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ITパスポートは過去問だけで合格できる?何年分・何周かを公開問題600問のデータで調べた

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

ITパスポートの過去問は何年分・何周が要るかを、IPA公開問題600問(令和3〜8年度)の出題データで検証。同じ用語が過去に出ていた割合は、遡る年数を増やすほど上がりました。IPAの合格者アンケートで言えることと、過去問だけでは足りない所も整理します。

目次
  1. ITパスポートは過去問だけで合格できる?IPAのデータで言えること
  2. 何年分解く?公開問題600問の集計では、使える年度を全部
  3. 何周解く?前の年度と同じ用語の問題は、6〜7問に1問
  4. 3年度以上に出た用語は7つ。同じ論点が形を変えて出る
  5. 過去問だけでは足りない所:新しい用語と、数値を答える問題
  6. 過去問は、全年度を「論点の理解」で回そう
結論:ITパスポートが過去問だけで合格できるかは、IPAが公表しているデータからは言えません。何年分かは、令和3〜8年度の公開問題を全部使います。公開問題600問を集計すると、令和8年度の問題には4〜5年前の年度にしか出ていない用語もあり、古い年度を外すと見落とすからです。

ITパスポートは過去問だけで合格できる?IPAのデータで言えること

「過去問だけで合格できるか」に、IPAは数字で答えていません。IPAの合格者アンケートが示すのは、合格者が使った教材の件数です。

アンケートは、2025年10月から2026年7月に受験して合格した方を対象に、3,297件の回答がありました(2026年10月26日公開)。IPAの公開問題やシラバスを使ったという回答は643件(19.5%)で、最も使った教材にした回答は154件(4.7%)でした(割合は回答件数から計算)。

合格者アンケート:回答3,297件のうち、「IPAウェブサイトで公開されている公開問題やシラバス」を使った(複数回答)は643件、最も使った(単一回答)は154件。対象はアンケートの送付に同意した合格者で、IPAは合格に必要な学習方法を保証するものではないとしている。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA ITパスポート試験合格者の学習実態等に関するアンケート結果。

この数字から、過去問だけで足りたのかは分かりません。そこでこの記事は、合格者の人数ではなく、問題そのものの出題データで「何年分・何周」を考えます。

何年分解く?公開問題600問の集計では、使える年度を全部

何年分かの答えは、令和3〜8年度の全6年分(600問)です。遡る年数を1年増やすごとに既出の用語を問う問題が見つかり、4〜5年前の年度でも増えたからです。

令和8年度の問題で数えると、1年前までなら4.4%、5年前までなら14.7%でした。

令和8年度の問題で、既出の用語を問う問題の割合
令和8年度の測れた68問のうち、遡る年数が1年なら4.4%、2年なら7.4%、3年なら8.8%、4年なら13.2%、5年なら14.7%が、既出の用語を問う問題

出典:合格ナビの問題データ(IPA公開問題 令和3〜8年度600問・2026-10-30集計)

数え方は次のとおりです。まず、各問題が問う用語を、機械の規則で1つ抜き出します。選択肢が4つとも短い語句の問題は正解の語句、「〜に関する記述」「〜の説明」などの形で問う問題はその「〜」の語です。

600問のうち、この規則で語句を抜き出せたのは387問(令和8年度は68問)で、「照会機能の応答時間」のように用語とは言いにくい語句も含みます。次に、令和8年度の問題の用語が、遡った年度の問題でも問われているかを見ます。抜き出した語句は、単語帳の見出し語のようなものです。

別の年度でも、同じ傾向でした。

遡る年数令和8年度のみ(68問)令和7・8年度(127問)令和6〜8年度(192問)
1年3問(4.4%)5問(3.9%)10問(5.2%)
2年5問(7.4%)10問(7.9%)16問(8.3%)
3年6問(8.8%)16問(12.6%)25問(13.0%)
4年9問(13.2%)19問(15.0%)-
5年10問(14.7%)--

表題:既出の用語を問う問題の数と割合(対象年度の測れた問題のうち)。出典:合格ナビの問題データ(IPA公開問題 令和3〜8年度600問・2026-10-30集計)。

直近3年(令和5〜7年度)までで打ち切ると、令和8年度で既出の用語を問う10問のうち見つかるのは6問です。残る4問は、4〜5年前(令和3・4年度)の問題が元でした。

古い年度の問題も、役に立たなくなってはいません。年度の組ごとに、同じ用語を問うた数を数えました。

年の間隔年度の組同じ用語を問うた数1組あたり
1年5組173.4
2年4組153.8
3年3組113.7
4年2組73.5
5年1組33.0

表題:年度が離れた組ごとの、同じ用語を問うた数(令和3〜8年度)。出典:合格ナビの問題データ(IPA公開問題600問・2026-10-30集計)。

年が離れるほど減るなら、古い問題は後回しにできます。実際は、1年離れた組で3.4用語、5年離れた組(1組だけ)でも3.0用語で、はっきり減る傾向は見えません。令和3年度と令和8年度に共通する用語は、BLE・BYOD・LPWAの3つでした。

この数字は下限です。用語が同じ場合だけを数えており、言い換えや、関連する別の用語は数えていません。語句を抜き出せなかった213問は含みません。抜き出した語句が用語でない問題は、ほかの年度と一致しにくいので、割合を下げる方向に働きます。

対象はIPAの公開問題で、本番の全問ではありません。IPAは令和2年度以前(平成21年度分から)の公開問題も載せていますが、この集計には入れていません(令和2年度以前のCBTの分は、特別措置試験で出題した問題です)。

