社会福祉士国家試験の合格率を第1回から第38回(60.7%)まで、センターと厚生労働省の公表資料で整理。新卒・既卒別とルート別の合格率、合格基準点の変化、出題形式の変化から、難易度を数字で読む方法をまとめました。
目次
結論:社会福祉士国家試験の合格率は、直近の第38回(令和8年2月1日実施)で60.7%(受験者25,430人・合格者15,438人)です。第1回〜第34回は17.4%〜31.4%の範囲でしたが、第35回(44.2%)以降は4回続けて40%を超えています。ただし合格基準点も回ごとに変わっているため、合格率だけで「易しくなった」とは言えません。
まず、直近5回の数字です。
| 回 | 実施日 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第34回 | - | 34,563人 | 10,742人 | 31.1% |
| 第35回 | - | 36,974人 | 16,338人 | 44.2% |
| 第36回 | 令和6年2月4日 | 34,539人 | 20,050人 | 58.1% |
| 第37回 | 令和7年2月2日 | 27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
| 第38回 | 令和8年2月1日 | 25,430人 | 15,438人 | 60.7% |
出典:社会福祉振興・試験センター 第38回 合格発表について(PDF)(第34〜38回の数字)、同 第36回・第37回(実施日)。
社会福祉士国家試験 第38回の合格率:60.7%(受験者25,430人・合格者15,438人)。最終確認日:2026-10-05。出典:社会福祉振興・試験センター 第38回社会福祉士国家試験の合格発表について。
第1回〜第38回の合格率の推移(全回の表)
第1回から第38回までの受験者数・合格者数・合格率を並べます。第1〜37回は厚生労働省の資料、第38回はセンターの合格発表資料の数字です。この資料には実施年が載っていないため、実施日は第36〜38回だけ上の表に書いています。
| 回 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1,033人 | 180人 | 17.4% |
| 第2回 | 1,617人 | 378人 | 23.4% |
| 第3回 | 2,565人 | 528人 | 20.6% |
| 第4回 | 3,309人 | 874人 | 26.4% |
| 第5回 | 3,886人 | 924人 | 23.8% |
| 第6回 | 4,698人 | 1,049人 | 22.3% |
| 第7回 | 5,887人 | 1,560人 | 26.5% |
| 第8回 | 7,633人 | 2,291人 | 30.0% |
| 第9回 | 9,649人 | 2,832人 | 29.4% |
| 第10回 | 12,535人 | 3,460人 | 27.6% |
| 第11回 | 16,206人 | 4,774人 | 29.5% |
| 第12回 | 19,812人 | 5,749人 | 29.0% |
| 第13回 | 22,962人 | 6,074人 | 26.5% |
| 第14回 | 28,329人 | 8,343人 | 29.5% |
| 第15回 | 33,452人 | 10,501人 | 31.4% |
| 第16回 | 37,657人 | 10,733人 | 28.5% |
| 第17回 | 41,044人 | 12,241人 | 29.8% |
| 第18回 | 43,701人 | 12,222人 | 28.0% |
| 第19回 | 45,022人 | 12,345人 | 27.4% |
| 第20回 | 45,324人 | 13,865人 | 30.6% |
| 第21回 | 46,099人 | 13,436人 | 29.1% |
| 第22回 | 43,631人 | 11,989人 | 27.5% |
| 第23回 | 43,568人 | 12,255人 | 28.1% |
| 第24回 | 42,882人 | 11,282人 | 26.3% |
| 第25回 | 42,841人 | 8,058人 | 18.8% |
| 第26回 | 45,578人 | 12,540人 | 27.5% |
| 第27回 | 45,187人 | 12,181人 | 27.0% |
| 第28回 | 44,764人 | 11,735人 | 26.2% |
| 第29回 | 45,849人 | 11,828人 | 25.8% |
| 第30回 | 43,937人 | 13,288人 | 30.2% |
| 第31回 | 41,639人 | 12,456人 | 29.9% |
| 第32回 | 39,629人 | 11,612人 | 29.3% |
