第一種電工

電気工事士一種 実技(技能試験)60分・候補問題10問・欠陥の判断基準【令和8年度】

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

電気工事士一種の実技(技能試験)を、電気技術者試験センターの公表資料で整理しました。令和8年度の候補問題No.1〜No.10の機器、試験時間60分、欠陥の判断基準12区分、持ち込めない工具、第二種との違い、日程と合格率の推移を確認できます。

目次
  1. 第一種電気工事士の技能試験とは:出題範囲と試験の流れ
  2. 令和8年度の候補問題No.1〜No.10に書かれている機器
  3. 第二種の実技との違い:候補問題の数・時間・合格率
  4. 欠陥の判断基準:第一種で特に注意したい項目
  5. 実技の当日のルール:材料・工具・作業中の注意
  6. 技能試験の合格率の推移(第一種)
  7. 技能試験の練習の進め方:日程から逆算した対策の組み方
  8. 技能試験のコツ:センターの資料が挙げる「欠陥になりやすい作業」
  9. 技能試験に合格した後:免状の交付には実務経験が必要
  10. 学科の問題で、候補問題の機器と工事の決まりを確かめる
結論:電気工事士一種の「実技」は、電気技術者試験センターの資料では「技能試験」と呼ばれる試験です。毎年公表される候補問題の配線図から出題され、持参した工具と支給される材料で60分以内に作品を完成させます。令和8年度の候補問題はNo.1〜No.10の10問で、合否は作品に欠陥があるかどうかで決まります。技能試験の合格率は直近5回で55.1〜61.9%です。10問すべての複線図と作品づくりを練習し、欠陥の判断基準に当たる施工をなくすことが準備の中心です。

当サイトで、センターが公表した令和6・7・8年度の第一種の候補問題PDFを突き合わせたところ、No.1〜No.10の配線図は3年とも同じでした。また、センターは令和6年度上期から令和8年度上期までの5回の試験すべてについて、「出題された問題は10種類」と公表しています。詳しくは「令和8年度の候補問題No.1〜No.10に書かれている機器」の章で説明します。

項目令和8年度の第一種電気工事士 技能試験
呼び方「実技」と書くときは、センターの資料で「技能試験」と呼ばれる試験を指します
候補問題No.1〜No.10(10問)。この中から出題
試験時間60分の予定(すべての問題)
受験できる人学科試験の合格者又は学科試験免除者
方法持参した作業用工具で、配線図の問題を支給される材料で完成させる
合否欠陥のない作品が合格
出題される工事種別ケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事(配線図に明示していないが出題される)

出典:電気技術者試験センター 令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について・第一種電気工事士の試験概要・技能試験の概要と注意すべきポイント。

第一種電気工事士 技能試験の候補問題:令和8年度の候補問題はNo.1〜No.10の10問(令和8年1月6日公表)、試験時間は60分の予定。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について。
令和8年度の第一種電気工事士 技能試験の日程と受験手数料:上期の技能試験は令和8年7月4日(土)に実施済みです。下期の技能試験は令和8年11月21日(土)で、申込受付(2026年7月27日〜8月13日)は終了しています。受験手数料はインターネット申込みで13,000円(非課税)、書面申込みで14,400円(非課税)です。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験日程。

令和9年度の日程は、確認日時点でセンターの試験日程ページに掲載されていません。次回の受験を考える場合は、センターの公表を確認してください。

候補問題は毎年公表されます。センターの資料も「必ず,最新のものを確認するようにしてください」としているので、受験する年度の公表資料で確かめてください。なお、合格ナビに収録している第一種の問題261問(平成30年度〜令和7年度・2026-10-02 集計)はすべて学科試験の問題で、技能試験の作品づくりの練習には使えません。この記事では、候補問題に出てくる機器や工事の決まりを学科の問題で確かめられるよう、各章の下にリンクを置いています。

第一種電気工事士の技能試験とは:出題範囲と試験の流れ

技能試験で何を試すかは、電気工事士法施行規則第12条に定められています(条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-02 時点の現行条文):電気工事士法施行規則)。技能試験は次の事項の「全部又は一部について行うもの」とされ、第一種は9項目です。

