ITパスポートのCBT方式を、IPAの受験案内に沿って解説。会場のパソコンで受ける仕組み、受験画面の操作、電卓は持ち込めない点、120分の時間配分、疑似体験ソフトウェア、休止予定までまとめます。
目次
結論:ITパスポートは、会場のパソコンで受けるCBT(Computer Based Testing)方式で、試験時間は120分・出題は100問です。電卓は持ち込めず、計算はメモ用紙で行います。画面の見え方は受験者が調整でき、操作はIPAの疑似体験ソフトウェアで事前に練習できます。
この記事は、試験の中での操作と時間の使い方を扱います。申込・持ち物・当日の流れは、別の記事にまとめています。
ITパスポートのCBT方式とは
CBTは、紙の問題冊子ではなく、会場のパソコンの画面で問題を読み、マウスで解答する方式です。IPAは、全国47都道府県の試験会場で、随時実施しているとしています。
| 項目 | IPAの案内 |
|---|---|
| 試験時間・問題数 | 120分・100問(四肢択一) |
| 時間帯 | 会場により異なり、午前・午後・夕方の3つの時間帯 |
| 画面の調整 | 白黒反転・背景色・文字色・表示倍率を変更できる。マウスの移動スピードなどは調整できない |
| 電卓 | 持ち込み不可(電子機器として扱われる) |
| メモ | 会場で用意するメモ用紙とシャープペンシル |
| 結果 | 採点後に画面へ表示(合格の決定は後日)。結果レポートは試験終了後にダウンロード |
出典:IPA CBT方式の試験の説明、IPA 試験当日(CBT試験)。
試験会場では、解答の代理入力・問題の読み上げ・周辺機器の持ち込み・試験時間の延長には対応できません(IPAの案内)。身体の不自由などでCBT方式では受験できない人のために、筆記による特別措置試験が別に用意されています。
申込の手順は申込から合格証書受領までの全フロー、会場の選び方は会場の選び方、持ち物と当日の流れは受験当日の持ち物・流れ・注意点、問題数と時間の数え方はITパスポートの試験時間にあります。
ITパスポート試験の休止予定:IPAのFAQによると、システムリプレースのため2027年1月以降に試験実施を一時休止する予定で、申込める試験日は最長でも休止前の2026年12月27日までです。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA iパスWeb よくある質問。
受験画面の操作
IPAの「CBT操作説明」には、受験画面の操作が項目別に載っています。主な項目は次のとおりです(IPA CBT操作説明)。
- 白黒反転・背景色・文字色・表示倍率の変更(項目6〜9)
- 問題表示と解答画面の操作(項目13〜15)
- 「後で見直すためにチェックする」(項目16)
- 解答状況(項目17)と解答見直し(項目18)
- 試験終了確認(項目21)
自宅のマウスと会場のマウスは操作感が違います。周辺機器の持ち込みはできないため、試験開始前の操作確認の時間で慣れておきます。
操作説明の確認に制限時間はありません。ただし、試験開始時刻を超えて確認すると、その分、試験時間が短くなります。試験の残り時間は、受験画面に表示されます。
電卓は使えない:メモ用紙で解く計算問題
IPAの試験当日の案内には、答案が採点されない場合として、時計や電子機器(携帯電話・ウェアラブル端末・パソコン・電子辞書・電卓など)や書籍を、かばんにしまっていない場合が挙げられています。
- 試験中のメモは、会場で用意するメモ用紙とシャープペンシルを使います
- 持参した筆記用具は、机の上に置けません(机の上に置けるもの以外は、カバンにしまいます)
- 受験画面の上で使える電卓の機能については、IPAの案内に記載がありません
出典:IPA 試験当日(CBT試験)の「試験当日の注意事項」「試験室の机上に置けるもの」、IPA よくある質問。
合格ナビに掲載しているITパスポートの公開問題のうち、「計算問題」のタグを付けた問題は、令和5〜8年度で26問です(令和5年度9問・6年度5問・7年度9問・8年度3問、2026-10-30 集計。令和3・4年度はタグを付けていません)。試験全体の出題数の目安ではありません。
手計算で時間をかけないコツは、割り算の前に約分することです。次はこの記事で作った例です(数値は例)。
- 例1(投資回収期間):投資額900万円、年間の効果250万円のとき、回収期間は 900 ÷ 250 を計算します。両方を10で割ると 90 ÷ 25 で、答えは3.6年です。検算は 250 × 3.6 = 900 で一致します
- 例2(損益分岐点売上数量):固定費120万円、販売単価500円、変動費300円のとき、必要な販売個数は 1,200,000 ÷(500 − 300)= 6,000個です。検算は、売上 6,000 × 500 = 3,000,000円、費用 1,200,000 + 6,000 × 300 = 3,000,000円で一致します
メモ用紙に式を書いて解く練習ができる問題は、次のとおりです(いずれもIPAが公開した問題です)。
計算問題の考え方は、計算問題の解き方で解説しています。
疑似体験ソフトウェアで本番の画面を試す
