委任とは、法律行為をすることを相手方に委託し、相手方が承諾することで成立する契約です。委任者・受任者・準委任の意味、善管注意義務、報酬、解除(651条)、終了事由(653条)と、宅建の媒介契約・代理との関係を民法の条文で整理します。
目次
結論:委任とは、法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することで成立する契約です(民法643条)。頼む側が委任者、引き受ける側が受任者で、法律行為でない事務の委託は準委任として、委任の規定が準用されます(656条)。宅建では、受任者の善管注意義務(644条)、報酬は特約がなければ請求できないこと(648条1項)、各当事者がいつでも解除できること(651条1項。不利な時期の解除などは賠償が問題になる)、死亡や破産などの終了事由(653条)が、代理(委任による代理)や媒介契約を理解する土台になります。
「委任者とは」「受任者とは」「委託と委任の違い」は、受験生に限らず、契約書や相続の場面で出会う言葉です。この記事は、まず言葉の意味を民法の条文(民法643条〜656条)で整理し、そのあとで宅建試験での使われ方を説明します。代理そのものは宅建の代理、媒介契約の種類や期間は宅建の媒介契約で扱っているので、ここでは委任の仕組みに絞ります。
委任とは:定義と委任者・受任者(民法643条)
民法643条は、委任を次のように定めています。
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
条文から読み取れることを表にします。
| 言葉 | 意味 | 条文の根拠 |
|---|---|---|
| 委任者 | 法律行為をすることを委託する側(頼む人) | 643条の「委託」する当事者の一方 |
| 受任者 | 委託を承諾した側(引き受ける人) | 643条の「承諾」する相手方 |
| 委任事務 | 委託された事務。644条以下で、受任者が処理するものとして出てくる | 644条ほか |
| 成立のしかた | 委託と承諾で効力を生じる | 643条 |
条文は、効力が生じる要件を「委託」と「承諾」としか書いていません。契約書などの書面は、643条の要件には入っていません。また、報酬の約束も成立の要件ではなく、報酬は648条で別に定められています。
準委任(民法656条)
643条の委任は「法律行為をすること」の委託です。たとえば、売買契約を結ぶこと自体を頼む場合です。これに対して、法律行為でない事務の委託(物件の調査や情報の収集のように、法律行為ではない事務を頼む場合)には、656条が「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する」と定めています。これが準委任です。
| 区分 | 頼む内容 | 適用される規定 |
|---|---|---|
| 委任 | 法律行為をすること | 643条〜655条 |
| 準委任 | 法律行為でない事務 | 656条により、委任の節の規定を準用 |
受任者の義務と委任者の義務(644条〜650条)
委任の中身は、受任者が負う義務と、委任者が負う義務に分けて覚えると整理しやすくなります。
受任者の義務
| 義務 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 善管注意義務 | 委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する | 644条 |
| 復受任者の選任の制限 | 委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任できない | 644条の2第1項 |
| 報告 | 委任者の請求があるときはいつでも状況を報告し、委任が終了した後は遅滞なく経過と結果を報告する | 645条 |
| 受取物の引渡し | 事務の処理で受け取った金銭その他の物と、収取した果実を引き渡す | 646条1項 |
| 権利の移転 | 委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転する | 646条2項 |
| 金銭の消費の責任 | 引き渡すべき金額などを自己のために消費したときは、消費した日以後の利息を支払う。なお損害があれば賠償の責任も負う | 647条 |
善管注意義務の「善良な管理者の注意」は、一般に、その人の職業や社会的な地位に応じて求められる程度の注意と説明されます(条文に定義はありません)。644条は、委任が有償か無償かで注意の水準を分けていません。条文上は、報酬がなくても受任者は同じ義務を負います。
644条の2第2項は、代理権を付与する委任で、受任者が代理権を有する復受任者を選んだときは、復受任者は委任者に対して、その権限の範囲内で、受任者と同一の権利を有し義務を負う、と定めています。復代理人について定める106条2項(復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う)と並ぶ書き方です。
委任者の義務
| 義務 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 報酬の支払い | 特約があるときに限る(次の見出し) | 648条・648条の2 |
| 費用の前払 | 事務の処理に費用が要るときは、受任者の請求により前払する | 649条 |
| 費用の償還 | 受任者が事務の処理に必要と認められる費用を支出したときは、受任者の請求により、その費用と支出の日以後の利息を償還する | 650条1項 |
