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高圧ケーブル端末処理の要点手順の各段階と一種で出る論点(ZCT・地絡継電器・キュービクル)

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

高圧ケーブル(CVT)の端末処理で押さえる各段階(終端接続部の種類・ストレスコーン・雨水対策・銅シールドの接地)と、第一種電気工事士の試験で問われる点を公表問題で解説。ZCT・地絡継電器と地絡方向継電器の違い・単線結線図・キュービクルの主遮断装置も公式の正答つきで整理します。

目次
  1. 高圧ケーブルの端末処理は試験のどこで出る?
  2. CVTケーブルの構造(端末処理で扱う層)
  3. 端末処理の手順と終端接続部(公表問題から分かる要点)
  4. 銅シールドの接地とZCT(地絡を確実に検出するには)
  5. 地絡継電器(GR)と地絡方向継電器(DGR)の違い
  6. 高圧受電設備の単線結線図(機器の並びと役割)
  7. キュービクル式高圧受電設備の特徴と主遮断装置
  8. 高圧ケーブルの耐圧試験(絶縁耐力試験)の試験電圧
  9. 高圧ケーブルの工事に必要な資格(電気工事士法)
  10. スコット結線は電験三種の論点
  11. 高圧受電設備の問題を続けて解く
結論:高圧ケーブル(6,600VのCVTケーブル)の端末処理は、ケーブルの端に終端接続部を作り、銅シールドを接地して、機器や電線につなげる状態にする作業です。第一種電気工事士の試験では、端末処理の作業そのものは令和8年度上期の技能試験に含まれておらず(高圧側の材料は高圧絶縁電線KIP 8mm²)、筆記(学科)試験で「終端接続部の名称と注意点」「銅シールドの接地と零相変流器(ZCT)」「CVTケーブルの構造」が問われます。あわせて、公称電圧6.6kVの高圧ケーブルの耐圧試験(絶縁耐力試験)を直流で行うときの試験電圧は、電気設備の技術基準の解釈 第15条から20,700V(最大使用電圧6,900V×1.5×2)と求められ、自家用電気工作物に係る電気工事は、軽微な作業を除き第一種電気工事士でなければ従事できません(電気工事士法 第3条第1項)。
論点試験での問われ方公表問題の例(電気技術者試験センター)
終端接続部写真・図の名称、記述の正誤令和5年度 学科(午後)問30、令和4年度 筆記(午後)問30
銅シールドの接地とZCT地絡を確実に検出できる接地のしかた令和5年度 学科(午前)問33、令和4年度 筆記(午後)問32
CVTケーブルの構造・劣化断面図、水トリーの場所、損失の種類令和8年度上期 学科の出題例 問42、令和元年度 問18・問21
地絡継電器・地絡方向継電器GR付PASの記述、DGRの試験令和8年度上期 学科の出題例 問30、令和6年度下期 問36
単線結線図・キュービクル機器の役割、主遮断装置令和8年度上期 学科の出題例 問41〜50、令和7年度下期 問21
高圧ケーブルの耐圧試験(絶縁耐力試験)直流の試験電圧の計算式、不適切な記述の判別令和7年度上期 学科(出題例)問36、令和7年度下期 問34、平成30年度 追加試験 問35
高圧ケーブルの工事に必要な資格第一種電気工事士でなければ従事できない作業令和6年度下期 問38

合格ナビの第一種電気工事士の問題は、電気技術者試験センターが公表した平成30年度〜令和7年度の筆記・学科試験から261問を収録しています。問題文か選択肢に高圧ケーブルの語(CVT・CVケーブル・高圧ケーブル・終端接続部・水トリーなど)を含む問題は8問、地絡保護の語(地絡継電器・地絡方向継電器・GR付PAS・零相・ZCTなど)を含む問題は19問、キュービクルは3問、スコット結線は0問でした(2026-10-02 集計)。この記事の問題文と解答は、第一種電気工事士試験の問題と解答に掲載された公式のPDFで確かめています。

この記事は試験の論点を整理したもので、施工の手順書ではありません。実際の作業は、使用する材料の説明書と現場の指示に従ってください。

高圧ケーブルの端末処理は試験のどこで出る?