| 第33回 | 35,287人 | 10,333人 | 29.3% |
| 第34回 | 34,563人 | 10,742人 | 31.1% |
| 第35回 | 36,974人 | 16,338人 | 44.2% |
| 第36回 | 34,539人 | 20,050人 | 58.1% |
| 第37回 | 27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
| 第38回 | 25,430人 | 15,438人 | 60.7% |
出典:厚生労働省 社会福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移(第1〜37回・PDF)、社会福祉振興・試験センター 第38回 合格発表について(PDF)。
この表から読み取れる点は次のとおりです(いずれも表の数字を当サイトが比べたものです)。
- 第1回〜第34回の合格率は17.4%〜31.4%の範囲です。最も低いのは第1回の17.4%で、第25回の18.8%がそれに次ぎます。
- 受験者数が最も多かったのは第21回の46,099人です。第38回の25,430人は、その約55%です。
- 合格者数が最も多かったのは第36回の20,050人です。
- 厚生労働省の資料にある第1〜37回の累計は、受験者1,080,904人・合格者326,607人・合格率30.2%です。
第1〜37回の累計合格率:30.2%(受験者1,080,904人・合格者326,607人)。最終確認日:2026-10-05。出典:厚生労働省 社会福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移。
第35回から合格率が上がった理由は公表されているのか
結論から言うと、センターと厚生労働省の公表資料(本記事で開いたもの)には、合格率が上がった理由の説明はありません。ここでは、公表資料から確認できる事実だけを並べ、推測は推測と書きます。
確認できる事実は次の3つです。
- 試験の形式が変わった:第36回の正答・合格基準の資料は「総得点150点」「18科目群」でした。第37回と第38回は「総得点129点」「6科目群」です。センターの出題基準・合格基準のページには、出題数129問・試験時間225分と書かれ、メニューには「出題基準(予定版・第37回試験から)」の項目があります。
- 合格基準点は、問題の難しさに合わせて補正されている:センターは毎回「総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した」と書いています。
- 基準点の満点に対する割合は、回によって大きく違う:下の表のとおりです。
| 回 | 満点 | 合格基準点 | 満点に占める割合 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第36回 | 150点 | 90点以上 | 60.0% | 58.1% |
| 第37回 | 129点 | 62点以上 | 48.1% | 56.3% |
| 第38回 | 129点 | 50点以上 | 38.8% | 60.7% |
出典:センター 第36回・第37回・第38回 の合格基準及び正答について(PDF)。「満点に占める割合」は当サイトの計算(基準点÷満点)です。
この表は、第38回は第37回より基準点が12点低く、それでも合格率は4.4ポイント高かったことを示しています。センターは基準点を「問題の難易度で補正した」と説明しているため、基準点が低く合格率が高い回を、そのまま「問題が易しかった回」とは読めません。これが「合格率が高い=問題が易しい」と単純には言えない理由の一つです。なお、基準点の決まり方そのものは、関連記事の「合格基準点の決まり方」で詳しく扱っています。
第38回の合格基準点:総得点129点に対し50点以上(全科目を受験した方の基準点)。最終確認日:2026-10-05。出典:社会福祉振興・試験センター 第38回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について。
試験科目の一部免除を受ける方の基準点や、基準点と科目群の条件の詳しい決まり方は、この記事では扱いません。関連記事の社会福祉士の合格点の記事で整理しています。
受験資格ルート別・新卒と既卒の合格率
合格発表資料には、受験資格のルート別に新卒と既卒の受験者数・合格者数・合格率が載っています。区分の名前は資料のとおりです。
| 受験資格ルート | 第36回 新卒 | 第36回 既卒 | 第37回 新卒 | 第37回 既卒 | 第38回 新卒 | 第38回 既卒 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福祉系大学等(福祉系大学等) | 76.8% | 41.7% | 75.2% | 35.8% | 78.4% | 42.2% |
