都市計画法を宅建向けに、e-Govの条文と施行令で整理。都市計画区域と区域区分、準都市計画区域に定められる地域地区、開発許可が要るかを3つの質問で判定する表、許可後の流れ、都市計画制限を確認でき、オリジナル例題2問と令和8年度の法令基準日つきです。
目次
結論:都市計画法は「区域を決める(都市計画区域→区域区分→地域地区)」「開発行為を許可で止める(29条)」「都市計画の邪魔になる建築や譲渡を制限する(53条・65条・67条・58条の2)」の3つで読むと整理できます。開発許可が要るかは、①どの区域か、②建築物か特定工作物のための土地の区画形質の変更(開発行為)か、③規模と例外に当たるか、の順に判定します。令和7年度の宅建試験では、問15・問16が都市計画法でした。
都市計画法の要点を、条文(e-Gov 法令検索の2026-10-03 時点の現行条文)と施行令の数字で整理します。条文は 都市計画法、規模の数字は 同法施行令 にあります。
| 段階 | 内容 | 主な条文 |
|---|---|---|
| ① 区域 | 都市計画区域・準都市計画区域を指定し、都市計画区域には区域区分(市街化区域・市街化調整区域)を定められる | 5条・5条の2・7条 |
| ② 地域地区 | 用途地域などを都市計画で定める | 8条・9条 |
| ③ 開発行為の規制 | 区域・規模に応じて開発許可。許可の基準は33条・34条 | 29条・33条・34条 |
| ④ 許可後 | 工事完了届・検査済証・公告。公告までの建築制限と、公告後の建築制限 | 36条・37条・42条・43条 |
| ⑤ 都市計画制限 | 都市計画施設の区域内の建築許可、都市計画事業の事業地内の許可と先買い、地区計画の届出 | 53条・65条・67条・58条の2 |
当サイトの法令上の制限の問題(60問)のうち、都市計画法を扱う問題は12問(問1〜12)、そのうち開発許可を扱う問題は4問(問4・5・6・11)です(2026-10-03集計)。当サイトの問題数であり、本試験の出題頻度ではありません。
都市計画法の全体像と、区域の階層
目的は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することです(1条)。
区域は、広いほうから次のように重なります。
- 都市計画区域:都道府県が、一体の都市として総合的に整備・開発・保全する必要がある区域を指定します(5条1項)。2以上の都府県にわたる区域は、国土交通大臣が関係都府県の意見を聴いて指定します(5条4項)
- 準都市計画区域:都市計画区域の外で、そのまま放置すると将来の都市としての整備・開発・保全に支障が生じるおそれがある区域を、都道府県が指定できます(5条の2第1項)
- 都市計画区域・準都市計画区域のどちらでもない区域:開発許可は、1ヘクタール以上の開発行為が対象です(29条2項・施行令22条の2)
都市計画区域の中は、さらに区域区分で分かれることがあります(7条)。
| 区域 | 定義(7条) | 区域区分の定め方 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 | 区域区分を定める都市計画区域の中 |
| 市街化調整区域 | 市街化を抑制すべき区域 | 区域区分を定める都市計画区域の中 |
| 区域区分が定められていない都市計画区域 | (非線引き区域と呼ばれることがあります) | 区域区分を定めない都市計画区域 |
区域区分は、必要があるときに定められます(7条1項本文)。首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域を含む都市計画区域などは、定めることが義務です(7条1項ただし書)。
国土交通省の開発許可制度の概要は、開発許可制度の趣旨を、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分(いわゆる「線引き制度」)を担保し、良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的とするものと説明しています。区域区分と開発許可がセットで覚えられる理由です。
地域地区:用途地域と、準都市計画区域に定められるもの
地域地区は、都市計画区域について都市計画に定められる地域・地区・街区で、8条1項に1号から16号まで列挙されています。1号が用途地域で、13種類です(第一種低層住居専用地域から工業専用地域まで)。13種類の目的は9条1項〜13項に1つずつ書かれていて、たとえば準住居地域は「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域」です(9条7項)。13種類の一覧は宅建 法令上の制限にあります。
