社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題63刑事司法と福祉

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・刑事司法と福祉

事例を読んで,次のうち,Aさんが利用できる制度として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(55 歳)は,放火の被害に遭い,ケガはなかったものの自宅が全焼した。 Aさんは,加害者の受刑中の処遇状況を知りたいと考えている。また,加害者の仮釈放の審理が行われる場合には,審理する機関に対して仮釈放に対する自身の考えを伝えたいと思っている。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題63

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。

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答え合わせ

正解は 1・5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 5 です。

被害者等通知制度は、検察庁、刑務所などの刑事施設、地方更生保護委員会、保護観察所が、希望する被害者に対し、加害者の処分結果や刑務所での処遇状況、仮釈放の審理などの情報を知らせる制度です。Aさんの「受刑中の処遇状況を知りたい」という希望にかないます(1)。

意見等聴取制度は、地方更生保護委員会が仮釈放の審理をする際に、被害者の意見や心情を聴く制度です(更生保護法第38条)。Aさんの「仮釈放について自分の考えを伝えたい」という希望にかないます(5)。

検察審査会への申立ては不起訴への不服、被害者参加制度と国選被害者参加弁護士は裁判(公判)段階の制度で、すでに受刑中の段階では使えません。

なぜこれが正解か

正解は 1 と 5。Aさんの希望は、①加害者の受刑中の処遇状況を知ること、②仮釈放の審理で意見を伝えること、の二つである。①には、刑事施設などが処遇状況等を通知する被害者等通知制度、②には、更生保護法第38条に基づき地方更生保護委員会が被害者等から仮釈放に関する意見や被害に関する心情を聴取する意見等聴取制度が対応する。

各選択肢の解説

  • 1(適切)被害者等通知制度により、希望すれば受刑中の処遇状況や釈放予定、仮釈放審理の開始などの通知を受けられる。
  • 2(不適切)検察審査会への審査申立ては、検察官の不起訴処分に不服がある場合の制度で、すでに起訴され受刑している事件には当てはまらない。
  • 3(不適切)国選被害者参加弁護士制度は、被害者参加制度を利用する被害者参加人のために国の費用で弁護士を選定する制度で、公判段階のものである。
  • 4(不適切)被害者参加制度は、一定の事件の被害者等が刑事裁判(公判)に参加して質問や意見陳述を行う制度で、判決確定後の受刑段階では利用できない。
  • 5(適切)意見等聴取制度は、地方更生保護委員会が仮釈放の審理を行う際に、被害者等からの申出に応じて意見等を聴取する制度である。

刑事手続きの段階ごとの被害者支援

正解は 1 と 5。被害者支援の制度は「どの段階で、どの機関が行うか」で整理すると見分けやすい。

| 段階 | 主な制度 |

|---|---|

| 捜査・起訴 | 被害者等通知(処分結果)、検察審査会への審査申立て |

| 公判 | 被害者参加制度、国選被害者参加弁護士、意見陳述、損害賠償命令制度 |

| 受刑・仮釈放 | 被害者等通知(処遇状況・釈放)、意見等聴取制度、心情等伝達制度 |

| 保護観察 | 被害者等通知(保護観察の状況)、心情等伝達制度 |

Aさんの加害者は「受刑中」で、関心は処遇状況と仮釈放審理なので、受刑・仮釈放段階の制度が正解になる。

正解の制度の掘り下げ

  • 被害者等通知制度:検察庁・刑事施設・地方更生保護委員会・保護観察所が連携して運用する。被害者等が希望すると、事件の処分結果、裁判の結果、受刑中の処遇状況、釈放予定時期、仮釈放審理の開始と結果、保護観察中の処遇状況などが通知される。
  • 意見等聴取制度(更生保護法第38条):地方更生保護委員会は、仮釈放の審理に当たり、被害者等から、仮釈放、仮釈放中の保護観察、生活環境の調整に関する意見と被害に関する心情を述べたい旨の申出があったときは、事件の性質などから相当でないと認める場合を除き、聴取するものとする。聴取した意見は、仮釈放を許した場合の保護観察の実施にも引き継がれる(同条第3項)。
  • 関連して、受刑中の加害者に被害者の心情を伝える心情等伝達制度もある。被害者の思いを処遇に活かす仕組みとして、意見等聴取制度と区別して覚えたい。

誤りの選択肢の掘り下げ

  • 2 検察審査会:くじで選ばれた国民で構成し、不起訴処分の当否を審査する。起訴相当の議決が2回なされると強制起訴となる。
  • 4 被害者参加制度:殺人、傷害、過失運転致死傷などの一定の事件について、裁判所の許可を得て公判期日に出席し、証人尋問・被告人質問・弁論としての意見陳述(求刑を含む)ができる。本件の放火(現住建造物等放火)は対象事件に含まれうるが、判決確定後は利用できない。
  • 3 国選被害者参加弁護士:資力が一定基準以下の被害者参加人について、法テラスを通じて国の費用で弁護士が選定される。

関連論点

  • 犯罪被害者等基本法は、被害者等が刑事手続きに適切に関与できるよう国が施策を講ずることを定めている。
  • 犯罪被害給付制度は、故意の犯罪行為による死亡・重傷病・障害の被害者等への国の給付で、Aさんのように負傷がなく財産被害のみの場合は対象にならない。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題63です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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