精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題16|精神保健の課題と支援

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健の課題と支援

N市では,保健指導としてアルコール関連問題のスクリーニング調査と簡易的な面接指導を行う計画を立てている。 次のうち,上記計画で使用するスクリーニングテストとして,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題16(精神保健の課題と支援)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1

AUDIT(オーディット)は、世界保健機関(WHO)が作成した、アルコール使用障害を見つけるためのスクリーニングテストです。飲酒の頻度や量、飲酒をコントロールできないこと、飲酒による問題などについての10の質問に答えてもらい、点数で危険の程度を判定します。点数に応じて、減酒のための簡単な助言や面接(ブリーフインターベンション)につなげることができるため、N市の計画にぴったり合っています。

ほかの選択肢は、GHQが一般的な精神的健康の状態、SDS・CES-D・BDIが抑うつの程度を測る検査で、アルコール問題のスクリーニング用ではありません。

なぜ正解か

正解は 1。AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)は、WHOが中心となって開発したアルコール使用障害のスクリーニングテストで、10項目から成る。飲酒の頻度と量(危険な飲酒)、依存の症状(飲酒をやめられない、朝の迎え酒など)、飲酒による有害な影響(けが、周囲からの心配など)を評価し、合計点で危険の程度を区分する。点数に応じて減酒の助言や簡易介入(ブリーフインターベンション)、専門医療への紹介につなげやすく、保健指導の場で広く用いられている。

ほかの選択肢

  • 2:GHQ(精神健康調査票)は、一般の人の精神的な健康状態(不安、抑うつ、社会的活動の障害など)を幅広く把握するための質問紙。アルコール問題に特化していない。
  • 3:SDS(自己評価式抑うつ尺度)は、ツァンが開発した、抑うつの程度を本人が評価する20項目の尺度。
  • 4:CES-D(うつ病自己評価尺度)は、一般の人の抑うつ症状を把握するための20項目の尺度。
  • 5:BDI(ベック抑うつ質問票)は、ベックが開発した抑うつの重症度を評価する自己記入式の質問票。

正解の根拠と位置づけ

正解は 1。N市の計画は「スクリーニング調査」と「簡易的な面接指導」をセットにしており、これはスクリーニングでリスクのある人を見つけ、短時間の面接で飲酒行動の変化を促す簡易介入(ブリーフインターベンション)の典型的な流れである。AUDITは、依存症の段階に至っていない「危険な飲酒」「有害な飲酒」の段階から把握できるため、早期の介入に適している。

ブリーフインターベンションは、対象者の飲酒状況を評価して結果を返し、飲酒が健康に与える影響を伝え、本人と一緒に減酒の目標を立て、飲酒日記などで行動を振り返る、という短時間の面接を数回行うもの。本人の動機を引き出す面接の技法が用いられる。

誤りの肢の掘り下げ

  • 2 GHQ:ゴールドバーグが開発した。項目数の異なる版(60項目、30項目、28項目、12項目など)があり、地域や職場での精神的健康度の調査に用いられる。特定の疾患を診断するものではない。
  • 3 SDS と 4 CES-D:いずれも20項目の抑うつの自己評価尺度。CES-Dは一般の人の調査(疫学調査)向けに作られた点が特徴。
  • 5 BDI:認知療法の創始者として知られるベックが開発した。現在は改訂版が用いられ、抑うつの重症度の評価に使われる。

関連して出る論点

  • ほかのアルコール関連のスクリーニングテスト:CAGE(4項目で、減酒の必要性の自覚、周囲からの批判への苛立ち、飲酒への罪悪感、朝の迎え酒を尋ねる)、KAST(久里浜式アルコール症スクリーニングテスト)などがある。AUDITは危険な飲酒の段階から、CAGEは主に依存の可能性を拾うという違いで整理するとよい。
  • アルコール健康障害対策基本法:アルコール健康障害の発生・進行・再発の防止を図り、支援を充実させるための法律で、アルコール健康障害対策推進基本計画に基づき、相談拠点や専門医療機関の整備が進められている。
  • 抑うつ評価尺度の区別:自己記入式(SDS、CES-D、BDI)と、面接者が評価するもの(ハミルトンうつ病評価尺度など)を区別しておく。
  • 依存の段階に至った人には、断酒を目標とした専門治療、自助グループ(断酒会、AA)などの社会資源につなぐことが求められる。スクリーニングの結果を受けた「次の一手」まで問われることが多い。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題16(精神保健の課題と支援)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。