宅建の建築確認を、e-Govの建築基準法6条・7条の条文で整理。確認が必要な建築物(1号・2号・3号)、10平方メートル以内の例外、確認済証から着工・完了検査・検査済証までの流れ、令和7年4月1日の区分の見直し、オリジナル例題2問つきです。
目次
結論:建築確認は、建築主が工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合しているかを建築主事等(または指定確認検査機関)に確認してもらい、確認済証の交付を受ける手続です(建築基準法6条1項)。対象は、特殊建築物で200平方メートル超(1号)、2階以上または延べ面積200平方メートル超の建築物(2号)、都市計画区域などの中の建築物(3号)で、令和7年4月1日から、木造かどうかの区別はなくなりました。確認済証の交付を受けるまで工事はできず(6条8項)、工事が終わったら完了検査を受けて検査済証の交付を受けます(7条)。
建築確認の要点を、条文(e-Gov 法令検索の2026-10-04 時点の現行条文)で整理します。条文は 建築基準法 にあります。集団規定の数値(建蔽率・容積率・高さ・道路)は 宅建の法令上の制限のまとめ で扱い、この記事は「確認の手続」に絞ります。
合格ナビの宅建の論点別問題360問のうち、建築基準法を扱う問題は10問で、建築確認を直接扱うのは2問です(問題集の件数であり、本試験の出題頻度ではありません。2026-10-04 集計)。
| 区分(6条1項) | 対象になる建築物 | 確認が要る工事 | 審査の期限(6条4項) |
|---|---|---|---|
| 1号 | 特殊建築物(別表第一(い)欄の用途)で、その用途の床面積の合計が200平方メートル超 | 建築・大規模の修繕・大規模の模様替 | 受理から35日以内 |
| 2号 | 1号以外で、2以上の階数、または延べ面積が200平方メートル超 | 同上 | 受理から35日以内 |
| 3号 | 1号・2号以外で、都市計画区域・準都市計画区域などの中の建築物 | 建築(新築・増築・改築・移転)のみ | 受理から7日以内 |
建築確認とは:誰が、いつ、何を確認してもらうか
建築基準法6条1項は、建築主に対し、一定の建築物の工事に着手する前に、その計画が「建築基準関係規定」(建築基準法令の規定と、そのほか建築物の敷地・構造・建築設備に関する法律・命令・条例の規定で政令で定めるもの)に適合するかどうかについて、確認の申請書を提出して建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けることを義務づけています。
- 申請する人:建築主
- 確認する人:建築主事または建築副主事(併せて「建築主事等」)
- 時期:工事に着手する前
- 結果:適合していれば確認済証が交付される(6条4項)。適合しないとき、または適合するかを決定できない正当な理由があるときは、その旨と理由を記載した通知書が交付される(6条7項)
- 計画の変更:確認を受けた計画を、国土交通省令で定める軽微な変更を除いて変更する場合も、改めて確認が必要(6条1項後段)
建築主事等のほか、国土交通大臣または都道府県知事が指定した者(指定確認検査機関)の確認を受けて確認済証の交付を受けたときも、その確認は6条1項の確認とみなされます(6条の2第1項)。指定は、2以上の都道府県で業務を行う者は国土交通大臣、1つの都道府県で行う者は都道府県知事がします(同条2項)。指定確認検査機関が確認済証を交付したときは、確認審査報告書を特定行政庁に提出し(同条5項)、特定行政庁が計画の不適合を認めたときは、その確認済証は効力を失います(同条6項)。
確認が必要な建築物:1号・2号・3号
確認が要る建築物は、6条1項の1号から3号までです。
- 1号:別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの。別表第一(い)欄の用途には、劇場・映画館・集会場など(一)、病院・診療所(患者の収容施設があるもの)・ホテル・旅館・共同住宅など(二)、学校・体育館(三)、百貨店・展示場・遊技場など(四)、倉庫(五)、自動車車庫・自動車修理工場(六)があります
- 2号:1号以外で、「二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物」