何周解く?前の年度と同じ用語の問題は、6〜7問に1問

周回の目的は、答えの暗記ではなく、論点の理解にします。語句を抜き出せた問題のうち、その年度より前(令和3年度以降)の公開問題に出ていない用語を問う問題は、令和5〜8年度で83.1〜86.2%でした。

年度測れた問題既出でない用語既出の用語
令和5年度64問54問(84.4%)10問(15.6%)
令和6年度65問56問(86.2%)9問(13.8%)
令和7年度59問49問(83.1%)10問(16.9%)
令和8年度68問58問(85.3%)10問(14.7%)

表題:その年度より前に出ていない用語を問う問題の数と割合。遡れる年数は、令和5年度は2年、令和8年度は5年と、年度によって違います。出典:合格ナビの問題データ(IPA公開問題 令和3〜8年度600問・2026-10-30集計)。

前の年度と同じ用語で問われた問題は、測れた問題の6〜7問に1問ほどです(同じ用語だけを数えた下限)。その問題も、次の節のとおり問われ方は毎回違います。

残りは、令和3年度以降の公開問題では同じ用語で問われていない問題なので、答えを覚えるより、用語の意味から考えて解く力が要ります。

周回数そのものに、IPAの基準はありません。この集計から言えるのは、周回の中身を「答えを覚える」から「理由を説明できるか」に変えることです。進め方は次の3つです。

  • 1周目:年度ごとに全問を解き、解説まで読む。本番のペースで解くと、1年度は120分、6年分で12時間です(解説を読む時間は別)
  • 2周目以降:間違えた問題と、理由を説明できなかった問題だけを解く
  • 終える目安:間違えた問題の理由を、自分の言葉で説明できる。数の基準はIPAに示されていません
ITパスポート試験の試験時間と採点方式:試験時間120分・100問・多肢選択式(四肢択一)。採点はIRT(項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出する。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA 試験要綱Ver.5.6(PDF)。

学習時間の全体像は、ITパスポートの勉強時間の記事で整理しています。

3年度以上に出た用語は7つ。同じ論点が形を変えて出る

用語のうち、3年度以上で問われたのは、343用語中7つだけです。1年度だけの用語が310(90.4%)、2年度が26、3年度が5、4年度が2でした。

7つの用語と、問われた問題は次のとおりです。用語は機械の規則で抜き出し、この7つは問題文を読んで確かめました。

表題:3年度以上で問われた用語(IPA公開問題 令和3〜8年度)。出典:合格ナビの問題データ(2026-10-30集計)と、IPAの公開問題。

同じ用語でも、問われ方は毎回違います。BLEは、令和3年度・令和7年度・令和8年度は用語を選ぶ形、令和4年度は特徴を選ぶ形でした。リスク共有は、令和4〜6年度に毎年、保険に入る例で問われています。

用語だけを覚えるのではなく、その用語が何をするものかを説明できると、問われ方が変わっても解けます。

過去問だけでは足りない所:新しい用語と、数値を答える問題

過去問だけでは足りないのは、新しく出た用語と、数値を計算して答える問題です。

新しい用語の例は、生成AIです。問題文か選択肢に「生成AI」の語を含む問題は、令和3〜6年度の400問に1問もなく、令和7年度に3問、令和8年度に1問あります。令和6年度までの問題だけを周回すると、この4問の論点には触れられません。

全6年分を使う理由の1つです。対策は生成AI関連問題の対策に書いています。

数値を答える問題は、答えを覚えても役に立ちません。数値が変わると、答えも変わるからです。

4つの選択肢がすべて数値の問題は、令和3年度に4問、令和4年度に6問、令和5年度に7問、令和6年度に7問、令和7年度に8問、令和8年度に5問で、計37問(6.2%)です。選択肢が数値でない計算問題は数えていません。

解き方は計算問題の解き方・公式一覧にまとめています。

過去問は、全年度を「論点の理解」で回そう

過去問は、令和3〜8年度の全6年分を使い、答えではなく理由を説明できるまで回しましょう。4〜5年前の年度にしか出ていない用語もあり、前の年度と同じ用語で問われた問題は6〜7問に1問ほど(同じ用語だけを数えた下限)で、それも問われ方が毎回違うからです。

本番前の100問通しは模擬試験100問の使い方、教材の選び方はITパスポートのテキスト・参考書は不要?で扱っています。

最終確認 2026-10-30出典: IPA 情報処理推進機構 — iパス試験情報。受験料・合格率・試験日程・申込締切などの変動する値は、IPAの公式発表で最新情報を必ずご確認ください。

よくある質問

QITパスポートの過去問は、無料で手に入りますか?

IPAのサイトで、過去問題(問題冊子・解答例のPDF)が公開されています。IPAは、法令に特別の定めがある場合を除き、許諾や使用料は必要ないとしています(留意点の確認は必要です)。PDFで解く場合は、採点を自分で行います。合格ナビでも、令和3〜8年度の公開問題600問を、登録なしで解いて解説まで読めます。

Q過去問を何問正解すれば、合格点に届きますか?

IPAの試験要綱は、採点方式をIRT(項目応答理論)と定め、解答結果から評価点を算出するとしています。要綱の採点方式の節には、正答数と評価点を対応させる表は載っていません。過去問の正答数だけでは、合格点に届くかどうかを言えません。合格基準の仕組みは600点以上でも不合格になる理由に書いています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月30日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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