宅建の防火地域と準防火地域を、都市計画法8条・9条と建築基準法61条〜65条、施行令136条の2で整理します。規模ごとに求められる技術的基準(施行令136条の2の1号〜4号)の早見表と耐火建築物・準耐火建築物との関係、屋根・外壁・看板・門と塀の規制、地域にまたがる建築物の扱いを、設例つきで確認できます。
目次
結論:宅建の防火地域・準防火地域は、都市計画で定める地域地区(都市計画法8条1項5号)で、建築基準法61条〜65条が、建築物の構造・屋根・外壁・看板などを規制します。まず押さえるのは、規模ごとに求められる技術的基準(施行令136条の2)の区別です。防火地域は「階数3以上、または延べ面積100㎡超」、準防火地域は「地階を除く階数4以上、または延べ面積1,500㎡超」で最も厳しい1号の基準になり、それより小さい建築物は段階的に緩やかな基準になります。地域にまたがる建築物は、厳しいほうの規定がその全部に及びます(65条。防火壁で区画されている場合の例外あり)。
この記事は、都市計画法(8条・9条・14条・20条)、建築基準法(2条・22条・23条・53条・61条〜65条・91条)、建築基準法施行令(107条・107条の2・108条・108条の4・109条の2・109条の3・135条の20・136条の2)の条文(e-Gov 法令検索の現行の条文、2026年10月7日時点)にもとづいて整理したものです。都市計画全体の流れは宅建の都市計画法と開発許可、数字の表は宅建の法令上の制限の数字の表、用途地域は宅建の用途地域、建蔽率・容積率の計算は宅建の建ぺい率・容積率、建築確認は建築確認を宅建向けに整理にあります。ここでは、防火地域・準防火地域そのものの規制に絞ります。
防火地域・準防火地域とは(都市計画法8条・9条)
都市計画法8条1項5号は、都市計画区域について、都市計画に「防火地域又は準防火地域」を定めることができるとしています。9条21項は、防火地域または準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とすると規定しています。
準都市計画区域に定められる地域地区は、8条2項が限って列挙していて、5号の防火地域・準防火地域は含まれていません。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 都市計画に定める地域地区の1つ | 都市計画法8条1項5号 |
| 目的 | 市街地における火災の危険を防除する | 都市計画法9条21項 |
| 準都市計画区域 | 8条2項の列挙に含まれない | 都市計画法8条2項 |
| 都市計画の表示 | 総括図・計画図・計画書で表示する | 都市計画法14条1項 |
| 告示と縦覧 | 決定したら告示し、図書またはその写しを事務所に備え置いて一般の閲覧に供する方法その他の適切な方法で公衆の縦覧に供する | 都市計画法20条1項・2項 |
建築物にかかる規制の全体像(建築基準法61条〜65条)
防火地域・準防火地域内の建築物には、建築基準法61条〜65条が、次のように適用されます。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 建築物の構造 | 外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の政令で定める防火設備を設け、かつ、壁・柱・床その他の建築物の部分と防火設備を、防火地域・準防火地域の別と建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準に適合するもの(国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または国土交通大臣の認定を受けたもの)としなければならない | 61条1項 |
| 門・塀の例外 | 門または塀で、高さ2メートル以下のもの、または準防火地域内にある建築物(木造建築物等を除く)に附属するものは、61条1項の規定の適用から除かれる | 61条1項ただし書 |
| 屋根 | 屋根の構造は、市街地における火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの(国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または認定を受けたもの)としなければならない | 62条 |
| 隣地境界線に接する外壁 | 外壁が耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる | 63条 |
| 看板等 | 防火地域内にある看板・広告塔・装飾塔などで、建築物の屋上に設けるもの、または高さ3メートルを超えるものは、主要な部分を不燃材料で造り、または覆わなければならない | 64条 |
| 地域にまたがる場合 | 全部に厳しいほうの規定を適用する。防火壁で区画されている場合は例外がある | 65条 |