- 3号:1号・2号以外で、都市計画区域・準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く)、景観法の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く)の中、または都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内の建築物
1号・2号の建築物は、建築のほか、大規模の修繕と大規模の模様替をする場合も確認が必要です。増築では、増築後に1号または2号の規模になる場合も含まれます(6条1項柱書のカッコ書)。3号は、確認が要るのは「建築」(新築・増築・改築・移転)をするときだけです。
建築確認の対象と審査の期限:1号は特殊建築物で床面積200平方メートル超、2号は2以上の階数または延べ面積200平方メートル超、3号は都市計画区域などの中の建築。審査の期限は1号・2号が受理から35日以内、3号が7日以内。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法(6条1項・4項)。
令和7年4月1日の区分の見直し
2025年4月1日に施行された改正(令和4年法律第69号)の前は、6条1項は4号に分かれていました。
| 旧(2024-11-01 施行の版) | 現行 |
|---|---|
| 1号 特殊建築物で200平方メートル超 | 1号(同じ) |
| 2号 木造で3以上の階数、または延べ面積500平方メートル・高さ13メートル・軒の高さ9メートルのいずれかを超えるもの | 2号 2以上の階数、または延べ面積200平方メートル超(構造の区別なし) |
| 3号 木造以外で2以上の階数、または延べ面積200平方メートル超 | (2号に統合) |
| 4号 都市計画区域などの中の建築物(1〜3号以外) | 3号 |
審査期限も、旧版は1号〜3号が35日・4号が7日で、現行は1号・2号が35日・3号が7日です。手元の教材が「木造は3階以上または500平方メートル超」「4号建築物」と書いている場合は、旧版の説明です。令和7年度試験の基準日(2025年4月1日)に新しい区分が施行されているため、令和8年度試験でも新しい区分で考えます。
10平方メートル以内の増築・改築・移転
6条2項は、防火地域及び準防火地域の外で、建築物を増築・改築・移転しようとする場合に、その部分の床面積の合計が10平方メートル以内であれば、6条1項の規定を適用しないと定めています。防火地域・準防火地域の中では、面積にかかわらず確認が必要です。
用途変更
建築物の用途を変更して、6条1項1号の特殊建築物のいずれかとする場合(政令で指定する類似の用途相互間の変更を除く)は、確認の規定(6条など)が準用されます(87条1項)。ただし、7条1項の完了検査の申請は、読み替えにより、建築主事等への「届出」になります。
この論点の問題を解く
申請から使用開始までの流れ
建築確認は、申請から使用開始までの一連の手続の最初の段階です。
| 段階 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| ① 確認の申請 | 建築主が、工事に着手する前に、建築主事等(または指定確認検査機関)へ | 6条1項・6条の2 |
| ② 審査 | 1号・2号は受理から35日以内、3号は7日以内。特定構造計算基準の審査などで合理的な理由があるときは、35日の範囲で延長できる | 6条4項・6項 |
| ③ 確認済証の交付 | 適合しているとき。交付を受ける前は工事ができない | 6条4項・8項 |
| ④ 工事(中間検査) | 特定工程を含む場合は、その工程を終えたときごとに検査を申請 | 7条の3 |
| ⑤ 完了検査の申請 | 工事が完了した日から4日以内に到達するように | 7条1項・2項 |
| ⑥ 検査 | 申請の受理から7日以内に、建築物と敷地が建築基準関係規定に適合しているか検査 | 7条4項 |
| ⑦ 検査済証の交付 | 適合していると認めたとき | 7条5項 |
| ⑧ 使用 | 1号・2号の新築などでは、検査済証の交付を受けた後でなければ使用できない(仮使用の例外あり) | 7条の6 |
構造計算適合性判定が必要な計画では、都道府県知事が受理から14日以内に結果の通知書を交付します(6条の3第4項)。建築主事等は、適合判定通知書の提出を受けた場合に限って確認をすることができます(6条5項)。
完了検査・中間検査・使用制限
完了検査(7条)
建築主は、6条1項の工事が完了したときは、建築主事等の検査を申請しなければなりません。申請は、工事が完了した日から4日以内に建築主事等に到達するようにします(やむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日から4日以内)。申請を受理した日から7日以内に、検査実施者が検査をし、適合していれば検査済証が交付されます。
