基本情報技術者試験の午後試験は、2023年4月から科目Bに変わりました。旧午後と科目Bの試験時間・出題数・擬似言語への統一を、IPAの発表と公式の問題冊子で比較し、旧午後の対策が今も使えるか、科目Aとの関係、2027年度の新制度の予定まで整理します。
目次
結論:基本情報技術者試験の「午後試験」は、2023年4月から「科目B」になりました。IPAの発表では、変更前は午後150分・出題11問・解答5問(選択問題あり)、変更後は科目B 100分・出題20問・全問必須です。出題は、必須だった「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」が中心になり、個別プログラム言語(C・Java・Python・アセンブラ言語・表計算ソフト)による出題は擬似言語に統一されました。午前試験は科目Aになっています。
午後試験は何が変わったか(科目Bへの対応表)
| 以前の名称 | 現在の名称 | 主な変更 |
|---|---|---|
| 午前試験 | 科目A | 試験時間150分・80問 → 90分・60問。出題範囲は「現在の午前試験に準じます」(IPA) |
| 午後試験 | 科目B | 試験時間150分 → 100分。出題数11問・解答5問 → 20問・全問必須。個別プログラム言語での出題は擬似言語に統一 |
IPAは、試験時間の合計が、基本情報技術者試験で300分から190分に短縮されると発表しています(IPA プレス発表 2022年4月25日)。
現行の試験形式:基本情報技術者試験は、科目A 90分・出題60問・解答60問(四肢択一)、科目B 100分・出題20問・解答20問(多肢選択式)。科目Bの分野別の出題数は、アルゴリズムとプログラミング分野16問・情報セキュリティ分野4問。最終確認日:2026-10-04。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6(2026年7月6日掲載)。
旧午後試験と科目Bの違い
IPAが2022年4月25日に公表した変更内容(2023年2月6日更新)の「変更前」と「変更後」を、並べると次のとおりです(IPA 出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について)。
| 項目 | 変更前の午後試験 | 変更後の科目B |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150分 | 100分 |
| 出題数 | 11問 | 20問 |
| 解答数 | 5問(選択問題あり) | 20問(全問必須) |
| 出題の形式 | 大問 | 小問 |
| 出題範囲 | 必須解答は「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」 | この2分野を中心にした構成(現行の要綱では、アルゴリズムとプログラミング16問・情報セキュリティ4問) |
| プログラム言語 | 擬似言語に加えて、個別プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)で出題 | 擬似言語による出題に統一 |
試験時間は、IPAが「小問形式への変更による午後問題のコンパクト化、出題数・解答数の変更などによって、試験時間を30~40%短縮します」と説明しています。
科目Bには、選択問題がありません。サンプル問題の冊子にも、「問題番号 問1~問20」「選択方法 全問必須」と書かれています(IPA 科目B サンプル問題(20問)セット)。旧午後のように、苦手な分野を避けて選ぶことはできません。
変更の経緯(時系列)
| 時期 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 令和元年度(2019年度) | 午前・午後の方式。令和元年度秋期の午後問題は、プログラム言語の選択問題にC・COBOL・Java・アセンブラ・表計算 | 令和元年度秋期 午後問題冊子 |
| 2019年7月1日の改訂 | 基本情報技術者試験で出題するプログラム言語を変更(COBOLの廃止、Pythonの追加)。令和2年度春期試験から適用 | IPA 用語・プログラム言語など Ver.4.0 の改訂履歴 |
| 2020年12月 | CBT方式による試験を開始 | IPA 変更内容の公表 |
| 2022年4月25日 | 通年試験化と、出題形式・出題範囲の変更を発表 | IPA プレス発表 |
| 2023年4月 | 科目A・科目Bの新形式で開始 | IPA 用語・プログラム言語など Ver.5.0 の改訂履歴(適用時期 2023年4月の試験から) |
2020年12月から2023年3月までは、CBT方式でも午前・午後の形式でした。2023年4月に、通年試験化と科目A・科目Bへの変更が同時に行われています。出典は、IPA 試験で使用する情報技術に関する用語・プログラム言語など Ver.5.1の改訂履歴と、上の2つのIPAページです。
