第一種電気工事士の難易度を、電気技術者試験センターの公表値で整理。平成28年度から令和7年度までの学科・技能の合格率、令和8年度上期の結果、第二種との差、試験の構成(時間・問題数・合格基準)、難しさを感じやすい点、偏差値の扱いを確認できます。
目次
結論:第一種電気工事士の難易度は、電気技術者試験センターの公表値で見ると、令和7年度(上期・下期の合計)の合格率が学科試験57.4%(受験者36,154人・合格者20,735人)、技能試験58.1%(受験者28,403人・合格者16,509人)で、どちらも受験者の4割前後が合格できていません。令和2〜7年度の6年間では、学科が52.0〜61.6%、技能が58.1〜67.0%の範囲で推移しています。第二種と比べると、学科の合格率は同じ水準で、技能は第一種が13.7ポイント低い値です(令和7年度)。センターは偏差値を公表していません。
第一種電気工事士の難易度は、合格率だけでなく、試験の構成(科目・時間・合格基準)と受験者の顔ぶれで決まります。本記事では、電気技術者試験センターが公表している受験者数・合格者数から、学科試験と技能試験の合格率を年度別に整理し、第二種との差と、難しさを感じやすい点を説明します。合格率の詳しい読み方は、記事の後半にまとめています。
試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。最新の確定値は、試験センターの「試験結果と推移」ページで確認してください。
第一種電気工事士 令和2〜7年度の学科・技能の合格率:学科は令和2年度52.0%・令和3年度53.5%・令和4年度58.2%・令和5年度61.6%・令和6年度56.7%・令和7年度57.4%、技能は令和2年度64.1%・令和3年度67.0%・令和4年度62.7%・令和5年度60.6%・令和6年度59.9%・令和7年度58.1%(各年度の上期・下期の合計。合格者÷受験者)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
1. 難易度を決める要素:学科試験と技能試験の構成
第一種電気工事士試験は、学科試験と技能試験の2つで構成され、技能試験は学科試験の合格者又は学科試験免除者が受験します。それぞれの形式と合格基準は次のとおりです。
| 項目 | 学科試験 | 技能試験 |
|---|---|---|
| 内容 | 四肢択一方式。基礎理論、配電理論及び配線設計、電気応用、機器・材料・受電設備、施工方法、検査方法、配線図、発電・送電・変電施設、保安に関する法令の9科目 | 持参した作業用工具で、配線図で与えられた問題を、支給される材料で一定時間内に完成させる |
| 時間・問題数 | 140分・50問(一般問題40問程度、配線図問題10問程度。変更される場合があります) | 60分の予定(令和8年度の候補問題No.1〜No.10) |
| 合格基準 | 合格基準点は60点 | 作品に欠陥がないこと |
| 受験方式 | CBT方式または筆記方式(令和8年度から申込み時に選択。令和8年度上期はCBT方式のみ) | 全国一斉の試験 |
| 令和7年度の合格率 | 57.4% | 58.1% |
出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士の学科試験のポイント、第一種電気工事士の試験概要、令和8年度下期受験案内(合格基準・受験方式)、試験日程、令和8年度の候補問題の公表。
学科試験の合格基準点は、センターの受験案内で60点と示されています。技能試験は点数ではなく、欠陥の有無で合否が決まります。第一種の技能試験の中身は技能試験(実技)の記事で説明しています。
当サイトの第一種の問題は261問(学科試験の問題・2026-10-03集計)で、当サイトの分類では、基礎理論57問、機器・材料・受電設備47問、施工方法45問、配電理論・配線設計30問、検査方法30問、保安に関する法令28問、配線図15問、電気応用9問です。これは当サイトに収録している問題の内訳で、本試験の出題割合ではありません。
2. 学科試験の年度別データ
学科試験の受験者数と合格者数です(学科免除者を除く。令和5年度以降はCBT方式を含む)。平成28年度から令和7年度までの10年分を並べました。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 平成28年度 | 39,013人 | 19,627人 | 50.3% |
| 平成29年度 | 38,427人 | 18,076人 | 47.0% |
| 平成30年度 | 36,048人 | 14,598人 | 40.5% |
