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宅建の建ぺい率・容積率計算のしかた・緩和・前面道路の幅員を条文で整理

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この記事でわかること

宅建の建ぺい率と容積率を、建築基準法52条・53条と施行令の条文で整理します。用途地域ごとの上限、角地や防火地域の緩和、前面道路の幅員による制限、地下室や車庫の扱いを、当サイトの計算例つきで確認できます。

目次
  1. 建ぺい率と容積率の違い(早見表)
  2. 建ぺい率:用途地域ごとの上限(53条1項)
  3. 建ぺい率の緩和:加算と「制限なし」(53条3項・6項〜8項)
  4. 建築面積の求め方:軒やひさしの扱い(施行令2条1項2号)
  5. 容積率:用途地域ごとの上限(52条1項)
  6. 前面道路の幅員による容積率の制限(52条2項)
  7. 特定道路・壁面線・計画道路による容積率の調整(52条9項〜12項)
  8. 延べ面積に入れない部分:地下室・共用部・車庫(52条3項・6項、令2条)
  9. 容積率の緩和:住宅・高層住居誘導地区・許可(52条8項・14項ほか)
  10. 敷地が複数の地域にまたがるとき(52条7項・53条2項)
  11. 宅建の建ぺい率・容積率の解き方:4ステップ
  12. まとめ
結論:建ぺい率は「建築面積÷敷地面積」の上限(建築基準法53条)、容積率は「延べ面積÷敷地面積」の上限(同52条)です。計算の手順は3つ。①都市計画で定められた数値を用途地域から確認する、②建ぺい率は角地や防火地域などの加算(53条3項)、容積率は前面道路の幅員が12m未満のときの制限(52条2項)を当てはめる、③条文が定める面積の数え方(建築面積・延べ面積)で、上限の面積を出す。容積率の前面道路の制限は「幅員(m)×4/10または6/10」と都市計画の数値を比べて、小さいほうを使います。

この記事は、e-Gov 法令検索で読んだ建築基準法(52条・53条ほか)と建築基準法施行令の条文だけをもとに、建ぺい率と容積率の計算と緩和を整理したものです。法令上の制限の全体は宅建の法令上の制限の数字の表にまとめてあり、建築確認は宅建の建築確認で扱っています。ここでは、計算の手順と、緩和の規定の見分け方に絞ります。

建ぺい率と容積率の違い(早見表)

項目建ぺい率容積率
何の割合か建築面積(同一敷地内に2つ以上の建築物があれば合計)の敷地面積に対する割合建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合
条文建築基準法53条建築基準法52条
上限の決まり方用途地域ごとに、都市計画で定められた数値(53条1項)用途地域ごとに、都市計画で定められた数値(52条1項)に加え、前面道路の幅員による制限(同2項)
主な緩和・加算角地・防火地域などで1/10または2/10を加算、一定の場合は制限なし(53条3項・6項)住宅の地階、共用の廊下・階段、車庫など、延べ面積に入れない部分(52条3項・6項、令2条)
面積の数え方施行令2条1項2号の建築面積施行令2条1項4号の延べ面積
建ぺい率と容積率の定義:建ぺい率は、建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合は、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合。容積率は、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法52条・53条。

建ぺい率:用途地域ごとの上限(53条1項)

建築基準法53条1項は、用途地域ごとに、都市計画で定める数値の候補を決めています。どの数値になるかは土地ごとに違い、都市計画で定められます。

用途地域建ぺい率の候補(条文の号)
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・田園住居地域・工業専用地域3/10、4/10、5/10、6/10(1号)
第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・準工業地域5/10、6/10、8/10(2号)
近隣商業地域6/10、8/10(3号)
商業地域8/10(4号)
工業地域5/10、6/10(5号)
用途地域の指定のない区域3/10、4/10、5/10、6/10、7/10のうち、特定行政庁が定めるもの(6号)
建ぺい率の用途地域別の候補:商業地域は8/10。近隣商業地域は6/10または8/10。第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・準工業地域は5/10・6/10・8/10。工業地域は5/10または6/10。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法53条1項。

建ぺい率の緩和:加算と「制限なし」(53条3項・6項〜8項)

建ぺい率の数値に加算できるのは、次の2つです(53条3項)。

区分該当する建築物加算
1号防火地域内の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等(防火地域は、建ぺい率の限度が8/10とされている地域を除く)1/10
2号街区の角にある敷地、またはこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物1/10
1号と2号の両方上記の両方に該当2/10