用途地域は、市街化区域には少なくとも定め、市街化調整区域には原則として定めません(13条1項7号)。
準都市計画区域は、都市計画区域より定められる地域地区が限られます(8条2項)。
| 都市計画区域に定められる地域地区(8条1項) | 準都市計画区域に定められるか(8条2項) |
|---|---|
| 用途地域(1号) | 定められる |
| 特別用途地区(2号)・特定用途制限地域(2号の2) | 定められる |
| 高度地区(3号) | 定められる(高度利用地区は含まれない) |
| 景観地区(6号)・風致地区(7号) | 定められる |
| 緑地保全地域(12号) | 定められる(特別緑地保全地区・緑化地域は含まれない) |
| 伝統的建造物群保存地区(15号) | 定められる |
| 防火地域・準防火地域(5号)、特定街区(4号)、高度利用地区(3号の一部)など上記以外 | 列挙がないため、定められない。防火地域・準防火地域の建築規制は宅建の防火地域・準防火地域で扱っています |
準都市計画区域に定められる地域地区:都市計画法8条2項の列挙(1号から2号の2まで、3号のうち高度地区、6号、7号、12号のうち緑地保全地域、15号)。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 法令検索 都市計画法(8条2項)。
表の右列は、8条2項の列挙と見比べて当サイトが整理したものです。令和7年度の問15は、1番目の選択肢が風致地区(地域地区の1つ)に関する記述で始まる問題でした(設問文は載せません)。
この論点の問題を解く
開発行為とは何か(4条12項)
「開発行為」は、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいいます(4条12項)。目的が建築物か特定工作物であることが定義の一部で、建築物も特定工作物も目的にしない土地の変更は、定義に当たりません。
特定工作物は2種類です(4条11項・施行令1条)。
| 種類 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 第一種特定工作物 | コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの。政令は、アスファルトプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵又は処理に供する工作物(一定のものを除く) | 4条11項前段・施行令1条1項 |
| 第二種特定工作物 | ゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの。政令は、規模が1ヘクタール以上の運動・レジャー施設(野球場・庭球場・陸上競技場・遊園地・動物園など。学校や都市公園などは除く)と墓園 | 4条11項後段・施行令1条2項 |
国土交通省の概要も、開発行為を、建築物の建築、第1種特定工作物(コンクリートプラント等)の建設、第2種特定工作物(ゴルフコース、1ha以上の墓園等)の建設を目的とした「土地の区画形質の変更」と説明しています。
開発許可が要るかを、3つの質問で判定する
29条1項は、都市計画区域又は準都市計画区域内で開発行為をしようとする者に、あらかじめ都道府県知事(指定都市・中核市ではその長)の許可を求めています。2項は、都市計画区域・準都市計画区域の外でも、政令の規模以上なら許可を求めます。
判定は次の順に進めます(順序は当サイトの整理です)。
- ① どの区域か:市街化区域、市街化調整区域、区域区分のない都市計画区域、準都市計画区域、そのどれでもない区域
- ② 開発行為か:建築物又は特定工作物のための土地の区画形質の変更か(4条12項)
- ③ 規模と例外:規模が基準以上か。基準以上でも、例外(次の見出し)に当たらないか
規模の基準は次のとおりです。
| 区域 | 許可が必要になる規模 | 条文 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 1,000㎡以上(東京都の特別区の存する区域、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯など、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域など、中部圏の都市整備区域などにかかる市町村の区域では500㎡以上) | 29条1項1号・施行令19条1項・2項 |