| 令和元年度 | 37,610人 | 20,350人 | 54.1% |
| 令和2年度 | 30,520人 | 15,876人 | 52.0% |
| 令和3年度 | 40,244人 | 21,542人 | 53.5% |
| 令和4年度 | 37,247人 | 21,686人 | 58.2% |
| 令和5年度 | 33,035人 | 20,361人 | 61.6% |
| 令和6年度 | 35,320人 | 20,030人 | 56.7% |
| 令和7年度 | 36,154人 | 20,735人 | 57.4% |
この10年の学科の合格率は、最も低い平成30年度の40.5%から、最も高い令和5年度の61.6%まで動いています(いずれも上のセンター公表値からの計算)。年度による動きの理由はセンターから示されていないため、数字の紹介にとどめます。
3. 技能試験の年度別データ
技能試験の受験者数と合格者数です。技能試験の受験者は、学科免除者と学科試験の合格者です。平成28年度から令和7年度までの10年分を並べました。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 平成28年度 | 23,677人 | 14,602人 | 61.7% |
| 平成29年度 | 24,188人 | 15,368人 | 63.5% |
| 平成30年度 | 19,815人 | 12,434人 | 62.8% |
| 令和元年度 | 23,816人 | 15,410人 | 64.7% |
| 令和2年度 | 21,162人 | 13,558人 | 64.1% |
| 令和3年度 | 25,751人 | 17,260人 | 67.0% |
| 令和4年度 | 26,578人 | 16,672人 | 62.7% |
| 令和5年度 | 26,143人 | 15,834人 | 60.6% |
| 令和6年度 | 28,372人 | 17,004人 | 59.9% |
| 令和7年度 | 28,403人 | 16,509人 | 58.1% |
技能試験の合格基準は、作品に欠陥がないことです。
4. 上期試験と下期試験の比較
令和6年度以降の、上期・下期ごとの合格率です(出典は同じく試験結果と推移)。
| 年度 | 上期 学科 | 下期 学科 | 上期 技能 | 下期 技能 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 59.3% | 55.4% | 57.0% | 61.9% |
| 令和7年度 | 56.5% | 57.9% | 55.1% | 60.3% |
上期と下期のどちらが高いかは、年度によって異なります。差の理由はセンターから示されていないため、ここでは数字の紹介にとどめます。
令和8年度上期 第一種電気工事士の結果:学科試験は受験者14,507人・合格者8,307人(57.3%)、技能試験は受験者12,514人・合格者7,019人(56.1%)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
令和8年度の下期の結果は、この記事の確認日時点では公表されていないため含めていません。
5. 第二種との難易度差:合格率と試験の構成
第二種と第一種の合格率を、令和5〜7年度(上期・下期の合計)で並べました。
| 年度 | 第二種 学科 | 第一種 学科 | 第二種 技能 | 第一種 技能 |
|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 59.4% | 61.6% | 71.1% | 60.6% |
| 令和6年度 | 58.2% | 56.7% | 70.3% | 59.9% |
| 令和7年度 | 56.6% | 57.4% | 71.8% | 58.1% |
出典:第二種の試験結果と推移、第一種の試験結果と推移(合格者÷受験者、編集部計算)。
学科の合格率は、3年とも第一種と第二種で近い値です。技能の合格率は、3年とも第一種が第二種より10ポイント以上低くなっています(令和7年度は13.7ポイント差)。令和7年度の人数は次のとおりです。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 学科 受験者 | 139,087人 | 36,154人 |
| 学科 合格者 | 78,711人 | 20,735人 |
| 学科 合格率 | 56.6% | 57.4% |
| 技能 受験者 | 99,610人 | 28,403人 |
| 技能 合格者 | 71,471人 | 16,509人 |
