問題
一般用医薬品の添付文書の「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」等の記載と、抗コリン成分等による目への影響に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオ(誤っているもの)です。
添付文書の「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」の表で、ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン成分の「懸念される症状」は「眠気等」です。眠気ではないとするオは誤りです。
一方、スコポラミン臭化水素酸塩水和物などの抗コリン成分やピレンゼピン塩酸塩水和物では、目のかすみや異常なまぶしさも理由に挙げられています(イ・ウ)。ロートエキスも抗コリン作用のある生薬成分です(ア)。抗コリン成分が入った鼻炎用内服薬は、緑内障の人は「相談すること」です(エ)。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」(別表5-1, p411-412):
| 主な成分等 | 懸念される症状 |
|---|---|
| ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン成分(かぜ薬、催眠鎮静薬、乗物酔い防止薬、鼻炎用内服薬等) | 眠気等 |
| コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩等(かぜ薬、鎮咳去痰薬)、ブロモバレリル尿素等(解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬)、ロペラミド塩酸塩、ロートエキス(止瀉薬) | 眠気等 |
| スコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物(胃腸鎮痛鎮痙薬、乗物酔い防止薬) | 眠気、目のかすみ、異常なまぶしさ |
| ピレンゼピン塩酸塩水和物(胃腸薬)、上記以外の抗コリン成分(かぜ薬、胃腸鎮痛鎮痙薬、鼻炎用内服薬、乗物酔い防止薬) | 目のかすみ、異常なまぶしさ |
各選択肢の解説:
- ア(正): ロートエキスはロートコン(ナス科のハシリドコロ等)の抽出物で(p88)、抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分です。抗コリン成分は散瞳による目のかすみや異常な眩しさ等の副作用が現れることがあり、使用後は運転操作を避ける必要があります(p121)。
- イ(正): 別表5-1の記載どおりです。
- ウ(正): 別表5-1の記載どおりです。
- エ(正): 別表5-2「緑内障」の記載どおりです。緑内障は「してはいけないこと」ではなく「相談すること」の欄に載っています。
- オ(誤): 抗ヒスタミン成分の懸念される症状は「眠気等」です。
【運転操作の注意は「懸念される症状」の列で覚え、緑内障は「相談すること」で覚える】
1. 抗コリン成分が目に影響する理由(手引き 第3章Ⅲ-3)
胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される抗コリン成分(メチルベナクチジウム臭化物、ブチルスコポラミン臭化物、メチルオクタトロピン臭化物、ジサイクロミン塩酸塩、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、チキジウム臭化物等)や、抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分のロートエキスは、副交感神経系の働きを抑える作用が消化管に限定されません。そのため、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがあり、重大な事故につながるおそれがあるため、使用後は乗物又は機械類の運転操作を避ける必要があります。
乗物酔い防止薬の項(第3章Ⅰ-5)でも、抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分及び鎮静成分にはいずれも眠気を促す作用があり、抗コリン成分では眠気に加えて散瞳による目のかすみや異常なまぶしさを引き起こすことがある、と説明されています。
2. ロートエキスとベラドンナ総アルカロイドは別の成分
- ロートエキス:ロートコン(ナス科のハシリドコロ、Scopolia carniolica Jacquin 又は Scopolia parviflora Nakai の根茎及び根を基原とする生薬)の抽出物(p88)
- ベラドンナ総アルカロイド:鼻炎用内服薬に配合される抗コリン成分で、ベラドンナはナス科の草本。その葉や根に、アセチルコリンの働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む(p152)
どちらも抗コリン作用を示しますが、基原が異なる別の成分です。
3. 懸念される症状は3パターン(別表5-1)
| パターン | 主な成分 |
|---|---|
| 眠気等 | 抗ヒスタミン成分、コデインリン酸塩水和物等、ブロモバレリル尿素等、ロペラミド塩酸塩・ロートエキス(止瀉薬) |
| 眠気、目のかすみ、異常なまぶしさ | スコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物 |
| 目のかすみ、異常なまぶしさ | ピレンゼピン塩酸塩水和物、その他の抗コリン成分 |
4. 緑内障は「相談すること」(別表5-2, p418)
「次の診断を受けた人:緑内障」には、眼科用薬、パパベリン塩酸塩、抗コリン成分が配合された鼻炎用内服薬・鼻炎用点鼻薬、ペントキシベリンクエン酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩水和物等の抗コリン成分、ロートエキスなどが挙げられています。抗コリン成分が配合された鼻炎用内服薬・点鼻薬の理由は、抗コリン作用によって房水流出路(房水通路)が狭くなり、眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるためです。パパベリン塩酸塩は、自律神経系を介さずに眼圧を上昇させる作用を示すことが知られています(p121)。
【試験での位置づけ】
抗ヒスタミン成分の運転操作の注意は「眠気等」、抗コリン成分は「目のかすみ、異常なまぶしさ」が加わる、という対応が問われます。緑内障の人への注意は「してはいけないこと」ではなく「相談すること」の欄です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1「主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等」してはいけないこと「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」(手引き R8 PDF p411-412)、別表5-2 相談すること「次の診断を受けた人」緑内障(手引き R8 PDF p418)、第3章 Ⅲ-3-1)「代表的な鎮痙成分、症状を抑える仕組み、主な副作用」(手引き R8 PDF p121)、第3章 Ⅰ-5-1)「代表的な配合成分、主な副作用」(手引き R8 PDF p87-88) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

