精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題14|精神保健の課題と支援

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健の課題と支援

勤労者の過労自殺に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題14(精神保健の課題と支援)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1

過労死等防止対策推進法は、過労死等の防止のための対策を進めるための法律で、第7条で「政府は、…過労死等の防止のための対策に関する大綱…を定めなければならない」と定めています。大綱は厚生労働大臣が案を作り、閣議で決定されます。

ほかの選択肢は誤りです。2018年の労働基準法改正で定められた時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間、月100時間未満などです。「月90時間」ではありません。また、過労自殺を「過労死等」として定義しているのは労働安全衛生法ではなく過労死等防止対策推進法です。

なぜ正解か

正解は 1。過労死等防止対策推進法第7条第1項は「政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱…を定めなければならない」と定めている。大綱の案は厚生労働大臣が作成して閣議の決定を求め(第2項)、関係行政機関の長との協議と過労死等防止対策推進協議会の意見の聴取を経る(第3項)。

ほかの選択肢

  • 2:2018年(平成30年)の改正後の労働基準法第36条では、時間外労働の限度時間は月45時間・年360時間。臨時的な特別の事情がある場合でも、年720時間以内、休日労働を含め月100時間未満などの上限が設けられた。月90時間ではない。
  • 3:EAP(従業員支援プログラム)は、企業が外部の専門機関などと契約し、従業員の心理的な問題や生活上の困りごとについて専門家が相談・支援を行うしくみ。管理監督者が行う健康相談ではない。
  • 4:自殺未遂者への支援は、再度の自殺企図を防ぐための介入(インターベンション・再企図防止)にあたる。ポストベンションは、自殺が起きた後に遺された人々へ行う支援。
  • 5:業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺を「過労死等」と定義しているのは、過労死等防止対策推進法第2条であり、労働安全衛生法ではない。

正解の根拠と位置づけ

正解は 1。過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)は、過労死等が本人や遺族・家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、調査研究等を定めて過労死等の防止のための対策を推進し、過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的とする(第1条)。

第2条は「過労死等」を、①業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡、②業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、③これらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害、と定義する。死亡に至らない疾患そのものも含む点が要注意である。そのうえで、政府に大綱の策定(第7条)を義務づけ、大綱を定めたときは遅滞なく国会に報告し公表すること(同条第4項)、変更についても同様とすること(同条第5項)を定めている。

誤りの肢の掘り下げ

  • 2 時間外労働の上限:働き方改革関連法による労働基準法改正で、36協定の限度時間(月45時間・年360時間、第36条第4項)が法律に明記され、臨時的に限度時間を超える場合でも、年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計で月100時間未満かつ2〜6か月平均80時間以内とし、月45時間を超えられるのは年6か月以内とされた(同条第5項・第6項)。違反には罰則がある。「月90時間」という数字は条文にない。
  • 3 EAP:Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略で、カウンセリング等を提供するメンタルヘルス支援サービス。事業場外資源によるケアの一つとして位置づけられ、労働者が相談内容を事業場に知られたくない場合にも利用しやすい。管理監督者が行う「ラインによるケア」とは区別する。
  • 4 自殺対策の3段階:自殺の危険を生じさせないための事前の取組(プリベンション)、危機への介入(インターベンション)、自殺が起きた後の遺族や関係者への支援(ポストベンション)。未遂者への支援は再企図防止としてインターベンションに位置づけられる。
  • 5 労働安全衛生法:事業者に労働者の安全と健康の確保を義務づける法律で、ストレスチェック制度や長時間労働者への医師による面接指導を定めるが、過労死等の定義規定は置いていない。

関連して出る論点

  • 労災認定:精神障害の労災認定は「心理的負荷による精神障害の認定基準」に基づき、業務による強い心理的負荷が認められるかで判断される。
  • ストレスチェック制度:労働安全衛生法に基づき、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査と、その結果に基づく医師による面接指導を行うしくみ。所定の研修を修了した精神保健福祉士は、医師・保健師などと並んで検査の実施者となることができる(労働安全衛生規則第52条の10)。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題14(精神保健の課題と支援)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。