| 福祉系大学等(福祉系短大等+実務経験) | - | 37.8% | - | 36.1% | - | 38.8% |
| 短期養成施設等 | 68.0% | 44.3% | 67.9% | 36.6% | 70.8% | 39.0% |
| 一般養成施設等 | 80.7% | 46.4% | 80.1% | 39.3% | 81.7% | 40.0% |
出典:第36回・第37回・第38回 の合格発表について(センター・PDF)。
ルートごとの受験者数と合格者数を合計して、新卒と既卒に分けた数字は次のとおりです(当サイトの計算で、新卒と既卒を足すと各回の受験者数・合格者数に一致します)。
| 回 | 新卒(受験者→合格者) | 新卒の合格率 | 既卒(受験者→合格者) | 既卒の合格率 | 受験者に占める既卒の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第36回 | 14,837人→11,542人 | 77.8% | 19,702人→8,508人 | 43.2% | 57.0% |
| 第37回 | 13,502人→10,333人 | 76.5% | 14,114人→5,228人 | 37.0% | 51.1% |
| 第38回 | 13,150人→10,410人 | 79.2% | 12,280人→5,028人 | 40.9% | 48.3% |
読み取れることは次のとおりです。
- 3回とも、新卒は75%を超え、既卒は50%未満です。新卒と既卒の差は、第38回で38.3ポイントです。
- 全体の合格率(60.7%など)は、新卒と既卒の人数の比率にも左右されます。受験者に占める既卒の割合は、第36回の57.0%から第38回の48.3%に下がっています。
- 新卒と既卒の差が生まれる理由は、公表資料に書かれていません。ここから先は推測になるため、断定しません。
ルートの違い(どの学歴・実務経験・養成施設で受験資格が得られるか)は、センターの 受験資格(資格取得ルート図) で確認できます。受験資格そのものは 社会福祉士及び介護福祉士法第7条 に定められています。
難易度を数字で見る:合格率のほかに確認したい3つの数字
「難しい/簡単」は人によって感じ方が違います。公表されているもの、または集計できるものに絞ると、次の3つが手がかりになります。
- 合格率と受験者の構成:上の表のとおり、新卒と既卒で合格率は大きく違います。自分がどちらに当たるかで、見るべき数字が変わります。
- 合格基準点の満点に対する割合:第36回は60.0%、第37回は48.1%、第38回は38.8%でした。基準点が低い回は、センターが「問題の難易度で補正した」回です。
- 科目群のすべてで得点が必要:合格するには総得点が基準点以上であることに加えて、6つの科目群のすべてで得点があることが条件です(第38回の合格基準・センターの合格基準ページ)。得意科目で稼いでも、ある科目群が0点だと不合格になります。
さらに、当サイトが収録しているセンター公表の問題を集計すると、出題形式の変化が見えます。
合格ナビに収録している社会福祉士の問題(第36〜38回の408問)のうち、正答が2つの問題は、第36回が150問中20問(13.3%)、第37回が129問中32問(24.8%)、第38回が129問中48問(37.2%)です。事例文のついた問題は、第36回が37問、第37回が48問、第38回が49問です(2026-10-05集計。正答が2つの問題数は、センターの正答表でも同じ数です)。
この数字は「形式が変わった」ことを示すだけで、合格率の変化の原因かどうかは分かりません。ただし、2つの正答を選ぶ問題と事例問題は、全部を正解するための考え方が1問ごとに違うため、解き方に慣れておく価値があります。形式の例として、次の問題を開いてみてください(問題文はリンク先でそのまま読めます)。
- 第36回 問題30(現代社会と福祉・正答が2つ)
- 第37回 問題4(医学概論・正答が2つ)
- 第38回 問題22(社会福祉の原理と政策・正答が2つ)
- 第36回 問題40(地域福祉の理論と方法・事例・正答が2つ)
- 第37回 問題49(地域福祉と包括的支援体制・事例・正答が2つ)
- 第38回 問題47(地域福祉と包括的支援体制・事例・正答が2つ)
「合格率が低い」と言われてきた理由は何か
第34回までの合格率が30%前後だったことは、上の全回の表で確認できます。では「なぜ低かったのか」は、公表資料から何が言えるのでしょうか。
- 言えること:第36〜38回の内訳では、既卒の合格率が新卒より大きく低い(第38回で40.9%と79.2%)。そして既卒は、第36回で受験者の約57%を占めていました。全体の合格率は、この2つの組み合わせで決まります。
