問題
Gさん(38 歳,女性)は,母親(65 歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり,雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し,左片麻痺で車いすの生活となり,障害支援区分4 と認定された。母親による介護が難しくなったため,障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは,写真を撮ることが好きで,施設で近くの公園に出かけたときに,介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは,その写真をアルバムにして,母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日,Gさんから,「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は,Gさんとアルバムを作ることにした。 次のうち,Gさんの難聴の原因となっている損傷部位に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題124
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「内耳から聴神経」です。
Gさんの難聴は「両側性感音難聴」というタイプです。感音難聴は、音を感じ取る内耳(蝸牛)から、その情報を脳に伝える聴神経までの部分に障害がある難聴です。
たとえるなら、音という「電気信号」を受け取るセンサー(内耳)や、その信号を脳に届ける配線(聴神経)に問題がある状態です。
👉 覚え方:感音難聴=内耳から聴神経の障害。伝音難聴=外耳・中耳の障害。
ほかの選択肢:2外耳道から中耳・3耳介から中耳・4耳介から外耳道は、いずれも音を「伝える」部分(伝音系)の障害で、感音難聴ではなく伝音難聴の原因部位/5耳介のみの障害は難聴の主要な原因部位としては該当しない。
なぜこれが正解か
正解は1。Gさんが持つ両側性感音難聴は、音を電気信号に変換する内耳(蝸牛)から、その信号を脳に伝達する聴神経までの経路に障害がある難聴のタイプであり、選択肢の中では「内耳から聴神経」がその損傷部位として正しい。
各選択肢の解説
- 2 外耳道から中耳は、音を鼓膜・耳小骨を通じて内耳に伝える「伝音系」の経路であり、この部分の障害は伝音難聴(感音難聴ではない)の原因となる。
- 3 耳介から中耳も、音を集めて伝える伝音系の経路であり、感音難聴の損傷部位としては該当しない。
- 4 耳介から外耳道も、外部からの音を集める伝音系の入口部分であり、感音難聴の原因部位ではない。
- 5 耳介のみの障害は、外見上の形態異常等であり、感音難聴の主たる原因部位としては該当しない。
覚え方・ひっかけ注意
難聴は大きく「伝音難聴(外耳・中耳=音を伝える部分の障害)」と「感音難聴(内耳・聴神経=音を感じ取り脳に伝える部分の障害)」の2種類に分類される。Gさんの「感音難聴」という診断名から、損傷部位が内耳から聴神経であることを対応づけて覚えておく。
理論的背景
聴覚の伝達経路は、①外耳(耳介、外耳道)で音を集め、②中耳(鼓膜、耳小骨)で振動を増幅して内耳に伝え、③内耳(蝸牛)で振動を電気信号に変換し、④聴神経がその電気信号を脳(聴覚野)に伝える、という順序で構成される。このうち、①外耳・②中耳の障害による難聴を「伝音難聴」、③内耳・④聴神経の障害による難聴を「感音難聴」と呼び、両方が併存する場合は「混合性難聴」と呼ばれる。感音難聴は、一般的に補聴器での音の増幅による改善が伝音難聴ほど単純ではなく、雑音下での聞き取りにくさ(Gさんの症状)が特徴的にみられることが多い。Gさんが「相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することができる」という点は、感音難聴のある人が、聴覚情報の不足を視覚情報(読唇、表情の観察)で補うコミュニケーション戦略をとっていることを示しており、支援者側もこうした特性を踏まえたコミュニケーション配慮(第37回 問125)が求められる。
試験での位置づけ
難聴の分類(伝音難聴・感音難聴)とその損傷部位の理解は、こころとからだのしくみ領域・障害の理解領域・総合問題を横断する頻出テーマ。難聴のタイプに応じたコミュニケーション上の配慮(第37回 問125)とセットで出題される総合問題の典型パターンであり、両者を関連づけて理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
感音難聴のある人とのコミュニケーションでは、大きな声で話すことよりも、正面から向き合い、はっきりした口の動きで、視覚的な手がかり(表情、身振り)を活用して伝えることが重要となる(第37回 問125で問われる配慮点)。
上位資格・発展
言語聴覚士(ST)の専門領域では、感音難聴の原因(加齢性難聴、騒音性難聴、突発性難聴、内耳炎等)や、補聴器・人工内耳の適応、聴覚活用訓練の方法がより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題124です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

