介護福祉士

介護福祉士 第37回 問題2人間の尊厳と自立

問題

介護福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年1月26日(日)実施・人間の尊厳と自立

Aさん(83 歳,女性,要介護3 )は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人福祉施設で生活している。家族から,「できることは自分で行ってほしい」と希望があり,Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを日課としている。 1 週間前から,介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。 数日前からAさんは実習生に,「今日は腕が痛いので,食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は,実習指導者に相談をした。 実習生に対する実習指導者の最初の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題2

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは5「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」です。

Aさんは普段は自分で車いすを操作していますが、最近「腕が痛いので押してください」と頼むようになりました。ここで大事なのは、すぐに「良い・悪い」を決めつけず、「なぜ最近そう言うようになったのか」という理由を考えることです。

たとえるなら、いつも元気な友達が急に「今日はしんどい」と言い出したら、まず「何かあったのかな?」と理由を考えるのと同じです。

👉 覚え方:行動が変わったら、まず「理由を考える」が最初の一歩。

ほかの選択肢:1 痛みを否定する決めつけ発言はNG/2 状況を考えず一律に「自分でやらせる」のは杓子定規/3 家族の意向をそのまま伝えるだけでは本人の今の状態を無視している/4 自立につながらないと決めつけて拒否するのは早計。

なぜこれが正解か

正解は5。Aさんの「今日は腕が痛い」という発言の背景には、身体的な痛み以外にも心理的な理由(甘えたい、実習生との関係づくりなど)が隠れている可能性がある。実習指導者としての最初の助言は、答え(対応方法)を一律に示すのではなく、まず「なぜAさんがそう依頼するのか」という理由・背景を考えさせることが適切。

各選択肢の解説

  • 1 「腕は痛くない」と決めつける発言は、Aさんの訴えを頭ごなしに否定しており不適切。
  • 2 「どのようなときも自分で行ってもらう」という一律の対応は、状況や背景を考慮しない硬直的な対応。
  • 3 家族の意向をそのまま伝えるだけでは、実習生が自分で状況を考える機会を奪ってしまう。
  • 4 「自立につながらない」と即座に判断して車いすを押さないよう指示するのは、理由を検討する前の早計な結論。

覚え方・ひっかけ注意

自立支援の事例では「一律に自分でやらせる」「一律に手伝わない」という極端な対応が誤答になりやすい。個別の状況・理由を丁寧にアセスメントする視点を選ぶのが定石。

理論的背景

本問は、自立支援とは何でも自分でさせることではない、という点を、実習指導の場面で問うている。利用者の訴えには、身体的な理由(痛み、疲労)だけでなく、心理的な理由(不安、寂しさ、新しい人との関係づくり、気を引きたい気持ち)が重なることがある。支援者は、行動の表面だけで良し悪しを判断せず、背景をアセスメントしたうえで、対応を決める。養成課程の学生に対しては、答えを与えるのではなく、考える手がかりを示す指導が、実践力の育成につながる。

選択肢の掘り下げ

Aさんは脳梗塞後の左片麻痺で、車いすの自走を日課として続けている。「腕が痛い」という訴えは、自走による疲労、麻痺側の肩の痛み、健側の使いすぎなど、実際に痛みがある可能性もある。「痛くないので気にしない」と決めつけるのは、訴えの否定である。「どのようなときも自分で」「自立につながらないから押さない」は、状況を確かめずに一律の対応を示している。「ご家族から言われている」は、家族の希望を理由に使うだけで、本人の意思や状態を見ていない。理由を考えることから始める5が、アセスメントの発想に合う。

試験での位置づけと関連論点

自立支援は、過剰介護(できることまで手伝う)にも、過少介護(できないことまで任せる)にも偏らない。家族の希望と本人の意思が異なるときは、本人を中心に据え、家族にも意図を説明して共有する。

現場での判断の根拠

実習生が一人で判断せず、実習指導者に相談した対応は適切で、判断が難しい場合は、担当の介護福祉士、看護職員、リハビリ職員とも情報を共有する。痛みの有無や場所は看護職員に確認し、必要なら受診につなぐ。自走を続ける意欲を尊重しつつ、その日の体調や痛みに応じて、押す、途中まで手伝う、休むなど、柔軟に対応する。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題2。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題2です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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