問題
障害者福祉の理念などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題52
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 です。
ニィリエは、知的障害のある人にも「ふつうの暮らしのリズム」を保障しようと考え、ノーマライゼーションの8つの原則を示しました。1日・1週間・1年のノーマルなリズム、人生の段階に合った経験、本人の意思の尊重、異性との関係、経済水準、住環境などが含まれます。
ほかの選択肢は人物と業績の組み合わせが入れ替わっています。PASS を開発したのはヴォルフェンスベルガー、デンマークの法律づくりに関わったのはバンク-ミケルセン、自立生活運動のリーダーはロバーツです。ソロモンはエンパワメントの考え方で知られる人物です。
なぜこれが正解か
正解は 3。ニィリエ(スウェーデン)はノーマライゼーションを具体化し、知的障害のある人の生活条件を社会の一般的な生活条件に近づけるための8つの原則(一日・一週間・一年のノーマルなリズム、ライフサイクルに応じた経験、自己決定の尊重、男女両性のいる世界での暮らし、ノーマルな経済水準、ノーマルな住環境)を示した。
各選択肢の解説
- 1(誤り)「PASS」(サービス評価の手法)を開発したのはヴォルフェンスベルガーである。バンク-ミケルセンではない。
- 2(誤り)デンマークでノーマライゼーションの理念を盛り込んだ知的障害者福祉の法律の制定に尽力したのはバンク-ミケルセンである。ヴォルフェンスベルガーは北米で理念を発展させた人物。
- 4(誤り)カリフォルニアの自立生活運動のリーダーはロバーツである。ソロモンは、抑圧された人々へのエンパワメントの概念をソーシャルワークに提示した人物として知られる。
- 5(誤り)ピープルファーストは知的障害のある当事者によるセルフアドボカシー団体で、ロバーツの業績ではない。ロバーツは身体障害のある当事者として自立生活運動を牽引した。
正解の位置づけ
正解は 3。ノーマライゼーションの系譜は「北欧で生まれ、北米で理論化・評価手法化された」と整理すると覚えやすい。
- バンク-ミケルセン(デンマーク):知的障害のある人の親の会の運動を受け、障害のある人に「できる限りノーマルに近い生活」を保障するという理念を法律に盛り込むことに尽力した。「ノーマライゼーションの父」と呼ばれる。
- ニィリエ(スウェーデン):理念を「生活のリズムや条件」という具体的な原則に落とし込み、8つの原則を示した。施設での画一的な日課への批判が背景にある。
- ヴォルフェンスベルガー(北米):理念を北米に広め、サービスの質を評価する手法(PASS、のちに PASSING)を開発した。さらに、価値を引き下げられた人々の社会的役割を高めることを目指す「ソーシャル・ロール・バロリゼーション(社会的役割の価値付与)」を提唱した。
誤りの選択肢の論点
- 4 ソロモン:黒人コミュニティへの支援を通じて、社会的に否定的な評価を受けてきた集団が力を奪われる過程(パワーレスネス)と、その回復としてのエンパワメントを論じた。障害者運動のリーダーではない。
- 4・5 ロバーツ:重度の身体障害がありながら大学で学び、障害のある学生の自立を支える活動から自立生活センターの設立につながった。自立生活運動は「自己決定できる限り、身辺介助を受けていても自立している」という自立観の転換をもたらした。
- 5 ピープルファースト:知的障害のある本人が「障害者である前に人間として扱ってほしい」と訴えるセルフアドボカシー(自己権利擁護)の団体で、日本でも当事者の会が活動している。
関連して出る論点
- 自立生活運動の自立観(自己決定の重視)と、ノーマライゼーション(生活条件の平準化)は、ともに障害者福祉の理念だが出自が異なる。
- インクルージョン(地域社会への包摂)、ソーシャル・インクルージョン、リハビリテーション(全人間的復権)など、理念の用語と提唱の文脈をセットで押さえる。
- 人物問題は「人物-国-キーワード」の三点で入れ替えが作られるため、3人のノーマライゼーション論者は国とキーワードを一体で覚えるとよい。
- 知的障害者福祉法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題52です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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