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基本情報技術者試験は文系・未経験でも受かる?IPA統計の合格率と、科目A・科目Bの進め方

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この記事でわかること

基本情報技術者試験を文系・IT未経験で受ける人へ。受験資格はなく、IPAの統計資料では最終学歴が文系大学の人の合格率は令和7年度で32.5%(社会人計37.3%)。科目Bの出題の中身、独学の順序、転職で使いたいときの考え方まで、公式資料で整理します。

目次
  1. 文系・未経験でも受けられる? 受験資格はなく、IPAは入口の試験として位置づけている
  2. IPAの統計で見る文系・非IT職・経験なしの合格率
  3. 科目Aの範囲:23の分野のうち、テクノロジ系が約65%
  4. 科目Bは、プログラミング未経験でも読めるのか:擬似言語の位置づけ
  5. 独学の順序の例:用語、科目A、擬似言語の順
  6. 転職で使いたい未経験の人へ:IPAが示していること、示していないこと
  7. まとめ
結論:基本情報技術者試験(FE)に受験資格はなく、文系でもIT未経験でも受けられます。IPAの統計資料(令和7年度)では、最終学歴が「大学(情報系以外の文系)」の受験者14,795人のうち4,806人が合格しており、合格率は32.5%です。最終学歴別の表は社会人だけの集計で、その合計(社会人計)は37.3%(学生を含む受験者全体は38.3%)。文系の合格率は社会人計より4.8ポイント低い一方、大学に在学中の文系の人は42.2%でした。出題は、科目A(90分・60問)の知識問題と、科目B(100分・20問)のアルゴリズムとプログラミング(16問)・情報セキュリティ(4問)で、科目Bは特定のプログラム言語ではなく擬似言語で出題されます。
区分(IPA統計・令和7年度)受験者合格者合格率
最終学歴:大学(情報系以外の文系)14,795人4,806人32.5%
最終学歴:大学(情報系以外の理工系)5,602人2,484人44.3%
在学中:大学(情報系以外の文系)3,500人1,476人42.2%
業務:営業・販売(非IT関連)1,242人372人30.0%
経験年数:「経験なし」783人317人40.5%
社会人計(最終学歴・業務・経験年数の表の合計)104,698人39,012人37.3%
参考:受験者全体(社会人+学生)147,186人56,370人38.3%

出典:IPA 統計情報(基本情報技術者試験)の令和7年度 統計資料(最終学歴別・在学中の学校等・業務別・経験年数別の一覧表)。合格率は合格者÷受験者で、人数から再計算した値はIPAの表の合格率と一致します。「受験申込時に記入したアンケート」に基づく集計です。最終学歴別・業務別・経験年数別の表の合計は、勤務先別一覧表の「社会人計」(無職・その他無記入を含む)と一致し、学生は含みません(受験者全体の数字は勤務先別一覧表の「合計」)。文系などの区分は、その区分を選んだ人の数字です。

文系の合格率:令和7年度は、最終学歴が「大学(情報系以外の文系)」の受験者14,795人中4,806人が合格(32.5%、同じ表の合計=社会人計は37.3%)。令和8年度の4〜9月分は、同区分で6,895人中2,311人(33.5%、社会人計は38.9%)。最終確認日:2026-10-29。出典:IPA 統計情報(基本情報技術者試験)(令和8年10月21日現在の統計資料)。

文系・未経験でも受けられる? 受験資格はなく、IPAは入口の試験として位置づけている

受験資格はありません。試験の申込み窓口のよくあるご質問は、「年齢や国籍等を含め受験する上での制限はありません」と答えています(申込み窓口のよくあるご質問 受験資格、概要ページにも「どなたでも受験可能」とあります)。

IPAの試験区分のページでは、基本情報技術者試験の対象者像を、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」としています。業務と役割は「上位者の指導の下に」担うものです。同じページに、「ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします」という一文もあります(IPA 基本情報技術者試験、ページの最終更新日は2023年7月6日と表示)。

IPAは、この試験を「ITに関する基本的な知識・技能を評価する国家試験」と説明しています(IPA 2022年4月25日の発表)。

IPAの統計で見る文系・非IT職・経験なしの合格率

IPAの統計資料には、受験者の最終学歴・在学中の学校・業務・経験年数ごとの合格率が載っています。最終学歴と在学中の学校には、「大学(情報系以外の文系)」という区分があります。令和7年度の数字は、次のとおりです。