第一種の技能試験の事項(施行規則第12条)第二種との違い
一 電線の接続同じ
二 配線工事同じ
三 電気機器、蓄電池及び配線器具の設置第二種は「電気機器及び配線器具の設置」
四 電気機器、蓄電池、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法第二種は蓄電池を含まない
五 コード及びキャブタイヤケーブルの取付け同じ
六 接地工事同じ
七 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定同じ
八 自家用電気工作物の検査第二種は「一般用電気工作物等の検査」
九 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理第二種は「一般用電気工作物等の故障箇所の修理」

当日は、試験問題を開いて配線図と施工条件を読み、60分で作品を完成させます。技能試験の概要と注意すべきポイントでは、試験終了後に作品の欠陥の有無を判定し、「欠陥のない作品が合格となります」と説明しています。点数ではなく、欠陥が1つでもあるかどうかで決まる点が学科試験と違います。

この論点の問題を解く:

令和8年度の候補問題No.1〜No.10に書かれている機器

候補問題の配線図は、電線の本数にかかわらず単線図で示され、機器・器具は端子台で代用するものもあります(公表資料の注)。下の表は、各候補問題の配線図に文字で書かれている電源と主な機器・表記を、合格ナビ編集部が一覧にしたものです。図そのものは公表資料(PDF)で確認してください。

候補問題電源(配線図の表記)配線図に書かれている主な表記
No.11φ2W 6,600V1φ2W 100V・1φ2W 200V、2P、E 250V
No.21φ2W 6,600VB、1φ2W 100V、A(3A)、切替用
No.33φ3W 6,600V1φ2W 100V
No.41φ2W 6,600VB、1φ2W 100V
No.53φ3W 6,600V3φ3W 200V、赤ランプ(運転表示灯)・白ランプ(電源表示灯)、E 3P250V、S 3P15A
No.63φ3W 6,600V△3△、3φ3W 200V、S 3P15A、運転表示灯、電流計
No.73φ3W 6,600VVCB、CT×2、過電流継電器(I>)×2、電流計
No.83φ3W 6,600V3φ3W 200V、MS(電磁開閉器)、運転表示灯、電流計
No.91φ2W 6,600V1φ2W 100V、露出形、A(3A)、TS
No.103φ3W 6,600VVT×2(PF付)、不足電圧継電器(U<)、VCB補助接点、赤ランプ・緑ランプ、電圧計

10問とも電源は6,600Vで、No.7には変流器(CT)と過電流継電器、No.10には計器用変圧器(VT)と不足電圧継電器の回路があります。高圧の電源から始まる配線図であることが、第二種の候補問題との大きな違いです。公表資料の注では、接地極付コンセントに係る接地工事と、電流計・電圧計に至る工事は「出題時に明記する」とされています。

候補問題は毎年変わる? 令和6〜8年度を比べました

当サイトで、センターが公表した令和6年度(令和6年1月10日公表)・令和7年度(令和7年1月7日公表)・令和8年度(令和8年1月6日公表)の第一種の候補問題PDFを機械で突き合わせました(2026-10-03実施)。PDFの2ページ分について、書かれている文字とその位置、図形の座標を比べた結果、公表日と前書きの年号表記を除いて、No.1〜No.10の配線図は3年とも同じでした。

  • この比較は令和6〜8年度の3年分だけです。令和5年度以前は確認していません
  • センターの資料は、候補問題について「必ず,最新のものを確認するようにしてください」としています。来年度も同じとは限りません
  • 候補問題の公表は1月で、学科試験より前です。技能試験を受けられるのは学科試験の合格者か免除者ですが、候補問題の練習は公表後すぐに始められます

出典:令和6年度候補問題・令和7年度候補問題・令和8年度候補問題(いずれも電気技術者試験センター)、技能試験の概要と注意すべきポイント。

実際の試験で出題されたのは10種類

センターの第一種電気工事士試験の問題と解答のページには、技能試験の問題が回ごとに掲載されています。令和6年度上期(2024年7月6日)、令和6年度下期(2024年11月24日)、令和7年度上期(2025年7月5日)、令和7年度下期(2025年11月22日)、令和8年度上期(2026年7月4日)の5回は、どの回も「出題された問題は、以下の10種類です」と書かれ、公表問題No.1〜No.10の試験問題と解答が公開されています。