加算は「建ぺい率の数値に足す」ものです。これとは別に、次の3つに当たる建築物には、建ぺい率の制限そのものが適用されません(53条6項)。

場面結果根拠
53条1項2号〜4号により建ぺい率の限度が8/10とされている地域の、防火地域内にある耐火建築物等建ぺい率の制限が適用されない53条6項1号
巡査派出所・公衆便所・公共用歩廊その他これらに類するもの制限が適用されない53条6項2号
公園・広場・道路・川などの内にある建築物で、特定行政庁が許可したもの制限が適用されない53条6項3号

敷地が防火地域の内外にわたる場合に、敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であれば、敷地は全て防火地域内にあるものとみなします(53条7項)。敷地が準防火地域と、防火地域・準防火地域以外の区域にわたる場合に、建築物の全部が耐火建築物等または準耐火建築物等であれば、全て準防火地域内にあるものとみなします(同8項)。

特定行政庁の許可で、建ぺい率の限度を超えられる場合もあります。隣地境界線から後退する壁面線の指定がある場合(53条4項)、前面道路の境界線から後退して壁面線が指定された場合や特定防災街区整備地区の壁面の位置の制限がある場合(同5項1号・2号)などです。いずれも、壁面線などを越えない建築物で、特定行政庁が許可したものに限られます。

建ぺい率の加算:防火地域・準防火地域の耐火建築物等などで1/10、特定行政庁が指定する角地で1/10、両方に該当すれば2/10を加算する。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法53条3項。

建ぺい率の計算例(当サイトの計算)

数値は、いずれも当サイトの設例です。

設例計算検算
第一種低層住居専用地域で都市計画の建ぺい率4/10。特定行政庁が指定した角地。敷地180㎡40%に1/10(10%)を加算して50%。建築面積の上限は 180㎡×50%=90㎡180㎡×40%=72㎡、180㎡×10%=18㎡、合計90㎡で一致
近隣商業地域で都市計画の建ぺい率6/10。防火地域内の耐火建築物。角地ではない。敷地200㎡60%に1/10を加算して70%(防火地域の1号に該当)。建築面積の上限は 200㎡×70%=140㎡200㎡×60%=120㎡、200㎡×10%=20㎡、合計140㎡で一致
上の設例が角地でもある場合1号と2号の両方に該当するので2/10を加算して80%。上限は 200㎡×80%=160㎡70%(防火地域)にさらに角地の10%を足して80%。160㎡で一致
近隣商業地域で都市計画の建ぺい率8/10。防火地域内の耐火建築物建ぺい率の制限が適用されない(53条6項1号)80%に10%を足した90%にはならない。条文は加算ではなく、制限の適用除外

建築面積の求め方:軒やひさしの扱い(施行令2条1項2号)

建ぺい率の分子の建築面積は、建築基準法施行令2条1項2号が数え方を定めています。外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積が基本です。

軒、ひさし、はね出し縁などが、中心線から水平距離1m以上突き出ているときは、その端から水平距離1m後退した線で囲まれた部分の水平投影面積で数えます。条文は、建ぺい率の算定の基礎となる建築面積について、工場や倉庫の貨物の積卸し用の軒等などの例外も定めています。

敷地面積は、敷地の水平投影面積です。ただし、法42条2項・3項・5項により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しません(令2条1項1号)。

建築面積と敷地面積の計算例(当サイトの計算)

  • 外壁の中心線で囲まれた部分が10m×8m=80㎡の建物で、四方に軒が1.5m突き出している場合

- ① 軒の端から1m後退した線は、中心線から0.5mの位置。建築面積は (10+0.5×2)×(8+0.5×2)=11×9=99㎡

- ② 検算:80㎡に、周囲の帯 2×(10+8)×0.5=18㎡ と、四隅の 0.5×0.5×4=1㎡ を足して99㎡。①と一致する

- 軒の突き出しが1m未満なら、軒は建築面積に入らず80㎡のまま

  • 道路の境界線とみなされる線と道との間の部分が6㎡ある、150㎡の土地の場合:敷地面積は 150㎡−6㎡=144㎡。建ぺい率60%なら、建築面積の上限は 144㎡×60%=86.4㎡

容積率:用途地域ごとの上限(52条1項)

容積率も、用途地域ごとに、都市計画で定める数値が決まります。

用途地域容積率の候補(条文の号)
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域5/10、6/10、8/10、10/10、15/10、20/10(1号)
第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・準工業地域10/10、15/10、20/10、30/10、40/10、50/10(2号)
商業地域20/10から130/10まで(20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130。3号)
工業地域・工業専用地域10/10、15/10、20/10、30/10、40/10(4号)
用途地域の指定のない区域5/10、8/10、10/10、20/10、30/10、40/10のうち、特定行政庁が定めるもの(8号)

