精神保健福祉士

精神保健福祉士 第27回 問題28|ソーシャルワークの理論と方法(専門)

問題

精神保健福祉士 | 第27回(令和6年度) | 令和7年2月1日(土)・2日(日)実施・ソーシャルワークの理論と方法(専門)

地域活動支援センターで精神保健福祉士の実習を行っている学生Aさんは,利用者Bさんとの関係形成を進めている。Bさんから「友人ができなくて寂しい」と聞き,自分もそのような経験があって悩んだことを自己開示した。その日の実習を終え,帰り支度をしていると,Bさんから声を掛けられ「私と似たような経験をしているAさんなら,私のことを分かってくれる。友達になってほしい」と言われた。 AさんはBさんから信頼されているのだと思い「実習中ならいいですよ」と答えた。 次の日,Bさんから「今日から友達ね」と声を掛けられた。Aさんは昨日の対応で良かったのか心配になり,実習指導者のC精神保健福祉士に相談すると「専門的援助関係について,改めて考えていきましょう」と指導を受けた。 次のうち,C精神保健福祉士がAさんに指導した内容として,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題28(ソーシャルワークの理論と方法(専門))

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
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自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3

実習生のAさんは、利用者のBさんに自分の経験を話し、さらに「実習中ならいいですよ」と友達になることを受け入れました。しかしBさんは「今日から友達ね」と、援助関係を友人関係として受け取っています。

実習指導者のC精神保健福祉士が「専門的援助関係を改めて考えましょう」と言ったのは、支援する人と支援される人の間に、友人関係とは別の境界(バウンダリー)を保つ必要があるからです。境界が曖昧になると、利用者を傷つけたり、援助が続けられなくなったりします。

だから、指導内容はバウンダリーです。

なぜ正解か

正解は 3。Aさんは自己開示をしたうえで、「友達になってほしい」という求めに「実習中ならいいですよ」と応じ、Bさんは翌日「今日から友達ね」と受け取った。専門的な援助関係は、友人関係とは目的も責任の所在も異なる関係であり、その境界(バウンダリー)を保つことが、利用者の利益を守る土台になる。C精神保健福祉士の指導は、この境界について考えさせるものである。

ほかの選択肢

  • 1:パターナリズムは、援助者が本人の意思に関わりなく、本人のためと考えて決定すること。ここでの論点ではない。
  • 2:非審判的態度は、援助者の価値観で利用者を善悪や正誤で裁かない姿勢。Aさんの対応は裁いたことが問題ではない。
  • 4:ナチュラルサポートは、家族・友人・近隣など、公的な制度以外の自然な支えを指す。専門職が友人になることとは違う。
  • 5:役割拘束は、与えられた役割に縛られる状態を指す言葉で、専門職と利用者の関係の境界を問う本問の論点とは合わない。

正解の根拠と位置づけ

正解は 3。ソーシャルワークにおける援助関係は、利用者の福祉の増進という目的のために結ばれる、意図的で専門的な関係である。バイスティックの原則の一つ「意図的な感情表出」や「自己決定」と並び、援助者の「統制された情緒的関与」が求められるのも、この関係を友人関係から区別するためである。自己開示は、共感を伝えたり関係を築いたりするために有効なこともあるが、援助の目的に沿い、必要な程度にとどめ、利用者の利益になるときに限る。

事例で問題となる点は二つある。第一に、Aさんが自分の経験を話した結果、Bさんが「似た経験をしているから分かってくれる」と、関係を友人に近いものとして捉え始めたこと。第二に、「実習中ならいいですよ」という条件付きの返事が、利用者には「友達になった」と伝わったこと。実習生は、期限のある関係であることを含め、境界について実習指導者と事前に確認しておく必要がある。

誤りの肢の掘り下げ

  • パターナリズム:援助者が「本人のため」として本人の意思より自分の判断を優先すること。Aさんは利用者の希望を受け入れすぎた側であり、方向が逆である。
  • 非審判的態度:利用者の言動を援助者の価値観で評価・非難しないこと。友達になることを断る場合も、非審判的な態度で、理由を丁寧に伝えられる。
  • ナチュラルサポート:利用者が友人を求める気持ちは大切で、地域の友人や仲間という自然な支えにつなぐ支援は望ましい。ただしそれは、専門職自身が友人になることとは別である。
  • 役割拘束:役割の枠に縛られる状態を指す語で、専門職が境界を保つ考え方を表す言葉としては、バウンダリーが適切である。

関連して出る論点

二重関係(専門職の関係と私的な関係の併存)の回避、自己開示の使い方、実習生の立場と実習指導者・実習先との関係、利用者から贈り物や連絡先交換を求められたときの対応(断り方の工夫と記録・相談)などが問われる。

実習生の場合は、利用者との関係が実習期間に限られるため、期間終了後の関係の扱いを事前に実習指導者と確認し、利用者にも専門的な関係であることを分かりやすく伝えておく必要がある。断るときは、「友達にはなれないが、あなたの話は大切に聴きます」のように、関係の性質を説明しつつ、相手の気持ちを否定しない伝え方が望ましい。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題28(ソーシャルワークの理論と方法(専門))。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
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出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題28(ソーシャルワークの理論と方法(専門))です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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