防火地域内の看板等の高さの数字:防火地域内にある看板・広告塔・装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの、または高さ3メートルを超えるものは、主要な部分を不燃材料で造り、または覆わなければならない(建築基準法64条)。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法。
61条1項ただし書は、「準防火地域内にある建築物(木造建築物等を除く。)に附属する」門または塀を除外しています。「木造建築物等」とは、主要構造部の21条1項の政令で定める部分が、木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたものです(23条)。
規模別に求められる構造(施行令136条の2)
61条1項が言う「政令で定める技術的基準」は、建築基準法施行令136条の2が、建築物の区分ごとに定めています。
| 地域 | 規模 | 136条の2の号 | 基準の内容(当サイトの読み取り) |
|---|---|---|---|
| 防火地域 | 階数3以上、または延べ面積100㎡超 | 1号 | イ:耐火建築物の定義と同じ政令の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 防火地域 | 階数2以下で、延べ面積100㎡以下 | 2号 | イ:準耐火建築物の定義と同じ政令の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 準防火地域 | 地階を除く階数4以上、または延べ面積1,500㎡超 | 1号 | イ:耐火建築物の定義と同じ政令の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 準防火地域 | 地階を除く階数3で延べ面積1,500㎡以下 | 2号 | イ:準耐火建築物の定義と同じ政令の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 準防火地域 | 地階を除く階数2以下で、延べ面積500㎡超1,500㎡以下 | 2号 | イ:準耐火建築物の定義と同じ政令の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 準防火地域 | 地階を除く階数2以下で、延べ面積500㎡以下(木造建築物等に限る) | 3号 | イ:外壁・軒裏の延焼のおそれのある部分が防火性能の基準(施行令108条)、外壁開口部設備が20分間の遮炎の基準/ロ:延焼防止時間 |
| 準防火地域 | 地階を除く階数2以下で、延べ面積500㎡以下(木造建築物等を除く) | 4号 | イ:外壁開口部設備が20分間の遮炎の基準(3号イと同じ)/ロ:延焼防止時間 |
施行令136条の2の規模の数字:防火地域は、階数が3以上のもの、または延べ面積が100平方メートルを超えるものが1号。階数が2以下で延べ面積が100平方メートル以下のものが2号。準防火地域は、地階を除く階数が4以上のもの、または延べ面積が1,500平方メートルを超えるものが1号。地階を除く階数が3で延べ面積が1,500平方メートル以下のもの、または地階を除く階数が2以下で延べ面積が500平方メートルを超え1,500平方メートル以下のものが2号。地階を除く階数が2以下で延べ面積が500平方メートル以下のものが3号(木造建築物等)・4号(木造建築物等を除く)。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法施行令。
表の読み方で注意する点が2つあります。
- 防火地域の1号は「階数が三以上」とだけ書かれていて、「地階を除く」とは書かれていません。準防火地域の1号〜4号は「地階を除く階数」と書かれています
- 防火地域の2号と、準防火地域の2号は、どちらも主要構造部の準耐火性能の基準を引きますが、対象になる規模の範囲が違います
136条の2は、「耐火建築物としなければならない」「準耐火建築物としなければならない」という書き方をしていません。表の「耐火建築物の定義と同じ政令の基準」は、当サイトの読み取りで、根拠は次の対応です。1号イが引く施行令107条・108条の4・109条の2は、それぞれ耐火構造(建築基準法2条7号)、耐火建築物の特定主要構造部(同条9号の2イ(2))、耐火建築物の防火設備(同号ロ)の政令の基準です。また、施行令135条の20は、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備が設けられ、壁・柱・床その他の建築物の部分と防火設備が1号ロ(延焼防止時間)の基準に適合し、かつ、61条1項の構造方法を用いるもの、または同項の認定を受けたものを、建蔽率の緩和(53条3項1号イ)でいう、耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物としています。
各号の基準の中身(当サイトの読み取り)
136条の2の各号は、基準を次のように示しています。
| 号 | 基準の中身(要点) |
|---|---|
