年4月2日生まれから61歳
- 基本の額は43条1項の報酬比例の式。44条と43条2項は適用されない(附則9条)。障害者・長期加入者・坑内員及び船員の特例では、定額部分に当たる額が加わり、44条が準用される
- 受給権は65歳に達したときに消滅(附則10条)。在職中の調整は附則11条以下(46条1項は不適用)、雇用保険の基本手当・高年齢雇用継続基本給付金との調整も別に定められている
本サイトは社会保険労務士試験の実施機関とは関係ありません。条文は e-Gov 法令検索にもとづき、日本年金機構の資料の内容は2026年10月21日時点のものです。個別の事情に当てはめた助言は行っていません。
よくある質問
Q特別支給の老齢厚生年金は、どんな人に支給されますか?
厚生年金保険法附則8条は、当分の間、65歳未満の者(附則7条の3第1項各号に掲げる者を除く)が、①60歳以上であること、②1年以上の被保険者期間を有すること、③42条2号に該当すること(保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上)の3つのいずれにも該当するに至ったときに、老齢厚生年金を支給すると定めています。①の「60歳」は、附則8条の2により、生年月日と被保険者の種別に応じて61歳から64歳に読み替えられます。
Q特別支給の老齢厚生年金は、何歳から受け取れますか?
附則8条の2の表によります。たとえば男子は、昭和28年4月2日から昭和30年4月1日までに生まれた者が61歳、昭和34年4月2日から昭和36年4月1日までに生まれた者が64歳です。女子で第1号厚生年金被保険者の期間を有する者は、昭和33年4月2日から昭和35年4月1日までに生まれた者が61歳、昭和39年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者が64歳です。表は本文にまとめています。
Q65歳になると、特別支給の老齢厚生年金はどうなりますか?
附則10条により、附則8条の老齢厚生年金の受給権は、45条(失権)の規定により消滅するほか、受給権者が65歳に達したときに消滅します。65歳からは、42条(65歳以上であること、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上であること)に基づく老齢厚生年金の対象になります。
Q働きながらでも、特別支給の老齢厚生年金は受け取れますか?
附則8条の3つの要件に、被保険者でないことは含まれていません。働いている場合は、附則10条の2により46条1項(在職老齢年金)は適用されず、代わりに附則11条以下が支給停止を定めています。附則11条1項は、総報酬月額相当額と基本月額(老齢厚生年金の額を12で除した額)の合計額が支給停止調整額(46条3項)を超えるとき、合計額から支給停止調整額を控除した額の2分の1に相当する額に12を乗じた額を、支給停止基準額として支給を停止すると定めています。数値と計算例は、在職老齢年金の記事で扱っています。
Q特別支給の老齢厚生年金に、加給年金額は付きますか?
附則9条は、44条(加給年金額)の規定を、附則8条の老齢厚生年金の額には適用しないと定めています。一方、障害者特例(附則9条の2)、長期加入者特例(附則9条の3)、坑内員・船員の特例(附則9条の4)では、44条が準用されます。加給年金額の要件は、別の記事で整理しています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月21日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

