精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題17|精神保健の課題と支援

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健の課題と支援

次のうち,薬物を社会規範から逸脱した目的や方法で自己摂取することを指す概念として,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題17(精神保健の課題と支援)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4

乱用とは、薬物を、社会のルールや本来の目的から外れた方法や目的で使うことをいいます。例えば、医薬品を治療以外の目的で使ったり、決められた量を超えて使ったりすること、覚醒剤や大麻のように使うこと自体が法律で禁止されている薬物を使うことは、1回だけであっても乱用にあたります。

ほかの選択肢は、乱用を繰り返した結果として起こる状態です。依存はやめたくてもやめられない状態、離脱はやめたときに出る症状、中毒は薬物によって体や心に害が出ている状態、耐性は同じ量では効かなくなり量が増えていく状態をいいます。

なぜ正解か

正解は 4。乱用(abuse)は、社会規範から逸脱した目的や方法で薬物を自己摂取することを指す。医薬品を治療目的以外で使う、用法・用量を守らずに使う、法律で使用が禁止されている薬物を使うといった行為が該当し、1回の使用でも乱用となる。乱用は「行為」を表す概念であり、その結果として生じる「状態」(依存・中毒など)と区別される。

ほかの選択肢

  • 1:依存は、乱用を繰り返した結果、薬物の使用をコントロールできなくなった状態。強い渇望を伴う精神依存と、離脱症状が出る身体依存がある。
  • 2:離脱は、依存している薬物を中止・減量したときに生じる不快な心身の症状(離脱症状)を指す。
  • 3:中毒は、薬物の作用によって心身に有害な影響が生じた状態。1回の大量使用による急性中毒と、繰り返しの使用による慢性中毒がある。
  • 5:耐性は、薬物を繰り返し使ううちに効果が弱まり、同じ効果を得るために量を増やす必要が生じる状態。

正解の根拠と位置づけ

正解は 4。薬物問題は「乱用→依存→中毒」という流れで整理される。乱用は社会のルールに反する使い方という行為の評価であり、医学的な診断名ではない。乱用を繰り返すと、脳の報酬系が変化して使用を自分でコントロールできない依存が形成される。依存が形成されると、渇望から再び乱用し、さらに依存が強まるという悪循環が生じる。乱用や依存の過程では、急性中毒(急性アルコール中毒、覚醒剤による興奮など)や慢性中毒(幻覚・妄想などの精神病性障害)が起こる。

この整理は、支援の目標を考える上でも重要である。乱用の段階では「使わない」ことを支える予防教育が中心となるが、依存に至った人には、意志の弱さを責めるのではなく、治療と回復支援につなぐことが必要になる。

誤りの肢の掘り下げ

  • 1 依存:WHOは依存を、薬物の使用を他の行動より優先するようになり、使用のコントロールが困難になった状態として捉えている。DSM-5-TRでは「乱用」と「依存」の区別をやめ、「物質使用障害」として重症度で評価する枠組みになっている点も押さえておく。
  • 2 離脱:アルコールの離脱では手のふるえ、発汗、不眠、重い場合は振戦せん妄が生じうる。離脱症状を避けるために再び使用することが、依存を強める要因になる。
  • 3 中毒:急性中毒は1回の使用でも起こりうる。依存がなくても中毒は起こるため、「中毒=依存」ではない。日常語で依存症を「〜中毒」と呼ぶことがあるが、医学用語としては区別する。
  • 5 耐性:耐性の形成は使用量の増加につながり、急性中毒の危険を高める。耐性と身体依存は、繰り返しの使用による体の適応という点で共通する。

関連して出る論点

  • 薬物の種類と特徴:中枢神経抑制作用をもつもの(アルコール、睡眠薬・抗不安薬、オピオイドなど)と、興奮作用をもつもの(覚醒剤、コカインなど)、幻覚作用をもつものに分けて、それぞれの依存・耐性・離脱の特徴を整理する。
  • 市販薬・処方薬の乱用:違法薬物だけでなく、せき止め薬などの市販薬や処方薬の不適切な使用も乱用にあたる。若年者の市販薬の過量服薬は近年の重要な課題である。
  • 支援の考え方:使用をやめることだけを求めるのではなく、使用に伴う害を減らすことを重視するハームリダクションの考え方も、国際的に広がっている。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題17(精神保健の課題と支援)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題17(精神保健の課題と支援)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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