| 1号 | イまたはロのいずれか。イは、特定主要構造部が施行令107条各号(耐火性能に関する技術的基準)または108条の4第1項1号イ・ロの基準に適合し、外壁開口部設備(外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に設ける防火設備)が109条の2(遮炎性能)の基準に適合すること(準防火地域内の建築物で、建築基準法86条の4各号のいずれかに該当するものの外壁開口部設備を除く)。ロは、延焼防止時間が、イの基準に適合すると仮定した場合の延焼防止時間以上であること |
| 2号 | イまたはロのいずれか。イは、主要構造部が施行令107条の2各号(準耐火性能に関する技術的基準)または109条の3第1号・2号の基準に適合し、外壁開口部設備が1号イの基準に適合すること。ロは、延焼防止時間による比較 |
| 3号 | イまたはロのいずれか。イは、外壁・軒裏の延焼のおそれのある部分が108条各号(防火性能)の基準に適合し、外壁開口部設備に周囲の火災の火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間、加熱面以外の面(屋内に面するもの)に火炎を出さないものであること(建築基準法86条の4各号のいずれかに該当する建築物の外壁開口部設備を除く)。ロは、延焼防止時間による比較 |
| 4号 | イまたはロのいずれか。イは、外壁開口部設備が3号イの基準(20分間)に適合すること。ロは、延焼防止時間による比較 |
| 5号 | 高さ2メートルを超える門または塀で、防火地域内の建築物に附属するもの、または準防火地域内の木造建築物等に附属するものは、延焼防止上支障のない構造であること |
防火設備の遮炎性能の時間:防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間、加熱面以外の面に火炎を出さないものであること(施行令109条の2)。3号イ・4号イの外壁開口部設備の基準も、加熱開始後20分間(施行令136条の2)。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法施行令。
1号〜4号に共通して使われる用語を整理します。
| 用語 | 意味(建築基準法2条) |
|---|---|
| 耐火建築物(9号の2) | 主要構造部のうち政令で定める部分以外の部分(特定主要構造部)が耐火構造であること等(イ)に加え、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(遮炎性能に関する政令の技術的基準に適合するもの)を有する建築物 |
| 準耐火建築物(9号の3) | 耐火建築物以外の建築物で、主要構造部を準耐火構造としたもの(イ)などに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、9号の2ロの防火設備を有するもの |
| 防火構造(8号) | 建築物の外壁または軒裏の構造のうち、防火性能に関して政令で定める技術的基準に適合する構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または認定を受けたもの |
| 延焼のおそれのある部分(6号) | 隣地境界線、道路中心線、または同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物は、一の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の距離にある建築物の部分。ただし、防火上有効な公園・広場・川その他の空地または水面、耐火構造の壁などに面する部分などを除く |
延焼のおそれのある部分の距離:隣地境界線等から、1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の距離にある建築物の部分(建築基準法2条6号。ただし書の除外あり)。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法。
設例で確かめる:どの号に当たるか(当サイトの設例)
次の設例は、いずれも当サイトのものです。階数に算入しない部分(施行令2条1項8号)はないものとし、準防火地域の木造は、主要構造部が可燃材料で造られた「木造建築物等」に当たるものとします。
| 設例 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① 防火地域・2階建て・延べ面積90㎡ | 2号 | 階数2以下で、延べ面積90㎡は100㎡以下 |
| ② 防火地域・2階建て・延べ面積120㎡ | 1号 | 延べ面積120㎡は100㎡を超える |
| ③ 防火地域・地上2階・地下1階・延べ面積80㎡ | 1号 | 防火地域の1号は「階数」で、地階を含めると3階。延べ面積は80㎡でも、階数が3以上 |
| ④ 準防火地域・地上3階(地階なし)・延べ面積500㎡ | 2号 | 地階を除く階数3で、延べ面積500㎡は1,500㎡以下 |
| ⑤ 準防火地域・地上2階・延べ面積120㎡(木造建築物等) | 3号 | 地階を除く階数2以下で500㎡以下、木造建築物等 |
| ⑥ 準防火地域・地上2階・延べ面積300㎡(木造建築物等を除く) | 4号 | 地階を除く階数2以下で500㎡以下、木造建築物等でない |