容積率が100%なら、延べ面積の上限は敷地面積と同じです。

前面道路の幅員による容積率の制限(52条2項)

前面道路の幅員が12m未満の建築物には、都市計画の数値のほかに、次の制限が加わります(52条2項)。容積率は、「前面道路の幅員のメートルの数値×下の数値」以下でなければなりません。

用途地域掛ける数値
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域4/10
第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域4/10(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内では6/10)
上記以外(近隣商業・商業・準工業・工業・工業専用・用途地域の指定のない区域など)6/10(特定行政庁が指定する区域内では、4/10または8/10のうち特定行政庁が定めるもの)
前面道路による容積率の制限:前面道路の幅員が12m未満のとき、容積率は幅員のメートルの数値に、低層住居専用地域・田園住居地域は4/10、中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域は4/10(指定区域では6/10)、その他は6/10(指定区域では4/10または8/10)を乗じた数値以下。前面道路が二以上あるときは最大の幅員。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法52条2項。

高層住居誘導地区内で、住宅の用途の部分が延べ面積の3分の2以上などの一定の建築物は、上の2行目の区分から除かれ、「上記以外」の6/10の区分で計算します。実際の上限は、都市計画で定められた容積率(52条1項)と、この前面道路による数値の小さいほうです。前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のものを使います(52条2項かっこ書)。

容積率の計算例(当サイトの計算)

  • 設例A:第一種住居地域、都市計画の容積率300%(30/10)、前面道路の幅員4m、特定行政庁の指定区域ではない、敷地150㎡

- ① 前面道路による数値:4×4/10=16/10(160%)。都市計画の300%より小さいので、容積率の上限は160%

- ② 延べ面積の上限:150㎡×160%=240㎡

- ③ 検算:都市計画どおりなら150㎡×300%=450㎡。前面道路が効き始める境目の幅員は 300%÷40%=7.5m。4mは7.5mより狭いので、前面道路の制限が効くことが確認できる

  • 設例B:第二種中高層住居専用地域、都市計画の容積率200%、前面道路が幅員6mと4mの2本、指定区域ではない、敷地120㎡

- ① 前面道路は幅員の最大のもの、つまり6mを使う。6×4/10=24/10(240%)。都市計画の200%より大きいので、容積率の上限は200%

- ② 延べ面積の上限:120㎡×200%=240㎡

- ③ 検算:境目の幅員は 200%÷40%=5m。6mは5m以上なので、都市計画の200%が上限になることが確認できる

  • 設例C:商業地域、都市計画の容積率600%、前面道路の幅員8m、敷地200㎡

- ① 8×6/10=48/10(480%)。都市計画の600%より小さいので、上限は480%。延べ面積の上限は200㎡×480%=960㎡

- ② 検算:境目の幅員は 600%÷60%=10m。8mは10mより狭いので、前面道路の制限が効く

特定道路・壁面線・計画道路による容積率の調整(52条9項〜12項)

前面道路の幅員は、状況によって読み替えられる場合があります。

  • 特定道路(幅員15m以上の道路)に接続する、幅員6m以上12m未満の前面道路で、特定道路からの延長が70m以内の部分に敷地が接するときは、前面道路の幅員に、政令で定める数値を加えて計算します(52条9項)。施行令135条の18は、この数値を Wa=(12−Wr)(70−L)/70 と定めています(Wrは前面道路の幅員、Lは特定道路から、敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長)
  • 計画道路は、特定行政庁が許可した建築物について前面道路とみなします(52条10項)。この場合、敷地のうち計画道路の部分の面積は、敷地面積に算入しません
  • 壁面線の指定がある場合に、特定行政庁が一定の基準に適合すると認めて許可した建築物は、前面道路の境界線は壁面線にあるとみなして計算します(同11項)。掛ける数値が4/10とされている建築物で、壁面線等を越えないものは、許可によらず同様に扱えます(同12項)。ただし、容積率は前面道路の幅員のメートルの数値に6/10を乗じたもの以下とされています

壁面線は、特定行政庁が、街区内における建築物の位置を整え、その環境の向上を図るために必要があると認める場合に、建築審査会の同意を得て指定するものです(46条1項)。

特定道路の計算例(当サイトの計算)