| 市街化調整区域 | 規模にかかわらず(1号の規模の例外が及ばない) | 29条1項(1号は市街化調整区域を挙げていない) |
| 区域区分が定められていない都市計画区域 | 3,000㎡以上 | 29条1項1号・施行令19条1項 |
| 準都市計画区域 | 3,000㎡以上 | 29条1項1号・施行令19条1項 |
| 都市計画区域・準都市計画区域の外 | 1ヘクタール(10,000㎡)以上 | 29条2項・施行令22条の2 |
市街化区域と非線引き区域・準都市計画区域は、都道府県(指定都市等・事務処理市町村の区域では、その市町村)が条例で、市街化区域は300㎡以上1,000㎡未満、非線引き区域・準都市計画区域は300㎡以上3,000㎡未満の範囲で、区域を限って規模を別に定めることができます(施行令19条1項ただし書。条例が定められている場合に限ります)。
開発許可の規模の基準:市街化区域1,000㎡(特別区の区域などは500㎡)、区域区分のない都市計画区域・準都市計画区域3,000㎡、区域外1ヘクタール。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 法令検索 都市計画法施行令(19条・22条の2)。
開発区域が複数の区域にまたがるとき
開発区域が、市街化区域・区域区分のない都市計画区域・準都市計画区域・区域外のうち2以上にまたがる場合は、施行令22条の3が適用されます(29条3項)。29条1項1号の「規模未満なら許可不要」が使えるのは、次の要件をすべて満たすときです(22条の3第1項)。
- 開発区域の面積の合計が1ヘクタール未満
- 市街化区域・非線引き区域・準都市計画区域のうち2以上にまたがる部分の面積の合計が、それぞれの区域で許可不要とされる規模のうち最も大きい規模未満
- 市街化区域の部分が1,000㎡(500㎡の区域は500㎡)未満、非線引き区域の部分が3,000㎡未満、準都市計画区域の部分が3,000㎡未満(条例で別の規模が定められていれば、その規模)
市街化区域・非線引き区域・準都市計画区域と、区域外とにまたがる場合は、面積の合計が1ヘクタール以上なら29条2項の許可が必要です(22条の3第2項)。
この論点の問題を解く
規模が基準以上でも、許可が要らない開発行為
29条1項のただし書は、次の開発行為に許可を求めていません(1号は規模の基準未満のもの)。
| 号 | 内容 | 区域の限定 |
|---|---|---|
| 2号 | 農業・林業・漁業の用に供する政令で定める建築物、又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物のための開発行為 | 市街化調整区域・区域区分のない都市計画区域・準都市計画区域(市街化区域は含まれない) |
| 3号 | 駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所など公益上必要な建築物で、政令で定めるもののための開発行為 | 区域の限定なし |
| 4号〜8号 | 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業・住宅街区整備事業・防災街区整備事業の施行として行う開発行為 | 区域の限定なし |
| 9号 | 公有水面埋立法の免許を受けた埋立地で、まだ同法22条2項の告示がないものにおける開発行為 | 区域の限定なし |
| 10号 | 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為 | 区域の限定なし |
| 11号 | 通常の管理行為、軽易な行為その他政令で定めるもの | 区域の限定なし |
2号の「政令で定める建築物」は、畜舎・蚕室・温室などの農林漁業の生産や集荷の用に供する建築物、堆肥舎・サイロなどの資材の貯蔵・保管の用に供する建築物、家畜診療の用に供する建築物、農用地の管理の用に供する建築物、そして建築面積が90㎡以内の建築物です(施行令20条)。3号の例のうち、鉄道事業の施設である建築物(施行令21条4号)や、図書館・博物館・公民館の施設(同条17号・18号)が政令で定められています。11号の政令には、仮設建築物の建築、車庫・物置などの附属建築物の建築、増築で床面積10㎡以内のものなどがあります(施行令22条)。
2号は、市街化区域を含まない点が出題の核です。市街化区域で農家が自己の住宅のために開発行為をするときは、規模が基準以上なら許可が必要です。
