介護福祉士

介護福祉士 第37回 問題117総合問題

問題

介護福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年1月26日(日)実施・総合問題

Cさん(90 歳,女性)は,動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5 年前に夫が亡くなったときも,ペットが大きな心の支えになった。2 年前,身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり,一人暮らしが困難になったので,ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。 最近Cさんは,毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう,トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受けた。 健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため,心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 次のうち,最近のCさんの症状に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題117

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは2「見当識障害」です。

Cさんは、レクリエーションの曜日や時間を忘れたり、トイレの場所がわからなくなったりしています。これは、「今がいつなのか」「ここがどこなのか」がわからなくなる「見当識障害」の典型的な症状です。

たとえるなら、時間や場所についての「地図」が頭の中で曖昧になってしまっている状態です。

👉 覚え方:曜日・時間・場所がわからなくなる=見当識障害。

ほかの選択肢:1妄想は実際にはないことを強く思い込む症状で今回の症状とは異なる/3失語は言葉の理解・表出に関わる障害で今回の症状とは異なる/4遂行機能障害は物事を計画立てて進める力の障害で今回の症状(曜日・場所がわからない)とは異なる/5観念失行は一連の動作の順序がわからなくなる失行で今回の症状とは異なる。

なぜこれが正解か

正解は2。Cさんが、毎週楽しみにしていたレクリエーションの曜日や時間を忘れる(時間の見当識の低下)、トイレの場所がわからず失禁する(場所の見当識の低下)という症状を繰り返すようになったことは、時間・場所についての認識が低下する見当識障害の典型的な現れであり、アルツハイマー型認知症の進行に伴って比較的早期から出現しやすい中核症状の一つである。

各選択肢の解説

  • 1 妄想(第36回 問44、38-81)は、実際にはない事実を強く思い込む症状であり、今回のCさんの症状(時間・場所がわからなくなる)とは性質が異なる。
  • 3 失語は、言葉の理解や表出に関わる言語機能の障害であり、Cさんの今回の症状(曜日・場所の認識の低下)とは異なるカテゴリーの症状である。
  • 4 遂行機能障害(第37回 問52、36-112)は、複数の手順を計画立てて実行する能力の障害であり、Cさんの今回の症状の説明としては直接的でない。
  • 5 観念失行は、一連の動作を正しい順序で行うことができなくなる失行の一種であり、今回の症状(見当識に関する困難)とは異なる。

覚え方・ひっかけ注意

認知機能障害の種類(記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、失語、失行、失認)を正確に区別し、「時間・場所・人物がわからなくなる」という記述からは見当識障害を、「動作の手順がわからなくなる」という記述からは失行や遂行機能障害を、それぞれ正確に対応づける読解力が求められる。

理論的背景

見当識は、①時間(今日は何月何日か、季節はいつか)、②場所(自分が今どこにいるか)、③人物(目の前の人が誰か)の3側面から構成され、認知症の進行過程では、一般的に時間の見当識から低下し始め、次いで場所、最後に人物の見当識が障害されるという進行順序を示すことが多い(第38回 問84のアルツハイマー型認知症の症状の進行パターンとも関連)。Cさんの事例では、レクリエーションの曜日・時間を忘れること(時間の見当識障害)と、トイレの場所がわからなくなること(場所の見当識障害)が同時期にみられており、認知症が一定程度進行した段階にあることがうかがえる。見当識障害は、日常生活における混乱や不安、失禁等の二次的な生活上の困難を引き起こしやすく、施設での対応(第38回 問51のトイレの表示等の環境調整)が重要な支援課題となる。

試験での位置づけ

見当識障害の理解は、認知症の理解領域・総合問題を横断する頻出テーマ。第38回 問51(見当識障害への環境調整)とあわせて、見当識障害が生活場面(曜日の把握、トイレの場所)にどのように現れるかを、具体的な事例と結びつけて理解しておくことが重要。

選択肢の発展補足

Cさんが入所していた健康型有料老人ホーム(第38回 問22)は、自立した高齢者を主な対象とする類型であり、認知症の進行に伴う見当識障害・失禁等への専門的な介護対応が難しいため、より手厚い介護サービスを提供できる施設(第37回 問119の介護付有料老人ホーム)への住み替えが検討されることになった。

上位資格・発展

神経心理学の専門領域では、見当識の評価方法(改訂長谷川式認知症スケール、第37回 問44の下位項目としての見当識評価)や、見当識障害の進行に応じたケア環境の設計(第38回 問87の視覚的な環境配慮)がより体系的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題117。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題117です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。