第一種住居地域、都市計画の容積率400%、前面道路の幅員6m(指定区域ではない)、特定道路から前面道路の部分の直近の端までの延長が35m、敷地100㎡の場合です。

  • ① 加算する数値:Wa=(12−6)(70−35)/70=6×35/70=3m。幅員は6m+3m=9mとして計算する
  • ② 容積率:9×4/10=36/10(360%)。都市計画の400%より小さいので、上限は360%。延べ面積の上限は100㎡×360%=360㎡
  • ③ 検算:加算がなければ6×4/10=240%(240㎡)。加算後は、幅員が3m増えた分の 3×4/10=120% が上乗せされ、240%+120%=360%で一致する

この論点の問題を解く

延べ面積に入れない部分:地下室・共用部・車庫(52条3項・6項、令2条)

容積率の分母ではなく分子の「延べ面積」は、建築物の各階の床面積の合計です(令2条1項4号)。ただし、条文は次の部分を、容積率の計算では延べ面積に算入しないと定めています。

部分内容根拠
住宅・老人ホーム等の地階天井が地盤面からの高さ1m以下の地階の、住宅・老人ホーム等の用途の部分。床面積が、住宅・老人ホーム等の部分の床面積の合計の3分の1を超えるときは、3分の1まで52条3項
昇降機の昇降路政令で定める昇降機(エレベーター)の昇降路の部分52条6項1号、令135条の16
共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段共用の廊下・階段の用に供する部分52条6項2号
自動車車庫等自動車・自転車の停留・駐車の施設の部分。敷地内の建築物の各階の床面積の合計の5分の1が限度令2条1項4号イ・3項1号
備蓄倉庫・蓄電池・自家発電設備・貯水槽・宅配ボックス専ら防災のための備蓄倉庫は50分の1、蓄電池は50分の1、自家発電設備は100分の1、貯水槽は100分の1、宅配ボックスは100分の1が限度令2条1項4号ロ〜ヘ、3項2号〜6号
住宅の地階と自動車車庫の延べ面積の扱い:住宅・老人ホーム等の地階(天井が地盤面から1m以下)は、その用途の部分の床面積の合計の3分の1まで延べ面積に算入しない。自動車車庫等は、各階の床面積の合計の5分の1まで算入しない。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法52条3項、建築基準法施行令2条。

延べ面積の計算例(当サイトの計算)

  • 地下室(全て住宅の用途、共用部分はなし):住宅の用途の部分が、地階150㎡と地上150㎡の合計300㎡。3分の1は100㎡。

- ① 地階の150㎡は100㎡を超えるので、100㎡まで算入しない。容積率の算定の延べ面積は 300㎡−100㎡=200㎡

- ② 検算:地上150㎡+地階のうち算入する分(150㎡−100㎡=50㎡)=200㎡で一致

- 地階が90㎡で地上が210㎡(合計300㎡)なら、3分の1の100㎡以内なので90㎡は全て算入しない。延べ面積は210㎡

  • 自動車車庫:各階の床面積の合計が400㎡で、そのうち自動車車庫の部分が120㎡。5分の1の限度は 400㎡×1/5=80㎡。延べ面積は 400㎡−80㎡=320㎡(算入しないのは120㎡ではなく80㎡まで)

容積率の緩和:住宅・高層住居誘導地区・許可(52条8項・14項ほか)

容積率には、数値そのものを引き上げる規定もあります。

規定内容根拠
高層住居誘導地区住宅の用途の部分が延べ面積の3分の2以上などの一定の建築物について、2号の数値から、その1.5倍以下で政令の方法により算出した数値までの範囲内で、都市計画で定める52条1項5号、令135条の14
住宅の用途を含む建築物第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・準工業地域・商業地域内で、一定の空地・敷地面積の条件を満たすとき、都市計画の数値の1.5倍以下の範囲で政令の方法により算出した数値を用いる52条8項
許可による緩和機械室等の割合が著しく大きい建築物、敷地の周囲に広い公園・広場・道路などの空地を有する建築物、外壁工事を行う建築物などで特定行政庁が許可したもの52条14項

施行令135条の14は、52条1項5号・8項の数値の計算を Vr=3Vc/(3−R) と定めています(Vrは算出した数値、Vcは都市計画で定められた容積率の数値、Rは住宅の用途の部分の床面積の合計の延べ面積に対する割合)。

高度利用地区は、都市計画で定められた容積率の最高限度を、52条1項各号の数値とみなして52条を適用します(59条3項)。特定街区は、容積率と高さを都市計画で定められた限度以下とし、52条から59条の2までなどの規定を適用しません(60条1項・3項)。