都市計画区域・準都市計画区域の外(29条2項)では、ただし書が少し違います。農林漁業用の建築物等(1号)と、上の表の3号・4号・9号・10号・11号の開発行為が、許可の対象外です(29条2項ただし書)。区画整理事業などの5号〜8号は、2項のただし書には挙がっていません。
国や都道府県などが行う開発行為は、29条1項各号のものを除き、国の機関・都道府県等と都道府県知事との協議が成立すれば、開発許可があったものとみなされます(34条の2第1項)。
許可の基準と手続・許可後の流れ
申請の前(32条)
開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議してその同意を得ます(32条1項)。また、開発行為又は工事によって設置される公共施設を管理することとなる者などと協議します(32条2項)。
許可の基準(33条・34条)
都道府県知事は、申請に係る開発行為が33条1項の基準に適合し、手続が法令に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければなりません(33条1項)。基準には、用途地域などの用途制限への適合(1号)、道路・公園・排水施設・給水施設の配置(2号〜4号)、災害防止のための地盤改良・擁壁などの措置(7号)、災害危険区域などを含まないこと(8号。主として自己の居住用の住宅のための開発行為には適用されず、ただし書もあり)、権利を有する者の相当数の同意(14号)などがあります。7号には、宅地造成等工事規制区域の工事と、特定盛土等規制区域の工事(盛土規制法30条1項の規模のもの)が、盛土規制法の技術的基準に適合することも含まれています(詳しくは盛土規制法)。
国土交通省の概要は、33条を技術基準、34条を立地基準と呼び、34条は市街化調整区域にだけ適用されると説明しています。市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設のためのものを除く)では、33条の基準に加えて、34条1号〜14号のいずれかに当たるものでなければ、知事は開発許可をしてはなりません(34条)。
| 条 | 性格 | 適用される区域 |
|---|---|---|
| 33条 | 技術基準(道路・公園・排水・給水・災害防止など) | 開発許可を受けるすべての開発行為 |
| 34条 | 立地基準(許可できる開発行為の類型を限定) | 市街化調整区域に係る開発行為(第二種特定工作物のためのものを除く) |
工事から公告まで(36条・37条)
- ① 開発許可を受けた者は、開発区域全部の工事を完了したとき、その旨を都道府県知事に届け出ます(36条1項)
- ② 知事は、遅滞なく検査し、許可の内容に適合していると認めたときは検査済証を交付します(36条2項)
- ③ 知事は、検査済証を交付したときは、遅滞なく、工事が完了した旨を公告します(36条3項)
③の公告があるまでの間は、開発許可を受けた開発区域内の土地で、建築物の建築や特定工作物の建設ができません(37条)。ただし、工事用の仮設建築物を建築するとき、その他知事が支障がないと認めたとき(1号)、開発行為への同意をしていない権利者が、その権利の行使として建築するとき(2号)は除かれます。
公告があった後は、開発許可に係る予定建築物等以外の建築物の新築や、予定建築物以外への用途変更が禁止されます(42条1項)。知事が支障がないと認めて許可したときは、例外です。また、開発区域内の土地について用途地域等が定められているときも、この制限には例外があります(同項ただし書)。
市街化調整区域での建築制限(43条)
市街化調整区域のうち、開発許可を受けた開発区域以外の区域では、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築や第一種特定工作物の新設ができません(43条1項)。農林漁業用建築物などの29条1項2号・3号に当たる建築物は、もともと制限の対象外です(43条1項本文)。都市計画事業の施行として行う建築、応急措置、仮設建築物の新築なども、許可が不要です(同項ただし書)。
この論点の問題を解く
罰則
開発許可を受けずに開発行為をした者は、50万円以下の罰金です(92条3号)。都道府県知事などの監督処分(81条1項の命令)に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(91条)。
都市計画法の罰則:無許可の開発行為は50万円以下の罰金(92条3号)、81条1項の命令違反は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(91条)。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 法令検索 都市計画法(91条・92条)。