技能試験:電気技術者試験センターの令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題は、候補問題No.1〜No.10を「最大電力 500kW 未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業であって,試験を机上で行うことと使用する材料・工具等を考慮して作成」したものと説明しています。令和8年度上期の技能試験(2026年7月4日)は、この候補問題No.1〜No.10に対応する10種類の問題が出題されました(令和8年度第一種電気工事士上期技能試験)。

10問の材料表の1行目は、どれも「高圧絶縁電線(KIP),8mm²」です(例:公表問題No.1は「高圧絶縁電線(KIP),8mm²,長さ約 200mm」1本)。高圧ケーブル(CVT)は10問のどの材料表にもなく、高圧側の電線は変圧器などの代わりの端子台に結線します。つまり令和8年度上期の技能試験では、高圧ケーブルの端末処理は作業に入っていません。令和8年度下期の技能試験も、候補問題の公表文にあるとおり「次の No.1 ~ No.10 の配線図の中から出題」されます。

筆記(学科)試験:一方、筆記では高圧受電設備の配線図や施工の問題として、終端接続部の名称、銅シールドの接地、CVTケーブルの構造が繰り返し出ています。次の章から、公表問題の正答をもとに整理します。

CVTケーブルの構造(端末処理で扱う層)

令和8年度上期の学科試験の出題例 問42(「②で示す部分に使用するCVT ケーブルとして,適切なものは。」)の正答(ロ)は、単心のケーブル3本からなる断面で、1本ごとに内側から次の層が描かれています。

内側から層の名前(正答の図の表記)
1導体
2内部半導電層
3架橋ポリエチレン
4外部半導電層
5銅シールド
6ビニルシース

3本をまとめて1つのシースに入れた断面(ハ)、導体・架橋ポリエチレン・ビニルシースだけの断面(イ)、ビニル絶縁体の断面(ニ)は正答ではありません(出典:令和8年度上期 第一種電気工事士 学科試験(出題例) 問42(一般財団法人電気技術者試験センター)/問題PDF)。端末処理では、ケーブルの端でこれらの層を処理して終端接続部を取り付けます。

同じ構造は電験三種でも問われ、令和7年度上期 電力 問10では次の記述が正しいものとして出ています(公式の解答は(2)が誤り)。

CVT ケーブルは,単心CV ケーブル3 条をより合わせたトリプレックス形CV ケーブルであり,3 心共通シース形CV ケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに,ケーブルの接続作業性がよい。
出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力 問10(4)(一般財団法人電気技術者試験センター)

劣化と損失:水トリー(樹枝状の劣化)が生じる箇所は「架橋ポリエチレン絶縁体内部」が正答です(平成30年度 追加試験 問21、令和元年度 問21)。高圧ケーブルの電力損失として「該当しないもの」は鉄損で、抵抗損・誘電損・シース損はケーブルの損失として扱われています(令和元年度 問18)。

この論点の問題を解く:

端末処理の手順と終端接続部(公表問題から分かる要点)

試験の問題文から確かめられる端末処理の要点を、作業の段階ごとに整理すると次のとおりです(表の並びは施工の順序を示すものではありません)。

作業の段階公表問題で正しいとされた内容出典
終端接続部の種類を決める耐塩害終端接続部は海岸に近い場所など、塩害を受けるおそれがある場所に適用される令和4年度 筆記(午後)問30
材料を選ぶ6,600V CVTケーブル用のゴムストレスコーン形屋内終端接続部の材料を使う(不適切とされていない)令和4年度 筆記(午後)問32
ストレスコーンゴムとう管形屋外終端接続部にはストレスコーン部が内蔵されているので、あらためて作る必要はない令和4年度 筆記(午後)問30
雨水の対策端子部から雨水等がケーブル内部に浸入しないように処理する令和4年度 筆記(午後)問30
銅シールドの接地銅シールドにA種接地工事を施す(不適切とされていない)。ZCTとの位置関係は次の章令和4年度 筆記(午後)問32
導体の接続CV・CVTケーブルを低圧配電盤に接続する作業で「一般に使用しない工具」の正答は油圧式パイプベンダ(油圧式圧着工具・電工ナイフ・トルクレンチは正答ではない)令和元年度 問25

