問題
災害時の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題15(精神保健の課題と支援)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)は、世界保健機関(WHO)などが示した、災害や事件などの重大な危機的出来事にあったばかりで苦しんでいる人に対して行う、人道的、支持的、かつ実際的な支援です。専門家でなくても行える支援で、「見る・聞く・つなぐ」が基本の行動とされています。
ほかの選択肢は誤りです。デブリーフィングは体験を語り合う心理的な介入で避難訓練ではありません。急性ストレス障害は出来事の直後から1か月以内の症状です。DPATは災害派遣精神医療チームで、情報センターではありません。トリアージは治療の優先順位を決めることで、精神療法ではありません。
なぜ正解か
正解は 4。PFAは、深刻な危機的出来事に見舞われたばかりの人に対して行う、人道的、支持的、かつ実際的な支援である。押し付けずに実際的な支援やケアを提供し、ニーズや心配事を確認し、生きていくうえでの基本的ニーズ(食料・水・情報など)を満たす手助けをし、話を聞き、安心させ、情報やサービス・社会的支援につなぎ、さらなる危害から守ることなどを内容とする。
ほかの選択肢
- 1:デブリーフィングは、災害などの直後に体験や感情を集団で詳しく語らせる心理的介入を指す。避難訓練ではない。また、出来事直後に一律に語らせる手法は、効果が確認されず、かえって症状を悪化させうるとして推奨されていない。
- 2:急性ストレス障害(ASD)は、出来事の後、症状が3日から1か月の間に生じるもの。1か月を超えて続く場合は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断が検討される。
- 3:DPAT(災害派遣精神医療チーム)は、災害時に被災地へ派遣され、精神科医療の提供や精神保健活動の支援を行う専門的なチーム。情報センターではない。
- 5:トリアージは、多数の傷病者が出たときに、緊急度や重症度で治療・搬送の優先順位を決めること。精神療法ではない。
正解の根拠と位置づけ
正解は 4。PFAは、深刻な危機的出来事に見舞われた人に対する、人道的、支持的、かつ実際的な支援であり、WHOなどの指針が災害直後の心理的支援の基本として示している。WHOなどの指針は、PFAを専門的なカウンセリングとは異なるものとし、話すことを無理強いしない、出来事の詳細を聞き出さない、相手の文化や尊厳を尊重するといった原則を示している。行動原則は「見る(Look)」(安全の確認、急を要する基本的ニーズのある人の確認、深刻なストレス反応を示す人の確認)、「聞く(Listen)」(支援が必要な人に寄り添い、ニーズや心配事を尋ね、話に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる)、「つなぐ(Link)」(基本的ニーズを満たし、サービスを受けられるよう手助けし、情報を提供し、大切な人や社会的支援につなぐ)として整理される。保健医療の専門職だけでなく、行政職員やボランティアも行えるよう設計されている点が特徴である。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 デブリーフィング:危機的出来事の直後に、出来事の事実・考え・感情を順に語らせる構造化された集団介入(心理的デブリーフィング)として広まったが、PTSDの予防効果は示されず、一律の実施は避けるべきとされるようになった。PFAが標準となった背景でもある。
- 2 ASDとPTSD:DSM-5-TRでは、ASDは心的外傷的出来事の後3日〜1か月の間に侵入症状・陰性気分・解離症状・回避症状・覚醒症状のうち一定数がみられるもの。PTSDは同様の症状が1か月を超えて持続するもの。PTSDは出来事から相当の期間を経て症状がそろう「遅延顕症型」もある。
- 3 DPAT:都道府県によって組織され、被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する災害派遣精神医療チームで、精神科医師・看護師・業務調整員を含む数名で構成される。厚生労働省の委託を受けた事務局が研修や派遣調整を支援する。被災した精神科病院の患者搬送の支援や、避難所での精神保健活動を担う。DMAT(災害派遣医療チーム)とは役割が異なる。
- 5 トリアージ:身体医療の概念で、精神保健の領域でも支援の優先度を判断する意味で応用されるが、それ自体は治療ではない。
関連して出る論点
- 災害時のこころのケアは、時間の経過とともに、急性期(安全の確保・PFA)、中長期(保健師などによる訪問、こころのケアセンター)と担い手が変わる。
- 被災者の反応の多くは「異常な事態に対する正常な反応」であり、時間とともに軽くなることが多い。症状が長引く人を見逃さず専門的支援につなぐことが求められる。
- 支援者自身のストレス(二次的外傷性ストレス、燃え尽き)への配慮も、PFAの指針に含まれる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題15(精神保健の課題と支援)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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