問題
Cさん(58 歳,男性)は,アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)がある。腕,脚,体幹の筋肉は不随意的にゆっくりと動くことが多く,手指を細かく動かすことは難しい。言葉をはっきり発音することが困難であるが,音の聞き取りはできる。 次のうち,Cさんが使用している情報・意思疎通支援用具として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題105
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは2「携帯用会話補助装置」です。
Cさんは手指を細かく動かすことが難しく、言葉をはっきり発音することも困難ですが、音を聞き取ることはできます。こうした人には、文字盤やシンボルを選んで音声に変換する「携帯用会話補助装置」が、意思を伝えるための助けになります。
たとえるなら、うまく声に出せない気持ちを、機械が代わりに声にしてくれる道具です。
👉 覚え方:発音は困難だが聞き取りはできる=携帯用会話補助装置で意思を伝える。
ほかの選択肢:1福祉電話は聴覚障害者向けの電話(文字電話等)でCさんの状態とは異なる/3人工喉頭は喉頭を摘出した人(声帯を失った人)の発声を助ける器具で、Cさんの状態(喉頭摘出ではない)とは異なる/4助聴器は聴覚障害者向けの機器でCさんは音の聞き取りができるため不要/5点字器は視覚障害者向けの機器でCさんの状態とは異なる。
なぜこれが正解か
正解は2。アテトーゼ型脳性麻痺により、不随意運動のため手指を細かく動かすことや、明瞭な発音が困難であるが、聴覚(音の聞き取り)は保たれているCさんにとって、文字やシンボルを選択して音声出力する携帯用会話補助装置は、意思疎通を支援する適切な用具である。
各選択肢の解説
- 1 福祉電話は、聴覚障害者等が文字表示や振動等を通じて電話でのやり取りを行うための用具であり、聴覚に問題のないCさんの状態には合致しない。
- 3 人工喉頭は、喉頭がん等により喉頭を摘出し声帯を失った人が、電気式の器具等を用いて発声を代替する用具であり、Cさんのように喉頭自体は機能しているが、構音(発音の動作)が困難な脳性麻痺の状態とは異なる。
- 4 助聴器(補聴器)は、聴覚に障害があり音が聞き取りにくい人の聴力を補う用具であり、Cさんは音の聞き取りができるため必要ない。
- 5 点字器は、視覚障害者が点字を書くための用具であり、Cさんの視覚機能や状況とは関係しない。
覚え方・ひっかけ注意
情報・意思疎通支援用具は、対象とする障害の種類(視覚・聴覚・発声・発音等)によって明確に区別される。「発音は困難だが聴覚は保たれている」というCさんの特性から、発声・発語を代替する携帯用会話補助装置を選ぶという対応関係を正確に理解する。
理論的背景
アテトーゼ型脳性麻痺は、脳性麻痺の病型の一つで、大脳基底核の損傷により、不随意的でゆっくりとした運動(アテトーゼ)が四肢・体幹にみられ、意図した動作をコントロールすることが困難になる。構音(発音)に関わる筋肉のコントロールも困難になりやすく、発語がしにくくなる一方、聴覚機能や知的機能自体は保たれていることが多い。こうした場合、携帯用会話補助装置(文字盤やシンボルをスイッチ操作や視線入力等で選択し、音声合成で発話を代替する機器)は、障害者総合支援法の日常生活用具給付等事業における「情報・意思疎通支援用具」の一つとして位置づけられ、手指の細かい動作が困難な人でも、大きなスイッチや視線入力等、身体機能に応じた操作方法で利用できるよう工夫されている。
試験での位置づけ
情報・意思疎通支援用具の種類と対象となる障害の対応関係は、生活支援技術領域・障害の理解領域を横断する頻出テーマ。第37回 問55(聴覚障害者への要約筆記等)、37-53(視覚障害者への白杖)とあわせて、障害の種類ごとに適切な支援用具・技術を選ぶ力を体系的に養っておくことが重要。
選択肢の発展補足
携帯用会話補助装置には、単語や文章をあらかじめ登録しておき選択するだけで発話できるタイプや、文字を一文字ずつ入力して音声合成するタイプ等があり、利用者の身体機能(操作可能な動作の範囲)や認知機能に応じて機種が選定される。
上位資格・発展
言語聴覚士・リハビリテーション工学の専門領域では、AAC(拡大代替コミュニケーション)の体系的な評価・導入プロセス(スイッチの選定、視線入力装置の調整等)がより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題105です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

