社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題66ソーシャルワークの基盤と専門職

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職

事例を読んで,次のうち,B現業員(社会福祉士)の発言の背景にある理論を提唱した人物として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 福祉事務所で生活保護担当のA現業員(社会福祉士)は,保護受給中のCさん(35歳)の就職活動をどう進めればよいか悩んでいる。うつ状態で半年前に退職し療養中だったが,今回の受診で主治医から軽労働可の診断が出た。「本人も速やかに再就職して経済的に自立したいと言っている」と先輩のBに相談した。Bは「福祉事務所の役割や生活保護の趣旨と制度の活用をCさんと共有し,Cさんが援助過程の各段階を意識しながら,仕事,収入,人間関係,療養といった問題への取り組み方を,Cさん自身が徐々に決めることができるよう働きかけてはどうか」と助言した。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題66

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 です。

B現業員の助言には、①福祉事務所という「機関の役割」や制度の趣旨を本人と共有する、②援助の過程の「段階」を本人が意識する、③本人が自分で少しずつ決めていく、という特徴があります。これは、スモーリーらが体系化した「機能主義(機能的アプローチ)」の考え方です。機能主義では、援助者は所属機関の機能を活かし、時間の流れ(開始・中間・終結の局面)を意識しながら、本人の意志の力が発揮されるよう関わります。

ハーンはシステム理論、シポリンは生態学的な視点を取り入れた実践理論、ヤングハズバンドはイギリスのソーシャルワーク教育、ゴールドシュタインは統合的なアプローチで知られます。

なぜこれが正解か

正解は 2。機能主義(機能的アプローチ)は、ランクの意志心理学を基盤とし、タフトやスモーリーらによって発展した。スモーリーはその原理を体系化し、①援助者は所属機関の機能を活用し、クライエントと共有する、②援助過程の時間的局面(開始・中間・終結)を意識的に用いる、③クライエント自身の意志と成長の力を尊重し、本人が選択・決定できるよう関わる、などを示した。Bの助言はこれらにそのまま対応する。

各選択肢の解説

  • 1(不適切)ハーンは、一般システム理論をソーシャルワークに導入した人物として知られる。
  • 3(不適切)シポリンは、人と環境の相互作用に着目し、生態学的な視点を取り入れた実践理論を示した人物として知られる。
  • 4(不適切)ヤングハズバンドは、イギリスにおけるソーシャルワーク教育や専門職養成の発展に寄与した人物として知られる。
  • 5(不適切)ゴールドシュタインは、ソーシャルワークの統合化を論じ、一元的(ユニタリー)アプローチや、認知を重視した人間主義的アプローチで知られる。

機能主義の考え方

正解は 2。機能主義(機能的アプローチ)は、フロイトの精神分析を基盤とする診断主義と対比される立場である。

| | 診断主義 | 機能主義 |

|---|---|---|

| 理論的基盤 | フロイトの精神分析 | ランクの意志心理学 |

| 援助の主体 | 援助者が診断し治療する | クライエントが自ら成長する |

| 重視する点 | 過去の生育歴・パーソナリティの分析 | 現在、機関の機能、時間の局面 |

| 主な論者 | ハミルトン、ホリス | タフト、ロビンソン、スモーリー |

スモーリーが示した原理の要点は、①診断(理解)は援助の過程の中で本人と共に行い、変化していくもの、②援助の局面(開始・中間・終結)の時間を意識的に活用する、③機関の機能を活用することで援助に焦点と方向性を与える、④援助者とクライエントの関係を通じて本人の意志が発揮される、などである。

事例との対応

  • 「福祉事務所の役割や生活保護の趣旨と制度の活用をCさんと共有し」→ 機関の機能の活用と共有。
  • 「援助過程の各段階を意識しながら」→ 時間の局面の活用。
  • 「Cさん自身が徐々に決めることができるよう働きかけ」→ クライエントの意志と成長の力の尊重。

三つの要素がそろっていることが、機能主義、そしてスモーリーを選ぶ決め手になる。

誤りの選択肢の掘り下げ

  • ハーン:一般システム理論の考え方をソーシャルワークの理論構築に用いることを提唱した。のちのシステム論的アプローチ(ピンカスとミナハンの4つのシステムなど)につながる。
  • シポリン:人と状況の全体を視野に入れた実践理論を示し、生態学的な視点の導入にも関わった。生態学的アプローチの代表はジャーメインとギッターマンの「ライフモデル」で、あわせて押さえる。
  • ヤングハズバンド:イギリスでソーシャルワーカーの養成・研修に関する報告をまとめるなど、専門職教育の整備に寄与した。
  • ゴールドシュタイン:ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークを一体として捉える統合化の流れの中で、一元的アプローチを示した。

関連して出る論点

  • 診断主義と機能主義の対立を統合しようとしたのがパールマンの問題解決アプローチ(4つのP:人・問題・場所・過程)である。「場所(機関)」の重視は機能主義からの影響とされる。
  • 機能主義は、援助の「期限」を意識させる点で、課題中心アプローチなどの短期の援助モデルとも比較される。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題66。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題66です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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