問題
Aさん(84 歳,女性,要介護3 )は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で,介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて,「はなちゃん」と呼んで話しかけている。 昼食のため,介護福祉職が居室を訪問すると,Aさんは不安そうな顔で,「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの?返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。 Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題40
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「『心配ですね,一緒に探しませんか』」です。
Aさんにとって、人形の「はなちゃん」は大切な存在です。「いなくなった、どこへ連れて行ったの」という不安な気持ちに、まず共感し、否定せずに「一緒に探しましょう」と寄り添う声かけが最も適切です。
たとえるなら、大切な物がなくなって不安な人に、「本当だね、心配だね」と気持ちに寄り添いながら一緒に探してあげるイメージです。
👉 覚え方:不安の訴えには、否定せず「一緒に」寄り添う声かけを。
ほかの選択肢:1「疑っているんですか」は責めるような返答で不適切/2「忘れたんですか」は記憶力を指摘し傷つける可能性がある/4「ご飯を食べてから」は本人の不安を後回しにする対応/5「見えないんですか」は非難するような言い方で不適切。
なぜこれが正解か
正解は3。Aさんが人形(自分にとって大切な存在)がいなくなったと不安を訴えている場面での最初の声かけとしては、その不安な気持ちに共感し、事実の指摘や説得を急がず「一緒に探しませんか」と寄り添う対応が最も適切である。
各選択肢の解説
- 1 「私を疑っているんですか」という返答は、Aさんの不安な訴えを介護職への非難と捉え、対立的な構図を作ってしまい不適切。
- 2 「置いた場所を忘れたんですか」という返答は、Aさんの記憶力の低下を直接的に指摘するものであり、自尊心を傷つける可能性があるため不適切。
- 4 「ご飯を食べてから探してはどうですか」という提案は、Aさんの今まさに強い不安を抱えている気持ちを後回しにする対応であり、最初の声かけとしては適切でない。
- 5 「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」という返答は、非難的なニュアンスを含み、Aさんを傷つける可能性が高く不適切。
覚え方・ひっかけ注意
認知症の人の訴え(物がなくなった、不安である等)への対応では、事実(実際は見つかっている)を先に指摘したり、記憶力を指摘したりする対応は、いずれも本人を傷つけ興奮を招くリスクがあるため誤答になりやすい。「まず気持ちに共感し、一緒に行動する」対応が一貫して正解になるパターンを押さえる。
理論的背景
本事例は、パーソン・センタード・ケアやバリデーションの考え方を反映した典型的な事例問題である。認知症の人が体験している「現実」(Aさんにとって、はなちゃんという人形はかけがえのない存在であり、それがいなくなったという不安は真実の感情である)を否定せず受け止め、共感的に関わることが基本原則となる。本人の記憶違いを訂正したり、事実(ロッカーの上にある)をすぐに突きつけたりする対応は、一見合理的に見えても本人の自尊心を傷つけ、かえって混乱や興奮を強める可能性がある。
試験での位置づけ
認知症の人への声かけ・対応を選ぶ事例問題は、認知症の理解領域・コミュニケーション技術領域を横断する頻出パターン。第36回 問47(Mさんの訴えの理解)ともあわせて、「本人の気持ちに共感し、否定せず、一緒に行動する」という対応原則を一貫して選べるよう練習しておくことが重要。
選択肢の発展補足
「一緒に探す」という行動を通じて、Aさんの不安が徐々に和らいだり、探す過程で自然に人形が見つかることで安心感を得られたりすることが期待される。見つかった際も「良かったですね」と共感的に伝え、なぜロッカーの上にあったのかを問い詰めるような対応は避けることが望ましい。
上位資格・発展
認知症ケアの専門領域では、こうした「本人の体験している現実を尊重する」関わり方が、ユマニチュードやパーソン・センタード・ケアといった国際的なケア理念の共通基盤として位置づけられており、認知症介護実践者研修・実践リーダー研修等でより体系的に学ばれる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題40です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