令和元年度秋期の午後問題は、どんな構成だったか
旧午後の問題がどんなものだったかは、IPAが公開している問題冊子で分かります。令和元年度秋期の午後問題(試験時間13:00〜15:30の2時間30分)の冊子には、次の構成が書かれています(IPA 令和元年度秋期 午後問題)。
| 問題番号 | 選択方法 | 出題分野 |
|---|---|---|
| 問1 | 必須 | 情報セキュリティ |
| 問2〜問7 | 6問中4問選択 | ソフトウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、経営戦略・企業と法務 |
| 問8 | 必須 | データ構造及びアルゴリズム |
| 問9〜問13 | 5問中1問選択 | ソフトウェア開発(C)、(COBOL)、(Java)、(アセンブラ)、(表計算) |
この冊子では、13問が出題され、7問を解答する形でした。一方、IPAが2022年に示した「変更前」は出題11問・解答5問です。午後の構成は年度によって違っていたので、旧午後の問題冊子を使うときは、表紙の「問題番号」「選択方法」の表で、その年度の構成を確かめてください。
また、この冊子の擬似言語の記述形式は、選択処理や繰返し処理を「▲▼■」などの図形で表す記述でした。現在の科目Bでは、選択処理や繰返し処理が if・while・for などの文字による記述形式に変わっています(代入を「←」で表す点は、令和元年度秋期の冊子でも同じです)(IPA 科目B サンプル問題 の「擬似言語の記述形式」)。
旧午後の対策は、今も使えるか
旧午後の分野を、現在の試験に対応づけると次のようになります。対応は、上のIPAの発表と、試験要綱 Ver.5.6 の分野別出題数・出題範囲にもとづく、当サイトの整理です。要綱の「出題範囲」では、基本情報技術者試験の科目Bは、プログラミング全般、プログラムの処理の基本要素、データ構造及びアルゴリズム、プログラミングの諸分野への適用、情報セキュリティの確保の5項目です。一方、科目Aの「試験区分別出題分野一覧表」では、データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、経営戦略、企業と法務などの分野が、基本情報技術者試験(科目A)の出題範囲に入っています。
| 旧午後の分野 | 現在の扱い | 対策の手がかり |
|---|---|---|
| 情報セキュリティ(必須) | 科目Bの情報セキュリティ分野(4問)。知識は科目Aのセキュリティにも関わる | 科目Bの公開問題で形式を確認 |
| データ構造及びアルゴリズム(必須) | 科目Bのアルゴリズムとプログラミング分野(16問)。擬似言語で出題 | 擬似言語の記述形式でトレース |
| プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ、表計算など) | 出題されない。擬似言語に統一 | Javaは使うかの記事を参照 |
| ソフトウェア・データベース・ネットワーク・ソフトウェア設計・プロジェクトマネジメント・経営戦略・企業と法務(選択) | 科目Bの分野別出題数には入っていない。これらの知識は、科目Aの出題範囲(テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系)で問われる | 科目Aの分野別の問題で確認 |
つまり、旧午後の「必須2分野」の対策は、科目Bの対策に引き継げます。一方、選択問題の分野(データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメントなど)は、午後ではなく科目Aで、四択の知識問題として問われる形に変わっています。
旧午後の問題を科目Bの練習に使うときは、問題の長さと形式が違う点に注意してください。科目Bは、20問を100分で解く形で、1問あたりの時間が旧午後より短くなっています(旧午後は11問から5問の解答に150分、科目Bは20問に100分)。
科目Aで問われる、旧午後の選択分野の問題を解く
- SQLのSELECT文の問題(令和7年度 問6)
- E-Rモデルの問題(令和7年度 問11)
- アローダイアグラムの問題(令和6年度 問13)
- アローダイアグラムの問題(サンプル問題 問44)
- ルータのNAT機能の問題(平成22年度春期 問36)
科目Bに引き継がれた分野の問題を解く(科目Aの形式)
- 10進数を2進数に変換する流れ図の問題(サンプル問題 問2)
- 配列を扱う流れ図の問題(サンプル問題 問6)
- SQLインジェクションの対策の問題(令和6年度 問10)
- ソーシャルエンジニアリングの問題(サンプル問題 問30)
ネットワーク分野は、ネットワーク分野の対策記事にまとめています。
科目Bの問題は、どこで解けるか