| 債務の代わりの弁済 | 受任者が事務の処理に必要と認められる債務を負担したときは、受任者の請求により、受任者に代わって弁済する。その債務が弁済期にないときは、受任者は委任者に相当の担保を供させることができる | 650条2項 |
| 損害の賠償 | 受任者が、事務の処理のため自己に過失なく損害を受けたときは、受任者の請求により、その賠償をする | 650条3項 |
650条3項は「自己に過失なく」と書いているので、受任者に過失がある損害は、この規定の対象外です。
委任の報酬:特約がなければ請求できない(648条・648条の2)
委任の報酬には、売買や雇用と違う点があります。
| 場面 | 結論 | 条文 |
|---|---|---|
| 報酬の約束がない(特約がない) | 受任者は報酬を請求できない | 648条1項 |
| 報酬を受けるべき場合 | 委任事務を履行した後でなければ請求できない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、624条2項を準用する(期間経過後に請求できる) | 648条2項 |
| 履行できなくなった場合 | 委任者の責めに帰することができない事由で、委任事務を履行できなくなったとき、既にした履行の割合に応じて請求できる | 648条3項1号 |
| 履行の中途で終了した場合 | 委任が履行の中途で終了したとき、既にした履行の割合に応じて請求できる | 648条3項2号 |
| 成果に対して報酬を払う約束 | 成果が引渡しを要するときは、成果の引渡しと同時に払う(1項)。634条を準用する(2項) | 648条の2 |
648条1項によれば、報酬の特約がなければ、受任者は委任者に報酬を請求できません。宅建業者が受け取る報酬については、宅建業法が別に定めを置いています。報酬に関する事項は媒介契約の書面の記載事項で(34条の2第1項7号)、受け取れる額には上限があります(46条。後の見出しで説明します)。
解除と終了:651条・653条
委任には、解除と終了について、売買などとは違う定めがあります。
いつでも解除できる(651条)
651条1項は、委任は「各当事者がいつでもその解除をすることができる」と定めています。解除の効果は、652条が620条を準用して、将来に向かってのみ生じます(さかのぼりません。620条は、この場合も損害賠償の請求を妨げないとしています)。651条2項は、1項により解除をした者が、次の場合に相手方の損害を賠償しなければならないと定めています。
| 賠償が必要になる場合 | 条文 |
|---|---|
| 相手方に不利な時期に委任を解除したとき | 651条2項1号 |
| 委任者が、受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき | 651条2項2号 |
| 例外 | やむを得ない事由があったときは、賠償しなくてよい(651条2項ただし書) |
2号のかっこ書が重要です。受任者の利益のうち、専ら報酬を得ることによる利益は含まれません。報酬をもらえなくなるだけでは、2号には当たらない、ということです。
当サイトの作例:解除と賠償
次は、条文に当てはめた当サイトの作例です。
| 場面 | 解除できるか | 賠償 |
|---|---|---|
| 受任者に不利な時期に、委任者が解除した(やむを得ない事由はない) | できる(651条1項) | 受任者の損害を賠償する(2項1号) |
| 同じ場面で、委任者に急病などのやむを得ない事由があった | できる | 不要(2項ただし書) |
| 受任者にとっての利益が報酬を得ることだけの委任で、時期も受任者に不利でないときに、委任者が解除した | できる | 不要(2項1号にも2号にも当たらない) |
| 受任者が、報酬のほかに自分の利益(たとえば自分の債権の回収)にもなる委任を受けており、委任者が解除した(やむを得ない事由はない) | できる | 受任者の損害を賠償する(2項2号) |
解除そのものは、どの場面でもできます。賠償の要否だけが、場面で分かれます。
終了事由(653条)
委任は、次の事由によって終了します。
| 事由 | 委任者 | 受任者 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 死亡 | 終了する | 終了する | 1号 |
| 破産手続開始の決定を受けたこと | 終了する | 終了する | 2号 |
| 後見開始の審判を受けたこと | 条文に挙がっていない | 終了する | 3号 |
委任者が後見開始の審判を受けても、653条では委任は終了しません。代理権の消滅事由(111条1項)でも、後見開始の審判が挙がっているのは代理人の側だけです(同項2号)。
終了後の扱いも、条文があります。
- 終了後に急迫の事情があるときは、受任者またはその相続人もしくは法定代理人は、委任者またはその相続人もしくは法定代理人が事務を処理できるようになるまで、必要な処分をしなければなりません(654条)
- 委任の終了事由は、相手方に通知したとき、または相手方が知っていたときでなければ、その相手方に対抗できません(655条)
似た言葉との違い(委任・請負・雇用・代理)
「委任」と混同されやすい契約と、「代理」との違いを整理します。
委任・請負・雇用
| 契約 | 条文の書き方 | 報酬 |
|---|---|---|