| 技能 合格率 | 71.8% | 58.1% |
試験の構成の違いは、次のとおりです。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 学科試験の時間・問題数 | 120分・50問(一般問題30問程度・配線図問題20問程度) | 140分・50問(一般問題40問程度・配線図問題10問程度) |
| 技能試験の時間(令和8年度) | 40分の予定(候補問題13問) | 60分の予定(候補問題10問) |
| 技能試験の出題範囲 | 一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業 | 最大電力500kW未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業 |
| 免状の交付(電気工事士法第4条) | 第二種試験の合格者などに交付(第4項) | 第一種試験の合格に加えて、経済産業省令で定める実務の経験が必要(第3項。同等以上と都道府県知事が認定した者も対象。センターの免状交付のページでは実務経験3年以上) |
出典:電気技術者試験センター 第二種の学科試験のポイント・第一種の学科試験のポイント、第二種の候補問題の公表(令和8年度)・第一種の候補問題の公表(令和8年度)、電気工事士の免状交付。条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-03 時点の現行条文):電気工事士法。
学科の問題数は50問程度で同じですが、第一種は配線図問題が10問程度、一般問題が40問程度で、第二種と配分が違います。受験者の顔ぶれ・範囲・作業の内容が違うため、合格率の差だけで第一種のほうが難しいとは言い切れません。ただ、技能試験は、第一種のほうが試験時間が長く、高圧の受電設備に関わる配線図が出題される点で、第二種とは内容が違います(第一種の令和8年度の候補問題は10問とも電源が6,600V)。
第二種の知識がある方は、第一種の学習で、基礎理論や低圧の配線の部分を復習にとどめ、高圧の受電設備や自家用電気工作物の検査などに時間を使う進め方もできます。詳細は、第二種からのステップアップ戦略を参照してください。第一種と第二種でできる工事の違いは電気工事士1種と2種の違いで整理しています。
6. 偏差値は公表されていません
第一種電気工事士の偏差値を知りたい方に向けて、公表資料で確かめられることを整理します。電気技術者試験センターの試験結果と推移が公表しているのは、受験申込者・受験者・合格者の人数です。偏差値という指標の掲載はなく、得点の分布も載っていないため、公表資料から偏差値を計算することはできません(2026-10-03確認)。
そのため、本記事では偏差値を示しません。難易度は、公表されている次の値で見ることをおすすめします。
- 合格率(学科・技能それぞれ、年度別・上期下期別)
- 合格基準(学科は合格基準点60点、技能は欠陥のない作品)
- 試験の構成(科目・時間・問題数)
- 第二種など、比べる試験の同じ年度の値
7. 難しさを感じやすい点と対策
センターの試験結果のページには、分野別の正答率が掲載されていません(2026-10-03確認)。そのため、どの分野が難しいかを数字で示すことはできません。ここでは、試験の構成から、負担が大きくなりやすい点を整理します。
学科試験:範囲が広く、計算・配線図・法令の3種類の力が要る
学科は9科目・50問程度で、基礎理論の計算、高圧受電設備の配線図、保安に関する法令など、種類の違う問題が混ざります。どの分野から始めるかは、合格戦略診断で自分の弱い分野を確かめてから決められます。下の問題は、計算・法令・配線図の例です。
この論点の問題を解く:
- 三相交流回路の線電流を求める(基礎理論)
- 交流回路の電源電圧を求める(基礎理論)
- 三相交流回路の線電流の値を求める(基礎理論)
- 第一種電気工事士でなければ従事できない作業(法令)
- ネオン工事に従事できる者(法令)
- 高圧受電設備を停電させるときの開路手順(配線図)
技能試験:欠陥が1つでもあると不合格になる
技能試験の合格基準は、作品に欠陥がないことです。合格率は、令和7年度で58.1%、令和8年度上期で56.1%です。候補問題10問の複線図と作品づくりを練習し、欠陥の判断基準に当たる施工をなくすことが対策になります。候補問題の機器と欠陥の判断基準は、第一種の技能試験(実技)の記事にまとめています。
8. 学科免除の仕組み