都市計画制限:建築・譲渡・届出が必要になる場面
開発許可とは別に、都市計画が決まった土地には、将来の事業の邪魔にならないように次の制限がかかります。
| 場面 | 制限の内容 | 相手方 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内で建築物を建築する | 許可(軽易な行為は不要。政令は、階数2以下で地階がない木造の建築物の改築・移転) | 都道府県知事等 | 53条1項・施行令37条 |
| 都市計画事業の認可の告示があった後、事業地内で土地の形質変更や建築物の建築などをする | 許可 | 都道府県知事等 | 65条1項 |
| 事業地内の土地建物等を有償で譲り渡す(公告の日の翌日から起算して10日を経過した後) | 書面で施行者に届出。届出から30日以内に施行者が買い取る旨を通知すれば、売買が成立したものとみなされる | 施行者 | 67条 |
| 地区計画の区域内(地区整備計画などが定められている区域)で土地の区画形質の変更・建築物の建築などをする | 着手の30日前までに届出。不適合なら市町村長が設計変更などを勧告できる | 市町村長 | 58条の2 |
53条は「許可」、58条の2は「届出」、67条の先買いは「届出」と、手続の名前が分かれている点が、押さえておきたいところです。都市計画事業の認可の告示があったときは、施行者は、すみやかに一定の事項を公告するとともに、有償譲渡の制限を関係権利者に周知させる措置や住民への説明などを行い、事業の施行への協力が得られるよう努めなければなりません(66条)。
この論点の問題を解く
覚え方:語呂ではなく、区域の階段と手続の名前で並べる
この記事では語呂合わせを使わず、数字と手続を次の表のように並べる方法をとります。並べておくと、条文の読み違えに気づきやすくなります(表は当サイトの整理です)。
| 並べるもの | 順番 |
|---|---|
| 開発許可の規模(小さい順) | 市街化調整区域は規模なし/市街化区域は1,000㎡(特別区などは500㎡)/非線引き区域・準都市計画区域は3,000㎡/区域外は1ヘクタール |
| 例外の区域限定 | 農林漁業用は市街化区域を除く/公益施設・各種事業・応急措置・軽易な行為は区域を問わない |
| 許可後の時間の流れ | 完了届→検査済証→公告→(公告前は建築不可)→(公告後は予定建築物以外は不可) |
| 制限の手続名 | 53条と65条は許可、58条の2と67条は届出(58条の2は30日前、67条は10日経過後の譲渡) |
当サイトの問題と例題
当サイトの都市計画法の問題は、論点ごとに3段階の解説がついています。条文の根拠は、問題ページの解説と、この記事の条番号で突き合わせて確認できます。
当サイト作成の例題(2問)
例題は、条文から当サイトが作成したオリジナルです。
例題1:次の開発行為のうち、都市計画法の規定によれば、都道府県知事等の開発許可が必要なものはどれか。ただし、いずれも特別区の存する区域や首都圏の既成市街地などにはかからず、条例で規模は別に定められておらず、国や都道府県等が行うものではないものとします。
- ① 準都市計画区域内で、店舗の建築のために2,900㎡の土地の区画形質の変更を行う
- ② 都市計画区域及び準都市計画区域の外で、分譲住宅の建築のために9,000㎡の土地の区画形質の変更を行う
- ③ 市街化区域内で、農業を営む者が自己の居住の用に供する住宅の建築のために1,200㎡の土地の区画形質の変更を行う
- ④ 市街化区域内で、駅舎の建築のために1,500㎡の土地の区画形質の変更を行う
答えは③です。①は準都市計画区域の3,000㎡未満(29条1項1号・施行令19条1項)、②は区域外の1ヘクタール未満(29条2項・施行令22条の2)で、許可は不要です。④は鉄道の施設である建築物で、29条1項3号の例外です(施行令21条4号)。③は農業者の住宅ですが、2号の例外は市街化区域に及ばず、規模は1,000㎡以上なので、許可が必要です。
例題2:開発許可を受けた開発区域内の建築等の制限に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ① 工事完了の公告があるまでの間は、開発許可を受けた者であれば、予定建築物を自由に建築できる
- ② 工事完了の公告があった後は、用途地域等が定められていない開発区域内でも、予定建築物等以外の建築物を、知事の許可なく新築できる
- ③ 工事完了の公告があるまでの間でも、工事用の仮設建築物は建築できる