試験問題は1課題ずつ配付され、表面に注意事項と材料表、裏面に配線図と施工条件が印刷されています(令和8年度上期の試験問題で確認)。どの番号の問題を受験者が受け取るかは、センターの資料からは分かりません。ただ、直近5回は10種類とも出題されているので、当サイトでは、練習する問題を絞らず、10問すべてを時間内に欠陥なく作れるようにする進め方をおすすめします。

出典:電気技術者試験センター 令和8年度第一種電気工事士上期技能試験・令和7年度下期・令和7年度上期・令和6年度下期・令和6年度上期。

この論点の問題を解く:

第二種の実技との違い:候補問題の数・時間・合格率

第二種の実技(技能試験)との違いを、センターの公表資料で並べました。

項目第二種(令和8年度)第一種(令和8年度)
候補問題No.1〜No.13(13問)No.1〜No.10(10問)
試験時間40分の予定60分の予定
出題範囲一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業最大電力500kW未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業
欠陥の判断基準第一種と共通の資料第二種と共通の資料
令和7年度の技能試験の合格率(上期・下期の合計)71.8%(受験者99,610人・合格者71,471人)58.1%(受験者28,403人・合格者16,509人)
令和8年度上期の技能試験の合格率73.4%(受験者58,393人・合格者42,875人)56.1%(受験者12,514人・合格者7,019人)
免状の交付(電気工事士法第4条)第二種試験の合格者などに交付(第4項)第一種試験の合格に加えて、経済産業省令で定める実務の経験が必要(第3項。同等以上と都道府県知事が認定した者も対象)

出典:第二種の候補問題の公表(令和8年度)、第一種の候補問題の公表(令和8年度)、技能試験の概要と注意すべきポイント、第二種の試験結果と推移、第一種の試験結果と推移。合格率は合格者÷受験者で、編集部の計算です。電気工事士法の条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-03 時点の現行条文):電気工事士法。

第二種の令和8年度の候補問題の配線図には、電源として「1φ2W 100V」などの低圧が書かれていて、6,600Vの記載はありません。第一種の候補問題は、10問とも電源が6,600Vの高圧です。令和8年度上期の第一種の試験問題No.1には、支給材料として高圧絶縁電線(KIP)が含まれています。KIPの端末処理は高圧ケーブル端末処理の手順で、複線図の描き方など第二種の実技の手順は第二種の実技の記事で説明しています。

合格率は第一種のほうが低い値ですが、受験者の顔ぶれと作業の内容が違うため、この差だけで難しさは決められません。

欠陥の判断基準:第一種で特に注意したい項目

欠陥の判断基準は電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準として、第一種・第二種で共通です。「1.未完成のもの」から「12.その他」までの12区分があり、全区分の一覧は電気工事士の実技(第二種)の記事に表でまとめています。ここでは、第一種の候補問題で特にかかわる項目を挙げます。

判断基準の項目欠陥となるもの(判断基準の文言)第一種でかかわる理由
8-3イ「端子台の高圧側の結線にあっては,端子台の端から心線が20mm 以上露出したもの」候補問題の電源はすべて6,600Vで、センターの資料にも「端子台への結線の例(高圧側)」が示されている
8-3ロ「端子台の低圧側の結線にあっては,端子台の端から心線が5mm 以上露出したもの」同じ端子台でも低圧側は5mmで、高圧側と許容が違う
5-1ハ「VVR,CVV の介在物が抜けたもの」VVRなどVVF以外のケーブルが出題される場合がある
9金属管工事部分(構成部品の位置・管の接続・ボンド工事など)金属管工事は出題される工事種別の1つ
10合成樹脂製可とう電線管工事部分(構成部品の位置・接続)合成樹脂管工事も出題される工事種別の1つ

端子台は、高圧側が20mm、低圧側が5mmと、同じ部品でも許容される露出の長さが違います。「技能試験の概要と注意すべきポイント」は、VVRケーブルなどについて「VVF 用ストリッパでは適切に外装をはぎ取れないことがあり」、電工ナイフを用いるなどケーブルの種類に応じた方法で作業することが重要だとしています。また、判断基準の数値は試験の制約を勘案したもので、「実際の工事では限りなく0mm に近い施工が求められている」とも書かれています。

欠陥の判断基準12区分の全体像

センターの「技能試験の概要と注意すべきポイント」(令和8年3月)は、欠陥の判断基準を次の12区分で示しています。区分ごとに「2-1」「6-2」のような細目があり、数値や条件はすべて資料の本文で確認できます。