終端接続部の名称を写真や図から答える問題では、「耐塩害屋外終端接続部」「ゴムとう管形屋外終端接続部」「ゴムストレスコーン形屋外終端接続部」「テープ巻形屋外終端接続部」の4つが選択肢に並びます(令和5年度 学科(午後)問30、平成30年度 追加試験 問30。図の正答はどちらも耐塩害屋外終端接続部)。

ストレスコーンについては、次の記述が「不適切なもの」として出題されました。

①に示すケーブル終端接続部に関する記述として,不適切なものは。
イ.ストレスコーンは雷サージ電圧が侵入したとき,ケーブルのストレスを緩和するためのものである。
ロ.終端接続部の処理では端子部から雨水等がケーブル内部に浸入しないように処理する必要がある。
ハ.ゴムとう管形屋外終端接続部にはストレスコーン部が内蔵されているので,あらためてストレスコーンを作る必要はない。
ニ.耐塩害終端接続部の処理は海岸に近い場所等,塩害を受けるおそれがある場所に適用される。
出典:令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験(午後) 問30(一般財団法人電気技術者試験センター)

公式の解答はイです。「ストレスコーン=雷サージ対策」という覚え方は誤りとされています。図は公式の問題PDF(令和4年度 午後)の問30〜34の図にあります。

銅シールドの接地とZCT(地絡を確実に検出するには)

零相変流器(ZCT)と組み合わせて使用する継電器は地絡継電器です(平成30年度 問20の正答)。令和4年度 筆記(午後)問32の選択肢でも、零相変流器は「地絡電流を検出するための」機器として書かれています。高圧ケーブルの端末処理では、銅シールドの接地線をZCTに対してどう通すかが問われます。

④に示す高圧ケーブル内で地絡が発生した場合,確実に地絡事故を検出できるケーブルシールドの接地方法として,正しいものは。
出典:令和5年度 第一種電気工事士 学科試験(午前) 問33(一般財団法人電気技術者試験センター)

選択肢は4つの図で、公式の解答はイです。図は公式の問題PDF(令和5年度 午前)の問33にあります。

選択肢図の内容正誤
イZCTより電源側のケーブル端でシールドから接地線を取り出し、その接地線をZCTの中に通してから接地正答
ロ電源側の端で取り出した接地線を、ZCTの外を回して接地誤り
ハ負荷側の端で取り出した接地線が、ZCTの中を通って接地誤り
ニ電源側(ZCTの外を回す)と負荷側(ZCTの中を通る)の両方で接地誤り

また令和4年度 筆記(午後)問32では、「高圧分岐ケーブル系統の地絡電流を検出するための零相変流器をR 相とT 相に設置した。」が不適切な施工とされました(公式の解答はロ)。

この論点の問題を解く:

地絡継電器(GR)と地絡方向継電器(DGR)の違い

地絡過電圧継電器の役割と、電技解釈のどこで求められるかは地絡過電圧継電器の試験方法で整理しています。

受電点の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)について、令和8年度上期の学科試験の出題例 問30は次の4つから不適切なものを選ぶ問題です。

①に示す地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(SOG 機能付)に関する記述として,不適切なものは。
イ.SOG は,需要家側高圧電路の短絡事故により短絡電流が流れたとき,負荷開閉器を一旦ロックし,一般送配電事業者側の遮断装置の動作後,無充電の状態で自動的に負荷開閉器を開路する。
ロ.地絡継電装置は,波及事故を防止するため,一般送配電事業者側との保護協調が必要である。
ハ.SOG は,需要家側高圧電路の地絡事故により地絡電流が流れたとき,負荷開閉器を一旦ロックし,一般送配電事業者側の遮断装置の動作後,無充電の状態で自動的に負荷開閉器を開路する。
ニ.地絡継電装置は,需要家内のケーブルが長い場合,対地静電容量が大きく,他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には,地絡方向継電装置を設置することが望ましい。
出典:令和8年度上期 第一種電気工事士 学科試験(出題例) 問30(一般財団法人電気技術者試験センター)

公式の解答はハです。一旦ロックして一般送配電事業者側の遮断装置の動作後に開路するのは、短絡事故のとき(イ)とされています。ニの記述は正しいものとして扱われ、令和6年度下期 問30では同じ趣旨で「地絡過電圧継電器を設置することが望ましい」とした記述が不適切とされました。