| ⑦ 準防火地域・地上4階・延べ面積400㎡ | 1号 | 地階を除く階数が4以上 |
| ⑧ 準防火地域・地上2階・延べ面積1,600㎡ | 1号 | 延べ面積1,600㎡は1,500㎡を超える |
| ⑨ 準防火地域・地上2階・延べ面積600㎡ | 2号 | 地階を除く階数2以下で、延べ面積600㎡は500㎡超1,500㎡以下 |
検算:設例②は120÷100=1.2で100㎡を超える。設例⑧は1,600−1,500=100で、1,500㎡を100㎡超える。設例⑨は500<600≦1,500で、500㎡超1,500㎡以下の範囲に入る。
屋根・外壁・看板・門と塀
| 部位 | 規制 | 対象の地域 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 屋根 | 市街地における火災を想定した火の粉による火災の発生を防止するために必要な性能に関する政令の技術的基準に適合する構造 | 防火地域・準防火地域 | 62条 |
| 外壁(隣地境界線に接する場合) | 外壁が耐火構造のものは、隣地境界線に接して設けることができる | 防火地域・準防火地域 | 63条 |
| 看板・広告塔・装飾塔 | 建築物の屋上に設けるもの、または高さ3メートルを超えるものは、主要な部分を不燃材料で造る、または覆う | 防火地域 | 64条 |
| 門・塀 | 高さ2メートルを超えるものは、防火地域内の建築物に附属するもの、または準防火地域内の木造建築物等に附属するものについて、延焼防止上支障のない構造 | 防火地域・準防火地域(附属する建築物による) | 61条1項ただし書・施行令136条の2第5号 |
屋根の規制は、防火・準防火地域の外にもある(22条・23条)
建築基準法22条1項は、特定行政庁が、防火地域・準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造を、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの(国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または認定を受けたもの)とすることを求めています。62条は「市街地における火災を想定した」火の粉、22条1項は「通常の火災を想定した」火の粉と書かれています。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物、または延べ面積が10㎡以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りではありません。
23条は、22条1項の市街地の区域内にある木造建築物等について、外壁で延焼のおそれのある部分の構造を、準防火性能に関して政令で定める技術的基準に適合するものとすると定めています。
| 項目 | 防火地域・準防火地域 | 22条1項の区域 |
|---|---|---|
| 指定する者 | 都市計画で定める | 特定行政庁が指定する(22条1項) |
| 屋根 | 62条 | 22条1項 |
| 外壁の規制 | 61条・63条 | 木造建築物等の延焼のおそれのある部分について23条 |
建築物が地域にまたがる場合(65条・91条)
| 場合 | 適用される規定 | 例外 |
|---|---|---|
| 防火地域または準防火地域と、これらの地域として指定されていない区域にまたがる建築物 | その全部について、それぞれ防火地域または準防火地域内の建築物に関する規定を適用する(65条1項本文) | 防火地域または準防火地域外において防火壁で区画されている場合、その防火壁外の部分は適用しない(65条1項ただし書) |
| 防火地域と準防火地域にまたがる建築物 | その全部について、防火地域内の建築物に関する規定を適用する(65条2項本文) | 防火地域外において防火壁で区画されている場合、その防火壁外の部分は、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する(65条2項ただし書) |
建築基準法91条は、建築物の敷地が地域などの内外にわたる場合に、敷地の過半の属する地域などの規定を全部に適用するという原則を定めていますが、そのかっこ書で、防火地域及び準防火地域は、この原則の対象となる「地域」から除かれています。防火地域・準防火地域にまたがる場合は、65条の規定によります。用途地域などにまたがる場合の91条は、宅建の用途地域で扱っています。
設例で確かめる:またがる建築物(当サイトの設例)
- 設例A:1棟の建築物が、一部は防火地域、一部は準防火地域にあり、防火壁で区画されていない。65条2項本文により、その全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
- 設例B:1棟の建築物が、一部は防火地域、一部は準防火地域にあり、防火地域外(準防火地域内)の位置で防火壁により区画されている。65条2項ただし書により、防火壁外の部分は、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
