問題
泌尿器用薬(一般用医薬品の尿路症状に対する薬)の生薬・漢方成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
ウワウルシはツツジ科のクマコケモモの葉を基原とする生薬で、利尿作用のほかに、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられる「尿路消毒成分」です。「シソ科のウツボグサの花穂」はカゴソウの基原であり、「抗菌作用は期待されない」も誤りです。
イ(カゴソウ=シソ科ウツボグサの花穂・利尿成分)、ウ(猪苓湯)、エ(竜胆瀉肝湯)、オ(日本薬局方収載のウワウルシの用途)はすべて手引きどおりの正しい記述です。
泌尿器用薬の主な生薬・漢方処方(手引き):
| 成分/処方 | 基原・体力の目安 | 分類・主な適応 |
|---|---|---|
| ウワウルシ | ツツジ科のクマコケモモの葉 | 尿路消毒成分(利尿作用のほか、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用) |
| カゴソウ | シソ科のウツボグサの花穂 | 利尿成分 |
| 猪苓湯 | 体力に関わらず使用できる | 排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ |
| 竜胆瀉肝湯 | 体力中等度以上 | 下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿 |
各選択肢の解説:
- ア(誤・正答): ウワウルシはツツジ科のクマコケモモの葉を基原とし、利尿作用のほかに、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられます。基原(シソ科のウツボグサの花穂=カゴソウ)と「抗菌作用は期待されない」の2点が誤りです。
- イ(正): カゴソウはシソ科のウツボグサの花穂を基原とする生薬で、利尿作用を期待して配合されます。日本薬局方収載のカゴソウは、煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられます。
- ウ(正): 猪苓湯は、体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされます。
- エ(正): 竜胆瀉肝湯は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされます。胃腸が弱く下痢しやすい人では不向きとされ、構成生薬としてカンゾウを含みます。
- オ(正): 日本薬局方収載のウワウルシは、煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられます。
【「尿路消毒成分」と「利尿成分」の区別(手引きⅤ-2)】
手引きは、その他の泌尿器用薬の配合成分を次のように分けています。
| 区分 | 成分 | 基原(手引き) | 日本薬局方収載品の用途 |
|---|---|---|---|
| 尿路消毒成分 | ウワウルシ | ツツジ科のクマコケモモの葉 | 煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるもの |
| 利尿成分 | カゴソウ | シソ科のウツボグサの花穂 | 煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるもの |
| 利尿成分 | キササゲ | ノウゼンカズラ科のキササゲ等の果実 | 煎薬として尿量減少 |
| 利尿成分 | サンキライ | ユリ科のSmilax glabra Roxburghの塊茎 | 煎薬として尿量減少 |
| 利尿成分 | ソウハクヒ | クワ科のマグワの根皮 | 煎薬として尿量減少 |
| 利尿成分 | モクツウ | アケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎 | — |
| 利尿成分 | ブクリョウ | (ⅩⅣ-2参照) | — |
ウワウルシは「利尿作用のほかに」、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示す点で、利尿成分とは区別されて「尿路消毒成分」とされています。本問のアは、ウワウルシの基原をカゴソウのもの(シソ科ウツボグサの花穂)と入れ替え、さらに抗菌作用を否定している点で二重に誤りです。基原と用途の組合せは入れ替えの出題がされやすいため、表で整理して覚えます。
【泌尿器用薬に用いられる漢方処方製剤】
いずれも比較的長期間(1ヶ月位)使用されることがあります。
| 処方 | 体力の目安 | 主な適応(手引き) | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 牛車腎気丸 | 体力中等度以下 | 疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ等 | まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎 |
| 八味地黄丸 | 体力中等度以下 | 疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、軽い尿漏れ等 | 胃腸の弱い人、下痢しやすい人では使用を避ける必要がある |
| 六味丸 | 体力中等度以下 | 疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれ | 胃腸が弱く下痢しやすい人では不向き |
| 猪苓湯 | 体力に関わらず使用できる | 排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ | — |
| 竜胆瀉肝湯 | 体力中等度以上 | 下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿 | 胃腸が弱く下痢しやすい人では不向き。構成生薬としてカンゾウを含む |
「口渇」が手引きの適応に出てくるのは牛車腎気丸・八味地黄丸・六味丸・猪苓湯で、竜胆瀉肝湯の適応には出てきません。竜胆瀉肝湯は「体力中等度以上」「下腹部に熱感や痛み」「尿の濁り、こしけ(おりもの)」がキーワードです。
【受診勧奨】
残尿感や尿量減少は一時的な体調不良等によるもののほか、泌尿器系の疾患における自覚症状としても現れます。例えば、膀胱炎や前立腺肥大などによってもそうした症状が起こることがありますが、その場合、一般用医薬品によって対処することは適当でないとされています。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅴ-2
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅴ-2「その他の泌尿器用薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

