介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題8介護の基本

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・介護の基本

Aさん(91 歳,女性,要支援2 )は,長年診療所の医師として地域医療に貢献してきた。婚姻歴はなく,診療所敷地内の自宅で3 匹の猫と暮らしている。85歳で医師を引退した後も,近隣にはAさんを慕う地域住民が多く,定期的に,「先生,元気にしてますか」とAさんの自宅を訪ねている。 Aさんは昨年から歩行の不安を訴え,現在は地域住民の見守りのほか,訪問型サービスを週2 回利用している。人の世話になることに慣れていない様子もあるが,最期まで自宅で暮らすことを望んでいる。 次の記述のうち,Aさんの生活史を尊重した訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題8

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは2「『近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう』」です。

Aさんは長年、地域医療に尽くし、多くの住民から慕われてきました。今も地域の人たちがAさんを気にかけて訪ねてくるという、その「地域とのつながり」を活かして、これからも住み慣れた場所で暮らしていけるように一緒に考えることが、Aさんの生きてきた歴史を尊重した声かけです。

たとえるなら、これまで築いてきた地域とのつながりを大切にしながら、これからの生活を一緒に考えていく姿勢です。

👉 覚え方:生活史の尊重=これまで築いてきた地域との関係性を活かす声かけ。

ほかの選択肢:1猫を地域の人に預けるよう提案するのはAさんの意思を確認せず一方的すぎる/3「介護を受けることに慣れてください」は本人の戸惑いに寄り添わない突き放した言い方/4「医師であったことは忘れて」は本人のアイデンティティ・誇りを否定する発言/5不安があるはずだと決めつけて伝えるのは本人の意思や気持ちを尊重していない。

なぜこれが正解か

正解は2。地域医療に長年貢献し、多くの住民に慕われてきたAさんの生活史・人間関係を踏まえると、その築き上げてきた地域とのつながり(近隣住民の見守り)を活かしながら、住み慣れた自宅での生活を継続していく方向性を一緒に考える声かけが、Aさんの人生を尊重した対応として最も適切である。

各選択肢の解説

  • 1 猫を地域の人に預けるという提案は、Aさんの意思を確認せず、本人にとって大切な存在(猫)を一方的に取り上げるような発言であり、適切でない。
  • 3 「介護を受けることに慣れてください」という言い方は、人の世話になることに慣れていないAさんの戸惑いに寄り添わず、一方的に適応を求める突き放した対応である。
  • 4 「医師であったことは忘れて」という発言は、Aさんが長年培ってきた専門性・社会的な誇り(アイデンティティ)を否定するものであり、生活史を尊重する姿勢とは正反対である。
  • 5 「不安がありますよね」と一方的に決めつけて伝えることは、Aさん自身がどう感じているかを確認しないままの発言であり、本人の意思や心情を尊重した対応とは言えない。

覚え方・ひっかけ注意

利用者の生活史(職業、人間関係、誇り、大切にしてきたもの)を尊重する声かけを選ぶ設問では、「本人のこれまでの人生・関係性を否定・軽視する」選択肢(忘れる、預ける、慣れる、決めつける)は誤答になりやすい。「これまでの強み・つながりを活かして一緒に考える」姿勢が正解の軸。

理論的背景

本事例は、地域包括ケアシステムの理念(自助・互助・共助・公助の組み合わせ、第38回 問15)と、パーソン・センタード・ケア(本人の生活史・人間関係を尊重するケア)が交差する事例として理解できる。Aさんの場合、婚姻歴がなく家族による支援が期待しにくい一方、長年の地域医療への貢献を通じて築いた地域住民との強い信頼関係(互助)が存在しており、これはフォーマルなサービス(訪問型サービス等の共助)だけでは代替できない貴重な社会資源である。生活史を尊重した支援とは、単に過去の職業を懐かしむことではなく、その人がこれまで築いてきた関係性・強みを、これからの生活を支える資源として積極的に位置づけ直すことを意味する。

試験での位置づけ

生活史を尊重した声かけ・対応は、介護の基本領域・人間の尊厳と自立領域を横断する頻出テーマ。第36回 問67(生活習慣は生活環境から理解する)、37-70(外国出身者の文化的背景の尊重)とあわせて、利用者一人ひとりの人生の物語(ライフストーリー)を尊重する視点を体系的に身につけておくことが重要。

選択肢の発展補足

「人の世話になることに慣れていない」というAさんの様子は、長年、支援する側(医師)として生きてきた人が、支援を受ける側に回ることへの心理的な抵抗・葛藤を示唆している。こうした心理への配慮も、生活史を踏まえた関わりの重要な一側面であり、本人のペースを尊重しながら徐々に支援を受け入れられるよう、地域とのつながりを軸にした関わりが有効とされる。

上位資格・発展

地域包括ケアシステムの実践においては、こうした「地域の力(互助)」を専門職がどう発見し、フォーマルなサービスと組み合わせてコーディネートするかが重要な視点となる。生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)等の役割とも関連し、社会福祉士・介護支援専門員の実務でより体系的に扱われるテーマである。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題8。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題8です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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