問題
Aさん(76 歳,女性)は,パーキンソン病(Parkinson disease)と診断され,日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は,車いすやベッド上で全介助である。最近,食事に時間がかかって嫌がるようになり,かすれ声が目立つようになった。 次のうち,現在のAさんに対して介護福祉職が留意すべきこととして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題54
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「誤嚥」です。
Aさんは食事に時間がかかるようになり、声もかすれてきています。これは、飲み込む機能(嚥下機能)が低下してきているサインであり、食べ物が誤って気管に入ってしまう「誤嚥」のリスクが高まっていることを示しています。
たとえるなら、飲み込むタイミングがずれやすくなっているため、食べ物が「間違った道」に入りやすくなっている状態です。
👉 覚え方:食事に時間がかかる+かすれ声=嚥下機能低下=誤嚥に注意。
ほかの選択肢:1安静時振戦・2筋固縮・3仮面様顔貌は、パーキンソン病の基本的な運動症状ではあるが、今回新たに現れた「食事に時間がかかる」「かすれ声」という情報から特に留意すべきは誤嚥のリスク/5便秘もパーキンソン病でみられる非運動症状だが、今回の情報からより直接的に示唆されるのは誤嚥。
なぜこれが正解か
正解は4。パーキンソン病が進行し、食事に時間がかかるようになったことや、かすれ声(嗄声)が目立つようになったことは、嚥下・構音に関わる筋肉の機能低下(球症状に類似した症状)を示唆しており、これは誤嚥のリスクが高まっていることを意味するため、介護福祉職が特に留意すべき点として最も適切である。
各選択肢の解説
- 1 安静時振戦(じっとしているときに手足が震える症状)は、パーキンソン病の基本的な運動症状の一つだが、本事例で新たに強調されている「食事に時間がかかる」「かすれ声」という変化と直接結びつく留意点としては誤嚥の方がより適切。
- 2 筋固縮(筋肉のこわばり)もパーキンソン病の基本症状だが、同様に今回の状況変化から特に留意すべき点としては誤嚥が優先される。
- 3 仮面様顔貌(表情が乏しくなる症状)もパーキンソン病でみられる症状だが、今回の情報(食事・発声の変化)との直接的な関連は誤嚥ほど強くない。
- 5 便秘はパーキンソン病に伴う自律神経症状(非運動症状)としてよくみられるが、今回の事例文の情報からより直接的に示唆される最優先の留意点は誤嚥である。
覚え方・ひっかけ注意
パーキンソン病の基本症状(振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害の4大症状、仮面様顔貌等)は基礎知識として押さえつつ、事例文で強調されている「新たな変化」(食事時間の延長、嗄声)から何を推論すべきかを的確に読み取ることが本問の核心。
理論的背景
パーキンソン病が進行すると、四肢の運動症状(振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害)に加え、嚥下・構音に関わる筋肉(口唇、舌、咽頭、喉頭の筋群)の動きも障害され、嚥下障害(食事に時間がかかる、むせる)や構音障害(声が小さくなる、かすれる、単調になる)が現れる。嚥下反射のタイミングの遅延や、喉頭挙上・喉頭蓋の閉鎖が不十分になることにより、誤嚥・誤嚥性肺炎のリスクが高まる。パーキンソン病患者の死因として誤嚥性肺炎が上位を占めることも知られており、嚥下機能の評価とケアの工夫(食形態の調整、姿勢の工夫、口腔ケア)が重要な支援となる。
試験での位置づけ
パーキンソン病の症状の進行(運動症状から嚥下・構音障害への波及)は障害の理解領域・こころとからだのしくみ領域を横断する頻出テーマ。第36回 問42(レビー小体型認知症の歩行障害=パーキンソニズム)ともあわせて、パーキンソン病・パーキンソニズムの症状全体像を体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
パーキンソン病の嚥下障害への対応としては、とろみ付けによる誤嚥予防、一口量の調整、食事時の姿勢(顎を引いた姿勢)の工夫、嚥下体操等が実践される。声の変化(嗄声)は、言語聴覚士による発声訓練の対象にもなり、コミュニケーション支援の視点からも重要である。
上位資格・発展
神経内科学・リハビリテーション医学の分野では、パーキンソン病の重症度分類(ホーン・ヤール重症度分類)や、嚥下造影検査(VF)による評価、薬物療法(L-ドパ製剤等)のオン・オフ現象(薬効の変動)に応じたケアのタイミングの工夫がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、嚥下機能の変化に早期に気づき、食事介助・口腔ケアの工夫と多職種連携につなげる視点が重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題54です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

