第二種電気工事士の合格後に、第一種電気工事士・電気主任技術者(電験三種)へ進むときの考え方を、電気工事士法の条文と電気技術者試験センターの公表情報で整理します。作業範囲の違い、第一種の免状に必要な実務経験、第二種の知識を活かす学習の進め方をまとめます。
結論:第二種電気工事士の次のステップとして、第一種電気工事士があります。電気工事士法第3条により、自家用電気工作物に係る電気工事は第一種電気工事士の領域で、第一種は最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物の電気工事の作業に従事できます。免状の交付には、試験合格のほか、電気工事に関する実務経験3年以上が必要です。第二種で身につけた知識を活かしながら、高圧の内容を上乗せする進め方をまとめます。
第二種電気工事士に合格した方が、第一種電気工事士や電気主任技術者(電験三種)へ進むときの考え方を、電気工事士法の条文と、電気技術者試験センターの公表情報で整理しました。
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第一種電気工事士の免状の交付要件:試験の合格のほか、電気工事に関する実務経験3年以上が必要。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 電気工事士の免状交付。
1. 第二種と第一種のできる工事の範囲
電気工事士法第3条は、電気工事の作業に従事できる者を、次のように定めています。
| 対象となる電気工作物 | 従事できる者 |
|---|---|
| 自家用電気工作物(特殊電気工事を除く) | 第一種電気工事士 |
| 一般用電気工作物等 | 第一種電気工事士・第二種電気工事士 |
第一種は、第二種の範囲を含みます。電気技術者試験センターは、第一種電気工事士が、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物(需要設備)の電気工事の作業に従事できると案内しています。
出典:e-Gov法令検索 電気工事士法、電気技術者試験センター 電気工事士の資格概要。
なお、第二種電気工事士の免状取得後に、実務経験3年以上、又は認定電気工事従事者認定講習の受講により認定証の交付を受けると、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)のうち電圧600V以下で使用する配線や電気使用設備等の工事の作業(電線路を除く)にも従事できます(令和8年度下期 第二種受験案内)。
2. 第二種の知識を活かす学習の進め方
第一種の学科試験の科目には、第二種の範囲に含まれる内容と、第一種ならではの内容があります(出典:第一種電気工事士の試験概要、第二種電気工事士の試験概要)。
2.1 第二種の学習を活かしやすい内容
- 電気に関する基礎理論(オームの法則・三相交流など)
- 低圧屋内配線の工事(金属管・合成樹脂管・ケーブル・がいし引き)
- 接地工事(C種・D種)と、低圧電路の絶縁抵抗値(電技省令第58条の3区分:0.1MΩ・0.2MΩ・0.4MΩ)
- 配線図の基礎(低圧の複線図・図記号)
2.2 第一種で学ぶ内容
- 配電理論及び配線設計(高圧の配電・電圧降下・力率改善。単相2線式配電線路の線間電圧を求める問題など)
- 電気応用(電動機・照明・電熱など)
- 受電設備(高圧受電設備の機器と役割)
- 自家用電気工作物の検査方法(絶縁耐力試験など。高圧受電設備の絶縁耐力試験の問題など)
- 配線図(高圧の単線結線図。高圧受電設備の停電時の開路手順を問う問題など)
- 発電施設・送電施設・変電施設の基礎的な構造及び特性
- 自家用電気工作物の保安に関する法令
必要な学習時間は、電気技術者試験センターが公表していません。第二種の内容は復習にとどめ、第一種ならではの内容に時間を使う進め方もできます。詳しくは、独学ロードマップ、高圧工事攻略法、自家用電気工作物の検査を参照してください。
3. 第一種の免状と実務経験
第一種電気工事士の免状は、試験に合格し、かつ電気工事に関する実務経験が3年以上ある人に交付されます。試験合格と免状の交付は、別のステップです。実務経験の数え方(試験合格前の期間・複数の会社での通算を含む)は、第一種電気工事士の実務経験で詳しく解説しています。
4. 電気主任技術者(電験三種)という選択肢
電気主任技術者は、電気設備の保安の監督を担う資格です。第三種電気主任技術者試験は、受験に制限や条件がなく、理論・電力・機械・法規の4科目が試験科目です(出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要)。
第一種電気工事士で学ぶ内容(配電理論・電気機器・自家用電気工作物の検査・法令)の一部は、電験三種の科目とも関連します。詳しくは、電験三種のステップアップ解説を参照してください。
5. 働き方を考えるときの注意
電気工事を仕事として請け負うには、免状のほかに、電気工事業の登録や主任電気工事士の設置などの手続きが必要です。詳しくは、第二種電工でできる工事の範囲を参照してください。年収・工事単価・開業後の収益は、条件によって大きく異なるため、本記事では扱いません。
6. まとめ
- 第二種電気工事士と第一種電気工事士では、従事できる電気工事の範囲が異なる(電気工事士法第3条)
- 第一種は、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物の電気工事の作業に従事できる
- 第一種の免状の交付には、試験合格のほか、実務経験3年以上が必要
- 第二種の知識は第一種の範囲にも含まれるため、復習を短くし、高圧の内容に時間を使う進め方もできる
- 電気主任技術者(電験三種)へ進む道もある
関連記事:完全合格ガイド / 高圧工事攻略法 / 自家用電気工作物の検査 / 合格率の最新データ分析 / 独学ロードマップ
よくある質問
Q第二種電工に合格したら、第一種はすぐ受験すべきですか?
受験に制限や条件はなく、第二種の免状がなくても、第二種の合格直後でも、第一種を受験できます。第二種の学習で身につけた基礎理論・低圧の配線・接地工事の知識は、第一種の範囲にも含まれるため、知識が新鮮なうちに高圧の内容を上乗せする進め方もできます。受験するかどうかは、扱いたい電気工事の範囲や、実務経験を積む予定に合わせて決めてください。出典:電気技術者試験センター 令和8年度下期受験案内。
Q第二種と第一種では、できる工事の範囲がどう違いますか?
電気工事士法第3条により、自家用電気工作物に係る電気工事(特殊電気工事を除く)の作業は第一種電気工事士でなければ従事できず、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業は、第一種又は第二種電気工事士でなければ従事できません。電気技術者試験センターは、第一種電気工事士が、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物(需要設備)の電気工事の作業に従事できると案内しています。出典:e-Gov法令検索 電気工事士法、電気工事士の資格概要。
Q第一種の免状に必要な実務経験は、どう積めばよいですか?
第一種電気工事士の免状の交付を受けるには、試験の合格のほか、電気工事に関する実務経験が3年以上必要です。対象になる工事・ならない業務、複数の会社での通算、実務経験証明書と申請窓口は、第一種電気工事士の実務経験で詳しく解説しています。出典:電気技術者試験センター 電気工事士の免状交付。
Q第一種電工と電験三種は、どちらを先に取るべきですか?
決まった順序はなく、目的によって選びます。電気工事の作業に従事したい場合は電気工事士、電気設備の保安の監督を担いたい場合は電気主任技術者が対象になります。電験三種は、受験に制限や条件がない国家試験で、理論・電力・機械・法規の4科目があります。詳しくは電験三種のステップアップ解説を参照してください。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要。
Q資格を取ると、年収や仕事はどう変わりますか?
年収の変化は、勤務先・地域・経験・担当する業務によって大きく異なり、電気技術者試験センターや法令では示されていません。本記事では、資格ごとの年収や工事単価の目安は扱いません。仕事で行える電気工事の範囲は、電気工事士法の条文(上記)で確認できます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