区分センターの資料の見出し
1未完成のもの
2配置,寸法,接続方法等の相違
3誤接続,誤結線のもの
4電線の色別,配線器具の極性が施工条件に相違したもの
5電線の損傷
6リングスリーブ(E形)による圧着接続部分
7差込形コネクタによる差込接続部分
8器具への結線部分
9金属管工事部分
10合成樹脂製可とう電線管工事部分
11取付枠部分
12その他

同じ資料の第Ⅲ部は、技能試験で重視する能力として、①回路を的確に構成する能力、②配線図や施工条件を理解し遵守する能力、③接続等の作業を的確に行う能力の3つを挙げています。②については、「回路が電気的に正しく結線されていたとしても,欠陥であると判断します」と書かれています。配線図と施工条件のとおりに作ることが、電気的に正しくつなぐことと同じように求められます。

この論点の問題を解く:

実技の当日のルール:材料・工具・作業中の注意

センターの技能試験の概要と注意すべきポイントと令和8年度下期の受験案内から、準備に関わる決まりを整理します。

項目決まり
試験時間第一種は60分。「試験時間は変更になる場合があります」とされています
材料作業に必要な材料はすべて支給され、自分で持ち込んだ材料は使えません。試験開始前に材料表と照合し、不足や不良は材料確認の時間内に申し出ます
材料の交換作業開始後は、リングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじ以外の材料の交換・追加支給は行われません
工具持参します。電動工具以外の工具は使えますが、他の受験者からの借用、改造した工具や自作した工具は禁止です
使えないもの電動工具(充電式を含み、電動機能をOFFにしても不可)、テスタなど工具以外の計測器、配布される保護板以外の下敷きや作業用シート、ねじやリングスリーブを仮置きするための小箱や皿
使えるもの電線を一時的に束ねるクリップ等。ただし試験終了までに必ず取り外します
作業中椅子に座って作業します。立ち続けると失格です(力を入れるときなど、一時的に立つことは問題ありません)
終了の合図合図の後も作業を続けると失格です
試験後作品の欠陥の有無が判定されます。問題と解答は、試験実施完了後の夜にセンターのホームページで公表されます(令和8年度下期の受験案内)

センターの資料は、カッターナイフについて「近年,カッターナイフでケガをされて,手当のために退出された方が増えていますので,カッターナイフの使用を自粛してください」と書いています。受験する回の受験案内と、当日の監督員の指示を優先してください。

技能試験の合格率の推移(第一種)

センターの第一種電気工事士試験の試験結果と推移の技能試験の受験者数と合格者数から、合格率を計算すると次のとおりです(合格率=合格者÷受験者、編集部計算)。

試験技能試験の受験者合格者合格率
令和6年度 上期11,589人6,607人57.0%
令和6年度 下期16,783人10,397人61.9%
令和7年度 上期11,876人6,548人55.1%
令和7年度 下期16,527人9,961人60.3%
令和8年度 上期12,514人7,019人56.1%
第一種電気工事士 技能試験の合格率:令和8年度上期の技能試験は受験者12,514人・合格者7,019人(合格率56.1%、編集部計算)。令和8年度の下期は未公表です。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果と推移。

5回とも受験者の4割前後が不合格です。技能試験は欠陥が1つあれば不合格になるため、10問すべてを時間内に欠陥なく仕上げる練習が必要です。

技能試験の練習の進め方:日程から逆算した対策の組み方

センターの公表資料をもとにした、練習の順番の例です。

練習に使える期間は、令和8年度の日程から当サイトで日数を計算すると次のとおりです。上期は、学科試験のCBT期間の終わり(5月8日)から技能試験(7月4日)まで57日です。下期は、筆記方式の学科試験(10月4日)から技能試験(11月21日)まで48日、CBT期間の終わり(10月18日)からは34日です。ただし、候補問題は1月に公表されているので、学科試験に合格する前から複線図や作品づくりの練習を始められます。日程の出典は、記事の前半の日程と受験手数料の囲みに記載したセンターのページです。