項目地絡継電器(GR)地絡方向継電器(DGR)
公表問題での位置づけ零相変流器(ZCT)と組み合わせて使用する継電器(平成30年度 問20の正答)ケーブルが長く対地静電容量が大きい施設で、他の需要家の地絡事故による不必要動作を避けるために設置が望ましい(令和8年度上期 出題例 問30)
試験受電設備が完成した時の自主検査で「地絡継電器の動作試験」は行うものとして扱われている(令和6年度下期 問37で、一般に行わないものの正答は変圧器の温度上昇試験)保護装置試験のうち「行わないもの」の正答は動作周波数試験。動作電流値試験・動作電圧値試験・位相特性試験は不正解の選択肢(令和6年度下期 問36)

なお、高圧受電設備の短絡保護装置の組合せとして適切なのは「過電流継電器と高圧真空遮断器」です(令和7年度下期 問20の正答)。地絡を受け持つ継電器と、短絡を受け持つ継電器・遮断器を分けて覚えておくと、選択肢を絞りやすくなります。

この論点の問題を解く:

高圧受電設備の単線結線図(機器の並びと役割)

令和8年度上期の学科試験の出題例「問題2.配線図」は「図は,高圧受電設備の単線結線図である。」で始まる10問です。受電点(3φ3W 6,600V)から順に、図の番号の機器と公式の正答(役割)を表にします。図は公式の問題PDF(令和8年度上期 出題例)の13ページにあります。

図の番号位置公式の正答
①受電点の箱の中零相電流を検出する(問41)
②屋外から屋内へ入るケーブルCVTケーブル:単心3本のより合わせ(問42)
③電力量計(Wh)につながる箱高電圧を低電圧に変成する(問43)
④③の次の開閉器負荷電流が流れていない状態で開閉する(問44)
⑤④の後の母線から分かれた枝設置する機器と接地線の最小太さの組合せ(正答の図の接地線は14mm²)(問45)
⑥母線の手前で、電流計(A)とI>の継電器につながる端子記号K・k・l・Lの組合せ(問46)
⑧500kV·Aの変圧器の一次側ヒューズ付きの開閉器の図記号(問48)
⑩変圧器二次側のMCCB低圧電路の過負荷及び短絡を検出し、電路を遮断する(問50)

公式の解答は、問41イ・問42ロ・問43イ・問44ニ・問45イ・問46ロ・問48ロ・問50ハです(出典:令和8年度上期 第一種電気工事士 学科試験(出題例) 問41〜問50(一般財団法人電気技術者試験センター))。⑦はLBSと書かれた開閉器の回路の絶縁耐力試験(問47)、⑨は接地の図記号(問49)の問題です。

なお、令和6年度下期 問43では、配線図の③の機器の名称と略号として「電力需給用計器用変成器 VCT」が正答でした。

この論点の問題を解く:

この図に出てくる機器のうち、断路器・負荷開閉器・遮断器の違いは断路器・負荷開閉器・遮断器の違い、避雷器は避雷器(LA)とはで扱っています。

キュービクル式高圧受電設備の特徴と主遮断装置

キュービクル式の特徴を問う令和2年度 問21では「屋外に設置する場合でも,雨等の吹き込みを考慮する必要がない。」が誤りでした(公式の解答はニ)。主遮断装置は、令和7年度下期 問21で「受電設備容量400 kV・A の高圧受電設備に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)」が不適切とされ(公式の解答はロ)、平成30年度 追加試験 問33ではPF・S形を使える最大の受電設備容量が「300 kV・A」でした。機器の中身・保護・条文の全体はキュービクルとは?高圧受電設備の機器と保護(電験三種)で整理しています。

この論点の問題を解く:

高圧ケーブルの耐圧試験(絶縁耐力試験)の試験電圧

高圧ケーブルの端末処理を終えたあとの検査として出るのが、耐圧試験(絶縁耐力試験)です。電気設備の技術基準の解釈 第15条は、高圧の電路について「次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。」とし、ケーブルについては次の二号を定めています。

電線にケーブルを使用する交流の電路においては、15-1表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第15条二号(経済産業省、令和7年11月20日付け改正を含む版)

