問題
Bさん(90 歳,女性,要介護3 )は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)があり,介護老人福祉施設に入所している。テレビを見ることが好きで,日中はお茶を飲みながら,テレビを見て過ごすことが日課である。 1 週間前からBさんは,夜中に目が覚めたり,3 時ごろに起きたりと,不眠が続いている。2 時間ほどしか寝ていない日もある。ある日,Bさんは,「昼間,眠くてしかたがない。からだがだるい」と介護福祉職に話した。 次の記述のうち,Bさんに安眠を促すための介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題102
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「午前中,太陽の光を浴びることを勧める」です。
午前中に太陽の光を浴びると、体の中の「体内時計」がリセットされ、夜になると自然に眠くなるリズムが整いやすくなります。
たとえるなら、朝しっかり光を浴びることで、体に「今は朝だよ、夜まで元気に、夜になったら眠くなるよ」と伝えてあげるイメージです。
👉 覚え方:不眠への対応=午前中の日光浴で体内時計を整える。
ほかの選択肢:2昼間の眠気に対して1時間以上の長い昼寝を勧めると、夜の睡眠にさらに悪影響を及ぼす(昼寝は短時間にとどめるべき)/3夕食後すぐに寝ることを勧めると、睡眠のリズムが前倒しになり、夜中の早すぎる覚醒を悪化させる可能性がある/4睡眠薬の使用は医師の処方が必要な事項であり、介護福祉職の判断で勧めることは不適切/5夜眠れないときに居室でテレビを見ることを勧めると、画面の光刺激等によってかえって覚醒が促され逆効果になりうる。
なぜこれが正解か
正解は1。夜間の不眠や不規則な睡眠リズムに悩むBさんに対しては、午前中に太陽の光を浴びることを勧めることで、体内時計(概日リズム)をリセットし、夜に自然な眠気が生じるような生活リズムを整えることが、安眠を促すための適切な介護対応である。
各選択肢の解説
- 2 日中の眠気に対応するために1時間以上の長い昼寝を勧めることは、夜間の睡眠欲求を減らし、かえって夜の不眠を悪化させる可能性があるため、昼寝は短時間(30分以内程度)にとどめることが望ましい。
- 3 夕食後すぐに就寝することを勧めると、就寝時刻が早まりすぎて睡眠リズムが前進し、深夜や早朝の望ましくない時間帯に覚醒してしまう概日リズム睡眠障害(第36回 問29の睡眠相前進症候群)を助長する可能性がある。
- 4 睡眠薬の使用は医師の診断・処方が必要な医療的判断事項であり、介護福祉職が自らの判断で服用を勧めることは、業務範囲を逸脱する不適切な対応である。
- 5 夜眠れないときにテレビを見ることを勧めると、画面から発せられる光(特にブルーライト)が脳を覚醒させる作用を持つため、かえって入眠を妨げる可能性が高い。
覚え方・ひっかけ注意
高齢者の不眠への対応では、「日中の適切な光刺激と活動性の確保(午前中の日光浴等)」「昼寝は短時間」「就寝リズムを整える」「夜間の覚醒刺激(テレビ等)を避ける」という睡眠衛生指導の基本原則を軸に判断する。
理論的背景
概日リズム(サーカディアンリズム)は、視床下部の視交叉上核(体内時計の中枢)によって約24時間周期で調節されており、朝の強い光刺激(特に太陽光)を浴びることで、体内時計がリセットされ、そこから約14〜16時間後にメラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌が始まり、自然な眠気が生じるという生理的な仕組みがある。加齢に伴い、体内時計の機能や、光を感知する網膜の感受性が低下しやすく、高齢者は概日リズムが乱れやすい(第36回 問29の睡眠相前進症候群等)とされる。認知症のある高齢者では、日中の活動性の低下や、外出機会の減少により、この光刺激による体内時計のリセットが十分に行われにくく、昼夜逆転や不眠につながりやすいため、午前中の日光浴や、日中の活動性を高める働きかけ(散歩、レクリエーション参加等)が、非薬物的な睡眠改善のアプローチとして重視される。
試験での位置づけ
高齢者・認知症の人の不眠への対応は、生活支援技術領域・こころとからだのしくみ領域(睡眠の仕組み、第36回 問28、36-29、37-27、37-28)を横断する重要テーマ。薬物に頼らない生活リズムの調整(睡眠衛生指導)という視点を体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
睡眠衛生指導の具体的な内容としては、日中の適度な運動、規則正しい食事時間、就寝前のカフェイン・アルコール摂取を控えること(第36回 問28)、寝室環境の整備(適切な温度・照明)等が含まれ、これらを組み合わせた包括的なアプローチが不眠改善に有効とされる。
上位資格・発展
睡眠医学の分野では、高照度光療法(人工的な強い光を用いて体内時計を調整する治療法)や、認知症患者の睡眠障害に対する非薬物療法のエビデンスがより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題102です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