  • ① 候補問題10問の配線図を読む:公表資料の配線図と注(単線図で示す・端子台で代用・工事種別)を確認し、上の表の機器が何をする部分かを学科の知識で説明できるようにする
  • ② 10問すべての複線図を描く:単線図から、電線の本数と接続を決める。複線図の基本の描き方は第二種の実技の記事で手順を説明しています。第一種で加わる変圧器・高圧側の描き方は第一種の複線図にまとめています
  • ③ 作品を製作して、欠陥の判断基準で自己点検する:端子台の高圧側・低圧側の露出の長さ、金属管工事のボンド、リングスリーブの選択と圧着マークなどを、判断基準の文言どおりに確かめる
  • ④ 60分で仕上げる:施工条件を読む時間と、完成後に見直す時間を残して作業を終えられるか、時間を計って確かめる

工具は、試験の注意事項に従って持参します。センターの資料では、電動工具は「電動機能をOFFにして利用する場合でも、使用できません」とされ、使用すると不正行為として失格になります。

この論点の問題を解く:

技能試験のコツ:センターの資料が挙げる「欠陥になりやすい作業」

技能試験のコツは、受験者の体験談ではなく、センターが公表している「技能試験の概要と注意すべきポイント」(令和8年3月)の第Ⅲ部に書かれています。ここでは、その記述から、作る前に確かめることと、作業ごとの点検のポイントを整理します(頁は資料に印刷された頁番号です)。

作る前に:配線図と施工条件のとおりに作る

センターは、配線図と施工条件のとおりに施工されていない作品は、「回路が電気的に正しく結線されていたとしても,欠陥であると判断します」としています。作り始める前に、次の点を試験問題で確かめます。

確かめることセンターの資料の記述欠陥の判断基準
器具の配置・電線の種類配線図で指定されているのに、器具の配置が異なる、電線の種類が異なるものは欠陥(11頁)。多少曲がっていても欠陥とは判断されない2-1、2-3
寸法配線図に示された寸法の50%以下のものは欠陥。電線は必要な寸法を考えて支給されており、追加支給は行わないので、誤って切断しない(12頁)2-2
接続方法・電線の色電線相互の接続方法と、電線の色別は施工条件で指定される。例として、接地側電線は白色、接地線は緑色(15頁、17頁)2-4、4
取付枠取付枠の位置と向き、器具の個数に応じた取付位置が決まっている。取り付け忘れは未完成(38頁)1、11
ボックスの穴・ゴムブッシング施工条件に「打ち抜き済みの穴だけをすべて」とあれば、自分で穴を開けず、余った穴も残さない。ボックスの穴にケーブルを通すときは、支給されたゴムブッシングをはめ込む(13頁)12-2、12-4

作業ごとの点検:手を動かす場面で失点しやすい点

作業センターの資料が挙げるポイント欠陥の判断基準
外装・絶縁被覆のはぎ取り心線や絶縁被覆を傷つけない。エコケーブルやVVRなどは、VVF用ストリッパでは外装を適切にはぎ取れないことがあるので、電工ナイフを用いるなど、ケーブルの種類に応じた方法で作業し、事前に練習する(19頁)5
リングスリーブによる接続電線の径と本数に応じて、JIS C 2806の組合せどおりにスリーブを選ぶ。握り部分が黄色のリングスリーブ用圧着工具で、刻印(○・小・中・大)が明確に出るものを使う。2度圧着しない。絶縁被覆の上から圧着しない(21〜24頁)6-1、6-2
リングスリーブの端末処理スリーブを上から見て心線の先端が見える。上端から心線が5mm以上出ない。被覆のむき過ぎで下端から心線が10mm以上出ない(24〜25頁)6-2
差込形コネクタによる接続先端から心線が見えるまで差し込み、下端から心線が見えないようにする。やり直すときは下部から切断して新しいコネクタを使う。差込形コネクタは追加支給を受けても欠陥の対象にならない(25〜26頁)7-1、7-2
ねじ締め端子(端子台・ランプレセプタクルなど)単線は引っ張って外れないように締める。必要以上に強く締めて、ねじ山をつぶしたり頭部をねじ切ったりすると欠陥になる。ランプレセプタクルは破損しやすく、試験開始後は器具の交換に応じない(27頁、29頁)8-1、8-3、12-5
巻き付けによる結線輪の巻き付けを不足させない、輪は右回り、重ねない、ねじの頭からはみ出さない、カバーが閉まるようにする(30頁)8-7
ランプレセプタクルへのケーブルの入れ方ケーブルは台座の下部(裏側)から挿入する。上から結線するとカバーが締まらない(14頁)8-5
ねじなし端子心線の長さはストリップゲージに合わせる。差込口から心線が2mm以上出ると欠陥(引掛シーリングローゼットは1mm以上)(31〜32頁)8-9
金属管工事ねじなしボックスコネクタの止めねじは、頭部がねじ切れるまで締める。ロックナットは工具で締め付ける。ボンド線は正しい位置に確実に取り付ける(14頁、33〜37頁)9-3、9-4〜9-6