当サイトに収録している基本情報技術者試験の問題は、IPAが公開した科目A形式と旧午前の問題で、科目Bの問題は収録していません(2026-10-04時点)。科目Bの問題は、IPAのサイトに、サンプル問題(20問セット)と、令和5年度〜令和8年度の公開問題が掲載されています。令和8年度の公開問題の冊子には、「実際の試験は20問で構成されますが,そのうちの6問を公開しています」と書かれています(IPA 令和8年度 公開問題)。
科目Bの解き方は、科目Bの対策記事と、流れ図の読み方の記事で扱っています。
応用情報技術者試験の「午後」は、基本情報の科目Bと同じか
IPAは、2026年7月6日に、応用情報技術者試験などのシラバスの「午前」「午前Ⅱ」「午後」の表記を、「科目A」「科目A-2」「科目B」に修正しています(IPA 試験要綱・シラバスについて)。試験要綱 Ver.5.6 の表では、応用情報技術者試験は科目A(150分・80問・四択)と科目B(記述式・11問から5問解答)で、別日に実施すると書かれています。
基本情報技術者試験の科目Bとは、形式も出題数も別です。「午後試験」の対策情報を検索するときは、試験区分と、情報の日付を確認してください。
2027年度の新試験制度では、どうなるか
IPAは、新試験制度を2027年度に始める予定と公表しています。基本情報技術者試験は継続し、科目Aは90分・60問、科目Bは100分・20問と示されています。
新試験制度の予定:基本情報技術者試験は2027年度春頃から新試験制度で実施予定(科目A 90分・60問、科目B 100分・20問)。現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了予定。公表内容は検討状況で、今後変更の可能性あり。最終確認日:2026-10-04。出典:IPA 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について。
新制度の詳細は、試験制度の変更点の記事と、シラバスの変更点の記事で扱っています。
まとめ
1. 午後試験は、2023年4月から科目B(100分・20問・全問必須)に変わった。午前試験は科目A(90分・60問)。
2. 旧午後は、必須の「情報セキュリティ」「データ構造及びアルゴリズム」と、選択問題(分野・プログラム言語)の構成だった。科目Bはこの必須2分野を中心にし、プログラム言語は擬似言語に統一された。
3. 旧午後の必須2分野の対策は科目Bに引き継げる。選択分野の知識は、科目Aの四択で問われる。
4. 科目Bの形式は、IPAのサンプル問題と公開問題で確認する。
一次ソース
- IPA 出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について(2022年4月25日公開・2023年2月6日更新)
- IPA プレス発表 基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験を通年試験化(2022年4月25日)
- IPA 試験要綱 Ver.5.6
- IPA 試験で使用する情報技術に関する用語・プログラム言語など Ver.5.1
- IPA 令和元年度秋期 午後問題
- IPA 科目B サンプル問題(20問)セット
- IPA 試験要綱・シラバスについて
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よくある質問
Q基本情報技術者試験の午後試験は、廃止されたのですか?
「午後試験」という名前の試験は、2023年4月から科目Bに変わりました。IPAは2022年4月の発表で、午後試験を、小問形式の科目B試験(100分・20問・全問必須)に変更し、試験は2023年4月から開始すると示しています。廃止ではなく、形式と出題範囲を変えて続いています。
Q午後試験のC・Java・COBOLなどのプログラム言語は、今は選べますか?
選べません。IPAは、個別プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題を、擬似言語による出題に統一すると発表しています。科目Bは擬似言語の記述形式で出題され、特定のプログラム言語を知らなくても受験できる形です。
Q旧午後試験の過去問は、科目Bの練習に使えますか?
使えるのは、旧午後のうち「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」と「情報セキュリティ」の問題が中心です。この2分野は科目Bの出題分野に引き継がれています。ただし、問題数・解答時間・記述形式が違うため、IPAが公開している科目Bのサンプル問題や公開問題で、現在の形式に慣れておく必要があります。
Q応用情報技術者試験の午後試験も、同じように変わりましたか?
応用情報技術者試験の午後に当たる試験も、試験要綱では科目Bという名称です(記述式・11問から5問解答)。ただし、基本情報技術者試験の科目B(多肢選択式の小問・20問全問必須)とは、形式も出題数も別のものです。名前の対応だけで、基本情報の科目Bと同じ形式だと考えないでください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