15-1表では、最大使用電圧が7,000V以下の交流の電路の試験電圧は「最大使用電圧の1.5倍の交流電圧」です。最大使用電圧は、公称電圧に同解釈 第1条二号の1-1表の係数(1,000Vを超え500,000V未満は1.15/1.1)を掛けて求めます。公称電圧6,600Vの場合を計算します。

順求めるもの計算結果
1最大使用電圧6,600V × 1.15/1.16,900V
2交流の試験電圧6,900V × 1.510,350V
3直流の試験電圧(ケーブル)10,350V × 220,700V

確かめ(逆算):20,700V ÷ 2 ÷ 1.5 = 6,900V、6,900V ÷ 1.15 × 1.1 = 6,600V で、もとの公称電圧に戻ります。この計算は、令和7年度上期 学科試験(出題例)問36(「公称電圧 6.6 kV の交流電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合の試験電圧[V]の計算式は。」)の公式の正答ロ「6 600 × 1.15/1.1 × 1.5 × 2」と同じ式です(出典:令和7年度上期 第一種電気工事士 学科試験(出題例) 問36(一般財団法人電気技術者試験センター)/問題PDF)。1.15/1.1を掛けないイ「6 600 × 1.5 × 2」や、倍数を2×2としたハ・ニは正答ではありません。

不適切な記述を選ぶ形でも、同じ数字が使われます。

出題記述公式の解答
令和7年度下期 問34「ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は,交流の1.5 倍である。」(直流は交流の2倍なので誤り)ハが不適切
令和7年度下期 問34「交流絶縁耐力試験は,電路と大地との間に最大使用電圧の1.5 倍の電圧を連続して10 分間加え,これに耐える必要がある。」不適切とされていない
平成30年度 追加試験 問35「最大使用電圧が 6.9 kV の CV ケーブルを直流 10.35 kV の試験電圧で実施する。」(正しくは6.9kV × 1.5 × 2 = 20.7kV)イが不適切

出典:令和7年度下期 第一種電気工事士 学科試験 問34、平成30年度 第一種電気工事士 筆記試験(追加試験)問35(いずれも一般財団法人電気技術者試験センター)。平成30年度 追加試験 問34では、受電設備の定期点検で「通常行わないもの」として絶縁耐力試験が正答でした。

条文は試験の実施手順を定めるものではなく、「この性能を有すること」を求めています。試験器の接続や放電などの実際の手順は、試験器の説明書と現場の指示に従ってください。受電設備全体の絶縁耐力試験の考え方は第一種電工 自家用電気工作物の検査方法攻略にまとめています。

この論点の問題を解く:

高圧ケーブルの工事に必要な資格(電気工事士法)

電気工事士法第3条第1項は、「第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(第三項に規定する電気工事を除く。第四項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」と定めています。ここでいう自家用電気工作物からは、同法第2条第2項で「発電所、変電所、最大電力五百キロワット以上の需要設備」などが除かれています。条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-02 時点の現行条文):電気工事士法。

試験でもこの範囲がそのまま問われ、令和6年度下期 問38では「最大電力400 kW の需要設備の6.6 kV 受電用ケーブルを電線管に収める作業」が、第一種電気工事士でなければ従事できない作業の正答でした。最大電力800kWの需要設備や、出力500kWの発電所、配電用変電所の作業は正答ではありません。

軽微な作業から除かれる作業:第3条第1項のかっこ書きの「経済産業省令で定めるもの」は、電気工事士法施行規則 第2条第1項第一号が「次に掲げる作業以外の作業」として定めています。この「次に掲げる作業」(資格が要る作業)には、次のような作業が並んでいます(条文は電気工事士法施行規則、2026-10-04 時点の現行条文)。

条文の号作業(条文の語)高圧ケーブルに関わる場面
イ電線相互を接続する作業ケーブルどうしの接続
ヲ電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業6,600V(600Vを超える)の機器へ線をつなぐ作業
ル接地線を自家用電気工作物(最大電力五百キロワット未満の需要設備に設置される、電圧六百ボルト以下で使用する電気機器を除く)に取り付け、又はこれを取り外す作業など銅シールドの接地線を取り付ける場面(当たるかは条文の語で個別に判断)

「ケーブルの端末処理」という語そのものは、この条文には出てきません。どの作業が条文のどの号に当たるかは、条文の語に照らして個別に判断することになるため、実際の現場では施工の指示や所管の窓口で確かめてください。