欠陥の判断基準の番号は、上の「欠陥の判断基準12区分の全体像」の区分の細目です。これらの数値は試験の基準で、実際の工事では限りなく0mmに近い施工が求められると、センターは書いています。

試験当日の確認

材料表と材料箱の材料を、試験開始前の材料確認の時間に照合します。作業開始後は、リングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじ以外の材料の交換・追加支給は行われません(3頁)。上のとおり、ランプレセプタクルのように破損しやすい器具の交換にも応じないため、締め付けは必要以上に強くしないことが大切です。

この論点の問題を解く(施工方法の学科問題):

技能試験に合格した後:免状の交付には実務経験が必要

第一種電気工事士は、技能試験に合格しただけでは免状を受けられません。電気工事士法第4条第3項は、第一種電気工事士免状について、「第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者」(又は同等以上の知識及び技能を有すると都道府県知事が認定した者)でなければ交付を受けることができないと定めています(条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-02 時点の現行条文):電気工事士法)。実務経験として認められる工事と必要な期間は第一種電気工事士の実務経験、第一種と第二種でできる工事の違いは電気工事士1種と2種の違いで整理しています。

学科の問題で、候補問題の機器と工事の決まりを確かめる

技能試験の作品づくりは手を動かす練習が中心ですが、配線図に出てくる機器の役割や、金属管工事・接地工事の決まりは学科試験でも問われます。候補問題を練習しながら、関係する学科の問題で知識を確かめてください。

よくある質問

Q第一種の技能試験は、第二種の技能試験と何が違いますか?

公表資料では、第一種の候補問題は「最大電力500kW未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業」、試験時間は60分の予定です(第二種は40分)。令和8年度の候補問題は10問とも電源が6,600Vで、機器・器具は端子台で代用するものもあります。欠陥の判断基準は第一種・第二種で共通の資料です。

Q技能試験の作業中、立ち上がってもよいですか?

令和8年度下期の受験案内では、作業は椅子に座って行い、立ち続けた場合は失格とされています。ただし、力を入れる場合など、一時的に立って作業しても問題ないと書かれています。受験する回の受験案内と、当日の監督員の指示を確認してください。

Q技能試験の問題と解答は、いつ見られますか?

令和8年度下期の受験案内では、技能試験の試験問題と標準解答は、試験実施完了後(夜)にセンターのホームページで公表するとされています。過去に出題された問題は、センターの「試験の問題と解答」のページに回ごとに掲載されています。

Q実技試験では、どんな工具が使えませんか?

電気技術者試験センターの「技能試験の概要と注意すべきポイント」では、電動工具は電動機能をOFFにして使う場合でも使用できず、他の受験者からの借用、改造した工具や自作した工具の使用も禁止とされています。テスタなど工具以外の計測器も使用できません。材料はすべて支給されるので、自分で持ち込んだ材料も使えません。

Q候補問題は毎年変わりますか?

候補問題は毎年公表されます。当サイトでセンターが公表した令和6・7・8年度の第一種の候補問題PDFを比べたところ、No.1〜No.10の配線図は3年とも同じでした。ただし、センターは毎年の最新の公表を確認するよう求めているため、受験する年度の公表資料で確かめてください。

Q技能試験で、リングスリーブの圧着はどこに気をつければよいですか?

センターの「技能試験の概要と注意すべきポイント」では、電線の径と本数に応じてJIS C 2806の組合せどおりにスリーブを選ぶこと、握り部分が黄色のリングスリーブ用圧着工具で刻印(○・小・中・大)が明確に出るものを使うこと、2度圧着しないこと、絶縁被覆の上から圧着しないことが挙げられています。心線は、スリーブを上から見て先端が見え、上端から5mm以上出ず、下端から10mm以上出ない状態が欠陥のない状態です(欠陥の判断基準6-1・6-2)。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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