IPAは、CBTの受験画面を体験できる「CBT疑似体験ソフトウェア」を公開しています(IPA CBT疑似体験ソフトウェア)。
- 平成24年度春期分以降の公開問題を体験できます。ソフトウェアは公開時期ごとに分かれ、各100問が登録されています
- 試験結果の画面では、実際に解答した各問題の正誤や正答数が表示されます
- ログインでは、受験者番号・利用者ID・確認コードは任意の値を入力するか、未入力のままで進めます
- 動作環境は、IPAの案内ではWindows 11です。.NET Framework 3.5の有効化と、IPAゴシックフォントのインストールが必要です
試験会場の画面と同じ操作を、事前に一度試しておくと、当日の不安を減らせます。ただし、疑似体験の正答数は、本番の評価点に換算できません。本番の評価点はIRTで算出されるためです(ITパスポートで600点以上でも不合格になる理由)。
120分の時間配分(3フェーズの例)
120分で100問なので、1問あたりの平均は 120 × 60 ÷ 100 = 72秒です。次の3フェーズの配分は、IPAが示すものではなく、この記事の提案する一例です。
| フェーズ | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 1周目 | 最初の90分 | 全100問を一通り解く。迷う問題には「後で見直すためにチェックする」を付けて先へ進む |
| 見直し | 次の20〜25分 | チェックを付けた問題に戻り、消去法などで考え直す |
| 最終確認 | 残り5〜10分 | 解答状況で未解答がないかを確認し、誤クリックがないかを見直す |
1周目の90分を100問で割ると、1問あたり 90 × 60 ÷ 100 = 54秒です。残る時間は 120 − 90 = 30分で、見直しと最終確認に使えます。1周目は、試験全体を見渡す下見のようなものです。
飛ばすか、解くかの目安
問題を読んで30秒ほど考えても方向性がつかめない場合は、チェックを付けて先へ進みます。「もう少しで思い出せそう」な問題に時間を使いすぎて、後半の問題を見られなくなることは、避けたい状態です。
- 用語の意味がまったく思い出せない、または選択肢がすべて見覚えのない問題は、飛ばします
- 3つまで絞れている、または計算の手順がわかる問題は、飛ばさずに解きます
見直しでの答えの変え方
一度選んだ答えを変えるのは、「前に選んだ理由が間違っていた」と明確に気づいたときに限ります。根拠なく「なんとなく」で変えることは避けます。
解答しないままの問題は、正解になりません。時間が残っていれば、何らかの選択肢を選んでおきます。
本番の前に、画面と時間に慣れておく
集中力は、気合いより準備で保ちやすくなります。次はこの記事の提案です。
- 120分の時間感覚は、模擬試験で確かめます。タイマーを120分に設定し、途中で休まず、スマートフォンと参考書は手元から離して、最後まで解き切れるかを見ます
- 試験直前の1時間は、新しい用語を詰め込まず、苦手分野のまとめを眺める程度にとどめます
- 試験中は、1周目の時間を守るために、残り時間の表示を定期的に見ます
模擬試験の進め方はITパスポート 模擬試験 100問×120分で解説しています。試験中にパソコンが止まったときの扱いは、上のFAQと受験当日の持ち物・流れ・注意点に書いています。
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よくある質問
QITパスポート試験に電卓は持ち込めますか?
持ち込めません。IPAの受験案内では、電卓は電子機器として扱われ、かばんにしまっていないと答案が採点されない場合があります。試験中のメモは、会場で用意されるメモ用紙とシャープペンシルを使います。
Q試験中にパソコンが止まったらどうなりますか?
IPAの案内では、障害の確認から15分以内に再開できた場合は継続受験となり、止まっていた時間分は試験時間が延長されます。15分を超えると、復旧を待つか別の試験日に振り替えるかを選べます。40分を超えても再開できない場合は試験が中止となり、別の試験日に振り替えて受験します。
QCBT疑似体験ソフトウェアはスマートフォンやMacでも使えますか?
IPAの案内に書かれている動作環境はWindows 11です(.NET Framework 3.5の有効化とIPAゴシックフォントも必要)。スマートフォンやMacでの動作は、案内に記載がありません。
Q試験結果はその場でわかりますか?
IPAの案内では、採点が終わると試験結果が受験画面に表示されます。ただし、画面の結果が合格基準を満たしていても、その時点では合格になりません。合格者は経済産業大臣が決定し、後日、合格者の受験番号が発表されます。試験結果は印刷して持ち帰れませんが、試験終了後に利用者メニューから試験結果レポートをダウンロードできます(できるまでに2〜3時間かかる場合があります)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月30日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。