- 設例C:1棟の建築物が、一部は準防火地域、一部は防火地域・準防火地域のいずれでもない区域にあり、防火壁で区画されていない。65条1項本文により、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
建蔽率・建築確認との関係
防火地域・準防火地域は、構造の規制のほかに、建蔽率と建築確認にも関係します。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 建蔽率の緩和(10分の1加算) | 防火地域(建蔽率の限度が10分の8とされている地域を除く)内にある耐火建築物等、または準防火地域内にある耐火建築物等・準耐火建築物等は、建蔽率の限度に10分の1を加える(街区の角にある敷地またはこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物(2号)にも当たるときは10分の2)。耐火建築物等とは、耐火建築物またはこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物、準耐火建築物等とは、準耐火建築物またはこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く) | 建築基準法53条3項 |
| 建蔽率の適用除外 | 建蔽率の限度が10分の8とされている地域内の防火地域にある耐火建築物等には、建蔽率の規定を適用しない | 建築基準法53条6項1号 |
| 建築確認の例外の範囲 | 増築・改築・移転で、その部分の床面積の合計が10㎡以内のとき、建築確認の規定を適用しないのは、防火地域・準防火地域の外で行う場合 | 建築基準法6条2項 |
建蔽率の計算は宅建の建ぺい率・容積率、建築確認の例外は建築確認を宅建向けに整理で扱っています。
この論点の問題を解く
防火地域・準防火地域の問題は、法令上の制限の科目にあります。
試験での問われ方(出題の型)
問題文は載せず、出題の型を当サイトの言葉で整理します。
- ① 防火地域・準防火地域の規模と、求められる技術的基準(施行令136条の2の1号〜4号)を結び付けさせる型:階数と延べ面積の境目(防火地域の3階・100㎡、準防火地域の4階・1,500㎡・500㎡)が材料になります
- ② 防火地域と準防火地域の違いを、看板・広告塔の規制(防火地域だけ)や、屋根・外壁の規定で見分けさせる型
- ③ 建築物が防火地域と準防火地域、または指定のない区域にまたがるときの扱いを問う型:厳しいほうの規定が全部に及ぶ、防火壁で区画されていれば例外がある、という二段構えが材料になります
- ④ 防火地域・準防火地域と建蔽率の緩和(耐火建築物等・準耐火建築物等)を組み合わせる型
- ⑤ 防火地域・準防火地域と建築確認(10㎡以内の増築が確認不要になるのは、防火地域・準防火地域の外)を組み合わせる型
- ⑥ 準都市計画区域に定められる地域地区かどうかを問う型
間違えやすいポイント
- 防火地域内の建築物が、すべて施行令136条の2第1号の基準になるわけではありません。階数2以下で延べ面積100㎡以下のものは、同条2号の基準です。また、1号・2号とも、イ(耐火建築物・準耐火建築物の定義と同じ政令の基準)とロ(延焼防止時間)のいずれかを満たせばよく、条文は「耐火建築物としなければならない」という書き方ではありません
- 防火地域の境目は「階数3以上」「延べ面積100㎡超」、準防火地域の境目は「地階を除く階数4以上」「延べ面積1,500㎡超」です。準防火地域は「地階を除く」と書かれていますが、防火地域の1号の「階数」は、そう書かれていません
- 準防火地域内の延べ面積500㎡以下で地階を除く階数2以下の建築物は、木造建築物等かどうかで3号と4号に分かれます。どちらも、外壁開口部設備は加熱開始後20分間の基準です
- 看板・広告塔の規制(64条)は、防火地域内にあるものについて定められています
- 防火地域と準防火地域にまたがる建築物は、全部が防火地域内の規定を受けます(防火壁による例外あり)。敷地の過半の考え方(91条)は使いません
- 準都市計画区域には、防火地域・準防火地域を定めることができません(都市計画法8条2項)
- 建築確認が不要になる10㎡以内の増築などは、防火地域・準防火地域の外の場合だけです(6条2項)
令和8年度試験の法令基準日と、改正への対応
宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要)。令和8年度試験の基準日は2026年4月1日です。この記事で扱った建築基準法の条文は、基準日の版と現行の版、今後施行される版で同じ内容です(今後施行される版で変わるのは、この記事で使っていない2条の一部の項目です)。建築基準法施行令は、2025年12月1日施行の版が現行の版で、基準日の2026年4月1日にも同じ版が施行されています。次の年度の試験を受ける場合は、その年度の4月1日現在の条文を、e-Gov 法令検索の建築基準法・建築基準法施行令・都市計画法で確認してください。
当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。