中間検査(7条の3)
工事が「特定工程」を含む場合は、その工程を終えたときごとに、検査を申請します。特定工程は、次の2種類です。
- 階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程(1号)
- 特定行政庁が、区域・期間・構造・用途・規模を限って指定する工程(2号)
申請は、工程を終えた日から4日以内に建築主事等に到達するようにし、検査は受理した日から4日以内に行われます(2項・4項)。
検査済証の交付前の使用制限(7条の6)
6条1項1号・2号の建築物を新築する場合などは、建築主は、検査済証の交付を受けた後でなければ、その建築物を使用し、または使用させてはいけません。ただし、特定行政庁が安全上・防火上・避難上支障がないと認めたとき、建築主事等または指定を受けた者が国土交通大臣の定める基準に適合すると認めたとき、完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付前でも、仮に使用できます(7条の6第1項ただし書)。
違反したときの措置と罰則
建築確認を受けないで工事をした場合などの責任は、次のとおりです。
| 場面 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 確認の申請をしないで6条1項の工事をした | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 99条1項1号 |
| 検査済証の交付前に使用制限に反して使用した | 同上 | 99条1項1号(7条の6第1項) |
| 確認済証の交付を受ける前に工事をした(工事施工者) | 同上 | 99条1項2号(6条8項) |
| 違反建築物に対する特定行政庁の命令 | 工事の施工の停止、除却・使用禁止などの是正措置を命じられる | 9条1項 |
建築確認に関する罰則:6条1項に違反した者は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(99条1項1号)。確認済証の交付前に工事をした工事施工者も同じ(同項2号・6条8項)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 建築基準法(99条1項)。
混同しやすい点と、引っかけの型
- 確認が必要な建築物の区分を、旧制度(木造3階以上・500平方メートル超、4号建築物)のまま覚えている
- 10平方メートル以内の例外を、防火地域・準防火地域の中でも使えるとする(例外は防火地域・準防火地域の外)
- 3号の建築物に、大規模の修繕・模様替も確認が必要とする(3号は建築のみ)
- 確認済証の交付前でも「建築主の判断で」着工できるとする(6条8項は着工を禁止)
- 確認を受けずに着工しても「特定行政庁は工事の停止を命じられない」とする(9条1項は施行の停止を命じられる)
- 完了検査の申請期限を「工事完了の日から7日」「検査の期限を4日」と入れ替える(申請は完了から4日以内、検査は受理から7日以内)
当サイトの問題と例題
合格ナビの宅建の論点別問題のうち、建築基準法の10問は、法令上の制限の問13〜問22にあります。建築確認を直接扱うのは、問19(確認済証の交付と工事着手の先後)と問21(建築確認が必要な建築物)です。ほかに、用途規制(問13)、建蔽率(問14)、容積率(問15)、高さ制限(問16)、防火地域・準防火地域(問17)、単体規定(問18)、既存不適格建築物(問20)、日影規制(問22)があります。
当サイト作成の例題(2問)
例題1:都市計画区域内の、特殊建築物ではない延べ面積150平方メートルの平屋の住宅を新築する場合は、建築確認が不要である。○か×か。
答えは×です。1号は特殊建築物でなく、2号も「2以上の階数」でも「延べ面積200平方メートル超」でもないので当たりません。しかし、都市計画区域内の建築物は3号に当たり、新築は「建築」なので、確認が必要です(審査は受理から7日以内)。検算として、6条1項の1号→2号→3号の順に当てはめると、3号で確認が必要になります。
例題2:延べ面積150平方メートルの既存の建築物に、8平方メートルを増築する。防火地域及び準防火地域の外であれば建築確認は不要だが、準防火地域内であれば必要である。○か×か。