前回又は前々回に第一種電気工事士学科試験に合格した方は、申請により学科試験が免除されます。また、第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の交付を受けている方も免除の対象です。免除を受けるための手続きは、その年度の受験案内で確認してください。
出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士の試験概要、令和8年度下期受験案内。
9. 合格率の読み方
- 合格率は、受験者に対する合格者の割合です。申込者に対する割合ではありません
- 学科の合格率と技能の合格率は、対象になる受験者が異なります。2つの数字を掛け合わせても、全体の合格率にはなりません
- 他の資格の合格率と比べるときは、受験資格・出題範囲・試験形式が違うため、数字の大小だけで難しさは判断できません
- 分野別の正答率や、受験者の年齢・職業の内訳は、センターの試験結果のページでは確認できませんでした。本記事では扱いません
- 必要な学習時間は、センターの試験案内・試験結果のページには記載がありません。学習の進め方は独学ロードマップを参考にしてください
10. まとめ
- 令和7年度の合格率は、学科57.4%・技能58.1%(上期・下期の合計)
- 平成28年度〜令和7年度の10年間では、学科が40.5〜61.6%、技能が58.1〜67.0%で推移
- 令和8年度上期は、学科57.3%・技能56.1%
- 第二種との比較(令和7年度)では、学科は同水準、技能は第一種が13.7ポイント低い
- 偏差値はセンターが公表していないため、合格率・合格基準・試験の構成で難易度を見る
- 学科の合格者は、次の回・次の次の回の学科試験が免除される
- 合格率は、最新の数字を試験センターの公表ページで確認する
関連記事:技能試験(実技)の対策 /完全合格ガイド / 高圧工事攻略法 / 自家用電気工作物の検査 / 第二種からのステップアップ戦略 / 独学ロードマップ
よくある質問
Q令和8年度上期の第一種電気工事士試験の合格率は、令和7年度と比べてどうでしたか?
電気技術者試験センターの公表値では、令和8年度上期は学科が受験者14,507人・合格者8,307人(57.3%)、技能が受験者12,514人・合格者7,019人(56.1%)でした。令和7年度の上期は学科56.5%・技能55.1%(上期・下期の合計は学科57.4%・技能58.1%)で、上期どうしでは学科・技能ともやや高い値です。令和8年度の下期は、確認日時点で結果が公表されていません。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。
Q第二種電工と第一種電工の合格率は、どのくらい違いますか?
令和7年度の公表値では、学科は第二種が56.6%、第一種が57.4%で、近い値でした。技能は、第二種が71.8%、第一種が58.1%でした。ただし、試験の範囲・問題数・試験時間・受験者の顔ぶれが異なるため、合格率の差だけで難しさは判断できません。出典:第二種の試験結果と推移、第一種の試験結果と推移。
Q学科の合格率と技能の合格率はどう違いますか?
集計の対象が違います。学科試験は、学科免除者を除く受験者に対する合格者の割合です。技能試験は、学科免除者と学科試験の合格者が受験するため、受験者の顔ぶれが異なります。2つの数字を掛け合わせても、その年に免状を手にした人の割合を表すものにはなりません。出典:試験結果と推移の注記。
Q上期試験と下期試験で、合格率に差はありますか?
公表値では、学科・技能ともに、年度によって上期・下期の高低が異なります。たとえば令和7年度は、学科が上期56.5%・下期57.9%、技能が上期55.1%・下期60.3%でした。差の理由はセンターから示されていないため、数字の紹介にとどめます。出典:試験結果と推移。
Q第一種電気工事士の偏差値はいくつですか?
電気技術者試験センターの試験結果のページが公表しているのは、受験申込者・受験者・合格者の人数で、偏差値や得点の分布は掲載されていません。公表資料から偏差値を計算することはできないため、本記事では数字を示していません。難易度は、合格率(令和7年度は学科57.4%・技能58.1%)、合格基準(学科は合格基準点60点、技能は欠陥のない作品)、試験の構成で確かめてください。出典:試験結果と推移、令和8年度下期受験案内。
Q分野別の正答率は公表されていますか?
電気技術者試験センターの試験結果のページでは、受験者数・合格者数・合格率が公表されていますが、分野別の正答率は確認できませんでした。そのため、本記事では分野別の正答率は扱いません。出典:試験結果と推移。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。
