第一種電気工事士の受験資格・令和8年度の試験日程と受験手数料・学科試験の科目と形式・合格率の推移(令和2〜8年度)・技能試験(候補問題No.1〜No.10)・免状の取得条件・第二種電気工事士からのステップアップまで、電気技術者試験センターの公表情報で整理した完全ガイドです。
結論:第一種電気工事士は、受験に制限がなく、自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満の需要設備)の電気工事の作業に従事するための国家資格です。令和7年度の合格率は、学科57.4%・技能58.1%でした(上期・下期の合計)。学科は一般問題40問・配線図問題10問(各2点・2時間20分・合格基準60点)、技能は候補問題No.1〜No.10から出題されます(令和8年度)。免状の交付には、試験合格のほか、電気工事に関する実務経験3年以上が必要です。
第一種電気工事士(通称:電工1種・第一種電工)は、電気工事士法に基づく国家資格です。この記事では、2026年度(令和8年度)試験を目標にする方向けに、受験資格から試験の構成・合格率・出題科目・学習の進め方・技能試験の概要・第二種からのステップアップまでを、電気技術者試験センターの公表情報で整理します。
試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。当サイトの問題は、電気技術者試験センターが公表した過去の試験問題(各問に出典を明記)で構成しています。本サイトは学科試験のみ対応・技能試験は範囲外です。
1. 受験資格と免状
受験資格の制限はありません。受験案内に「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」と記載されています。
ただし、免状の交付を受けるには、試験の合格に加えて、電気工事に関する実務経験3年以上が必要です。試験合格と免状の交付は、別のステップです。実務経験の数え方(試験合格前の期間を含む)は、第一種電気工事士の実務経験で解説しています。
免状の取得までの流れ
1. 学科試験に合格
2. 技能試験に合格
3. 電気工事に関する実務経験3年以上
4. 都道府県知事へ免状の交付を申請(手数料・必要書類は都道府県の免状窓口で確認)
出典:電気技術者試験センター 電気工事士の免状交付、令和8年度下期受験案内。
2. 試験の概要・日程
令和8年度 第一種電気工事士の試験日程・受験手数料:上期は受験申込み2月13日〜3月2日・学科試験はCBT方式のみ(4月1日〜5月8日)・技能試験7月4日、下期は受験申込み7月27日〜8月13日・学科試験はCBT方式(9月11日〜10月18日)と筆記方式(10月4日)・技能試験11月21日。受験手数料はインターネット申込み13,000円・書面申込み14,400円(非課税)。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験回数 | 令和8年度は上期・下期の2回(上期の学科試験はCBT方式のみ)。下期の学科試験は、申込み時にCBT方式(実施期間内に日時と会場を予約)か筆記方式(決められた1日)のどちらかを選ぶ |
| 学科試験 | 四肢択一式。令和7年度下期は一般問題40問・配線図問題10問(各2点)、試験時間2時間20分 |
| 技能試験 | 候補問題(令和8年度はNo.1〜No.10)の配線図の中から出題・試験時間60分の予定。持参した工具と、支給される材料で作品を完成させる |
| 合格基準 | 学科試験は60点以上、技能試験は作品に欠陥がないこと |
| 学科免除 | 前回又は前々回に第一種電気工事士学科試験に合格した方、電気主任技術者免状の交付を受けている方など(申請が必要) |
| 受験手数料 | インターネット申込み13,000円/書面申込み14,400円(非課税) |
| 合格発表 | 学科:CBT方式は受験日から2週間経過後の12:00から(予定)マイページで発表。筆記方式と技能試験は試験センターのホームページで発表 |
| 試験地 | 筆記方式・技能試験は、申込み時に試験地を選ぶ(試験会場は選べない)。CBT方式は、予約枠に空きがあれば全国どのCBT会場でも予約できる |
出典:令和8年度下期受験案内、令和7年度下期 学科試験問題、令和8年度 技能試験候補問題、第一種電気工事士の試験概要。
電気工事士学科試験のCBT移行:「電気工事士学科試験については、令和9年度より原則としてCBT方式へ移行」と案内されています。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター CBT方式のご案内。
3. 出題科目
電気技術者試験センターの試験概要では、学科試験の科目が次のように示されています。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気応用
- 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
- 電気工事の施工方法
- 自家用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
- 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令
当サイトの問題は、これを8分野(基礎理論・配電理論・電気応用・機器配線・工事方法・検査方法・配線図・法令)に分けて掲載しています。分野ごとの出題数・配点比率は公表されていないため、本記事では記載しません。
4. 合格率の推移