- ④ 工事を完了したとき、開発許可を受けた者は、その旨を市町村長に届け出なければならない
答えは③です。①は37条本文が公告があるまで建築を禁じており、②は42条1項が公告後の予定建築物等以外の新築を禁じています(例外は、知事の許可を受けたときと、用途地域等が定められているときで、この選択肢は用途地域等が定められていない区域です)。③は37条1号の例外です。④は36条1項で、届出先は都道府県知事です。
令和8年度試験の法令基準日と、改正の確認
RETIOの試験の概要では、出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。令和8年度試験の基準日は2026年4月1日です。
e-Govによると、都市計画法には2026年5月27日施行の版(令和8年法律第23号による改正)が現行で、本則の条文は2025年6月4日施行の版と同じでした(差異は附則のみ)。この記事で引用した条文は、基準日の時点と同じ内容です。施行令は、2026年4月1日施行の版が現行です。
同じ令和8年法律第23号による、2026年11月26日施行予定の改正があり、地域地区の列挙(8条1項4号の2)と、33条1項1号イの「用途地域等」の列挙に、特定業務施設等誘導地区が加わります(2026-10-03 時点)。次の年度の試験を受ける場合は、その年度の4月1日現在の条文を、e-Gov 法令検索の都市計画法で確認してください。
法令上の制限の全体の数字は宅建 法令上の制限、盛土規制法は盛土規制法をわかりやすく、農地法は農地法の3条・4条・5条にまとめています。
まとめ
- 都市計画法は「区域を決める」「開発行為を許可で止める」「都市計画の邪魔になる行為を制限する」の3つで読む
- 開発許可の判定は、区域・開発行為か・規模と例外の順。規模は市街化区域1,000㎡(特別区などは500㎡)、非線引き区域・準都市計画区域3,000㎡、区域外1ヘクタール、市街化調整区域は規模なし
- 農林漁業用建築物の例外(29条1項2号)は市街化区域に及ばない
- 33条は技術基準、34条は市街化調整区域だけの立地基準。許可後は、工事完了の公告まで建築を制限し、公告後は予定建築物等以外を制限する
- 都市計画施設の区域内の建築(53条)は許可、地区計画の区域内の行為(58条の2)は30日前までの届出
著作権・正確性の方針:本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)と一切関係ありません。掲載問題は出題範囲を参照した合格ナビ独自の自作問題です。
よくある質問
Q開発許可は、都道府県知事以外にも出す人がいますか。
都市計画法29条1項は、許可権者を都道府県知事とし、地方自治法の指定都市又は中核市の区域内では、その市の長としています。国土交通省の開発許可制度の概要も、許可権者を都道府県知事・指定都市の長・中核市の長などと示しています。
Q市街化区域で500平方メートルの開発行為をするとき、開発許可は必要ですか。
原則は、市街化区域で1,000平方メートル未満なら許可は不要です(29条1項1号・施行令19条1項)。ただし、東京都の特別区の存する区域と、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯などにかかる市町村の区域では、基準が500平方メートルです(施行令19条2項)。都道府県などが条例で、300平方メートル以上1,000平方メートル未満の範囲で別の規模を定めている場合もあります(同条1項ただし書)。
Q準都市計画区域に、防火地域や準防火地域を定めることはできますか。
都市計画法8条2項が、準都市計画区域に定められる地域地区を限って列挙しており、防火地域・準防火地域は含まれていません。用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、景観地区、風致地区、緑地保全地域、伝統的建造物群保存地区が、列挙されているものです。
Q令和8年度の宅建試験は、都市計画法のどの時点の条文で出題されますか。
RETIOの試験概要では、出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。令和8年度は2026年4月1日現在の条文で、e-Govの現行の本則(2026年5月27日施行の版)は、2025年6月4日施行の版と同じです。2026年11月26日に施行予定の改正が別にあります(2026-10-03 時点)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

