問題
事例を読んで,次の記述のうち,A自治体職員の対応として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aは,住民に対するニーズ調査から災害時の福祉支援の必要性が浮き彫りになったことから,災害時の福祉支援体制を強化するために,従来,バラバラであった周辺の自治体との連携の強化を含め,現在の重層的支援体制整備事業の実施体制を見直すこととした。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題47
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 3
1:災害対策の会議と重層的支援会議の顔ぶれが重なっているなら、時間を分けて同じ日に開くのは、関係者の負担を減らす現実的で適切な工夫です。
3:社会福祉法に基づく「支援会議」は、本人の同意が得られていない段階でも、関係者が情報を共有できる会議です(会議の参加者には守秘義務がかかります)。災害に備え、支援の必要性が高いケースを速やかに話し合えるよう随時開催とすることは適切です。
覚え方:支援会議=「本人同意なしで情報共有OK・守秘義務あり」、重層的支援会議=「本人同意が前提」。
正解は 1 と 3
1 適切。メンバーが重なる会議を同日に時間を分けて行うことは、関係機関の負担を減らし、連携を取りやすくする運営上の工夫として適切。
3 適切。社会福祉法106条の6の支援会議は、構成員に守秘義務を課すことで、本人の同意がなくても情報交換・支援の検討ができる。随時の開催も可能であり、災害時に支援が必要なケースを速やかに検討する運用は適切。
2 不適切。アウトリーチ等を通じた継続的支援事業は、支援が届いていない人に平時から継続的に関わる事業であり、発災時だけに実施する仕組みに変えるのは事業の趣旨に反する。
4 不適切。重層的支援体制整備事業実施計画は、地域福祉計画などと調和を保つ計画であり、各種福祉計画の上位計画ではない。地域防災計画の内容を取り込むものでもない。
5 不適切。重層的支援体制整備事業の実施主体は市町村であり(社会福祉法106条の4)、広域連合に変更するものではない。
正解は 1 と 3
【重層的支援体制整備事業の仕組み】
社会福祉法106条の4は、市町村が、①包括的相談支援事業、②参加支援事業、③地域づくり事業、④アウトリーチ等を通じた継続的支援事業、⑤多機関協働事業、⑥支援プランの作成などを一体的に行う重層的支援体制整備事業を実施できると定める(手挙げ方式の任意事業)。介護、障害、子ども、生活困窮の各分野の相談・地域づくりの事業を一体として実施し、財政支援も一体的に行う点が特徴である。
【2つの会議の違い】
・支援会議(社会福祉法106条の6):市町村が組織できる。支援関係機関等で構成し、重層的支援体制整備事業の円滑な実施に必要な情報交換と支援体制の検討を行う。構成員に守秘義務(同条6項)が課されるため、本人の同意が得られていないケースについても情報共有ができる。会議の組織・運営は支援会議が定める(同条7項)。
・重層的支援会議:多機関協働事業の中で、支援プランの適切性の協議、支援終結の判断、社会資源の検討などを行う会議。本人の同意を得たケースを扱うことが前提とされる。
選択肢3は、支援会議を随時開催とし、本人同意なしでも情報共有を行うもので、法の趣旨に合う。選択肢1は、会議の目的や性質を混同せず時間で切り分けたうえで、同じメンバーの負担を減らす工夫である。
【誤りの選択肢の掘り下げ】
2 アウトリーチ等を通じた継続的支援事業は、長期にわたりひきこもりの状態にある人など、自ら支援につながることが難しい人に対し、訪問などを通じて時間をかけて関係をつくる事業である。災害時の支援強化は必要だが、平時の継続的な関わりをやめて発災時のみの実施にするのは本末転倒で、むしろ平時の関係づくりが災害時の支援を支える。
4 社会福祉法106条の5は、重層的支援体制整備事業を実施する市町村が実施計画を策定するよう努めることとし、その際は地域福祉計画などと調和が保たれたものとするよう求めている。福祉分野の上位計画と位置づけられるのは地域福祉計画(107条)であり、実施計画が各種福祉計画の上位に立つわけではない。地域防災計画は災害対策基本法に基づく計画で、福祉計画とは連携・整合を図るものである。
5 事業の実施主体は市町村であり、事業の一部を委託することはできるが、主体そのものを広域連合に変えるという仕組みは定められていない。広域連携は、周辺自治体との協定や災害時の相互応援などで図ることになる。
【災害と福祉の関連論点】
災害対策基本法では、市町村長が避難行動要支援者名簿を作成し(義務)、個別避難計画の作成は努力義務とされている。災害時の福祉支援では、都道府県などが組織する災害派遣福祉チーム(DWAT)が避難所などで活動しており、平時の重層的支援の関係づくりが災害時の支援の土台になる。
- 社会福祉法第106条の6・第106条の4・第106条の5e-Govで原文を読む
- 災害対策基本法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題47です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

