問題
次のうち,「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」で事業主への努力義務に定められているものとして,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題69
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 3 です。
「LGBT理解増進法」とも呼ばれるこの法律は、事業主に対して、雇用する労働者の理解を深めるための措置に努めるよう求めています。第10条第2項は、その中身として「情報の提供」「研修の実施」「普及啓発」「就業環境に関する相談体制の整備」などを挙げています。
したがって、2 の相談体制の整備と 3 の研修の実施が正解です。
取組状況の公表(1)、地域住民との連携(4)、他の事業主との連携(5)は、事業主の努力義務としては定められていません。なお、地域住民などの協力を得つつ取り組むことは、学校の設置者についての規定に出てくる言葉です。
なぜこれが正解か
正解は 2 と 3。性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律第10条第2項は「事業主は、その雇用する労働者に対し、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解を深めるための情報の提供、研修の実施、普及啓発、就業環境に関する相談体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする」と定める。
各選択肢の解説
- 1(誤り)取組状況の公表は、この法律の事業主の努力義務に含まれていない。
- 2(適切)第10条第2項の「就業環境に関する相談体制の整備」に当たる。
- 3(適切)第10条第2項の「研修の実施」に当たる。
- 4(誤り)地域住民との連携は事業主の努力義務として規定されていない。「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」という表現は、学校の設置者に関する規定(第6条第2項、第10条第3項)に置かれている。
- 5(誤り)他の事業主との連携も規定されていない。第6条第1項で事業主に求められているのは、国または地方公共団体の施策への協力である。
法律の構造
正解は 2 と 3。この法律(令和5年法律第68号)は、性的指向とジェンダーアイデンティティの多様性についての国民の理解が必ずしも十分でない現状に鑑み、理解の増進に関する施策の推進を目的とする理念法である。罰則や差別を直接禁止する規定は置かれていない。
事業主に関わる規定は二つある。
- 第6条第1項(事業主等の努力):基本理念にのっとり、雇用する労働者の理解の増進に関し、普及啓発、就業環境の整備、相談の機会の確保等を行うことにより理解の増進に自ら努めるとともに、国・地方公共団体の施策に協力するよう努める。
- 第10条第2項(知識の着実な普及等):雇用する労働者に対し、理解を深めるための情報の提供、研修の実施、普及啓発、就業環境に関する相談体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努める。
いずれも「努めるものとする」という努力義務である。
主体ごとの規定の書き分け
| 主体 | 主な規定 |
|---|---|
| 国 | 基本計画の策定、学術研究、知識の普及・相談体制の整備などの施策 |
| 地方公共団体 | 国との連携を図りつつ、地域の実情を踏まえた施策 |
| 事業主 | 労働者への情報提供・研修・普及啓発・相談体制の整備(努力義務)、施策への協力 |
| 学校の設置者 | 家庭・地域住民その他の関係者の協力を得つつ、児童等への教育・啓発、教育環境に関する相談体制の整備(努力義務) |
選択肢4の「地域住民との連携」は学校の設置者の規定の言葉を事業主に移したもの、選択肢1の「公表」は他の法律(女性活躍推進法などの情報公表)の発想を持ち込んだものと考えると、誤りを見抜きやすい。
関連して出る論点
- 第12条は、措置の実施に当たり、性的指向・ジェンダーアイデンティティにかかわらず、全ての国民が安心して生活できることとなるよう留意する旨を定め、政府が運用に必要な指針を策定するとしている。
- 職場のハラスメント対策では、労働施策総合推進法に基づくパワーハラスメント防止の指針で、性的指向・性自認に関する侮辱的な言動や、本人の了解を得ずに暴露すること(アウティング)がパワハラに該当しうる例として示されている。理解増進法の努力義務とは根拠法が異なる点に注意する。
- ソーシャルワークでは、性の多様性を「文化」の一つとして捉え、本人の自己決定とプライバシーを尊重した支援が求められる。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題69です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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