問題
次の文は、「児童の権利に関する条約」の規定の内容に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保し、その意見は、児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮される(第12条)。 B 児童は表現の自由についての権利を有し、この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由が含まれる(第13条)。 C 締約国は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する(第18条)。 D 結社の自由及び平和的な集会の自由は、児童については認められず、父母が児童に代わってこれを行使する(第15条)。
【この問題について】
本問は、保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「子ども家庭福祉」の出題範囲に基づき、goukaku-navi.jp が独自に作成したオリジナル問題です。全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。
※本サイトは一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、一般社団法人 全国保育士養成協議会とは一切関係ありません。
正答は2です。児童の権利に関する条約は、子どもを「守られる存在」であると同時に「権利の主体」として位置づけています。意見を表明する権利(第12条)や表現の自由(第13条)は、子ども自身が持つ権利として定められています。一方で、子どもの養育の第一義的な責任を持つのは国ではなく父母(または法定保護者)です(第18条)。また、結社や集会の自由も子ども自身の権利として認められています(第15条)。
A ○ 第12条は、自己の意見を形成する能力のある児童に、自己に影響を及ぼすすべての事項について自由に意見を表明する権利を確保し、その意見を年齢及び成熟度に従って相応に考慮することを締約国に求めています。いわゆる「意見表明権」です。
B ○ 第13条は児童の表現の自由を定め、口頭・文字・芸術などの方法で、国境とかかわりなく情報や考えを求め、受け、伝える自由を含むとしています。
C × 第18条は、父母又は場合により法定保護者が児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有するとしています。国(締約国)は、父母がその責任を遂行するに当たり適当な援助を与える立場です(第18条2)。第一義的な責任の主体を「締約国」とした点が誤りです。
D × 第15条は、児童の結社の自由及び平和的な集会の自由についての権利を認めています。法律で定める制限で、民主的社会において必要なもの以外には制限を課することができないとされており、児童には認められないという記述は誤りです。
以上から、A○ B○ C× D× の2が正答です。
条約の位置づけ 児童の権利に関する条約は1989年に国際連合総会で採択され、日本は1994年に批准しました。「児童」は18歳未満のすべての者とされています(第1条)。条約は、生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利という幅広い権利を定め、とくに子どもを権利の主体として捉える点が特徴です。
市民的自由の条文群 第12条(意見表明)、第13条(表現の自由)、第14条(思想・良心・宗教の自由)、第15条(結社・集会の自由)、第16条(私生活・名誉の保護)は、大人と同様の市民的自由を子どもにも保障する条文としてまとまって置かれています。第14条では、父母が児童の発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利と義務を尊重する旨も定めており、「父母が代わりに行使する」のではなく、子ども自身が権利を行使することを前提に父母の指導を位置づけている点に注意します。
第18条の三つの項 第18条は、①父母が共同の責任を有するという原則の承認の確保と、父母又は法定保護者の第一義的責任、②締約国が父母等に適当な援助を与え、児童の養護のための施設・設備・役務の提供の発展を確保すること、③父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備から便益を受ける権利を有することを確保するための措置、を定めています。保育所などの保育サービスは③と結びつけて理解されます。
国内法とのつながり こども基本法は目的規定で「日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり」と明記し、基本理念(第3条)で、こどもが自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会の確保や、意見の尊重・最善の利益の優先考慮を掲げています。また基本理念第5号は「父母その他の保護者が第一義的責任を有する」との認識を示しており、第18条と同じ考え方です。児童福祉法第2条も、児童の意見の尊重と最善の利益の優先考慮をうたっています。
紛らわしい点 第18条1の「父母又は場合により法定保護者」を「締約国」に入れ替えた記述(締約国は第18条2で援助を与える側)や、「子どもの自由は保護者が代わって行使する」とする記述は、権利の主体を取り違えたものです。条約は保護者の役割を重視しつつも、権利を持つのは子ども自身であるという立場をとっています。
- こども基本法e-Govで原文を読む
- 日本国憲法e-Govで原文を読む
- 児童福祉法第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です。保育士試験(一般社団法人 全国保育士養成協議会 実施)の筆記試験科目「子ども家庭福祉」の出題範囲・保育所保育指針・関係法令に基づいて作っています。一般社団法人 全国保育士養成協議会が作成した試験問題を転載・改変したものではありません。根拠・出典:児童の権利に関する条約(平成6年条約第2号)第12条・第13条・第15条・第18条条文の原文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で確認できます。法令・指針は令和8年4月1日時点の内容に基づきます。
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