問題
次の文は,地球の形状及び測量の基準について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
地球の形状と測量基準に関する問題(令和5年度 問4)。正答は(2)です。
選択肢(2)が誤りの理由は「長軸」という表現にあります。回転楕円体において地球の自転軸と一致するのは「短軸」です。赤道面を含む長軸(長半径方向)が赤道に平行で、極を結ぶ短軸(短半径方向)が自転軸と一致します。「長軸が自転軸と一致する」は正反対の記述です。
正しい回転楕円体の定義:GRS80楕円体(世界測地系で使用)は長半径a≈6,378,137 m、短半径b≈6,356,752 mで、短軸が地球の自転軸(北極・南極を結ぶ軸)と一致します。
他の選択肢(1)(3)(4)(5)はすべて正しい記述です。GNSS測量では楕円体高が直接得られ(3)、ジオイド高N=楕円体高h−標高H(4)、地心直交座標(X,Y,Z)から緯度・経度・楕円体高に変換可能(5)です。
【地球形状・測量基準の誤り識別問題】(令和5年度 問4)
【正答(2)の根拠】
回転楕円体の軸の関係:
- 長半径(a):赤道半径方向。地球の赤道面上を向く軸。
- 短半径(b):極方向。地球の自転軸と一致する。
- 長軸(長半径a方向)≠自転軸。自転軸と一致するのは短軸(短半径b方向)。
「長軸が地球の自転軸と一致する」は根本的な誤り。正しくは「その短軸が地球の自転軸と一致する」。
【各選択肢の根拠】
- (1) 正しい。測量法第11条・測量法施行令第2条:測量の基準として回転楕円体(GRS80)を使用。
- (2) 誤り。世界測地系の回転楕円体は重心一致(正しい)・短軸が自転軸と一致(「長軸」は誤り)。
- (3) 正しい。GNSSは衛星から楕円体面上の距離を測定するため,楕円体高hが直接得られる。
- (4) 正しい。ジオイド高N=楕円体高h−標高H(H=h−N)。
- (5) 正しい。地心直交座標(X,Y,Z)→緯度φ・経度λ・楕円体高hの変換は閉形式または反復計算で可能。
【高さの3概念の整理】
- 標高(H):ジオイド面(重力等ポテンシャル面)からの高さ。水準測量で得る。
- 楕円体高(h):回転楕円体面からの高さ。GNSS測量で直接得られる。
- ジオイド高(N):楕円体面からジオイド面までの高さ。N=h−H。
【測地基準系・高さ概念の体系的理解と測量実務】(令和5年度 問4)
【回転楕円体の幾何学的定義と数値】
GRS80(Geodetic Reference System 1980)・JGD2011で採用:
- 長半径 a = 6,378,137.0 m(赤道半径)
- 扁平率 f = 1/298.257222101
- 短半径 b = a(1−f) ≈ 6,356,752.314 m(極半径)
地球は赤道方向が極方向より約21km大きい「つぶれた球」。回転楕円体を赤道面に対して対称に配置し、短軸(b)が自転軸と一致する。
ITRF(国際地球基準座標系)との関係:日本のJGD2011はITRF2008(エポック2011.0)に準拠。東日本大震災(2011年3月)の地殻変動を反映し,JGD2000からの座標変換(最大1m以上)が必要。
【高さ3概念の実務的意味】
楕円体高h:GNSSアンテナが直接測定。地球の重力場とは無関係な幾何学的高さ。
標高H(正標高):重力の方向(鉛直線)に沿って測定したジオイド面からの高さ。水が流れる方向と一致する物理的高さ。
ジオイド高N:N=h−H。日本では「日本のジオイド2011(GSIGEO2011)」で格子補間。精度は±数cm〜±20cm程度。
ジオイド高の計算式と符号の確認:
h(楕円体高)= H(標高)+ N(ジオイド高)
→ N = h − H
日本では全般的にN≈30〜40m(楕円体が標高より約30〜40m低い位置にある)。これは選択肢(4)「ジオイド高=楕円体高−標高」と等価。
【地心直交座標(X,Y,Z)と緯度・経度・楕円体高の変換】
地心直交座標→測地座標の変換(Bowring法・反復法):
緯度φ:反復計算(Bowring公式)または閉形式(Zhu公式)
経度λ:λ = arctan(Y/X)
楕円体高h:h = p/cosφ − N(νは卯酉線曲率半径)
測量士試験では上記変換式の導出・数値計算も出題される。
- 測量法第11条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和5年度 測量士補試験 問4(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

