電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度上期 法規 問13|電気施設管理(負荷曲線・需要率)

問題

電験三種 | 法規 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

有効落差 80 m の調整池式水力発電所がある。調整池に取水する自然流量は 10 m³/s 一定であるとし,図のように1日のうち12時間は発電せずに自然流量の全量を貯水する。残り12時間のうち2時間は自然流量と同じ 10 m³/s の使用水量で発電を行い,他の10時間は自然流量より多い Q_p[m³/s]の使用水量で発電して貯水分全量を使い切るものとする。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 (図の内容)横軸は時刻 0~24 時,縦軸は使用水量[m³/s]。0~8 時と 20~24 時は使用水量 0(発電しない),8~20 時のうち途中の2時間は 10 m³/s,それ以外の10時間は Q_p で発電する。 (a) 運用に最低限必要な有効貯水量の値[m³]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問13/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問13

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正解は 3
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自信の3択

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解説

電験三種「法規」の「電気施設管理」からの出題(令和4年度上期 問13(a))。調整池式水力発電所の運用を問う計算問題で、正答は(3)です。

発電しない12時間は、流れ込む自然流量 10 m³/s をすべて調整池にためます。この水を、残りの12時間のうち Q_p で発電する10時間に使い切るので、調整池には少なくとも12時間分の自然流量をためられる容量が必要です。

有効貯水量=10×12×3 600=432 000 m³=432×10³ m³ となり、正答は(3)です。

【貯水と放水の関係】

・発電しない12時間(0~8 時,20~24 時):自然流量 10 m³/s をすべて貯水する。

・10 m³/s で発電する2時間:流れ込む量と使う量が同じなので、貯水量は変わらない。

・Q_p で発電する10時間:流れ込む 10 m³/s に加えて、ためた水を使い、10時間で貯水分を使い切る。

したがって、貯水量が最も多くなるのは発電を始める直前(8 時)で、その量が運用に最低限必要な有効貯水量です。

【計算】

有効貯水量 V=(自然流量)×(貯水する時間)

 =10 m³/s×12 h×3 600 s/h

 =432 000 m³=432×10³ m³ → 正答(3)

【誤りの選択肢】

・(5)864×10³:10×24×3 600。1日に流れ込む自然流量の全量で、貯水が必要な量ではない。

・(4)792×10³:Q_p=22 m³/s で10時間発電したときの使用水量の合計(22×10×3 600)。このうち自然流量でまかなえる分(10 m³/s×10時間)は貯水しなくてよい。

時間を秒に換算する(×3 600)ことと、「ためる時間」だけを数えることが要点です。

【調整池式発電所の運用】

調整池式水力発電所は、河川から一定の自然流量を取り入れ、需要の少ない時間帯に調整池にためて、需要の多い時間帯にまとめて使う発電所です。1日の中で使用水量を変えられるので、昼間のピーク需要に合わせた発電ができます。本問の運用では、夜間(0~8 時,20~24 時)に貯水し、昼間に発電しています。

【必要な有効貯水量の考え方】

調整池の水位(貯水量)は「流入量-使用水量」の積み重ねで変わります。

・0~8 時:+10 m³/s で増加

・8~20 時のうち Q_p の10時間:-(Q_p-10) m³/s で減少

・同じく 10 m³/s の2時間:変化なし

・20~24 時:+10 m³/s で増加

1日で貯水量がもとに戻る(貯水分全量を使い切る)運用なので、20 時から翌日 8 時までの連続した12時間にためた量が最大の貯水量になり、これが必要な有効貯水量です。前日の 20~24 時の4時間分と当日の 0~8 時の8時間分を合わせて12時間分と考えても同じ 432×10³ m³ になります。

【(b)への続き】

同じ問題の(b)では Q_p で運転するときの発電機出力が問われています。貯水分 432 000 m³ を10時間で使い切るので

 Q_p-10=432 000/(10×3 600)=12 m³/s → Q_p=22 m³/s

となります。発電機出力は P=9.8 Q_p H η_t η_g で、水車効率 90 %、発電機効率 95 % を用いると

 P=9.8×22×80×0.90×0.95≒14 700 kW

です。(a)で求めた貯水量から Q_p を求め、(b)の出力計算につなげる流れになっています。

【誤答の作り方】

選択肢には、1日の総流入量(864×10³)、Q_p での総使用水量(792×10³)のように、問題中の量を別の意味で組み合わせた値が並んでいます。「最低限必要な有効貯水量」は「ためておかなければならない水の最大量」であり、流れ込みながら同時に使える分は含まない、という意味を確かめることが大切です。

【関連する出題】

電験三種の法規の「電気施設管理」では、調整池式・貯水池式水力発電所の運用、揚水発電所の揚水と発電、負荷曲線と発電電力量の関係などを、貯水量と出力の計算で問う問題が繰り返し出題されています。単位(m³/s と時間)の換算と、どの時間帯にためてどの時間帯に使うかを図から読み取ることが共通の要点です。

この問題の根拠出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。