問題
WHO(世界保健機関)のメンタルヘルス・ギャップ・アクション・プログラム(mhGAP)に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題18(現代の精神保健の課題と支援)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
mhGAP(メンタルヘルス・ギャップ・アクション・プログラム)は、WHOのプログラムで、特に低・中所得国で、精神・神経・物質使用の障害に対する支援を広げることを目的としています。名前の「ギャップ」は、治療が必要なのに受けられていない人が多いという格差を指し、国家間の格差を縮めることをねらいとしています。
mhGAPは行動計画ではなくプログラムで、WHOの行動計画としては2013年に採択された包括的メンタルヘルス・アクションプランがあります。損失生存年数と障害生存年数を合計した指標はDALY(障害調整生存年)です。
正解は 5
WHOによれば、mhGAPは精神・神経・物質使用の障害に対するサービスを、特に低・中所得国で拡大することを目的としています。多くの低所得国では治療が必要な人の大部分が治療を受けられておらず、この治療の格差(ギャップ)を埋めることがねらいです。
- 1 誤り。mhGAPは行動計画ではなく、治療の格差を埋めるためのプログラムです。WHOの精神保健の行動計画としては、2013年の世界保健総会で採択された「包括的メンタルヘルス・アクションプラン」があります。
- 2 誤り。早死によって失われた年数(損失生存年数)と障害を抱えて過ごす年数(障害生存年数)を合計した健康指標は、DALY(障害調整生存年)です。
- 3 誤り。mhGAPはSDGs(2015年採択)より前に始まったプログラムで、SDGsの採択に基づいて作られたものではありません。
- 4 誤り。世界各国の精神保健資源に関する基礎データをまとめた報告書は、WHOの「メンタルヘルス・アトラス」です。
- 5 正しい。治療を受けられる人の割合の国家間の格差を縮小することを目的としています。
WHO関連の用語は「何のための・どんな種類の文書か(計画・指標・プログラム・報告書)」で区別すると覚えやすくなります。
正解は 5
mhGAPの内容
WHOの説明では、mhGAPは、精神・神経・物質使用の障害に対するサービスを、特に低・中所得国で拡大することを目指すプログラムです。精神・神経・物質使用の障害は世界の疾病負担の14%を占める一方、多くの低所得国では影響を受けている人の75%が必要な治療を受けられていない、とWHOは指摘しています。この治療の格差を縮めるため、専門医が少ない地域でも、一般の医療従事者がうつ病、精神病、てんかん、自殺・自傷、物質使用などの優先的な状態に対応できるよう、科学的根拠に基づく介入の指針が作られました(ガイドラインは2009年に出され、2015年に改訂)。プライマリケアの担い手が使う実践的な手引き(介入ガイド)も整備されています。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 mhGAPはプログラムであり、行動計画ではありません。WHOの包括的メンタルヘルス・アクションプランは2013年5月の第66回世界保健総会で採択され、2019年に2030年まで延長されました。効果的なリーダーシップとガバナンス、地域に根ざした包括的なサービス、予防と促進の戦略、情報システム・エビデンス・研究の強化の4つを目標にしています。
- 2 DALYは、早死による損失生存年数(YLL)と障害生存年数(YLD)の合計で、病気の負担を一つの数値で比べる指標です。精神疾患は死亡より障害による負担が大きいため、DALYで見ると負担の大きさが明らかになる、という文脈で問われます。
- 3 SDGsは2015年に国連で採択された目標で、保健分野の目標の中に精神保健と福祉の促進が含まれています。mhGAPはそれより前に始まっています。
- 4 メンタルヘルス・アトラスは、各国の精神保健の政策・財源・人材・サービスなどの資源をまとめたWHOの報告書で、国ごとの差を把握する基礎資料です。
関連論点
- 治療の格差(トリートメント・ギャップ)は、mhGAPの名称の由来でもある中心的な概念です。
- 日本の施策との関係では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのように、専門医療だけに頼らず地域の多様な担い手で支えるという方向が共通しています。
WHOの文書は、行動計画、指標、プログラム、報告書のどれに当たるかを整理して覚えるのが確実です。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題18(現代の精神保健の課題と支援)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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