社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題67ソーシャルワークの基盤と専門職

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職

次の記述のうち,多文化ソーシャルワーク(Multicultural Social Work)について著したスー(Sue, D.W.)による言説として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題67

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3 です。

スーは多文化カウンセリング・多文化ソーシャルワークの代表的な論者で、文化を「歴史の中で、人々が、行い、信じ、大切にし、そして享受するために学んだすべてのこと」と幅広く捉えました。文化は国籍や民族だけでなく、人が学び身につけてきた暮らし方や価値観全体を指す、という考え方です。

ほかの選択肢は定義がゆがめられています。文化的コンピテンスは、クライエントの最適な発達を最大限に促す行動をとったり条件をつくったりする力のことで、援助者自身の発達のための教育的能力ではありません。マイクロアグレッションは、日常の何気ない言動に含まれる、少数派の人への否定的なメッセージのことで、突発的な侮蔑行為ではありません。

なぜこれが正解か

正解は 3。スーは、文化を「歴史の中で、人々が、行い、信じ、大切にし、そして享受するために学んだすべてのこと」と広く定義し、援助者とクライエントの双方が文化的な存在であることを前提に、多文化的な実践を論じた。

各選択肢の解説

  • 1(不適切)スーの文化的コンピテンスは、クライエントやクライエント・システムの最適な発達を最大限に促す行動をとり、そのための条件を創出する能力を指す。対象はクライエントであり、援助者自身の発達のための教育的能力ではない。
  • 2(不適切)マイクロアグレッションは、日常的なやりとりの中で、意図の有無にかかわらず、周縁化された集団の人々に向けられる軽視や侮辱のメッセージを指す。「不特定多数への突発的な行為」ではない。
  • 4(不適切)バイカルチュラリズムは、二つの文化の価値観や行動様式を身につけ、状況に応じて行き来できることを指し、社会が人々を拘束することを意味しない。
  • 5(不適切)多人種・多民族の背景をもつ人が、外見などから他者に人種・民族を判別されにくく、所属を問われ続ける状況を指す概念であり、アイデンティティが失われることを意味するものではない。

スーの多文化論の位置づけ

正解は 3。スーは多文化カウンセリングの代表的論者で、その議論はソーシャルワークの文化的コンピテンス論にも大きな影響を与えた。中心にあるのは「援助は文化的に中立ではない」という認識で、援助者が自分自身の文化的背景や偏見に気づき(自己覚知)、クライエントの世界観を理解し、文化的に適切な介入方法を用いることが求められる。

定義ごとの論点

  • 文化(選択肢3):衣食住や言語だけでなく、行動・信念・価値・楽しみ方など、人が歴史の中で学んだすべてを含む広い概念。国籍・民族に限らず、性別、性的指向、障害、年齢、社会階層なども文化的な差異として捉える点が多文化ソーシャルワークの特徴である。
  • 文化的コンピテンス(選択肢1):スーはこれを、クライエントやクライエント・システムの最適な発達を最大限に促すような行動をとる能力、その条件を創出する能力と捉え、①自分自身の価値観や偏見への気づき、②クライエントの世界観の理解、③文化的に適切な介入技法の開発、という要素で説明した。選択肢1は「ソーシャルワーカーの発達」「教育的能力」とすり替えている。
  • マイクロアグレッション(選択肢2):「どこの国の出身?日本語が上手ですね」のように、悪意がなくても相手を「よそ者」扱いする言動などが例として挙げられる。日常的・継続的で、加害側が気づきにくいことが問題の核心である。
  • バイカルチュラリズム(選択肢4):移民の子どもなどが、家庭の文化と社会の主流文化の双方に適応し、場面に応じて切り替えられる状態。同化(主流文化への吸収)とも分離(元の文化だけを保つ)とも異なる、統合的な適応のかたちとして理解される。
  • 人種/民族の曖昧さ(選択肢5):外見などからどの人種・民族に属するかが他者に分かりにくい状態を指し、「何人なのか」と繰り返し問われる経験と結びつけて論じられる。曖昧さそのものがアイデンティティの喪失を意味するわけではない。

関連して出る論点

  • ソーシャルワーク専門職のグローバル定義は「多様性の尊重」を中核となる原理に掲げており、文化的コンピテンスはその実践上の要請として位置づけられる。
  • 文化的謙虚さ(カルチュラル・ヒューミリティ)は、他者の文化を「習得し終える」ことはできないという前提に立ち、学び続ける姿勢を強調する概念で、文化的コンピテンスと対比される。
  • 外国人支援では、通訳の活用、在留資格による制度利用の制約、母語での情報提供などの実務的論点とあわせて問われる。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題67。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題67です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。