問題
左片麻痺の利用者が,端座位でズボンを着脱するときの介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題87
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「左足を右の大腿の上にのせて,ズボンを通すように促す」です。
左片麻痺の人は、自分では左足を持ち上げてズボンに通すことが難しいので、左足を健側(右側)の太ももの上にのせることで、患側の足にズボンを通しやすくなります。
たとえるなら、動かしにくい足を健康な方の太ももに乗せて、安定させた状態でズボンを通してあげるイメージです。
👉 覚え方:患側の足は健側の大腿にのせてズボンを通す。
ほかの選択肢:1脱ぐときは患側(左)からではなく健側(右)から脱ぐのが原則(脱健着患)/2右膝(健側)を高く上げる動作自体は可能だが、選択肢の中で最も適切なのは患側の足を健側の大腿にのせる方法/4立ち上がる前に膝下まで上げておく手順は一部妥当だが、患側の足を通す具体的な工夫としては3がより核心的/5介護福祉職は健側(右側)ではなく患側(左側)に立ち、患側を支える。
なぜこれが正解か
正解は3。左片麻痺の利用者が端座位でズボンを着る際、自分では持ち上げにくい患側(左側)の足を、健側(右側)の大腿(太もも)の上にのせることで、足を安定させた状態でズボンの足を通しやすくすることができる。
各選択肢の解説
- 1 衣服の着脱介助の基本原則は「脱健着患」(脱ぐときは健側から、着るときは患側から)であり、脱ぐ際に患側(左側)の腰を最初に上げるよう促す対応はこの原則に反する。
- 2 右膝(健側)を高く上げる動作自体は可能な場合もあるが、患側の足にズボンを通すという課題への直接的な解決策としては、患側の足を健側の大腿にのせる方法(選択肢3)がより本質的な介助方法である。
- 4 立ち上がる前にズボンを膝下まで上げておくことは着脱の一部の手順として妥当だが、座位での「患側の足にズボンを通す」という最初の段階の工夫としては、選択肢3がより直接的な介助内容である。
- 5 介護福祉職は、健側(右側)ではなく患側(左側)に立ち、患側の動作を支援・見守ることが基本である。
覚え方・ひっかけ注意
衣服の着脱介助の原則「脱健着患」(脱ぐときは健側から、着るときは患側から)と、「患側の足は健側の大腿にのせて安定させる」という具体的な工夫をセットで覚える。介護者の立ち位置は常に患側という原則も一貫して押さえる。
理論的背景
片麻痺のある人の衣服着脱介助における「脱健着患」の原則は、①脱衣時:健側(動かしやすい側)から先に脱ぐことで、患側の腕・脚に不要な負担をかけずスムーズに脱げる、②着衣時:患側(動かしにくい側)から先に袖・裾を通すことで、健側の可動域を使って最後に楽に着られる、という力学的合理性に基づく。ズボンの着脱では、患側の足を自力で高く持ち上げることが困難なため、健側の大腿の上に患側の足をのせる(クロスさせる)ことで、患側の足を安定した高さに保持し、ズボンの裾を通しやすくする工夫が広く実践されている。この技術は、単に介助者が全介助で行うのではなく、利用者の残存能力(健側の動き)を最大限活用しながら患側を補助する、自立支援の視点に基づく介助方法である。
試験での位置づけ
片麻痺のある利用者の衣服着脱介助は、生活支援技術領域の最頻出テーマの一つ。「脱健着患」の原則、患側の足を健側の大腿にのせる工夫、介護者の立ち位置(患側)を、第36回 問84(立ち上がり介助)と一貫した「患側を支え、健側を活かす」という基本方針のもとで体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
上着の着脱でも同様に「脱健着患」の原則が適用され、脱ぐときは健側の袖から抜き、着るときは患側の袖から通す。かぶり式の衣服(Tシャツ等)では、患側の腕を先に袖に通してから頭を通し、最後に健側の腕を通すという手順になる。
上位資格・発展
作業療法の専門領域では、片麻痺の程度(重度・中等度・軽度)に応じた着脱の自立支援レベルの設定(全介助、一部介助、見守り、自立)や、着脱しやすい衣服の工夫(マジックテープ式、伸縮性のある生地等)がより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題87です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