答えは○です。6条2項は、防火地域及び準防火地域の外で、増築の部分の床面積の合計が10平方メートル以内なら、6条1項を適用しないと定めています。8平方メートルは10平方メートル以内なので、防火地域・準防火地域の外では確認が不要です。準防火地域内は6条2項の対象外なので、都市計画区域内の建築(3号)として確認が必要です。検算として、8 ≦ 10 で例外の面積に収まります。
令和8年度試験の法令基準日と、改正の確認
RETIOの試験の概要では、出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。令和8年度試験の基準日は2026年4月1日です。
e-Govによると、建築基準法は2026年4月1日施行の版が基準日の版で、2026年5月27日施行の版が現行です。この記事で扱った6条(確認)、6条の2・6条の3、7条(完了検査)、7条の3(中間検査)、7条の6(使用制限)、9条、99条の本文は、基準日の版・現行・今後施行される版(2026年11月26日、2027年1月22日、2027年5月26日、2028年7月30日施行)のすべてで同じ内容です。罰則は「拘禁刑」の規定です。確認の対象区分を変えた2025年4月1日の改正は、令和7年度試験の基準日と同日です。
まとめ
- 建築確認は、工事に着手する前に、建築主が建築主事等(または指定確認検査機関)の確認を受け、確認済証の交付を受ける手続
- 対象は、1号(特殊建築物で200平方メートル超)、2号(2以上の階数または延べ面積200平方メートル超)、3号(都市計画区域などの中の建築)。令和7年4月1日から木造かどうかの区別はない
- 防火地域・準防火地域の外で、増築・改築・移転が10平方メートル以内なら確認は不要
- 確認済証の交付後でなければ着工できない。工事完了の日から4日以内に完了検査を申請し、検査済証の交付を受ける
- 6条1項違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。特定行政庁は工事の施行の停止などを命じられる
著作権・正確性の方針:本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)と一切関係ありません。掲載問題は出題範囲を参照した合格ナビ独自の自作問題です。
よくある質問
Q建築確認の申請は、いつまでにしなければなりませんか。
工事に着手する前です。建築基準法6条1項は、建築主が「当該工事に着手する前に」確認の申請書を提出して確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないとしています。さらに6条8項は、確認済証の交付を受けた後でなければ、その建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事はできないと定めています。
Q建築確認は、建築主事(市町村・都道府県)にしか申請できませんか。
いいえ。国土交通大臣または都道府県知事が指定した者(指定確認検査機関)の確認を受け、確認済証の交付を受けたときは、その確認は建築主事等による確認とみなされます(6条の2第1項)。申請先は、建築主事等か指定確認検査機関のどちらかを選ぶ形です。
Q増築で10平方メートル以内なら、いつでも建築確認は要りませんか。
防火地域及び準防火地域の外で行う場合に限ります(6条2項)。増築・改築・移転の部分の床面積の合計が10平方メートル以内でも、防火地域・準防火地域の中では、この例外は使えません。
Q建築確認を受けずに工事をすると、どうなりますか。
6条1項に違反した者は、99条1項1号により、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です。確認済証の交付を受ける前に工事を行った場合、その工事施工者も同項2号の対象です。また、特定行政庁は、建築基準法令に違反した建築物について、工事の施工の停止などを命じることができます(9条1項)。
Q令和8年度の宅建試験は、建築基準法のどの時点の条文で出題されますか。
RETIOの試験概要では、出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。令和8年度は2026年4月1日現在の条文で、建築確認の対象を定める6条と、検査を定める7条・7条の3は、2026-10-04時点のe-Govの現行の版と、今後施行される版でも同じ内容です。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

