問題
点鼻薬(鼻炎用点鼻薬)の成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエ(誤っているもの)です。
点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものですが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあります。アドレナリン作動成分は交感神経系への刺激作用があるため、心臓病・高血圧・糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、使用前に医師・薬剤師に相談が必要です。「成分が循環血液中に入ることはない」「全身への影響を考慮せず使用できる」という記述が誤りです。
ゴロ:「点鼻でも全身影響あり(局所だから安全とは言えない)」
ア・イ・ウ・オはいずれも正しい記述です。点鼻薬の使いすぎによる二次充血はA頻出の重要論点です。
点鼻薬の主要成分(手引き):
| 成分分類 | 手引きが挙げる成分 | 目的・作用 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| アドレナリン作動成分 | ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等 | 鼻粘膜を通っている血管を収縮させ、充血や腫れを和らげる | 過度の使用で二次充血・鼻閉悪化、循環血液中に入りやすく全身的な影響 |
| 抗ヒスタミン成分 | クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩等 | ヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻汁等を緩和 | かぜ薬等との成分重複 |
| 抗アレルギー成分 | クロモグリク酸ナトリウム | 肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える | アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎には無効 |
| 抗炎症成分 | グリチルリチン酸二カリウム、ステロイド性抗炎症成分 | 鼻粘膜の炎症を和らげる | ステロイド性抗炎症成分は長期連用を避ける |
各選択肢の解説:
- ア(正): ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられます。
- イ(正): アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすいとされています。
- ウ(正): 手引きでは、鼻炎用点鼻薬にステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には、長期連用を避ける必要があるとされています。
- エ(誤・正答): 点鼻薬は局所に適用されるものですが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあります。アドレナリン作動成分では、心臓病・高血圧・糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人は使用前に医師・薬剤師に相談がなされるべきとされています(交感神経系に対する刺激作用に伴う留意事項はⅡ-1と共通)。
- オ(正): クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合されます。アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効で、アレルギーによる症状かはっきりしない人では、使用前に専門家に相談する等、慎重な考慮がなされるべきとされています。
【鼻炎用点鼻薬の位置づけ】
鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤です。鼻炎用内服薬との主な違いは、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となる点で、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されていても、それらは鼻腔内における局所的な作用を目的としています。剤形はスプレー式が多く、使用前に鼻をよくかんでおく、使用後は鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭きキャップを閉めて保管する、容器はなるべく直接鼻に触れないようにし他人と共有しない、といった注意があります。
【アドレナリン作動成分:二次充血と全身的な影響】
- 過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまりがひどくなりやすい。
- 局所に適用されるものでも、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
- 交感神経系に対する刺激作用に伴う留意事項はⅡ-1(鎮咳去痰薬)と共通で、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、使用する前に医師又は薬剤師に相談がなされるべきとされる。
【クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー成分)の留意点】
- 花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。
- アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効。3日間使用して症状の改善がみられないような場合には、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる。
- 医療機関で減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その妨げとなるおそれがあるため、使用前に医師又は薬剤師に相談する。
- まれに重篤な副作用としてアナフィラキシー、その他の副作用として鼻出血や頭痛が現れることがある。
- 症状の改善がみられた場合でも、2週間を超えて使用した場合の有効性、安全性に関する科学的データは限られている。
【その他の配合成分】
| 成分 | 目的 | 手引きの記載 |
|---|---|---|
| リドカイン等(局所麻酔成分) | 鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑える | 詳細はⅤ-1(痔の薬)参照 |
| ベンザルコニウム塩化物等(殺菌消毒成分) | 鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止 | 陽性界面活性成分。結核菌やウイルスには効果がない |
| グリチルリチン酸二カリウム(抗炎症成分) | 鼻粘膜の炎症を和らげる | ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合は長期連用を避ける |
【相互作用と受診勧奨】
- アドレナリン作動成分は鎮咳去痰薬(気管支拡張成分)、外用痔疾用薬(止血成分)、点眼薬(結膜の充血除去)にも、抗ヒスタミン成分はかぜ薬・睡眠改善薬・乗物酔い防止薬にも配合されており、併用で同種の作用を有する成分が重複し、効き目が強すぎたり副作用が現れやすくなるおそれがある。
- 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎で、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない。
- アドレナリン作動成分のように鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼすおそれがある成分も配合されていることから、長期連用は避けることとされ、3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要。
- 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品による対処は適当でなく、医療機関における治療が必要。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅷ「鼻に用いる薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

