問題
Aさん(80 歳,男性)は,有料老人ホームに入所することになった。一人暮らしが長かったAさんは,入所当日,担当の介護福祉職と話すことに戸惑っている様子で,なかなか自分のことを話そうとはしなかった。介護福祉職は,一方的な働きかけにならないように,Aさんとコミュニケーションをとるとき,あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた。 このときの,介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題4
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは5「双方向のやり取り」です。
初めて会う人と話すのは誰でも緊張します。あいづちを打ちながら相手の話を引き出す関わり方は、一方的に話す・聞くのではなく、お互いにやり取りしながらコミュニケーションを作っていくことを意図した対応です。
たとえるなら、キャッチボールのように、相手が投げやすいボールを返しながら会話を続けていくイメージです。
👉 覚え方:あいづち=「一方通行にしない」ための工夫。
ほかの選択肢:1 自己開示はお互いの個人的な情報を明かすこと(あいづちだけではまだ不十分)/2 コミュニケーション能力の評価は別の目的/3 感覚機能低下への配慮は聴力・視力等への対応/4 認知機能の改善はリハビリ的な目的で異なる。
なぜこれが正解か
正解は5。あいづちを打ちながら相手の発話を引き出す対応は、介護福祉職が一方的に話す・聞くのではなく、利用者との間で言葉のキャッチボールを成立させる「双方向のやり取り」を意図したコミュニケーション技術である。
各選択肢の解説
- 1 自己開示は、援助者自身の情報や気持ちを適度に開示することで関係構築を図る技法であり、あいづちとは異なるアプローチ。
- 2 コミュニケーション能力の評価は、利用者の話す力・理解力等をアセスメントする行為であり、本事例の意図とは異なる。
- 3 感覚機能の低下(難聴・視力低下等)への配慮は、声の大きさや話す速さの調整など準言語・非言語の工夫であり、あいづちとは別の対応。
- 4 認知機能の改善は、リハビリテーション的な目的であり、初対面の緊張をほぐす場面の対応としては当てはまらない。
覚え方・ひっかけ注意
あいづち・うなずき・相槌といった技法は「傾聴」の代表的な技術。傾聴の目的は「一方的な聞き取り」ではなく「双方向の対話を促すこと」にあるという理解を軸に選択肢を判断する。
事例の読み取り
Aさんは、一人暮らしが長く、入所当日で戸惑っており、自分のことをあまり話さない。介護福祉職は、一方的に質問を重ねず、あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出した。問われているのは、この対応の「意図」である。
5が正しい理由
あいづち、うなずき、短い繰り返しは、傾聴の基本的な技法である。聞き手が反応を返すことで、話し手は受け止められていると感じ、さらに話しやすくなる。その結果、一方的な「聞き取り」にならず、話し手と聞き手が交互にやり取りする双方向のコミュニケーションが成り立つ。
誤りの選択肢の論点
- 1 互いの自己開示は、援助者も適度に自分のことを話して関係を築く技法である。この場面では、Aさんの発話を引き出すことが主眼で、介護福祉職が自分を語る場面ではない。
- 2 コミュニケーション能力の評価は、話す力や理解する力を確認するアセスメントである。あいづちの意図とは異なる。
- 3 感覚機能の低下への配慮は、声の大きさ、速さ、距離などの調整である。Aさんが難聴や視力低下のために反応が乏しいという記述はない。
- 4 認知機能の改善は、訓練的なかかわりの目的である。初対面の緊張をほぐす場面とは合わない。
傾聴とラポール
傾聴は、相手の話を評価せずに受け止める態度である。ロジャーズの来談者中心療法では、受容、共感的理解、自己一致が重視された。信頼関係(ラポール)の形成には、質問の仕方も関係する。「はい・いいえ」で答えられる閉じた質問(クローズドクエスチョン)だけでなく、自由に話してもらう開いた質問(オープンクエスチョン)を組み合わせ、沈黙も待つ姿勢が重要である。
関連して出題される論点
あいづち、うなずき、繰り返し、要約、言い換え、感情の反映など、それぞれの技法が何を促すかを対応させる問題がよく出る。技法名と目的をセットで覚えるとよい。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題4です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