| 委任 | 法律行為をすることを委託する(643条) | 特約がなければ請求できない(648条1項) |
| 請負 | ある仕事を完成することを約し、その結果に対して報酬を支払うことを約する(632条) | 仕事の結果に対する報酬が、契約の内容になっている |
| 雇用 | 労働に従事することを約し、報酬を与えることを約する(623条) | 報酬を与える約束が、契約の内容になっている |
委任は、事務を処理すること自体を頼む契約です。請負は仕事の完成が目的で、結果に対して報酬を払う約束が契約の中身になっています。
「委託」と「委任」
「委託」は日常語としては、「頼むこと」全般を指します。民法の「委任」は、643条で定義された契約で、委託と承諾で成立します。「委託」という言葉は、643条の中で、委任の要素として使われています。
委任と代理(99条・111条2項)
| 項目 | 委任 | 代理 |
|---|---|---|
| 何を決める制度か | 頼む側と引き受ける側の間の契約(643条以下) | 代理人の意思表示の効果が本人に生じる仕組み(99条1項) |
| 条文の中心 | 受任者の義務・報酬・解除・終了 | 権限内・顕名・本人への直接の効力 |
| 結びつく条文 | 111条2項:委任による代理権は、委任の終了によっても消滅する | 111条1項:本人の死亡などによる消滅 |
643条は、代理権を与えるとは書いていません。委任と代理は別の制度で、代理権を与える委任(委任による代理)で両者が結びつく、という関係です。委任による代理は、委任が終了すれば代理権も消滅します(111条2項)。復受任者と復代理の定めは、選任できる場合(644条の2第1項と104条)、選任された者の権利義務(644条の2第2項と106条2項)で並んでおり、宅建の代理の復代理の見出しで確認できます。
宅建との関係:媒介契約・代理契約・報酬
宅建業法は、媒介契約と代理契約について、次のように定めています。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 媒介契約 | 宅地建物取引業者が、宅地または建物の売買または交換の媒介の契約を結んだときは、遅滞なく、所定の事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者に交付する(依頼者の承諾を得て、電磁的方法で提供することもできる。11項) | 宅建業法34条の2第1項 |
| 代理契約 | 宅地・建物の売買または交換の代理を依頼する契約には、34条の2の規定を準用する | 宅建業法34条の3 |
| 報酬 | 売買・交換・貸借の代理または媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。その額をこえて受けてはならない | 宅建業法46条1項・2項 |
34条の2は、媒介契約が民法のどの契約類型に当たるかを書いていません。媒介は、依頼者に代わって契約を結ぶこと(法律行為)ではなく、相手方を探したり条件を調整したりする事務です。民法の類型に当てはめて考えるなら、656条の「法律行為でない事務の委託」(準委任)として委任の規定を準用する見方になりますが、条文に書かれていない論点で、考え方による部分です。一方、代理を依頼する契約は、売買などの法律行為をすることを頼むものなので、643条の委任の定義の言葉に沿う内容です。
類型をどう考える場合でも、宅建業者の媒介契約には、宅建業法が民法とは別に定めを置いています。民法の委任の規定と並べると、次のとおりです。
| 項目 | 民法の委任の規定 | 宅建業法の媒介契約の定め |
|---|---|---|
| 報告 | 委任者の請求があるときはいつでも状況を報告し、終了後は遅滞なく経過と結果を報告する(645条) | 売買・交換の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告する(34条の2第8項)。専任媒介契約では、業務の処理状況の定期的な報告も定めている(9項) |
| 報酬 | 特約がなければ請求できない(648条1項) | 報酬に関する事項を書面に記載する(34条の2第1項7号)。国土交通大臣の定める額をこえて受けてはならない(46条1項・2項) |
| 解除 | 各当事者がいつでも解除できる。不利な時期の解除などは賠償が問題になる(651条) | 媒介契約の有効期間及び解除に関する事項を書面に記載する(34条の2第1項5号) |
媒介と代理の違い
媒介は、契約の成立のために間に立つことです。契約をするのは、依頼者と相手方の当事者本人です。これに対して代理は、代理人が本人のために意思表示をして、その効果が本人に直接生じます(99条1項)。宅建業法も、媒介の契約(34条の2)と代理を依頼する契約(34条の3)を別々に書いています。報酬の条文(46条)は、代理と媒介を並べて、どちらも国土交通大臣の定める額をこえて受けてはならないとしています。具体的な額の計算は宅建の報酬計算で扱っています。
試験での使われ方:出題の型
宅建の試験では、委任は次のような型で出てきます(当サイトの整理で、実際の問題文の引用ではありません)。
1. 民法の受任者の義務(善管注意義務・報告)と、宅建業法34条の2が定める媒介契約の報告などを区別する型。権利関係の民法と、宅建業法の媒介契約がつながる場面です
2. 代理権の消滅事由で、「委任による代理権は、委任の終了によって消滅する」(111条2項)と、委任の終了事由(653条)を組み合わせる型
3. 委任の解除で、「いつでも解除できるか」と「損害賠償が必要か」を分けて問う型(651条)
