社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題60刑事司法と福祉

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・刑事司法と福祉

事例を読んで,更生保護法におけるAさんの生活環境の調整に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 刑務所で受刑中であるAさん(80 歳)は,生活環境の調整が進められており,釈放後は引受人の長男のもとに帰住することが決まっているが,認知症が進み介護が必要な状態になりつつある。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題60

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3 です。

刑務所にいる人が出所後スムーズに暮らせるよう、帰る先の住まいや仕事などを整えておくことを「生活環境の調整」といい、保護観察所が担当します。Aさんは高齢で認知症が進み、介護が必要になりつつあるため、出所後すぐに福祉サービスにつなぐ必要があります。そこで保護観察所が、帰住予定地の地域生活定着支援センターに福祉サービスの調整を依頼することができます。

生活環境の調整は保護観察官と保護司が行い、社会復帰調整官(医療観察制度の担当)ではありません。Aさんは長男という帰住先があるので、帰住先のない人を対象にする「特別調整」には当たりません。

なぜこれが正解か

正解は 3。更生保護法第82条により、保護観察所の長は刑事施設に収容されている者について、釈放後の住居、就業先その他の生活環境の調整を行う。高齢や障害で福祉的支援が必要な人については、帰住予定地を管轄する保護観察所が、地域生活定着支援センターに福祉サービス等の利用に向けた調整への協力を依頼できる。

各選択肢の解説

  • 1(誤り)生活環境の調整は保護観察官または保護司が行う(第84条による第61条第1項の準用)。社会復帰調整官は医療観察制度の対象者を担当する職員である。
  • 2(誤り)特別調整は、高齢または障害により福祉的支援が必要で、かつ釈放後の住居がないなどの要件を満たす人が対象である。Aさんは長男のもとへの帰住が決まっており、対象にならない。
  • 4(誤り)第84条により第61条第1項が準用され、生活環境の調整は保護観察官または保護司をして行わせる。保護司が担当することは通常である。
  • 5(誤り)生活環境の調整の結果は、仮釈放の審理を行う地方更生保護委員会や刑事施設に通知される。地方検察庁に通知する仕組みではない。

根拠条文と制度の位置づけ

正解は 3。生活環境の調整は、更生保護法第82条に基づく収容中の者への措置で、目的は「社会復帰を円滑にする」こと。保護観察所の長が、家族その他の関係人を訪問して協力を求めるなどの方法で、釈放後の住居・就業先などを整える。地方更生保護委員会は、調整が有効かつ適切に行われるよう保護観察所に指導・助言を行い、複数の保護観察所が関わる場合の連絡調整も担う(同条第2項)。調整の結果は仮釈放審理の重要な判断材料になる。

実施者は、第84条が第61条第1項を準用することにより、保護観察官又は保護司である。実務では、地域の事情に通じた保護司が引受人宅を訪問し、保護観察官がこれを指導する形が多い。

特別調整と一般調整

  • 特別調整:高齢(おおむね65歳以上)または障害があり、かつ釈放後の住居がないなど、福祉サービス等を受ける必要がある人について、本人の同意を得て、保護観察所が地域生活定着支援センターに協力を求め、帰住先の確保や福祉サービスの申請支援を行う。
  • 特別調整以外の調整:帰住先はあっても、介護や福祉サービスの導入が必要な人について、保護観察所が地域生活定着支援センターに福祉サービス等の調整への協力を依頼することができる。Aさんはこちらに当たる。帰住先がある以上「特別調整の対象者」とまではいえない点が選択肢2の論点である。

誤りの選択肢の掘り下げ

  • 1 社会復帰調整官:医療観察法第20条により保護観察所に置かれ、精神保健福祉士などの専門職が任用される。医療観察制度の対象者の生活環境の調査・調整や精神保健観察を担う。名称が似ているため「生活環境の調整」と結びつける誤りが作られる。
  • 5:調整の状況は刑事施設や地方更生保護委員会と共有され、仮釈放審理や釈放時の引き継ぎに活用される。検察庁は捜査・公訴を担う機関で、生活環境の調整の通知先ではない。

関連して出る論点

  • 地域生活定着支援センターは、矯正施設退所者の福祉的支援を担う機関で、入所中からの「コーディネート業務」、退所後の「フォローアップ業務」、本人や関係者からの「相談支援業務」を行う。
  • 保護観察付執行猶予の判決確定前の生活環境の調整(更生保護法第83条)は、本人の同意を得て行うことができる。
  • 高齢受刑者の増加を背景に、刑事司法と福祉の連携(いわゆる「出口支援」)と、起訴前・公判段階の「入口支援」の区別も問われる。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題60です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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