第一種電気工事士 令和2〜7年度の学科・技能の合格率:学科は令和2年度52.0%・令和3年度53.5%・令和4年度58.2%・令和5年度61.6%・令和6年度56.7%・令和7年度57.4%、技能は令和2年度64.1%・令和3年度67.0%・令和4年度62.7%・令和5年度60.6%・令和6年度59.9%・令和7年度58.1%(各年度の上期・下期の合計。合格者÷受験者)。令和8年度上期は学科57.3%(受験者14,507人・合格者8,307人)・技能56.1%(受験者12,514人・合格者7,019人)。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
| 年度 | 学科 受験者 | 学科 合格者 | 学科 合格率 | 技能 受験者 | 技能 合格者 | 技能 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和2年度 | 30,520人 | 15,876人 | 52.0% | 21,162人 | 13,558人 | 64.1% |
| 令和3年度 | 40,244人 | 21,542人 | 53.5% | 25,751人 | 17,260人 | 67.0% |
| 令和4年度 | 37,247人 | 21,686人 | 58.2% | 26,578人 | 16,672人 | 62.7% |
| 令和5年度 | 33,035人 | 20,361人 | 61.6% | 26,143人 | 15,834人 | 60.6% |
| 令和6年度 | 35,320人 | 20,030人 | 56.7% | 28,372人 | 17,004人 | 59.9% |
| 令和7年度 | 36,154人 | 20,735人 | 57.4% | 28,403人 | 16,509人 | 58.1% |
学科試験の受験者は、学科免除者を除く人数です。技能試験の受験者は、学科免除者と学科試験の合格者です。2つの合格率は対象が異なるため、掛け合わせても全体の合格率にはなりません。
5. 学習の進め方
必要な勉強時間は、電気技術者試験センターが公表していません。受験日から逆算して、計画を立ててください。
1. 過去問題で形式を確認する:センターが公表している過去の学科試験の問題と標準解答で、出題の形式を確認する
2. 基礎から順に学ぶ:基礎理論・配電理論から、電気応用・機器・施工方法・検査方法・配線図・法令へと進める
3. 問題演習で弱点を見つける:間違えた問題は、正解の選択肢だけでなく、他の選択肢がなぜ誤りかも確認する
4. 数値と図記号を整理する:接地抵抗・絶縁抵抗・図記号などの数値や記号は、一覧にして確認する
独学の進め方の詳細は、独学ロードマップにまとめています。
配電理論の計算は単相2線式配電線路の線間電圧を求める問題、配線図は高圧受電設備の停電時の開路手順を問う問題、接地工事は人が触れるおそれがある場所の金属製外箱等の接地工事の問題から試せます。高圧の計算論点は力率改善をわかりやすく・三相変圧器の結線図でも整理しています。
6. 技能試験の概要
本サイトは学科試験のみ対応で、技能試験は範囲外です。合格後すぐ技能試験に進むため、概要を紹介します。
- 試験時間:60分の予定
- 出題:事前に公表される候補問題(令和8年度はNo.1〜No.10)の配線図の中から出題
- 持参物:作業用の工具。材料は試験会場で支給されます
- 合格基準:作品に欠陥がないこと(欠陥の判断基準を参照)
詳しくは第一種電気工事士 技能試験(実技)を参照してください。
出典:令和8年度 第一種電気工事士 技能試験候補問題、第一種電気工事士の試験概要。
7. 第二種電気工事士からのステップアップ
電気工事士法第3条では、自家用電気工作物に係る電気工事(特殊電気工事を除く)の作業は第一種電気工事士でなければ従事できず、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業は、第一種又は第二種電気工事士でなければ従事できないと定められています。
| 資格 | 従事できる電気工事の範囲 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物等 |
| 第一種電気工事士 | 一般用電気工作物等+自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満の需要設備) |
第二種電気工事士の免状取得後に、実務経験3年以上、又は認定電気工事従事者認定講習の受講により認定証の交付を受けると、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)のうち電圧600V以下で使用する配線や電気使用設備等の工事の作業(電線路を除く)に従事できます。
出典:e-Gov法令検索 電気工事士法、電気技術者試験センター 電気工事士の資格概要、令和8年度下期 第二種受験案内。
詳細は別記事 第二種からのステップアップ戦略 で解説します。電気主任技術者(電験三種)へ進む道もあります(電験三種のステップアップ解説)。
8. 問題演習の活用法
本サイトでは、8分野の問題を分野別に解くことができ、各問に3段階の解説(初級・標準・上級)が付いています。「なぜその選択肢が正解か・他の選択肢はなぜ違うか」を、解説で確認する使い方ができます。
9. まとめ
- 受験資格の制限なし。免状の交付には、試験合格のほか、実務経験3年以上が必要
- 令和7年度の合格率は、学科57.4%・技能58.1%
- 学科は一般問題40問・配線図問題10問(各2点・2時間20分・合格基準60点)
- 技能は候補問題No.1〜No.10から出題され、60分の予定(令和8年度)
- 必要な勉強時間は公表されていないため、受験日から逆算して計画する
- 学科のみ本サイトで対応・技能は工具と材料を用意した練習が必要
関連記事:独学ロードマップ / 高圧工事攻略法 / 自家用電気工作物の検査 / 第二種からのステップアップ戦略 / 合格率の最新データ分析
よくある質問
Q第一種電気工事士の受験資格は何ですか?
