問題
事例を読んで,多文化共生ソーシャルワークの実践を進めるためにAコミュニティソーシャルワーカー(社会福祉士)が日本における外国人を取り巻く制度や動向について調べたことのうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 B国出身のCさん(23 歳,男性)は,農業関係の第1 号技能実習生として半年前から日本で働いている。ある時,D市社会福祉協議会のフードパントリーにCさんが食べ物をもらいたいと来所し,Aが話を聴いたところ,今までの時間外労働の賃金が支払われておらず,困っているということだった。Aは,Cさんの了解を得て労働局の総合労働相談窓口に同行して支援を行うとともに,多文化共生に向けたソーシャルワーク実践として,地域住民が技能実習生を取り巻く制度や動向について知ることができる勉強会を開催することとし,調査した。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題46
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
技能実習制度は、2024年(令和6年)の法改正によって廃止され、新たに「育成就労制度」へ移ることが決まっています。技能実習が「途上国への技能移転による国際貢献」を目的としていたのに対し、育成就労は「人手不足分野での人材の育成と確保」を目的とし、一定の条件の下で本人の希望による転籍(職場を変えること)も認められます。
覚え方:「技能実習 → 育成就労(人材育成・確保が目的)」。
なお、技能実習生も労働者なので、労働基準法などの労働関係法令が適用されます。
正解は 5
2024年に成立した改正法により、技能実習制度は廃止され、人材の育成と確保を目的とする育成就労制度へ移行することになっている。
1 誤り。厚生労働省が公表した実習実施者への監督指導の結果では、主な違反事項の最多は賃金の支払ではない。設問はその順位を問うている。
2 誤り。技能実習生は実習実施者と雇用契約を結ぶ労働者であり、第1号を含めて労働基準法が適用される。
3 誤り。技能実習生の国籍別構成で最も多い国籍はインドネシアではない。
4 誤り。特定技能の外国人は、同じ分野の中であれば、所属機関との契約を解除して別の機関と雇用契約を結ぶ(転職する)ことができる。
ポイント:外国人労働者の制度は、技能実習(国際貢献が目的・転籍は原則不可)、特定技能(人手不足分野の即戦力・同一分野内で転職可)、育成就労(技能実習に代わる新制度・人材育成と確保が目的)の違いを押さえる。どの在留資格でも、雇用されて働く以上は労働基準法などの労働関係法令が日本人と同じく適用される。
正解は 5
【育成就労制度への移行】
技能実習制度は、開発途上地域への技能等の移転を通じた国際協力を目的としていたが、実際には人手不足を補う労働力として使われているとの批判、転籍が原則できないことによる人権侵害(賃金不払い、長時間労働、失踪)などの問題が指摘されてきた。政府の有識者会議の最終報告を受け、2024年に出入国管理及び難民認定法と技能実習法の改正法が成立し、技能実習は廃止され、「育成就労」の在留資格による新制度が設けられることになった。育成就労は、原則3年間で特定技能1号の水準の人材を育てることを目的とし、一定の要件(同一業務区分、就労期間、技能・日本語能力など)を満たせば本人の意向による転籍も可能とされる。監理団体は「監理支援機関」に、外国人技能実習機構は「外国人育成就労機構」に改められる。
【誤りの選択肢の掘り下げ】
1 厚生労働省は毎年、技能実習生の実習実施者に対する監督指導・送検等の状況を公表しており、違反事項の内訳も示されている。事例のような賃金不払いは重大な問題であるが、選択肢の「最も多かった」という点が誤り。
2 技能実習生は、入国後の講習期間を除き、実習実施者と雇用関係にある労働者であり、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法などが日本人と同じく適用される。事例でAが労働局の総合労働相談窓口に同行したのは、時間外労働の割増賃金の未払いが労働基準法違反にあたるおそれがあるからである。
3 技能実習生の国籍別構成で首位はインドネシアではない。国籍別の構成は年によって変わるため、出題された年度の公表統計で順位を確認する。
4 特定技能は、人手不足分野で一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れる在留資格で、2019年に創設された。特定技能1号は通算5年まで、2号は更新に上限がなく家族の帯同も認められる。転職は同一の特定産業分野内(または試験等で技能水準が確認された分野)で可能であり、技能実習との大きな違いである。
【ソーシャルワークの視点】
多文化共生ソーシャルワークでは、在留資格によって利用できる制度や就労の制限が異なることを理解したうえで、労働相談、外国人技能実習機構の母国語相談、国際交流協会、日本語教室など、地域の資源につなぐことが求められる。事例のように、住民向けの勉強会で制度の理解を広げることは、地域の偏見を減らし、外国人住民の孤立を防ぐ働きかけになる。
- 労働基準法e-Govで原文を読む
- 最低賃金法e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法e-Govで原文を読む
- 労働者災害補償保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題46です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