ほかの資格で代わりにならない理由:同法第3条第2項の第二種電気工事士は、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業が範囲です。また、同条第4項の認定電気工事従事者は、施行規則 第2条の3により「電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)」の簡易電気工事に限られるため、6,600Vの高圧ケーブルは対象外です。第3条第3項の特種電気工事資格者の範囲は、ネオン工事と非常用予備発電装置工事(施行規則 第2条の2)です。

スコット結線は電験三種の論点

スコット結線は、合格ナビの第一種電気工事士の問題(261問)には1問もなく、電験三種の「機械」で出ています。令和4年度上期 機械 問9は変圧器に関する5つの記述から誤りを選ぶ問題で、公式の解答は「スコット結線変圧器は,M変圧器,T変圧器と呼ばれる単相変圧器2 台を用いる。」で始まる(3)です(出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械 問9(一般財団法人電気技術者試験センター))。当サイトの問題ページの解説では、(3)の「位相差180 度」の部分を誤りとし、正しくは位相差90°として説明しています。

高圧受電設備の問題を続けて解く

高圧ケーブルの端末処理は、終端接続部・シールドの接地・地絡保護・単線結線図とセットで出題されます。施工方法の問題を続けて解き、配線図の問題で機器の並びを確かめてみましょう。耐圧試験(絶縁耐力試験)の数字は上の章で整理しました。配電理論の計算や接地工事の種類は第一種電工 高圧工事攻略法、竣工検査や継電器試験は第一種電工 自家用電気工作物の検査方法攻略で扱っています。

よくある質問

Q第一種電気工事士の技能試験で高圧ケーブルの端末処理は出ますか?

令和8年度上期の技能試験(2026年7月4日)では出ていません。公表された問題No.1〜No.10の材料表を見ると、高圧側の材料はすべて高圧絶縁電線(KIP、8mm²)で、高圧ケーブル(CVT)は含まれていません。高圧側は変圧器などの代わりの端子台に結線します。令和8年度下期の技能試験も、同じ候補問題No.1〜No.10の配線図から出題されます。高圧ケーブルの端末処理は、筆記(学科)試験で終端接続部の名称や施工の正誤として問われます。

Qストレスコーンは雷サージ対策の部品ですか?

違います。令和4年度の第一種電気工事士 筆記試験(午後)問30では「ストレスコーンは雷サージ電圧が侵入したとき,ケーブルのストレスを緩和するためのものである。」が不適切な記述とされ、これが公式の解答でした。同じ問題で、ゴムとう管形屋外終端接続部にはストレスコーン部が内蔵されているので、あらためて作る必要はないという記述は不適切とされていません。

Q地絡継電器と地絡方向継電器はどう使い分けますか?

公表問題では、需要家内のケーブルが長いと対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で地絡継電装置が不必要に動作する可能性があり、そのような施設には地絡方向継電装置を設置することが望ましい、という記述が正しいものとして出題されています(令和8年度上期の学科試験の出題例 問30)。地絡過電圧継電器とした記述は不適切とされました(令和6年度下期 問30)。

Q公称電圧6.6kVの高圧ケーブルの耐圧試験(絶縁耐力試験)を直流で行うときの試験電圧はいくらですか?

電気設備の技術基準の解釈 第15条は、ケーブルを使う交流の電路について、交流の試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加えて耐える性能を求めています。最大使用電圧は6,600V×1.15/1.1=6,900V、交流の試験電圧は6,900V×1.5=10,350V、直流では10,350V×2=20,700Vです。令和7年度上期 学科試験(出題例)問36では、計算式「6 600 × 1.15/1.1 × 1.5 × 2」が公式の正答(ロ)でした。逆算(20,700÷2÷1.5=6,900)でも合います。

Q高圧ケーブルの端末処理は、第二種電気工事士でもできますか?

電気工事士法では、自家用電気工作物に係る電気工事の作業は、軽微なものを除き、第一種電気工事士でなければ従事できません。同法施行規則 第2条は、軽微な作業から除く作業の一つに「電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業」を挙げています。第二種電気工事士の範囲は一般用電気工作物等の工事で、6,600Vの高圧ケーブルは対象外です。具体的な作業が条文のどれに当たるかは、現場の指示や所管の窓口で確かめてください。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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