まとめ
- 防火地域・準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため、都市計画に定める地域地区(都市計画法8条1項5号・9条21項)。準都市計画区域には定められない(8条2項)
- 防火地域内は、階数3以上または延べ面積100㎡超が施行令136条の2第1号(イは耐火建築物の定義と同じ政令の基準、ロは延焼防止時間)、階数2以下で100㎡以下は2号(イは準耐火建築物の定義と同じ政令の基準、ロは延焼防止時間)
- 準防火地域内は、地階を除く階数4以上または延べ面積1,500㎡超が1号、地階を除く階数3で1,500㎡以下、または地階を除く階数2以下で500㎡超1,500㎡以下が2号、地階を除く階数2以下で500㎡以下は木造建築物等が3号・それ以外が4号
- 屋根(62条)・隣地境界線に接する耐火構造の外壁(63条)は防火地域・準防火地域の両方、看板・広告塔の不燃化(64条)は防火地域内だけ
- 防火地域・準防火地域にまたがる建築物は、全部に厳しいほうの規定が及ぶ(65条)。防火壁で区画されている場合は例外がある
本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構とは関係ありません。掲載している問題は、機構が公表する出題範囲を参照して合格ナビが作成した論点別問題です。条文は e-Gov 法令検索の都市計画法・建築基準法・建築基準法施行令の現行の条文(2026年10月7日時点)にもとづきます。設例は当サイトのもので、実在の建築物ではありません。試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構)。
よくある質問
Q防火地域内の建築物は、必ず耐火建築物にしなければなりませんか?
必ずではありません。建築基準法61条1項は、防火地域・準防火地域内の建築物について、防火地域・準防火地域の別と建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準に適合させることを求めています。その政令(建築基準法施行令136条の2)は、防火地域内の建築物のうち、階数が3以上のもの、または延べ面積が100平方メートルを超えるものには1号の基準を、階数が2以下で延べ面積が100平方メートル以下のものには2号の基準を定めています。1号は、イ(耐火建築物の定義と同じ政令の基準を引くもの)とロ(延焼防止時間による基準)のいずれかで、条文は「耐火建築物としなければならない」という書き方ではありません。2号も、準耐火建築物の定義と同じ政令の基準を引くイと、延焼防止時間によるロのいずれかです。
Q準防火地域内の地上3階建て(地階なし)で延べ面積500平方メートルの建築物は、どの基準になりますか?
施行令136条の2第2号の基準になります。準防火地域内の建築物のうち、地階を除く階数が3で延べ面積が1,500平方メートル以下のものは、2号に当たります。2号の基準は、イとして、主要構造部が準耐火性能の技術的基準(施行令107条の2各号)または109条の3第1号・2号の基準に適合し、外壁開口部設備が1号イの基準に適合すること、ロとして、延焼防止時間による比較、という内容です。イが引く107条の2・109条の3・109条の2は、準耐火構造(建築基準法2条7号の2)・準耐火建築物(同条9号の3)の定義が引く政令の基準と同じです。
Q建築物が防火地域と準防火地域にまたがっているときは、どちらの規定が適用されますか?
建築基準法65条2項により、その全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用されます。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合は、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定が適用されます。
Q防火地域の看板や広告塔には、どんな規制がありますか?
建築基準法64条は、防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの、または高さが3メートルを超えるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、または覆わなければならないと定めています。この規定は、条文上、防火地域内にあるものについて定められています。
Q自分の土地が防火地域か準防火地域かは、どのように決まり、どこで確認できますか?
防火地域・準防火地域は、都市計画に定める地域地区です(都市計画法8条1項5号)。市街地における火災の危険を防除するため定める地域とされています(9条21項)。都市計画は総括図・計画図・計画書で表示され(14条1項)、決定されると告示されます(20条1項)。都道府県知事・市町村長は、その図書またはその写しを、事務所に備え置いて一般の閲覧に供する方法その他の適切な方法で、公衆の縦覧に供しなければなりません(20条2項)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