- 言えないこと:第1〜34回の新卒・既卒の内訳は、本記事で開いた資料にはありません。そのため、「30%前後の時代も同じ構造だった」とは書けません。
- 推測にとどまること:受験者に社会人が多いこと、学習時間の確保が難しいことなどはよく言われますが、センターや厚生労働省の資料には根拠となる数字がありません。本記事では理由として扱いません。
また、合格者の年齢別は合格発表資料にあります。第38回の合格者15,438人のうち、30歳以下は7,273人(47.1%)、31〜40歳は2,389人(15.5%)、41〜50歳は3,098人(20.1%)、51〜60歳は2,098人(13.6%)、61歳以上は580人(3.8%)です。これは合格者の内訳であり、受験者の年齢別の合格率ではない点に注意してください。
学校別・都道府県別の合格率は公表されているか
「社会福祉士 合格率 大学別」で検索する人は多いですが、第36〜38回のセンターの合格発表資料(2026-10-05 時点)には、学校別の合格率の表はありません。都道府県別の表は合格者数だけで、注記に「合格者の受験時の住所による」とあります。受験者数がないため、都道府県別の合格率は計算できません。
学校が自校の合格率を公表している場合もありますが、集計の対象(新卒のみか、全受験者か)や定義は学校ごとに違います。本記事は学校名の比較や順位づけをしません。受験資格ルートによる差は、前の節の表で確認してください。
よくある疑問への答え:独学・他資格との比較・収入
独学で受験できますか。 勉強の仕方としては独学を選べますが、受験するには受験資格が必要です。福祉系の大学や養成施設の修了、相談援助の実務経験などのルートがあり、ルート図はセンターのページで確認できます。学習計画の立て方は、関連記事の勉強法の記事を参照してください。
宅建など他の資格とどちらが難しいですか。 試験の仕組み(出題数・受験資格・合格基準の決め方)が違うため、合格率の数字を並べて比べることはおすすめしません。本記事では他の資格の数字を扱いません。
収入はどれくらいですか。 収入や求人の数字は、一次資料で確認できる範囲を超えるため、本記事では扱いません。
数字の使い方と次にやること
最後に、数字をどう受験の準備に使うかをまとめます。
- 合格率は、直近の回の数字(第38回の60.7%)と、全体の範囲(第1〜34回は17.4〜31.4%)の両方を見てください。直近の数字だけで「楽になった」と決めると、基準点の補正を見落とします。
- 自分が新卒か既卒かで、見るべき合格率が変わります。
- 6つの科目群のすべてで得点が要るため、苦手な科目群を早めに見つけることが大切です。
- 回ごとの出題の特徴(正答が2つの問題・事例問題の割合)は、問題を解いて確かめられます。
受験資格と試験の全体像は、関連記事の「受験資格」の記事にまとめています。
出典の一覧:センター 過去の試験問題・合格発表、センター 合格基準、厚生労働省 受験者・合格者・合格率の推移。数字は2026-10-05 時点のものです。
よくある質問
Q合格率が60%前後なら、今は合格しやすい試験になったのですか?
合格率だけでは判断できません。第38回は合格率60.7%でしたが、同じ回の合格基準点は129点満点中50点で、第37回の62点より低く設定されています。センターは基準を「総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した」と説明しており、合格率と基準点を一緒に見る必要があります。
Q新卒と既卒でどれくらい合格率が違いますか?
センターの合格発表資料の内訳を合計すると、第38回の新卒は受験者13,150人のうち合格者10,410人(79.2%)、既卒は12,280人のうち5,028人(40.9%)です(合計は当サイトの計算)。第36回・第37回も新卒が70%台後半、既卒が40%前後以下で、差は3回続けて大きく開いています。
Q学校別や都道府県別の合格率はどこで見られますか?
第36〜38回のセンターの合格発表資料には、受験資格別(ルート別)・年齢別・都道府県別の合格者数はありますが、学校別の合格率は載っていません。都道府県別は合格者数のみで、受験者数がないため率は出せません。各学校が自校の数字を公表している場合は、集計の対象や定義が学校ごとに違う点に注意してください。
Q「2つ選びなさい」の問題は増えていますか?
センターが公表した正答表を当サイトの問題データで集計すると、正答が2つの問題は第36回が150問中20問、第37回が129問中32問、第38回が129問中48問です(2026-10-05集計)。出題形式の変化を示す数字ですが、合格率の変化の原因かどうかは公表資料からは分かりません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月5日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