区分受験者合格者合格率
最終学歴:大学(情報系以外の文系)14,795人4,806人32.5%
最終学歴:大学(文系の情報系)3,692人1,004人27.2%
最終学歴:大学(情報系以外の理工系)5,602人2,484人44.3%
最終学歴:大学(理工系の情報系)5,886人2,533人43.0%
最終学歴:大学院(情報系以外)5,077人3,033人59.7%
在学中:大学(情報系以外の文系)3,500人1,476人42.2%
在学中の全体42,488人17,358人40.9%
最終学歴別の表の合計(社会人計)104,698人39,012人37.3%

出典:IPA 統計情報(基本情報技術者試験)の令和7年度 統計資料(最終学歴別・在学中の学校等一覧表)。

数字の読み方には、注意が3つあります。

  • ① 「最終学歴が文系大学」の合格率は、社会人計より低い:令和7年度は32.5%と37.3%(4.8ポイント差)、令和8年度の4〜9月分は33.5%と38.9%(5.4ポイント差)です。ただし、この差の原因は統計から分かりません。年齢、勉強に使った時間、受験の回数は、統計に含まれていません
  • ② 在学中の文系の人は、在学中の全体と同じ水準:42.2%と40.9%です。文系だから合格しにくい、と言える数字ではありません
  • ③ 「その他」の区分が受験者の過半数:最終学歴別の表では、「その他」が60,395人(受験者の57.7%)を占めます。「その他」に回答のない人が含まれるかは、表に書かれていません。文系の数字は、その区分を選んだ人の中での数字です

業務と経験年数の表も、同じ令和7年度の統計資料にあります。

区分受験者合格者合格率
業務:営業・販売(非IT関連)1,242人372人30.0%
業務:総務・人事1,090人372人34.1%
業務:営業・販売(IT関連)1,313人362人27.6%
経験年数:「経験なし」783人317人40.5%
経験年数:「1年未満」10,870人5,108人47.0%

出典:IPA 統計情報(基本情報技術者試験)の令和7年度 統計資料(業務別・経験年数別一覧表)。

この表から言えるのは、次の2点です。IT関連の営業・販売(27.6%)より、非IT関連の営業・販売(30.0%)の方が合格率は高く、仕事の分野だけで合否が決まるわけではありません。「経験年数」の表は、何の経験を数えているかが表に書かれておらず、受験者の過半数(59,842人)が無記入です。「経験なし」と答えた人の合格率は40.5%ですが、IT未経験の人全体の合格率とは言えません。

全体の合格率の推移や、評価点の分布は、基本情報技術者試験の難易度と合格率で扱っています。

科目Aの範囲:23の分野のうち、テクノロジ系が約65%

科目Aは、90分・60問の四肢択一で、IT全般の知識を問います。範囲は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の23の中分類で、経営戦略や法務、企業活動に関する分野(ストラテジ系)も含まれます。

IPAは、分野ごとの出題数を公表していません。当サイトが、IPAの公表した科目Aの形式の問題120問(サンプル問題60問と、令和5〜7年度の公開問題各20問)を分類すると、テクノロジ系が78問(65.0%)、マネジメント系が13問、ストラテジ系が29問(24.2%)でした(2026-10-02 集計、分類の方法は科目Aの解説に記載)。公表された問題での内訳で、本番の各回の出題数を示すものではありません。

文系の人が実際に解けるかどうかは、問題で確かめられます。経営・法務の分野の問題は、次のとおりです。

分野別に続けて解く場合は、ストラテジ系とマネジメント系の問題集が使えます。この2つの問題集に並ぶのは、旧形式の午前問題(平成21年度春期〜令和元年度秋期)です。上の令和5〜7年度の問題は、問題ごとのページから解きます。

計算が出る問題の例:16進小数を10進小数に直す

テクノロジ系には、数の表し方の計算も出ます。令和5年度の公開問題から1問を引用します。

問1 16 進小数0.C を10 進小数に変換したものはどれか。
ア 0.12 イ 0.55 ウ 0.75 エ 0.84
出典:令和5年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問1(独立行政法人情報処理推進機構)

16進数のC は、10進数の12です。小数点の右の1桁目は、16分の1の位なので、次のように計算します。

  • ① 0.C = 12 × 16の−1乗 = 12 ÷ 16 = 0.75
  • 検算(逆算):0.75 × 16 = 12 で、12は16進数のCです。0.Cと一致します

IPAの解答例も、正解はウ(0.75)です。数学が得意でなくても、位ごとの重みを順に当てはめれば解けます。次の問題も、同じ考え方で練習できます。

科目Bは、プログラミング未経験でも読めるのか:擬似言語の位置づけ

科目Bは、100分・20問の多肢選択式で、「技能」を問う科目です。試験要綱は、20問の内訳を「アルゴリズムとプログラミング分野16問、情報セキュリティ分野4問」と定め、「プログラム言語について、基本情報技術者試験では擬似言語を扱う」としています(IPA 試験要綱 Ver.5.6)。