受験に制限や条件はなく、どなたでも受験できます。ただし、免状の交付を受けるには、試験の合格のほか、電気工事に関する実務経験が3年以上必要です。出典:電気技術者試験センター 令和8年度下期受験案内、電気工事士の免状交付。
Q令和8年度の試験日・申込期間・受験手数料を教えてください。
令和8年度は上期と下期の2回実施されます。上期は受験申込み2月13日〜3月2日・学科試験はCBT方式のみ(4月1日〜5月8日)・技能試験7月4日、下期は受験申込み7月27日〜8月13日・学科試験はCBT方式(9月11日〜10月18日)と筆記方式(10月4日)・技能試験11月21日です。受験手数料はインターネット申込み13,000円・書面申込み14,400円(非課税)です。出典:令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内。
Q第一種電工の合格率はどのくらいですか?
電気技術者試験センターの公表値(受験者に対する合格者の割合)で、令和7年度(上期・下期の合計)は、学科試験が受験者36,154人・合格者20,735人(57.4%)、技能試験が受験者28,403人・合格者16,509人(58.1%)でした。令和2〜7年度の学科は52.0〜61.6%、技能は58.1〜67.0%の範囲です。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
Q第一種電工の学科試験は、どのような形式ですか?
四肢択一式で、令和7年度下期の問題は、一般問題40問・配線図問題10問(各2点)、試験時間は2時間20分でした。合格基準は60点以上です。マークシートで解答する筆記方式と、試験会場のパソコンで解答するCBT方式があり、申込みのときにどちらかを選びます(令和8年度の上期はCBT方式のみ)。出典:令和7年度下期 学科試験問題、令和8年度下期受験案内。
Q技能試験の対策はどうすればよいですか?本サイトで対策できますか?
技能試験は、事前に公表される候補問題(令和8年度はNo.1〜No.10)の配線図の中から出題されます。試験時間は60分の予定です。本サイトは学科試験のみ対応で、技能試験は範囲外です。候補問題の要素と欠陥の判断基準は技能試験(実技)の解説にまとめています。出典:令和8年度 第一種電気工事士 技能試験候補問題、試験概要。
Q第二種電工を持っていなくても、第一種を受験できますか?
はい。受験に制限や条件はないため、第二種電気工事士の免状がなくても、第一種を受験できます。第一種の試験範囲には、第二種の範囲に含まれる基礎理論や低圧の配線の知識も含まれるため、第二種の知識がある方は、その部分の復習を短くし、高圧の受電設備や自家用電気工作物の検査などの学習に時間を使う進め方もできます。出典:令和8年度下期受験案内。
Q学科試験が免除される場合はありますか?
前回又は前々回に第一種電気工事士学科試験に合格した方は、申請により学科試験が免除されます(免除の権利は次々回の試験まで有効)。また、第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の交付を受けている方も、免除の対象です。第一種電気工事士試験は、学校卒業による学科試験の免除はありません。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士の試験概要。
Q第一種電工でできる工事の範囲はどこまでですか?
電気技術者試験センターは、第一種電気工事士が、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物(需要設備)の電気工事の作業に従事できると案内しています。電気工事士法第3条により、自家用電気工作物に係る電気工事(特殊電気工事を除く)の作業は、第一種電気工事士でなければ従事できません。出典:電気技術者試験センター 電気工事士の資格概要、e-Gov法令検索 電気工事士法。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