敷地が複数の地域にまたがるとき(52条7項・53条2項)

建築物の敷地が、容積率または建ぺい率の制限が異なる地域にまたがるときは、それぞれの地域の限度に、敷地のその地域にある部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて、合計します(容積率は52条7項、建ぺい率は53条2項)。

加重平均の計算例(当サイトの計算)

敷地300㎡のうち、200㎡が第一種住居地域(建ぺい率60%)、100㎡が近隣商業地域(建ぺい率80%)の場合です。

  • ① 建ぺい率:60%×200/300+80%×100/300=40%+26.67%=約66.7%。建築面積の上限は 約200㎡
  • ② 検算:面積ごとに上限を出して足す。200㎡×60%=120㎡、100㎡×80%=80㎡、合計200㎡。200㎡÷300㎡=約66.7%で一致する

容積率も同じ考え方です。たとえば、前面道路の制限を考えない前提で、200㎡の部分の容積率が300%、100㎡の部分が500%なら、延べ面積の上限は 200㎡×300%+100㎡×500%=600㎡+500㎡=1,100㎡です。

宅建の建ぺい率・容積率の解き方:4ステップ

計算問題は、次の順で整理すると、条文の読み落としが減ります。

1. 用途地域と都市計画の数値を確認する(建ぺい率は53条1項、容積率は52条1項)

2. 建ぺい率は、角地・防火地域・準防火地域・建築物の構造から、加算と「制限なし」を判定する(53条3項・6項)。容積率は、前面道路の幅員が12m未満かを見て、幅員×4/10または6/10を計算し、都市計画の数値と比べて小さいほうを取る(52条2項)

3. 敷地が複数の地域にまたがるなら、面積で按分して合計する(52条7項・53条2項)

4. 面積の数え方(建築面積の軒、延べ面積に入らない地階・車庫など)を条文で確認し、上限の面積を出す

当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題で、各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。

まとめ

  • 建ぺい率は建築面積÷敷地面積、容積率は延べ面積÷敷地面積。上限は、用途地域ごとに都市計画で定められた数値(53条1項・52条1項)
  • 建ぺい率は、防火地域・準防火地域の耐火建築物等などで1/10、角地で1/10、両方なら2/10を加算。建ぺい率8/10の地域の防火地域内にある耐火建築物等は、制限が適用されない(53条3項・6項)
  • 容積率は、前面道路の幅員が12m未満なら、幅員(m)×4/10または6/10と、都市計画の数値のうち小さいほう。道路が2つ以上なら最大の幅員(52条2項)
  • 住宅の地階は3分の1まで、車庫は5分の1まで、共用の廊下・階段・昇降路は、延べ面積に算入しない(52条3項・6項、令2条)
  • 敷地が複数の地域にまたがるときは、面積で按分して合計する(52条7項・53条2項)
本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構とは関係ありません。掲載している問題は、機構が公表する出題範囲を参照して合格ナビが作成した論点別問題です。条文は e-Gov 法令検索の建築基準法・建築基準法施行令を2026年10月7日に読んだものです。計算例の数値は当サイトの設例で、実在の土地の数値ではありません。試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構)。

よくある質問

Q敷地が2本の道路に接しているとき、容積率の計算にはどちらの道路の幅員を使いますか?

幅員の最大のものを使います。建築基準法52条2項は、前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のものを前面道路として扱うと定めています。たとえば幅員6mと4mの道路に接しているなら、6mで計算します。

Q前面道路の幅員が12m以上のときは、前面道路による容積率の制限はかかりませんか?

52条2項の制限は、前面道路の幅員が12メートル未満である建築物にかかるものです。12m以上の場合は、この制限は加わらず、都市計画で定められた容積率(52条1項)が上限になります。

Q地下室は容積率の計算に入りますか?

住宅や老人ホーム等の用途に供する地階で、天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものは、その部分の床面積が、住宅・老人ホーム等の床面積の合計の3分の1までは延べ面積に算入されません(52条3項)。3分の1を超える部分は算入します。地盤面は、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面です(同4項)。

Q商業地域で防火地域内の耐火建築物なら、建ぺい率はいくらになりますか?

商業地域の建ぺい率は8/10です(53条1項4号)。建ぺい率8/10の地域の防火地域内にある耐火建築物等には、建ぺい率の制限そのものが適用されません(53条6項1号)。8/10に1/10を足して9/10になる、という仕組みではありません。

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