IPAは、2022年の発表で、それまでの個別のプログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題をやめ、「普遍的・本質的なプログラミング的思考力を問う擬似言語に統一します」と説明しました(IPA 2022年4月25日の発表)。擬似言語は、「アルゴリズムを表現するための擬似的なプログラム言語」です。

このため、特定の言語の文法を覚えていなくても、科目Bには取り組めます。ただし、未経験の人にとって、次の3つは練習が要ります。

  • ① 擬似言語の書き方(代入、条件分岐、繰り返し、配列)を読めること
  • ② 変数の値を1行ずつ書き出して追う「トレース」ができること
  • ③ 手順を流れ図や擬似言語で表す、基本のアルゴリズムの考え方

当サイトには科目Bの問題を掲載していません。IPAの公開問題のページにある科目Bのサンプル問題と公開問題で練習します。進め方は、科目Bの対策記事、科目Bのアルゴリズムの記事、流れ図の記事にあります。用語は、擬似言語や配列の解説で確認できます。

独学の順序の例:用語、科目A、擬似言語の順

IPAには、独学の順序や勉強時間の公式の目安がありません。次は、試験の構成から考えた、当サイトの提案です。

  • ① 科目Aの用語に慣れる:まず、IPAのサンプル問題を90分で通して解き、手が止まった分野を数えます。科目Bの擬似言語を読むには、変数・配列・繰り返しといった言葉の意味が前提になります
  • ② 数の計算を手で解く:16進数・2進数・確率などの計算は、メモ用紙に式を書いて解く練習をします
  • ③ 科目Bの擬似言語を、読むことから始める:書く問題ではなく、書かれたものを読んで値を追う練習です。流れ図の記事に、トレースの手順があります
  • ④ 時間を計って通して解く:科目Aは90分、科目Bは100分で解き、見直しの時間が残るかを確かめます

勉強時間の計算の仕方は、基本情報技術者試験の勉強時間で扱っています。ITの用語に全く慣れていない場合は、より入門の位置づけの試験として、ITパスポートと基本情報技術者の違いもあります。

転職で使いたい未経験の人へ:IPAが示していること、示していないこと

未経験から転職するために受ける場合の考え方です。IPAの試験区分のページが示しているのは、対象者像と、期待する技術水準(上位者の指導の下で担当できる水準)です。採用や年収に、この試験がどれだけ効くかを示す数字は、IPAの統計資料にも試験要綱にもありません。当サイトでも、有利になるかどうかや収入は断定しません。

確かめられるのは、次の点です。

  • ① 受験資格がなく、学歴や職歴は問われない
  • ② 合格基準は、科目A・科目Bとも評価点600点以上(1,000点満点)で、試験で測るのは知識(科目A)と技能(科目B:アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティ)
  • ③ 応募する企業や職種が、どの資格を評価するかは、それぞれの募集要項で確かめる

試験の位置づけは、基本情報技術者試験は意味ない?でIPAの資料から整理しています。

まとめ

  • 受験資格はなく、文系でもIT未経験でも受けられます
  • IPAの統計(令和7年度)では、最終学歴が文系大学の人の合格率は32.5%(社会人計37.3%)、在学中の文系大学の人は42.2%(在学中の全体40.9%)です。原因は統計から分かりません
  • 科目Aは23の分野の知識問題で、経営・法務の分野も含まれます。計算の問題は、メモ用紙に式を書いて解きます
  • 科目Bは、アルゴリズムとプログラミング16問・情報セキュリティ4問で、特定の言語ではなく擬似言語です。読み方とトレースの練習が要ります
  • 転職への効果は、IPAの資料に示されていません。応募先の募集要項で確かめます

よくある質問

Q基本情報技術者試験に、受験資格はありますか?

ありません。試験の申込み窓口の案内では、「年齢や国籍等を含め受験する上での制限はありません」とされていて、学歴や実務経験も受験の条件に入っていません。

Qプログラミングをしたことがなくても、科目Bは解けますか?

IPAは、科目Bで扱うプログラム言語を、特定の言語ではなく擬似言語(アルゴリズムを表現するための擬似的なプログラム言語)に統一しています。PythonやJavaなどの文法を覚えることは出題の前提ではありませんが、擬似言語の読み方と、変数の値を追うトレースの練習は必要です。

QIPAの統計で、文系の人の合格率は低いのですか?

IPAの令和7年度の統計資料では、最終学歴が「大学(情報系以外の文系)」の受験者の合格率は32.5%で、同じ表の合計(社会人計、37.3%)より4.8ポイント低くなっています。一方、在学中の学校が同じ区分の人の合格率は42.2%で、在学中の全体(40.9%)と同じ水準です。原因までは統計から読み取れません。

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