4. 終了事由を、委任者・受任者の別に並べて、条文に挙がっているものを選ばせる型(653条)
5. 委任・請負・雇用の違いを、報酬の扱いで比べる型
間違えやすいポイント
- 651条の賠償を、解除の要件と取り違える。解除そのものはいつでもできて、賠償が必要かどうかが別に決まる
- 651条2項2号のかっこ書を落とす。受任者の利益のうち、専ら報酬を得ることによるものは含まれない
- 651条2項ただし書の「やむを得ない事由」を落とす。やむを得ない事由があれば、不利な時期の解除でも賠償は不要
- 653条3号を、委任者にも広げる。後見開始の審判が終了事由になるのは「受任者」だけで、委任者が後見開始の審判を受けても、653条では終了しない
- 644条の善管注意義務を、有償の委任だけの義務と考える。条文は報酬の有無で分けていない
- 648条1項を逆に読む。委任の受任者は、報酬の特約があって初めて報酬を請求できる(宅建業者が受け取る報酬の額の上限は、別に宅建業法46条が定めている)
- 委任(643条)と準委任(656条)を取り違える。法律行為をすることの委託が委任、法律行為でない事務の委託が準委任
まとめ
- 委任は、法律行為をすることを委託し、相手方が承諾して成立する契約。頼む側が委任者、引き受ける側が受任者(643条)。法律行為でない事務の委託は準委任(656条)
- 受任者は善管注意義務を負い(644条)、報告・受取物の引渡しなどの義務がある(645条・646条)。委任者は費用の前払・償還などの義務を負う(649条・650条)
- 報酬は、特約がなければ請求できない(648条1項)。成果に対して報酬を払う約束で、成果が引渡しを要するときは、引渡しと同時払い(648条の2第1項)
- 各当事者がいつでも解除でき(651条1項)、相手方に不利な時期の解除などは賠償が問題になる。やむを得ない事由があれば賠償は不要(651条2項)
- 終了事由は、死亡・破産手続開始の決定(どちらも当事者双方)と、受任者の後見開始の審判(653条)
- 宅建では、媒介契約・代理契約・代理権の消滅(111条2項)と結びつく。代理の中身は宅建の代理、媒介契約の種類と期間は宅建の媒介契約、報酬の上限の計算は宅建の報酬計算で確認できます
権利関係の全体像は宅建の権利関係の攻略(14問の内訳と論点別の記事)にまとめてあります。
本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構とは関係ありません。掲載している問題は、機構が公表する出題範囲を参照して合格ナビが作成した論点別問題です。条文は e-Gov 法令検索の民法(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)と宅地建物取引業法(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)を2026年10月8日に読んだものです。
よくある質問
Q委任者と受任者は、どちらが「頼む側」ですか?
委任者が頼む側(委託する側)、受任者が頼まれて引き受ける側です。民法643条は、委任を「当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」と定めており、委託する当事者の一方が委任者、承諾する相手方が受任者に当たります。
Q無報酬の委任でも、受任者は善管注意義務を負いますか?
負います。民法644条は、受任者は「委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定めており、報酬があることを条件にしていません。報酬については別に648条1項があり、特約がなければ受任者は委任者に報酬を請求できません。条文上、無報酬の委任でも、受任者は同じ注意義務を負います。
Q委任を途中で解除すると、必ず損害賠償を払うことになりますか?
必ずではありません。民法651条1項は、各当事者がいつでも解除できると定めています。そのうえで同条2項が、相手方に不利な時期に解除したとき、または委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したときに、相手方の損害を賠償するとしています。ただし、やむを得ない事由があったときは賠償しなくてよい、とされています。
Q委任者が後見開始の審判を受けると、委任は終了しますか?
民法653条の終了事由には、委任者が後見開始の審判を受けたことは挙がっていません。同条3号に挙がっているのは「受任者が後見開始の審判を受けたこと」だけです。委任者・受任者の死亡(1号)と、委任者・受任者が破産手続開始の決定を受けたこと(2号)は、どちらの当事者についても終了事由です。
Q宅建業者が結ぶ媒介契約は、民法の委任と関係がありますか?
宅建業法34条の2は媒介契約の書面交付などを定めていますが、媒介契約が民法のどの契約類型に当たるかは書いていません。媒介は、依頼者に代わって契約を結ぶこと(法律行為)ではなく、相手方を探したり条件を調整したりする事務です。民法の類型に当てはめて考えるなら、656条の「法律行為でない事務の委託」(準委任)として委任の規定を準用する見方になりますが、条文に書かれていない論点で、考え方による部分です。宅建業者の媒介契約については、書面の記載事項や報告、報酬の額の上限を宅建業法が別に定めています(34条の2・46条)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

