介護福祉士

介護福祉士 第37回 問題110介護過程

問題

介護福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年1月26日(日)実施・介護過程

Aさん(78 歳,男性,要介護1 )は,一人暮らしで,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。その後,リハビリテーションを経て,自宅に戻った。利き手の右手に麻痺が残ったため,左手を使った調理の自立を目的に,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。サービス利用時は,訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら,孫からプレゼントされた包丁を使って,調理に取り組んでいた。 ある日,好物の牛肉をうまく押さえることができず,切ることができなかった。すると,Aさんは包丁を置き,部屋で横になってしまった。心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ,バイタルサインを確認したところ変化はなかった。Aさんは,「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも,もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。 次の日,Aさんは,「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。 調理中にAさんが包丁を置き,部屋で横になってしまった行動に対する解釈として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題110

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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正解は 5
  • 1
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  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは5「調理がうまくできないことに対する苛立ち」です。

Aさんは「右手が思うように動いてくれない。悔しい」と話しています。牛肉がうまく切れず、包丁を置いて横になったのは、体調が悪いからではなく、思うようにできない自分へのもどかしさ・悔しさからくる行動だと考えられます。バイタルサインにも変化がなかったことから、体調不良ではないことも裏付けられます。

たとえるなら、うまくいかないことへの悔しさで、一度その場から離れて気持ちを落ち着けようとした、というイメージです。

👉 覚え方:本人の言葉「悔しい」から、うまくできないことへの苛立ちと解釈する。

ほかの選択肢:1バイタルサインに変化がなかったことから体調不良は考えにくい/2食材(牛肉)そのものへの不満を示す発言や根拠はない/3調理への興味を失ったのであれば、翌日「今日も手伝って」と調理の継続を望む発言と矛盾する/4包丁(孫からのプレゼント)そのものへの不満を示す発言や根拠はない。

なぜこれが正解か

正解は5。Aさんが「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも、もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話していることから、包丁を置いて横になった行動は、体調不良や興味の喪失によるものではなく、思うように調理ができないことへの苛立ち・もどかしさから来る反応であると解釈するのが最も適切である。

各選択肢の解説

  • 1 訪問介護員がバイタルサインを確認したところ変化がなかったことから、体調不良によって横になったという解釈は事例の情報と矛盾する。
  • 2 食材(牛肉)そのものへの不満を示す発言や情報は事例文中に見られず、この解釈を裏付ける根拠がない。
  • 3 Aさんが翌日「今日も手伝って」と調理を続ける意欲を示していることから、調理への興味自体を失ったという解釈は事例の経過と矛盾する。
  • 4 包丁(孫からプレゼントされた大切な品)そのものへの不満を示す発言や情報は事例文中には見られず、この解釈を裏付ける根拠がない。

覚え方・ひっかけ注意

利用者の行動を解釈する事例問題では、本人の直接的な発言(「悔しい」「もう一度ひとりで作れるようになりたい」)と、客観的な観察情報(バイタルサインに変化なし、翌日も調理を続ける意欲を示す)を丁寧に突き合わせ、事例の経過全体と矛盾しない解釈を選ぶことが重要。

理論的背景

本事例のAさんは、脳血管障害の後遺症による利き手(右手)の麻痺を抱えながら、左手を使った調理の自立という目標に向けて、訪問介護員の支援を受けながら意欲的に取り組んでいる。牛肉を思うように押さえられず切れなかったという失敗体験は、身体機能の制約(右手の麻痺)が日常生活の具体的な場面(調理)で顕在化した瞬間であり、Aさんの「悔しい」という発言は、こうした身体機能の喪失に対する障害受容過程(第36回 問51)の中での自然な感情表出と理解できる。同時に、「もう一度ひとりで作れるようになりたい」という前向きな意欲も併せ持っていることから、この苛立ちは調理そのものへの意欲喪失を意味するのではなく、目標に向かう過程での一時的な挫折感であると解釈することが、その後の適切な支援(第37回 問111)の検討につながる。

試験での位置づけ

利用者の行動の背景を、本人の発言と客観的な状況(バイタルサイン等)を突き合わせて解釈する力は、介護過程領域の重要テーマ。第36回 問109・36-111(Aさん・Bさんの行動解釈)と同様の思考プロセス(発言内容の重視、矛盾する情報の排除)を用いる出題形式であり、繰り返し練習しておくことが重要。

選択肢の発展補足

本事例のように、身体機能の低下による生活行為の失敗体験は、利用者にとって大きな心理的負担となりうる。訪問介護員は、こうした感情に寄り添いながら(第36回 問77の共感的な対応)、次の具体的な支援策(第37回 問111の福祉用具の活用)へとつなげていく役割を担う。

上位資格・発展

リハビリテーション心理学の分野では、身体機能の喪失に伴う心理的な適応プロセス(障害受容の段階論)と、日常生活活動における失敗体験・成功体験が意欲に与える影響がより専門的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題110。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題110です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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