問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における,アークを生じる器具の施設に関する記述である。 高圧用又は特別高圧用の開閉器,遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下「開閉器等」という。)であって,動作時にアークを生じるものは,次のいずれかにより施設すること。 a) 耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより,木製の壁又は天井その他の (ア) から隔離すること。 b) 木製の壁又は天井その他の (ア) との離隔距離を,下表に規定する値以上とすること。 【開閉器等の使用電圧の区分と離隔距離】 ・高圧: (イ) m ・特別高圧 35000V以下: (ウ) m(動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生するおそれがないように制限した場合にあっては, (イ) m) ・特別高圧 35000V超過: (ウ) m 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
動作時にアークを出す高圧・特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器などを、燃えるものからどれだけ離すかを問う穴埋め問題です(令和7年度上期 問4)。
アークによる火災を防ぐ規定なので、離す相手は木製の壁や天井などの「可燃性のもの」です。離隔距離は、高圧が1m、特別高圧の35000V以下が2m(アークの方向と長さを制限すれば1m)、35000V超過が2mです。
(ア)可燃性のもの、(イ)1、(ウ)2の(3)が正答です。
【アークを生じる器具の施設】(令和7年度上期 問4)
開閉器等で動作時にアークを生じるものは、次のどちらかの方法で施設する。
a) 耐火性のものでアークを生じる部分を囲み、木製の壁又は天井その他の可燃性のものから隔離する。
b) 木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を、使用電圧の区分ごとの値以上とする。
(ア) 可燃性のもの:「木製の壁又は天井その他の」に続く語で、アークの熱で燃えるおそれのあるものを指す。「造営物」とすると、コンクリートなど燃えない建物部分まで含んでしまい、火災防止という規定の目的と合わない。
(イ)(ウ) 離隔距離:
・高圧:1m
・特別高圧35000V以下:2m(アークの方向及び長さを火災のおそれがないように制限した場合は1m)
・特別高圧35000V超過:2m
表の中で(イ)は「高圧の値」と「35000V以下で制限した場合の値」の2か所に入り、(ウ)は「35000V以下の原則の値」と「35000V超過の値」の2か所に入る。高圧と同じ値まで緩和できるのが「制限した場合」であり、(イ)<(ウ)の関係になる。
選択肢のうち、(イ)1・(ウ)2の組合せで(ア)が「可燃性のもの」なのは(3)だけである。よって正答は(3)です。
【規定の目的と数値の並び方】(令和7年度上期 問4)
開閉器や遮断器は、電流が流れている状態で接点を開くと接点間にアークが発生します。避雷器も、雷サージなどで動作したときに放電を伴います。アークは非常に高温で、近くに木材などの燃えやすいものがあると着火して火災の原因になります。この規定は、それを防ぐための2つの方法を並べたものです。
1つは、耐火性のもので器具のアークを生じる部分を囲んで、可燃性のものから隔離する方法です。囲いの中でアークを閉じ込めれば、距離をとらなくても火災を防げます。
もう1つは、可燃性のものとの間に距離をとる方法です。電圧が高いほど開閉時のアークは大きく長くなりやすいので、高圧より特別高圧のほうが大きな離隔距離になっています。一方、特別高圧35000V以下でも、アークの出る方向や長さを機器の構造で制限し、火災のおそれがないようにすれば、高圧と同じ1mまで縮めることができます。35000Vを超えるものにはこの緩和がなく、2mのままです。
表の空欄は、同じ記号が2か所ずつ入る作りになっています。
・(イ):高圧の値/35000V以下で制限した場合の値
・(ウ):35000V以下の原則の値/35000V超過の値
この構造から、(イ)は緩和後の小さい値、(ウ)は原則の大きい値と分かり、(イ)<(ウ)となります。選択肢の数値の組はどれも(イ)<(ウ)なので、数値そのもの(1mと2m)を覚えておく必要があります。
誤肢の「造営物」は、電技解釈の他の規定で離隔の対象として頻繁に使われる言葉なので、つい選びたくなります。しかしこの規定の目的は火災の防止であり、「木製の壁又は天井その他の」と燃える材料を例に挙げていることから、(ア)は「可燃性のもの」と判断できます。0.5m・3mといった値は、この規定にはない数値です。
高圧受電設備のキュービクルの中の開閉器や遮断器も、この規定の対象となる器具です。金属製の箱に収めることでアークを生じる部分が囲まれ、周囲の可燃物から隔離される形になっています。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

